火星探査の新たな潮流?2018年01月02日 08:19

火星探査の新たな潮流?
火星探査の新たな潮流?


科学探査の予算が減少傾向にあるのは、NASAも同じだ。

湯水のように金を使えた時代は遠い過去に去り、現代の探査は、似たような技術を使い回し、観測機やセンサーを更新して、安上がりで安全な探査機を送り込む手法が流行りつつある(そうなのかあ?)。

今年打ち上げられる予定のインサイトなんて、その典型だな。

(インサイト (探査機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F)

「火星の初期の地質学的進化を研究するために、地表面に地震計と熱伝達プローブを備えたランダーを着陸させるミッション」

ロッキードマーチン制作のそのランダーのカタチを見た時、何かの錯覚じゃないかと訝った。

こりゃあ、フェニックスの再来だな。

(フェニックス (探査機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F)

「着陸後はロボット・アームで北極域の地表を掘り上げて過去の水に関する情報を探し、火星が微生物にとって適切な環境であるかどうかを調べた。」

(Lockheed Martin Space Systems)
https://en.wikipedia.org/wiki/Lockheed_Martin_Space_Systems

「Civil Space:
・NASA's InSight」

「Heritage Programs:
・NASA's Phoenix Lander」

余った部品で作ったんじゃないか(!)と思うくらい似ている。

「2008年に火星への着陸と探査に成功したフェニックスの技術を再利用することで、コストとリスクを低減している」

というより、フェニックス自体が、その名の通り、余った部品(つーか、使わなかったランダー)で作られた経緯がある。

(マーズ・サーベイヤー2001)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%99%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC2001

「サーベイヤー'98のマーズ・クライメイト・オービターとマーズ・ポーラー・ランダーがともに失敗したために、 NASA の長期計画マーズ・サーベイヤー・プログラム全体の方針とともに見直しを迫られることとなった。」

「マーズ・サーベイヤー・プログラム自体の中止を受け、ランダーの計画はキャンセルされ、オービターの計画のみが新たなマーズ・エクスプロレーション・プログラムの元で2001マーズ・オデッセイと名前を変えて実現した。」

「一方ランダーとして製作されていた機体は、マーズ・スカウト・プログラムに基づくアリゾナ大学のフェニックス計画で復活を果たした。」

フェニックスもインサイトも、地面に降りた後は、一寸も動かないランダーという着陸機だが、同じような話(余った部品で作る?)はゴロゴロと動き回る方のローバーと言われる探査機にもある。

(マーズ・サイエンス・ラボラトリー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC#%E9%96%A2%E9%80%A3%E9%A0%85%E7%9B%AE

「これまでのローバーよりも広い範囲を探索し、過去と現在の火星における、生命を保持できる可能性について調査する。」

(アストロバイオロジー・フィールド・ラボラトリー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC

「マーズ・サイエンス・ラボラトリーのローバーの設計を元にNASAのジェット推進研究所でローバーを建造し、2016年に打ち上げられることとなっていた」

金の切れ目は何とやらだ。

余った部品を寄せ集めて作ることもままならない状況なのかもな(そうなのかあ?)。

まあいい。

この2つのプロジェクトを並べてみているうちに、興味深いことに気付く(カッコ内は、打ち上げ年)。

・フェニックス(2007):生命探査
・マーズ・サイエンス・ラボラトリー(2011):生命探査
・アストロバイオロジー・フィールド・ラボラトリー(2016):生命探査→予算打ち切りでキャンセル
・インサイト(2018):生命探査なし!

火星の生命の存在を探査するという、ポピュラーサイエンス(大衆の嗜好におもねった似非科学?)的探査は影を潜め、真に科学的な惑星探査が行われるようになってきたのではないか。

それが本当なら、いい傾向だ。

MSL(キュリオシティ)は、これまでで最大のローバーで、火星の冬もしのげるように、原子力電池を動力源として搭載している。

もう、5年以上も動き回っているが、生命の兆候を見出したという話は聞かない。

ざまあみろだな。

穴掘って、放射線に分解されていないサンプルを選別して、煮たり焼いたり(?)して調べたって、元からないものを検出することは出来ない(そうなのかあ?)。

後継の探査車を飛ばしてみたって、何も発見できないことは明らかだからな。

資金の有効活用という観点からも、キャンセルは妥当だろう・・・。

と思って安心していたら、こんなのがあるらしい。

(マーズ2020)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA2020

「ジェット推進研究所(JPL)が進めている火星探査ミッションで用いる探査機の名称である」

ゾンビのように蘇る火星探査計画だな。

(Mars 2020)
https://mars.jpl.nasa.gov/mars2020/

NASAのホームページも蘇っている。

まずいな・・・。

ただ、重要な手法の変化があって、現在の生命の存在を求めるのではなく、過去にいたかもしれない生命の証拠を探そうとしているようだ(ホントかあ?)。

地質学的調査と、大衆受けする火星生命の探査を、うまくミックスするアプローチだな(そういうことかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

少なくとも、生命の存在だけでは、プロジェクトは進まなくなりつつあるということになってはいるようだ。

俺様は宇宙人に会いたいんだ、というのが大統領になる国だからな。

宇宙政策は、常に政治の道具にされる運命だ(まあ、どこの国でも同じでしょうが)。

そんな中で、インサイトは、生命探査のカケラもない火星探査を行う。

痛快だ!。

フェニックスの部品が余ってたにしてもだ(そうなのかあ?)。

もう、ランダーレベルの探査で、生命が見つかる可能性はないのかもしれないしな。

それを謳うこと自体に無理が出ているんだろう。

動き回れるローバーにしても、生きている生命を探すことは、諦めざるを得なくなってるわけだからな。

生命の兆候すら発見できない場合、火星探査はある種の行き詰まりに見舞われる可能性がある。

既存の構造体を使って、搭載機器をブラッシュアップしたインサイトのような安上がりの探査機だけが、細々と生き延びることが出来るのかもしれない。

いや、そもそも、ほんの数十年前までは、一般には火星や金星に宇宙人が住んでいると信じられていたわけだから、そういう神話をぶち砕いた時点で、惑星探査は人間の欲望を掻き立てる存在ではなくなっているわけだ。

科学探査にしても、生命の存在を前提にして行われるポピュラーサイエンスの時代は、どこかで終わらせなければならない。

大体、磁気圏もろくにない、軽い火星で生命の痕跡を探そうというコンセプト自体、志が低いと言わざるを得ない(単に近くて、行きやすいからだけ)。

せめて、エウロパ(木星圏)やエンケラドゥス(土星圏)の氷に(数千mの)穴掘って潜るとか、そういう志の高い探査が求められているのではないか。

熱水鉱床で生命が誕生したというのなら、逆に、今の火星にそんなもんを求めたってなにも出ないというのは当たり前のような気がするんだがな。

火星探査に相応しいのは、インサイトのような堅実なプロジェクトだ。

ノイズに塗れない、ピュアサイエンスを地道に推し進めていく姿には、清々しさを感じる。

(NASAが打ち上げ予定、次世代の火星探査車「マーズ2020」の全貌:追加)
https://forbesjapan.com/articles/detail/18949

「マーズ2020の任務は、35億年以上の昔、火星にも流れる川や湖があったとされる年代に、古代生物が存在した痕跡を突き止めることだ。」

懲りないなあ・・・。

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