探査基地 ― 2017年10月19日 02:29
探査基地
ちょっと驚いた記事が出た。
(月の地下に巨大空洞発見=全長50キロ、将来の基地候補地-探査機「かぐや」成果)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017101800811&g=soc
「月の「マリウス丘」と呼ばれる地域の地下に全長50キロに及ぶトンネル状の巨大空洞があるのを発見」
「深さ数十~200メートルの地下に、トンネル状の空洞が長さ約50キロにわたって延びていることが分かった。幅は数十メートルあるとみられる。」
うーん、この記事では、トンネルの高さが不明だ。
元記事にも、明記はされていない。
(月の地下に巨大な空洞を確認:元記事)
http://www.isas.jaxa.jp/topics/001156.html
調べてみると、今回の論文の著者の一人(春山純一)が15年前に発表した記事に当たった(ISASニュースへの掲載は2004年だが、オリジナルは「Viva Origino, Vol. 30, No. 3, p138-143, 2002に掲載」とある)。
(月の天然基地,溶岩チューブ)
http://www.isas.jaxa.jp/j/forefront/2004/haruyama/03.shtml
「月のチューブは,大きいもので横幅数百m,高さ数十mにも及ぶと考えられている。」
今回の発表では、横幅が40mのチューブが紹介されているので、高さについても多少割り引いて考えた方がいいかも知れない。
月以外の他の天体ではどうだろうか?。
(溶岩洞)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%B6%E5%B2%A9%E6%B4%9E
引用されている資料が分かりやすかったな。
(溶岩洞窟 lava tubeの項参照)
http://www.hayakawayukio.jp/edu/syllabus/kazan/05lava.pdf
「玄武岩マグマによる噴火が長期間続くと溶岩洞窟がつくられる.」
「1)両側の溶岩堤防が接着する場合
2)流れてきた表皮が狭い通路に集積してつくられる場合」
「溶岩洞窟の天井が陥没すると、それは天窓 (skylight)とよばれる。」
「天窓の並びによって溶岩洞窟の位置を空から確認することができる。」
写真や図を見ると、床面は溶岩が流れていて、其のまま固まっているので、水平に近い。
つまり、自動車トンネルのように、半円形の断面を持っていると思われる。
流れてきた表皮が天井を形成した場合には、必ずしも円形にはならないだろうけどな。
空洞の高さについては、推測の域を出ないのかもしれない。
2010年2月には、こんな記事も出ている。
(月地下溶岩チューブの天窓)
http://www.isas.jaxa.jp/j/forefront/2010/haruyama/
「我々はついに、月周回衛星「かぐや」カメラデータの中に、月の地下に溶岩チューブが存在する証拠となる縦穴を発見した」
この、春山さんの文章は、なかなか読んでいて楽しい。
「アニメーションの機動戦士ガンダムに出てきた巨大なスペースコロニーを見て、ああした人間の手による新たな生存空間が地球外につくられ、人間の素晴らしい知恵と科学が、人類の可能性をさらに広げていってくれていると思っていた。」
先に挙げた記事は、こんな末尾になっている。
「皆さん,再び月を目指しませんか。」
今回のジャクサの発表を見ると、これらの記事の内容を再評価して、関連の数字を修正したり、他の観測の成果を取り込んだりしているが、ほぼそのままであることが分かる(レーダー観測の成果は大きい)。
米国の宇宙開発の方針が、当面、月オリエンテッドにシフトしてきたことを踏まえて、このタイミングで改めて発表したというのは意識しておいた方がいい。
つまり、学術的云々というよりは、政治的なタイミングなわけだ(そうなのかあ?)。
自前の有人打ち上げロケットを持たず、米国に取り入って、月まで乗せてもらおうという浅ましい発想だな・・・。
まあいい。
月面基地(まあ、地下ですけど)の候補として、この地下空間を使うというのは、なかなか有望だと思う一方、その発見の糸口となった縦穴のことを考えるとなあ・・・。
つまり、隕石で天井ぶち抜かれちまったわけだからな。
そういうこともあるってことなわけだ(確率は低いでしょうけれど)。
放射線や温度変化に対するアドバンテージはあるけどな。
深い穴の中で、いつ、隕石の襲来で天井ぶち抜かれるか分からない中、研究に勤しむ未来の月探検家に拍手だな・・・。
(月探査機「かぐや」、月に巨大な地下空洞を発見 - さらなる探査に期待膨らむ:追加)
http://news.mynavi.jp/articles/2017/10/20/lava_tubes/
(日本の探査機、月の地下に巨大な空洞を発見。いったい何がすごいのか?:追加)
https://hbol.jp/153044
ちょっと驚いた記事が出た。
(月の地下に巨大空洞発見=全長50キロ、将来の基地候補地-探査機「かぐや」成果)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017101800811&g=soc
「月の「マリウス丘」と呼ばれる地域の地下に全長50キロに及ぶトンネル状の巨大空洞があるのを発見」
「深さ数十~200メートルの地下に、トンネル状の空洞が長さ約50キロにわたって延びていることが分かった。幅は数十メートルあるとみられる。」
うーん、この記事では、トンネルの高さが不明だ。
元記事にも、明記はされていない。
(月の地下に巨大な空洞を確認:元記事)
http://www.isas.jaxa.jp/topics/001156.html
調べてみると、今回の論文の著者の一人(春山純一)が15年前に発表した記事に当たった(ISASニュースへの掲載は2004年だが、オリジナルは「Viva Origino, Vol. 30, No. 3, p138-143, 2002に掲載」とある)。
(月の天然基地,溶岩チューブ)
http://www.isas.jaxa.jp/j/forefront/2004/haruyama/03.shtml
「月のチューブは,大きいもので横幅数百m,高さ数十mにも及ぶと考えられている。」
今回の発表では、横幅が40mのチューブが紹介されているので、高さについても多少割り引いて考えた方がいいかも知れない。
月以外の他の天体ではどうだろうか?。
(溶岩洞)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%B6%E5%B2%A9%E6%B4%9E
引用されている資料が分かりやすかったな。
(溶岩洞窟 lava tubeの項参照)
http://www.hayakawayukio.jp/edu/syllabus/kazan/05lava.pdf
「玄武岩マグマによる噴火が長期間続くと溶岩洞窟がつくられる.」
「1)両側の溶岩堤防が接着する場合
2)流れてきた表皮が狭い通路に集積してつくられる場合」
「溶岩洞窟の天井が陥没すると、それは天窓 (skylight)とよばれる。」
「天窓の並びによって溶岩洞窟の位置を空から確認することができる。」
写真や図を見ると、床面は溶岩が流れていて、其のまま固まっているので、水平に近い。
つまり、自動車トンネルのように、半円形の断面を持っていると思われる。
流れてきた表皮が天井を形成した場合には、必ずしも円形にはならないだろうけどな。
空洞の高さについては、推測の域を出ないのかもしれない。
2010年2月には、こんな記事も出ている。
(月地下溶岩チューブの天窓)
http://www.isas.jaxa.jp/j/forefront/2010/haruyama/
「我々はついに、月周回衛星「かぐや」カメラデータの中に、月の地下に溶岩チューブが存在する証拠となる縦穴を発見した」
この、春山さんの文章は、なかなか読んでいて楽しい。
「アニメーションの機動戦士ガンダムに出てきた巨大なスペースコロニーを見て、ああした人間の手による新たな生存空間が地球外につくられ、人間の素晴らしい知恵と科学が、人類の可能性をさらに広げていってくれていると思っていた。」
先に挙げた記事は、こんな末尾になっている。
「皆さん,再び月を目指しませんか。」
今回のジャクサの発表を見ると、これらの記事の内容を再評価して、関連の数字を修正したり、他の観測の成果を取り込んだりしているが、ほぼそのままであることが分かる(レーダー観測の成果は大きい)。
米国の宇宙開発の方針が、当面、月オリエンテッドにシフトしてきたことを踏まえて、このタイミングで改めて発表したというのは意識しておいた方がいい。
つまり、学術的云々というよりは、政治的なタイミングなわけだ(そうなのかあ?)。
自前の有人打ち上げロケットを持たず、米国に取り入って、月まで乗せてもらおうという浅ましい発想だな・・・。
まあいい。
月面基地(まあ、地下ですけど)の候補として、この地下空間を使うというのは、なかなか有望だと思う一方、その発見の糸口となった縦穴のことを考えるとなあ・・・。
つまり、隕石で天井ぶち抜かれちまったわけだからな。
そういうこともあるってことなわけだ(確率は低いでしょうけれど)。
放射線や温度変化に対するアドバンテージはあるけどな。
深い穴の中で、いつ、隕石の襲来で天井ぶち抜かれるか分からない中、研究に勤しむ未来の月探検家に拍手だな・・・。
(月探査機「かぐや」、月に巨大な地下空洞を発見 - さらなる探査に期待膨らむ:追加)
http://news.mynavi.jp/articles/2017/10/20/lava_tubes/
(日本の探査機、月の地下に巨大な空洞を発見。いったい何がすごいのか?:追加)
https://hbol.jp/153044
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