打上げ中止2017年08月12日 17:04

打上げ中止


みちびき3号機の打ち上げは、中止された。

H2Aが、天候ではなくロケットの不具合で中止されるのは、久々になる。

少なくとも、浮沈子の記憶にはない。

今回は、延期じゃない。

当初、11日だった打ち上げが12日になったのは、確かに延期だ。

その後の発表で12日の打ち上げは中止され、次の打ち上げの予定は発表されていない。

これは、中止というもんだろう。

明日かもしれないし、1年後かも知れない。

今年度中に、4号機まで上げる予定だから、その間のいつかになるだろう。

まったく、どうなってんだか・・・。

まあいい。

ファルコン9のトラブルは大歓迎なんだが、三菱のトラブルには文句を付けるというのは公平ではない。

だが、何もチャレンジングなことはしていないはずなのに・・・。

(<GPS衛星>12日の打ち上げを中止)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170812-00000041-mai-sctch

「推進系統の再点検が必要になったという。」

って、ワケワカ。

204というブロックは、あまり数が出ない(今まで3回だけ)。

(打ち上げ実績)
https://ja.wikipedia.org/wiki/H-IIA%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88#.E6.89.93.E3.81.A1.E4.B8.8A.E3.81.92.E5.AE.9F.E7.B8.BE

「11:H2A204:5S:5.8 t(きく8号):GTO:119億円」

「29:H2A204:4S:4.9 t(Telstar 12 VANTAGE):ロングコーストGTO:非公開
(商業打ち上げのため)」

「32:H2A204:4S:非公開(きらめき2号):GTO:きらめき1号と一括した開発費・打ち上げ費の合計額は約1300億円」

この中で、フェアリングが5mサイズは、2006年の11号機だけだ。

推進系の問題というのは、漠然としている。

打上げ中止になった理由の説明としては、いささか不十分だろう。

浮沈子は知らなかったんだが、この3号機はへんてこな軌道ではなく、正真正銘の静止軌道に投入されるはずだった。

(「みちびき3号機」本日12日の打ち上げ中止 H-IIAロケット35号機)
http://sorae.jp/030201/2017_08_12_rocket.html

「また3号機だけは静止軌道に投入に投入される予定」

明後日からは、ファルコン9の打ち上げが再開され、またまた、忙しくなりそうだ。

ISSへの貨物輸送からの再開だが、8月28日には、謎の衛星X-37Bの打ち上げもある。

24日にはバンデンバーグからの打ち上げもあるしな。

9月にも3回の打ち上げが予定されている。

後半戦に入り、ファルコンヘビーの大爆発(!)までの間に、急ぎの打ち上げは済ませておかなければならない。

どーせ、ぶっ壊される39番発射台は、暫く使えなくなるからな・・・。

(打ち上げ延期のH2A 第1段でヘリウム漏れか? 16日に打ち上げも:追加)
http://www.sankei.com/life/news/170812/lif1708120037-n1.html

「第1段エンジン関連のバルブを開閉するためのヘリウムが漏れた可能性があると発表した。」

「新たな打ち上げ日は17日以降となる見込み。」

「原因の特定や修復が迅速に進めば、16日に打ち上げる可能性もあるという。」

(H-IIAロケット35号機現地取材 - ヘリウム系統の問題により打ち上げは延期、原因究明後の再挑戦へ:追加)
http://news.mynavi.jp/articles/2017/08/13/qzss3_4/

「今回、問題となったのは、第1段に搭載されたヘリウム系統において、通常よりも大きな圧力の低下が見られたこと。」

「最終点検で確認した降下量は0.96MPa/hと、要求値の1.0MPa/hを下回っていたものの、過去の号機の平均は0.58MPa/hで、それよりはかなり大きい。」

「今回は急に増えた。原因としては、ヘリウムの漏洩が考えられ、そのまま打ち上げた場合、フライト中に漏洩量が増加する恐れもある。」

まあ、なんでもいいんですが、ちゃんと直して打ち上げてね。

印象2017年08月12日 20:23

印象


モネの印象の絵は、マルモッタン美術館で見た。

(印象の印象)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/06/14/7343846

もう、3年も前になるのか・・・。

が、そういう話じゃない。

今日は、フィットネスをサボって、ポルシェの入れ替えを行う。

83タルガに乗って、03ボクスターとの入れ替え。

83タルガの印象は、実にハッキリしている。

回して楽しいエンジンと、20世紀の足回り、リアの揺るぎない剛性感と、フロントの頼りなさ・・・。

補強材を入れて、強度を上げているとはいえ、ボディそのものは、薄い鋼鉄の板だ。

空いた下道を流している限りでは問題ないが、サーキットに持ち込んで振り回すと、タイヤのグリップに負けそうになる。

ブリヂストンのS2だが、このボディには十分過ぎる。

乗り替えたボクスターは、さすがに21世紀のクルマだ。

エアコン、パワステ、PASMも付いていて、安心して公道を飛ばすことが出来る。

ダンロップのスポーツタイヤごときには負けない。

帰りは高速使って、速攻で帰ってきたが、そういう使い方が似合う。

合理的で、理詰めで、破たんがない。

スポーツカーだから2座席にしちゃうし、MRにしちゃうし、なんか文句ある?。

ありません・・・。

スムーズに回る6気筒は、自己主張しない。

現代のエンジンだからな。

83タルガの、どうです、この回り方は!、というアピールはない。

エンジンなんて、付いてたっけ?(まさか、それ程では・・・)。

足は良く動くし、バランスはいいし、車線変更にしても、どっこらしょという感じはしない。

すっと回頭し、いつの間にか隣の車線に移っている。

83タルガも、鼻先の軽さは一級だが、深いコーナーになれば、浮沈子の腕ではアンダーステアに終始する。

34年前のクルマに、後輪操舵機能は付いていない。

ボクスターに乗っていて感じるのは、全てが安易であるということに尽きる。

走る・曲がる・止まるはもちろん、屋根を開け(83タルガは、屋根の付け外しが一苦労です)、エアコンを点け(83タルガには、そんなもんありません)、車庫入れし(83タルガには、パワステありません)、冬はシートヒーターつけたり(83タルガも、一応、暖房は効きます)、全てが今風で、容易い。

人間が使う道具としては、優れた性能なのだろう。

心地よく、実利的で、合理的で、理詰めで、分かりやすい。

商品としてはもちろん、工業製品としても優れものだ。

が、しかし、それは印象に残らない・・・。

燃費もそこそこ、排ガスは綺麗で、音も静か。

しかし、そんなことは当たり前だ。

一昨日乗ったS660とどこが違うのか。

まあ、違うけど。

それでも、83タルガの濃い印象とは異なり、淡く薄く儚いものだ。

クルマは自己主張せず、ドライバーの意のままに動こうとする。

ははあ、そういうことかと気づく。

スポーツカーでは、スポーツ走行しないとスポーツカーとしての意義はないわけだ。

乗り易い、カッコイークルマに留まる。

ボクスターは、特に、そういう方向に振ったクルマだから、希薄で自己主張しない仕上がりになっている。

ボディ剛性が滅茶苦茶強いわけでもなく、228馬力のエンジンは、そこそこ速いものの、周りの交通をぶち抜くほどの速さはない。

83タルガは、もう、音からして、自己主張の塊だな。

モデルとしては、チャライ屋根なしのクルマだが、下道をトロトロ走っていても、操作系の重さ、振動、レスポンス、食いつきが半端ない。

乗れるもんなら乗って見ろと言わんばかりだ。

決して不快ではないけど、安楽とは程遠い。

浮沈子の83タルガは、前のオーナーの方が3.2リッターエンジンに換装しており、素のSCではないけど、安楽さを追求したクルマではないだろう。

(930タルガの研究(その11)「続・謎のエンジン」)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/04/10/6774004

まあ、どうでもいいんですが。

S660に乗ってから、初めて03ボクスターに乗ってみた。

同じ素性のクルマだということが分かる。

現代のクルマらしく、それらしく乗れば、キッチリ応えてくれる半面、ちんたら流して乗っても、安楽さは保証されている。

それに騙されて、スポーツ度が足りないとか言ってはいけない。

足りないのは、クルマの方ではなく、ドライバーのスポーツ度なのだ。

ワインディングロードで度胸試しするのではなく、クローズドサーキットに持ち込んで、限界までキッチリ引き出してどうよ?、ということになる。

ちょい乗りの印象では、本性は分からない。

昔のクルマは、ある程度想像ついたが、今のクルマは追い込んでみなければ分からないのだ。

ちょっと、もう一度乗って、03ボクスターの印象でも確認して来ようかな・・・。

印象その22017年08月12日 23:29

印象その2


2003年型の素のボクスターで、深夜の道を走る。

環八から第三京浜(保土ヶ谷折り返し)、玉川通りを環七まで走って戻って来る。

ささやくような、つぶやくような、かすかな唸りをあげてまわる水平対向6気筒のNAエンジンは、このクルマのためには二度と作られることはないのだと思うと、もう、それだけで手放したくなくなる。

いけない、いけない・・・。

この個体なら、きっと大切に乗ってくださる次のオーナーがいるに違いない。

安物のカバーを掛けて、野晒しにするのではなく、屋根付きのガレージに収まって、幸せな時を過ごすことがあるかもしれない。

ガレージハウスに収まって、たまの休暇に訪れるオーナーのお供をして、ワインディングで踊るように走ることが出来るかもしれない。

そういう第二の人生を送らせてやるためにも、このクルマに感情移入しないように努めてきた。

しかし、今夜のドライブは格別だな。

夏の夜の、静かな走り・・・。

もちろん、オープン!。

このクルマの正装である。

第三京浜では、サイドウインドウを上げたが、下道では全開。

エンジンとタイヤとボディの軋み(やや出てます)に耳を澄ませ、巻き込む風とともに走る時間を味わい尽くす。

ダンロップのタイヤは、絶対失敗だったな。

好みにもよるし、コスパは悪くないが、音といい、ドタバタ感といい、このクルマの走りには少々そりが合わない。

マッチングの問題で、タイや固有の話ではないかもしれない。

このタイヤを履きつぶす前に手放そうと決めている。

次の車検の前に、さよならする。

しかし、惜しいな。

この時間を、二度と取り戻すことは出来ない。

ポルシェは、もう、6気筒水冷エンジンをボクスターのために作ることはないのだ。

(軽量化と高性能化を実現した新たなポルシェ「911」用エンジンを、シンガー社とウィリアムズが共同開発)
http://jp.autoblog.com/2017/08/12/singer-01-williams-02-porsche-911-engine-lightweight-services/

「1990年型ポルシェ 911のリアに搭載する4.0リッター空冷式水平対向6気筒エンジンを"再創造"した。」

「このエンジンは最高回転数9,000rpmを超え、最高出力500hpを発揮するとのこと。カーボンファイバー、マグネシウム、チタン、そしてインコネル製のパーツをエンジン内の広範囲に使用」

このエンジンを、ボクスターに積んで欲しいもんだな。

前後を逆にして、多少弄れば、積めないことはないだろう。

21世紀の技術で、空冷ボクスターが走れば、買いたいエンスーは世界中にいるに違いない・・・。

しかし、それは、叶わぬ夢でしかない。

「入念に献身的に開発されたこのアイコン的な空冷式エンジンは、911を愛してやまない現在と未来のオーナーたちにとって非常に有意義なものになるでしょう」

ボクスター/ケイマンは、911のように偶像化されることはない。

それは、現世利益を追求したモデルであり、下克上を許されることのない、永遠の格下である。

まあいい。

浮沈子が初めて乗ったポルシェだ。

そのブレーキに感動し、ブレーキを踏むために加速したクルマだ(アホか?)。

オープンカー(和製英語)は、ロードスター(NBの1600)に乗っていたから初めてではなかったが、電動で開け閉めするのが面白くて、意味もなく動かしたクルマだ(やっぱ、アホか?)。

余り遠出はしていないけど、近所の箱根にはよく行った。

この夏が、最後の夏になるだろう。

夏の夜を、屋根を開け放って走ることは、もうない。

6年余りの年月を、大きなトラブルもなく走り切った。

感謝だな・・・。