対岸の火事2017年09月04日 18:36

対岸の火事
対岸の火事


我が国には、北朝鮮に武力進攻しようとする意図はない(たぶん)。

歴史の中で幾度かそうしたことはあったけど、現在はそういう政治的意図はないだろう。

北朝鮮が、核保有国となり、その運搬手段を確保した時、我が国はどうするのか。

米国では、核保有国として認めたうえで、使用させないようにする方策を検討しているという。

(トランプ氏手詰まり感 「対話はうまくいかない」)
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/355808/

「北朝鮮を核保有国として認めた上で、核ミサイルを発射させない対応を考えるべきではないか」

「核抑止の観点から韓国への核再配備の可能性が高まり、東アジア全体の安全保障環境の緊迫化や不安定化を招く」

再配備というところがポイントだな。

かつて、朝鮮半島には、米国が持ち込んだ核兵器があった。

(在韓米軍への核再配備を検討 米NSC、大統領に提案)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H88_Y7A400C1MM8000/

「在韓米軍には約1000発の戦術核兵器を配備していたとされる。91年9月にブッシュ米大統領(父、当時)が戦術核の撤収を表明した。」

この記事では、中国への外交カードとしての再配備について書かれているが、まさか、中国が北朝鮮を自国の核兵器で攻撃するとは考えられないからな。

「中国が我々とともに行動しないのなら、米国は単独で対応する用意がある」

「核兵器の再配備先としては、ソウル南方にある烏山(オサン)空軍基地が候補に挙がっている。」

ちょっと近過ぎるような気もするけどな。

(烏山空軍基地)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%83%8F%E5%B1%B1%E7%A9%BA%E8%BB%8D%E5%9F%BA%E5%9C%B0

「ソウルの南方、約40kmのところの平沢市近郊に所在する。」

もちろん、北朝鮮に対して近いということもあるが、中国に対して近過ぎる。

現在の中国の指導者たちが、この再配備を受け入れるのは困難だろう。

かといって、北朝鮮を言うとおりにさせる力は最早ない。

サードミサイルの配備に対しても、猛反発したわけだしな。

核兵器なんて持ち込もうとしたら、それこそ、大騒ぎするだろう。

我が国は、非核三原則を国是として、一応、建前としては、核兵器の配備を許していない(たぶん)。

まあ、持ち込まれてたかもしれないし、領海や領土、領空の通過はあったかもしれないが、公式に認めたことはない。

唯一の戦争被爆国(核実験による被ばくは、米ソはじめ、世界中であるからな)として、核兵器を自ら保有するという選択肢もない(たぶん?)。

可能性としてあるのは、有事の際の持ち込みを認めるということだ。

平時は、核兵器はないけど、戦時には配備可能にする。

何事もなければ、核兵器はないわけだから、非核三原則に抵触することもない(そうなのかあ?)。

従来から、有事の際の米軍の核兵器の持ち込みは、何かと話題になっている。

(日米核持ち込み問題)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%B1%B3%E6%A0%B8%E6%8C%81%E3%81%A1%E8%BE%BC%E3%81%BF%E5%95%8F%E9%A1%8C#cite_note-17

公式調査も行われたようだしな。

実態としての核持ち込みがあったことは、今では周知となっている。

「第2次安倍内閣発足後の2014年(平成26年)1月31日、首相安倍晋三は衆議院予算委員会で密約について岡田の指摘を受け「政府が否定し続けて来たのは誤りだった」と、密約の存在を正式に認め・・・」

今回は、密約などという怪しいことはせずに、堂々と約束するのではないか。

朝鮮半島非核化を堅持し、北朝鮮に対するにらみを強化し、実質的には何の変更もなく、おそらく費用も掛からない。

まあな、ホワイトマン基地から、直接B-2爆撃機を飛ばせばいいだけだからな。

(B-2 (航空機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/B-2_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)

「配備状況:

・第509爆撃航空団 (509th Bomb Wing)、ホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)
第13爆撃飛行隊 (13th Bomb Squadron)
第393爆撃飛行隊 (393rd Bomb Squadron)
第394戦闘訓練飛行隊 (394th Combat Training Squadron)

・第53航空団 (53rd Wing):エグリン空軍基地(フロリダ州)
第72試験評価飛行隊 (72nd Test and Evaluation Squadron):ホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)

・第57航空団 (57th Wing):ネリス空軍基地(ネバダ州)
第325兵器飛行隊 (325th Weapons Squadron):ホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)」

なんだ、結局、全部ホワイトマン空軍基地なんじゃん!?。

この他にも、一時的に駐機することが出来る格納庫は、グアムのアンダーセンやインド洋のディエゴガルシアにもある。

エアコン完備、塵一つないクリーンな環境なんだそうだ。

そうじゃないと、ステルスできないらしい(未確認)。

だから、戦略的には、別に我が国に核兵器なんて持ち込まなくても、十分対応できるんだろう。

しかし、情況の変化に応じて、今までとは違う何かをやらなければならなくなった時に、我が国への米軍の核兵器の有事持ち込みの話が表面化する可能性はある。

それとも、今後も密約のままで行くんだろうか?。

「国民が「理解し得るかどうか、という中での判断だったのだろう」と答弁」

韓国の状況、我が国の状況、米国の状況など、総合的に判断していかなければならないだろうが、オサン基地への持ち込みよりは、抵抗が少ないのではないか。

もちろん、常時配備ということになれば、別の問題が生じる。

それは、もう、検討の範囲を超えるだろう。

超えるのかあ?。

グアムが狙われるくらいだからな。

我が国に配備されるとしても、どこにあるかは明らかにはされないだろう。

北海道から沖縄まで、どこにあるかは分からない。

対岸の火事が、こちらに飛び火するのは時間の問題かもしれない。