大西洋の藻屑2017年12月01日 21:43

大西洋の藻屑
大西洋の藻屑


残念なニュースが2つ。

(アルゼンチン潜水艦不明、乗組員救出を断念 船体捜索は継続へ)
http://www.afpbb.com/articles/-/3153688?cx_position=7

「報道官は、捜索活動は生存者の救出から船体の回収へと「段階が移行した」と説明。」

44人の乗組員と、使い込まれた感のある通常動力潜水艦は、大西洋の藻屑となった。

もう一つは、このブログでも取り上げたソユーズロケットの打ち上げ失敗の件。

(ミイラ取りが・・・)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/11/28/8736548

「ロシアメディアのInterfaxは、ロケット上段の「フレガート」が初期点火の段階で失敗し、ペイロードの人工衛星とともに大西洋に落下したとも報じています。」

少し、詳細な記事が出ていたので引用する。

(Meteor-M 2-1, 18 secondary payloads lost after apparent Fregat-M failure)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/roscosmos/meteor-m-2-1-18-secondary-payloads-lost-apparent-fregat-m-failure/

「“According to preliminary findings, there occurred a technical flaw in the booster’s satellite navigation equipment, which operates on the basis of GLONASS and GPS signals and enhances the Fregat’s accuracy in putting space satellites into the designated orbits,” a source told Tass.」

「The source told Tass that this resulted in the Fregat-M not being oriented properly, and it ultimately re-entered the atmosphere and what remained splashed down in the Atlantic Ocean.」

ここでいうブースターというのは、当然、フレガートの事だ。

グロナスという衛星航法システムは、米国のGPS、欧州のガリレオと同様な、航法衛星コンステレーションのこと。

(GLONASS)
https://ja.wikipedia.org/wiki/GLONASS

ちょっと情報が更新されていないので、英語版の方が分かりやすいかも。

(GLONASS)
https://en.wikipedia.org/wiki/GLONASS

「GPSの代替品であり、世界的なカバレッジと同等の精度で動作する第2のナビゲーションシステムです。」

衛星測位システムについては、こちらが詳しい。

(衛星測位システム)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%9B%E6%98%9F%E6%B8%AC%E4%BD%8D%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0#Compass

この世界は、日進月歩だからな。

ちょっと目を離すと、記事の内容がすっかり過去のものになってしまう。

今回のチョンボは、フレガート上段をどっちに噴射すればいいかという、肝心のアビオニクス機器がコケたということらしい。

運が悪ければ大西洋の藻屑、運が良くても異なる軌道とかいってるが、まあ、大西洋の藻屑に一票だな。

おそらく、早い時点で再突入して燃えてしまったんだろう。

19機の衛星のうち、通信に成功したものは皆無だ(たぶん)。

フレガート上段ロケットのタイプは、今回はフレガート-Mとなっている。

スペックを見ると、MTやSBと同様で、燃料(と酸化剤)の搭載量が異なるだけのようだ。

(Fregat:Versions)
https://en.wikipedia.org/wiki/Fregat#Versions

もう、何十回も打ち上げてる割には、いろんなトラブルを起こしてくれる、期待のホープだな。

推進システム周りのトラブルに泣かされたこともあるが、今のところ、そういう話は出ていないようだ。

中間報告だからな。

まだ、分かんないけどな。

潜水艦と人工衛星。

ほぼ同じ時期に、大西洋の藻屑となったのは、ただの偶然に過ぎない。

片方は、多くの人命が絡んでいる。

何とも言えないな。

スプートニクの記事が、心に響いた。

(アルゼンチン潜水艦乗員に生存のチャンスはある 米海軍)
https://jp.sputniknews.com/incidents/201711304328427/

「アルゼンチンの潜水艦「サンフアン」の乗組員44人は消息を絶って15日が経過したものの、以前として「極限的なサバイバル」のチャンスを有しているとの見方を表した。」

報じているロシアも、僅かのチャンスに賭けている米国も、過去に潜水艦の事故で、多くの人命を失っている。

結果はどうあれ、救出に最善を尽くそうとしている姿勢には、頭が下がる思いだ。

情報を小出しにして、乗組員の家族の反発を招いたアルゼンチン当局の姿勢とは大違いだな。

まあ、軍隊というのは、そういうところだからな。

それは、どこの国でも同じだろう。

人的損耗は、想定の範囲内だ。

それだけ困難な任務を遂行し、リスクも負っている。

ロケットの打ち上げだって、似たようなところはあるしな。

地球の表面の71パーセントを覆う、海の藻屑となる可能性は常にある。

やれやれ・・・。

それにしても、画像を見ると、船底掃除はあまりやってないみたいだな。

艦のメンテナンス上の問題がなかったかどうかが気になる。

設計者の意図道理に動かそうとすれば、それなりのメンテナンスは怠ってはならない。

それでなくても、兵器の場合は、設計者の意図なんて、てんで無視して使われることが当然だしな。

訓練の際には、限界を超えて能力を試し、敢えてダメ出しをして実戦に備えるわけだ。

本番の戦争での、生きるか死ぬかの瀬戸際で、兵器を労わっていたのでは、戦いには勝てない。

どっかの国の駆逐艦のように、民間船に体当たり食らって沈没寸前になるなど、言語道断だな。

しかも、立て続けに、2回も!!。

喝っ!!(←2回)。

まあいい。

第7艦隊は、大西洋に行くことはない。

(第7艦隊 (アメリカ軍))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC7%E8%89%A6%E9%9A%8A_(%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E8%BB%8D)

「国際日付変更線以西の西太平洋・インド洋(中東地域を除く)を担当海域とする」

大西洋の藻屑となる心配だけはない(そういうことかあ?)。

北朝鮮問題に対して、外交による解決に力を注いできたティラーソン国務長官の解任が取りざたされ、いよいよ、日本海がきな臭くなってきたしな。

太平洋の藻屑になる可能性は、十分あるかもな・・・。

PHV対EV2017年12月01日 22:45

PHV対EV
PHV対EV


昨日、近所のトヨタと日産の販売店をハシゴして、プリウスPHVとリーフを試乗した。

前々から乗りたかったが、ちょっと忙しかったりして、機会がなかったしな。

トヨタは、数日前から予約してたが、日産は当日の試乗申し込みで乗った。

まずは、PHVから。

といっても、試乗車はたっぷり充電してあって、エンジンは1回転もしていないから、トヨタ製のEVに乗っただけだな。

タイヤは、ネット上の試乗記ではボロクソに書かれてる17インチではなく、ノーマルの15インチだ。

グレードは、Sに若干のオプションが付いている程度。

試乗した感じは、やはり重さを感じないわけにはいかないが、下道走る試乗コースでは、何の問題もない。

アクセルやブレーキに気を使うこともない。

トランクルーム下にバッテリーをしこたま(120kg)積んでいる関係で、高さのある荷物を積むことは出来ない。

インスピレーションの箱は積めない。

まあ、後席に押し込んじまえばいいだけの話だ。

その後席は2人掛け。

拘る方は拘るところだ。

乗り出し価格で、400万円のクルマだからな(屋根の太陽電池付きで、一応、見積もり出してもらいました)。

そんだけ出すなら、新型のカムリ買った方がいい。

(カムリ試乗)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/08/21/8652801

PHV5年間乗ったら、下取り価格は100万円を切る。

バッテリーは使い物にならないしな。

ひょっとすると、エンジンなんて、回ることはないかもしれない。

カタログ上は、満充電して、60km以上走るそうだ。

話半分として、都内を走り回って、行った先で充電できれば、電気自動車として使うことが出来る。

まあ、実際に買う気はないし、一応試乗してみただけ。

せっかくだから、乗り比べたくなって、日産に電話して、いつも試乗しかしない客と見透かされているので、遠慮なく申し込む。

先代のリーフ、ノートeパワー、今回の新型リーフと試乗している。

(ノート e-POWERに試乗)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/11/26/8260831

乗り出してすぐに、PHVより、こっちの方がいいと感じた。

乗り心地、加速感、クルマの挙動、全てが洗練されていて、比較の対象にならない。

航続距離がカタログ上で400kmになったので、都内を走り回るなら、充電の心配をしなくてもいいし、充電環境も、徐々に整ってきたので、行った先でもなんとかなる可能性は高い。

名古屋日帰り往復とかは、さすがに考えてしまうけど(往復750kmくらい)、東伊豆くらいなら行けるだろう。

気のせいか、座面が高くて、ゆすられ感を感じた。

従来と同じくらいの電池(300kg)を床下に積んでいるはずなので、重心は十分低いはずなんだがな。

ドラポジは、PHVの方が自然に感じる(プリウスと同じだしな)。

リーフは、着座姿勢が立っている感じだ。

まあ、慣れの問題だろう。

航続距離400kmといったって、エアコン使ったり、それなりに活発に走れば、せいぜい250kmだし、3年も乗っていれば、すぐに200kmも走らなくなることは分かっている。

荷物をしこたま積んで、アクセルをスイッチのようにペタンと踏み込んで走っていれば、すぐになくなる(まあ、電気自動車だから、スイッチで間違いないんですが)。

クルマとしての評価なら、断然リーフだろう。

積載量も、全く問題ない。

5人乗りだしな。

どういう風にクルマと付き合っているかによる。

こっちの値段も出してもらった。

同じく400万円。

マトモな電気自動車としては、破格な値段だ。

もちろん、5年後の下取り価格は期待してはならない。

400万円の値段のうちの、300万円は電池の値段だからな。

5年乗ったら、電池交換するしかない。

下取り価格は、当然、100万円を切ることになる。

まあいい。

そういうことを考えて乗るクルマじゃない。

5年経ったら、乗り捨てるクルマだ。

現世利益を追求して乗る。

来世のことは考えちゃならねえ・・・。

400万円で、見栄張って乗る。

まあ、どっちも、見栄張る程のクルマじゃないけどな・・・。