自衛隊関係者2017年12月08日 23:39

自衛隊関係者
自衛隊関係者


ちょっと突っ込みたくなる記事があった。

(米軍落下物:ラベルに「REMOVE BEFORE FLIGHT」 なぜ気付かない? 自衛隊関係者が疑問)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/181151

「自衛隊関係者によると、機体が地上にある場合に通気孔のカバーや機体の誤作動を防ぐ安全キャップなどに付いている。リボン状のものが知られているが、今回の形状のようなものは「見たことがない」という。」

自衛隊は、過去に同種の機体を運用している。

(CH-53E (航空機):運用国)
https://ja.wikipedia.org/wiki/CH-53E_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)#.E9.81.8B.E7.94.A8.E5.9B.BD

「海上自衛隊では、FMSによって1989年(平成元年)からMH-53Eの取得を開始した後、第51航空隊で試験を行い、1990年(平成2年)3月30日、岩国基地所属の第111航空隊に配備された。1994年(平成6年)までの間に11機が取得されている。」

「2009年(平成21年)3月以降、耐用命数時間に達した機から逐次除籍が開始され、2017年(平成29年)3月3日に最後の機体(8625号機・8631号機)が除籍され、運用が終了した」

「退役した機体の部品は同機を運用しかつ生産終了のため、部品の不足が見込まれていたアメリカに売却されている」

自衛隊機でも、死亡事故を起こしている。

「1995年6月6日、相模湾で掃海訓練中の海上自衛隊所属MH-53E(8626号機)の機体内で火災が発生、不時着水後に水没し、搭乗員8名が死亡した」

一応、公式ページ。

(MH-53E 回転翼機)
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/aircraft/yusou/details/mh-53e.html

拡大しても、画像がちっちゃくって、確認できない(回転中で、ぶれてるし)。

自衛隊で運用していたMH-53Eについては、IBISが付いていないのかと思って調べてみたら、ちゃあんと付いている(しかも、リボンも付いてます)。

(MH-53E(8625) at Iwakuni Air Base May 5, 2016 01.JPG)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:JMSDF_MH-53E(8625)_at_Iwakuni_Air_Base_May_5,_2016_01.JPG

ご丁寧に、右側のブレード2つは、カバーが取れてるしな(画像参照)。

動かぬ証拠だ(どっかで、落としちゃったんだろうか?)。

まあ、どうでもいいんですが。

岩国で運用されていたようで、今年の3月には全機退役して、部品取りで米国に(タダ同然で?)売り払ったようだから、「自衛隊関係者」の方が知らないのも無理はない。

しかしだな、1989年の取得開始から足掛け29年間、7枚のブレードに付いているカバーを、出動の度に取り外したり、取り付けたりを繰り返してきた整備の方にしてみれば、もっと知って欲しかったに違いない(そうかあ?)。

ちなみに、CH-53のブレードは6枚とある。

(CH-53 (航空機):諸元参照)
https://ja.wikipedia.org/wiki/CH-53_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)

「主回転翼直径:72ft 2.7in(22.01m)(6枚ローター)」

まあいい。

初出の記事には、運用上の問題も指摘されている。

「「REMOVE BEFORE FLIGHT」は一般的に赤く目立つようになっている。自衛隊関係者は「忘れないように注意を促す狙いもある」と指摘。米軍の整備員が外すのを忘れて、そのまま飛行した可能性もありそうだ。」

浮沈子的には、やっぱ、ピンが付けられていたところが、カバー側だというのが気になるな。

マニュアルを読むと、本体の基部には、3か所穴があるという。

(IBIS (In-Flight Blade Inspection
System))
http://www.navair.navy.mil/index.cfm?fuseaction=home.download&key=AD8FFC4F-C0CD-4B7A-BD4D-40CE61273AA9

「Ensure cover is secured to pressure indicator with cable and one of the three
holes on base of indicator」(カバーがインジケータのベースにある3つの穴の1つとケーブルで圧力インジケータに固定されていることを確認します:自動翻訳のまま)

そっちを固定したら、ワイヤーが残ったまま飛ぶことになるしな。

ひょっとしたら、両方ピンにしていたのかもしれない(あり得るな)。

自衛隊機の例を見ても、このセンサーというかインジケーターのカバーを付け外すという運用は、煩わしいに違いない。

そういう仕掛けは、原理的に如何に有効であっても、正しく履行されないことがあるという好例だな。

遮蔽体から放射線源を飛び出させて、放射線センサーで感知してブレードのクラックなどの異常を拾うという仕掛けは、それなりに有効なんだろうが、放射線源の取り扱いを含めて、課題を抱えていたんだろう。

今回の落とし物で、そのことがバレバレになってしまったわけだ。

やれやれ・・・。

落ちたカバーの写真を見ると、ワイヤーが引き千切ぎられているが、残ったワイヤーをぶら下げたまま飛行したCH-53は、大丈夫だったんだろうか・・・。

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