ミサイルの次は核実験2017年09月03日 21:12

ミサイルの次は核実験


久しぶりに秋葉原に出かけたら、午後、朝鮮半島北部で地震があり、どうやら北朝鮮が核実験を行った模様だという。

(爆発規模は過去最大70キロトン?「水爆の可能性否定できず」小野寺五典防衛相)
http://www.sankei.com/world/news/170903/wor1709030049-n1.html

「過去の核実験に比べてはるかに大きなものだと認識している。水爆実験だということも否定できない」

「CTBTO(包括的核実験禁止条約機構)が初期値として発表したマグニチュード(M)5・8を基準に推定すれば、今回の核実験の推定出力は約70キロトンになると考えられる」

水爆の開発については、このブログでも取り上げたことがある。

(水素弾)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/12/11/7945072

「国名:原爆実験:水爆実験:期間
・米国:1945:1952:7年
・ソ連:1949:1955:6年
・英国:1952:1957:5年
・仏国:1960:1966:5年
・中国:1964:1967:3年」

北朝鮮の核実験については、纏められたウィキがある。

(北朝鮮の核実験)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%81%AE%E6%A0%B8%E5%AE%9F%E9%A8%93

「北朝鮮の核実験 (2006年10月)
北朝鮮の核実験 (2009年5月)
北朝鮮の核実験 (2013年2月)
北朝鮮の核実験 (2016年1月)
北朝鮮の核実験 (2016年9月)
北朝鮮の核実験 (2017年9月)」

開発のスピードが加速していることが分かる。

核爆発の威力は、実際には100キロトンを超えているだろうな。

これは、米国の核ミサイルに搭載されている弾頭と同程度だ。

(戦後70年で核兵器はここまで威力を増している(インフォグラフィック))
http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/06/biggest-nuclear-bomb-was-three-thousand-times-more-powerful_n_7953404.html

「アメリカ海軍の原子力潜水艦に搭載されているトライデント・ミサイルが運べる核弾頭は、平均で100キロトン前後と言われている。」

北朝鮮は、そういう核弾頭を手にしたということになる。

大きさとかは分からないけどな。

北朝鮮が主張するように、ミサイルに搭載されることになれば、再突入は直ぐには無理でも、高高度爆発による電磁波攻撃は可能となる。

(「水爆弾頭化」誇示=ICBM開発で北朝鮮-電磁パルス攻撃に初言及)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090300114&g=prk

「開発した核弾頭について、電子機器をまひさせる電磁パルス(EMP)攻撃も可能な多機能弾頭と伝えた。北朝鮮がEMP爆弾を開発している可能性は指摘されていたが、当局が公式に認めたのは初めて。」

呑気にブログ書いていられるのも、今のうちだろうな。

まあ、ハッタリという可能性がないでもないが、爆発の威力が、従来の10倍くらいになったことは疑う余地はなく、水爆である可能性も否定できなくなった。

ここまでは、想定の範囲内で、可搬性がある弾頭を開発できたかどうかは議論の余地がある。

今後、何度か地下実験を繰り返して安定した性能を引き出すめどがつけば、再突入試験や、実際の空中核爆発実験も行うかもしれない。

中国やロシアの面子は丸潰れだ。

もう、誰も、お坊ちゃま君の暴走を止めることは出来ない。

行くところまで行くしかないだろう。

このところ、頻繁に米国大統領とコンタクトを取っていた我が国の首相は、外交、経済的手段による核実験の抑止に失敗したことになる。

(トランプ米国大統領との電話会談についての会見)
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201709/03kaiken.html

「今後、日米韓、しっかりと連携しながら、さらには国際社会とともに、緊密に協力して北朝鮮に対する圧力を高め、北朝鮮の政策を変えさせていかなければならない、その点で完全に一致したところであります。」

その数時間後に、水爆実験が行われたわけだからな。

(「挑発抑止へさらに圧力を」 日米首脳が電話協議)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFK03H0S_T00C17A9000000/

「月内にニューヨークで開く国連総会の場で日米首脳会談」

頭の痛い話だ。

せいぜい頑張ってもらわなければならない。

米国大統領の本音が、日韓を切り捨てて、米国第一主義に突っ走ろうとしている中、タイトロープを渡りつつ、ソフトランディングさせるのは困難を極める。

核兵器の廃止、ミサイル開発の凍結は、北朝鮮にとっては国家の存亡にかかわる。

(万景峰、ロシアが入港拒否 制裁影響で使用料払えず…北朝鮮定期航路廃止も)
http://www.sankei.com/world/news/170902/wor1709020014-n1.html

「ロシアの港湾当局が8月下旬、港湾使用料の未払いを理由に、入港拒否を通告したことが2日、分かった。」

象徴的だが、全体に与える影響は軽微だ。

この船を使わなくても、別にルートはいくらでもある。

浮沈子は、実質的な影響はないのではないかと見ている。

日米韓が、いくら制裁のために団結しても、中露が本気で締めあげない限り、効果はない。

そして、おそらく、そんなことは出来ないんだろう。

北朝鮮を切るということは、同盟国を見捨てることだからな。

他国に対しての影響が大きい。

冷戦の後遺症を引きずりながら、大国の思惑に振り回されてきた小国の最後っ屁を食らいながら、始末に困っているに違いない。

さて、どうしたものか。

例によって、直接的な影響評価のみを行い、過小評価を公表し、問題を先送りにするに留まるに違いない。

そうしろということではないけど、米国本土の鼻先で核爆発でも起こさない限り、実は米国自身も動きが取れない(たぶん)。

実力を行使しない限り、北朝鮮の核開発とミサイル開発を阻止できないということが明らかになった時、最悪の事態が起こるだろう。

中国も、ロシアも、既に制御不能の状態なのではないか。

そういった状況下で、我が国は指をくわえて眺めているしかないんだろう。

予定では、来年も核実験が行われることは間違いない(そうなのかあ?)。

弾道ミサイル実験は、我が国を飛び越えて、太平洋に落ちるようになっていく。

中国からの経済支援と、ロシアからの技術支援は続いていくんだろう。

米国が嫌気を差して撤退すれば、儲けもんだからな。

中露は、それを狙っている。

我が国は蚊帳の外だ。

あと数年は、こんな感じか。

そこまで、持つかな・・・。