インマルサット打ち上げ受注2017年10月07日 08:18

インマルサット打ち上げ受注


インマルサット衛星の打ち上げをH2Aが取った。

(英インマルサット社の「Inmarsat-6」シリーズ初号機打上げ輸送サービスを受注
海外顧客から5件目、2020年にH-IIAロケットで打上げ)
http://www.mhi.co.jp/news/story/170912.html

「衛星は仏エアバス ディフェンス アンド スペース社が製造中で、2020年にH-IIAロケットで打上げ予定」

浮沈子は、例によって訝しい目でこの記事を読む。

あんな高いロケットに、顧客が付くというのが信じられない・・・。

今回は、カナダの衛星の時のように、何かの試験と絡めてディスカウントするような話は出ていない。

正真正銘、ガチで競争して取ったような感じだ。

ホントかあ?。

(三菱重工、英インマルサットから通信衛星打ち上げを受注 - 2020年にH-IIAで)
http://news.mynavi.jp/articles/2017/09/20/hiia_inmarsat/

「これまで当社が大切にしてきた高い信頼性とオンタイム(定刻)打ち上げの実績、さらにそれを支える技術力が高く評価されたものと理解しています」

まあな、値段じゃないって、三菱自身も認めてるわけだ。

「あえてH-IIAが選ばれたのには、アリアン5やファルコン9の打ち上げ予定が溜まっており、インマルサットが希望する時期の打ち上げが難しかったという事情があった可能性もある。」

「あえて従来とは異なるロケットを使うことで、打ち上げ失敗で衛星を失ったり、飛行停止により打ち上げができなくなるといったリスクを最小限に抑えたい、またH-IIAや三菱重工を"育てる"ことで、打ち上げ手段の選択肢を増やしたり、価格・技術競争によってロケット業界を活性化させたいといった意図もあるのかもしれない。」

鳥嶋さんの分析は、相変わらず冴えてるな。

「新型ロケットH3の開発に見られるように、三菱重工がイノベーションを追求する企業であるのは明らかです。これは我々が当社のパートナーに求めることであり、打ち上げ輸送事業を担う当社パートナーの一員として、三菱重工との長く実りある関係に期待しています」

打上げが予定されている2020年といえば、既にH3は形になっている(たぶん)。

今回の契約は、いわば名刺代わりで、H3での打ち上げこそが、インマルサットの狙うところなのかもしれない。

打ち上げ時期の調整、リスク分散と競争性の確保、打ち上げ業界の育成と、環境要因が複合的に働いたと見るのが正しい(たぶん)。

H3なら、商売できるということなんだろうか?。

種子島の打ち上げ環境を考えれば、楽観的になることは出来ない。

こっちの環境要因も整備していかないとな。

(孤立無援?H3ロケットは2020年ロケット五輪で勝てるか ~ファルコン9炎上、ロケットビジネスの行方(後編)~)
http://sorae.jp/02/2016_09_15_rocket.html

「衛星の輸送体制も問題だ。日本国内で製造された衛星は、種子島南部の島間港に海上輸送される。しかし、外国で製造された衛星を空輸した場合、種子島空港で受け入れることはできない。空港から種子島宇宙センターへ運ぶ道路にトンネルがあるので、特大コンテナは通れないのだ。そこで過去には鹿児島空港を利用した例があるが、内陸の空港からトレーラーで港へ輸送し、そこで船に積み替えるのは手間と時間がかかる。港湾施設を備えた中部国際空港を利用する手もあるが、種子島まで海路の日数がかかる。」

「これらの問題解決を阻んでいるのは縦割り行政だ。H3ロケットの開発を担っているのは文部科学省だが、文部科学省は年間6機のH3ロケット打ち上げに対応可能なようにロケットを開発するのが仕事であって、商業衛星打ち上げへの「サービス施設」充実にまで予算が回らない。商業活動を支援するはずの経済産業省は、この点に口も予算も出さずに静観している。産業活性化のために空港や道路などのインフラを整備するのは国土交通省の仕事だが、「宇宙ロケット打ち上げ産業」は眼中にないようだ。」

やれやれ・・・。

まあいい。

四面楚歌の三菱に、海外から暖かい手が差し伸べられたように感じるのは浮沈子だけだろうか?。

それでも、商業衛星の打ち上げを取ったことは喜ばしい。

打上げ産業自体は、宇宙ビジネスの中では、数パーセントの割合しかないが、それがなければ宇宙ビジネス自体が成り立たないというボトルネックでもある。

それだけに、そこにおける技術革新や産業基盤の育成というのは影響が大きい。

英国みたいに、潔く撤退して、衛星ビジネスに特化して成長を図るというのもある。

打上げにしがみついていこうというなら、それなりの投資は必要だ。

打ち上げロケットを、政治家が名刺代わりにしているようじゃあ先はない。

中小のロケットを打ち上げビジネスに組み込もうという動きは活発だけど、所詮は隙間産業に過ぎない。

静止軌道に大型衛星を打ち上げられてナンボだ。

月開発が再び脚光を浴びる中、地球近傍の宇宙開発は、安定期から競争期に移行しつつある。

淘汰されたくなければ、走り続けるしかない。

2020年代の打ち上げロケットレースに生き残っていられるかどうか。

契約を 取って兜の 緒を締めよ(浮沈子)

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