NHKとスペースX2018年01月03日 01:16

NHKとスペースX
NHKとスペースX


(米民間企業で初 宇宙飛行士を国際宇宙ステーションへ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180102/k10011277211000.html

「ことしは、アメリカの民間企業が開発した有人宇宙船で初めて国際宇宙ステーションに宇宙飛行士が送り届けられる予定で、政府機関が主導してきた宇宙開発が新たな段階に入る年になると期待されています。」

「ことしは4月に、開発を進める有人宇宙船の試験打ち上げを行ったあと、8月には民間企業として初めて、国際宇宙ステーションに宇宙飛行士を送り届ける計画です。」

その前に、アボートテストを行う必要がある。

確かに、計画では8月に有人テスト飛行が行われることになっているが、むしろ、それが遅れる可能性を抱えている。

一つには、NASAの安全審査をクリアできるかどうか。

もう一つは、ファルコン9のブロック5の開発遅延だ。

(NASA expects commercial crew providers to achieve safety requirements)
http://spacenews.com/nasa-expects-commercial-crew-providers-to-achieve-safety-requirements/

「Both companies are working to schedules that call for both uncrewed and crewed test flights in 2018, although later in the year than previously planned.」(両社は、2018年に未熟練者とクルーの両方の試験飛行を予定していますが、それ以前に計画した時期より遅くに予定しています。:自動翻訳のまま:以下同じ)

「SpaceX is planning an uncrewed test of its Crew Dragon in April, previously scheduled for February. The crewed test flight is now planned for August, instead of June. Between the two flights will be an in-flight abort test.」(SpaceXは、以前2月に予定されていた4月にCrew Dragonの未開発テストを計画しています。乗組員のテスト飛行は今6月ではなく8月に予定されています。2つのフライトの間では、飛行中止テストが行われます。)

既に、予定はずれ込んでいて、安全審査の結果如何では、更なる延期が予想される。

ボーイングの有人テストは、来年に持ち越される公算が高い。

(スペースX、ロケットエンジンの試験中に事故 - 有人宇宙船打ち上げに影響か)
https://news.mynavi.jp/article/20171114-merlin_1d/

「同社によると、事故を起こしたのは、開発中の「マーリン1D++」(Merlin 1D++)と呼ばれるエンジンだったという。」

「マーリンとは、スペースXのロケットに伝統的につけられている名前で、『アーサー王伝説』に登場する魔術師の名前」

(マーリン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3

「伝説上の魔術師」

へえー、浮沈子は、てっきりバショウカジキ(marlin)かと思ってたんだがな。

まあ、どうでもいいんですが。

「マーリン1D++は、開発中のファルコン9ロケットの最新型「ファルコン9 ブロック5」に使用されるエンジンで、海面上での推力は845kNと、初期型のマーリン1Dより約24%、現行のマーリン1D+より約11%も向上している。さらに、再使用しやすくするために部品や構造なども改良されており、見た目や型番はともかく、実質的に別物のエンジンになっている。」

「従来のフル・スラストやブロック4の第1段機体は約2~3回の再使用しかできないものの、ブロック5は約12回再使用できるようになるという。」

「また、有人宇宙船「ドラゴン2」を打ち上げるため、NASAの要求に基づく安全面での改良も数多く施されており、かねてよりの懸念でもあったエンジンのターボ・ポンプのタービンに亀裂が入りやすいという問題も改善されている。」

「ブロック5の開発の遅れは、スペースXとNASAが予定している宇宙飛行士の打ち上げ予定や、そして宇宙飛行士の輸送をロシアの「ソユーズ」宇宙船に依存している現状に終止符を打ち、「ふたたび米国の地から、米国の宇宙船で、米国の宇宙飛行士を打ち上げる」という、かねてよりの大きな目標にも影響を与えることになるかもしれない。」

ちょっと引用し過ぎだが、ロケットの方も、エンジンの開発の影響を受けて、遅れることが懸念されている。

有人飛行だからな。

石橋を叩いて壊す(!)くらいの慎重さが欲しい。

こういう状況下では、スケジュール通りに進むことより、一つ一つステップを踏んで、安全性を確保しながら進むのが正しい。

ロシアに払う金は多くなるかもしれないが、NASAの事業は軍事ではないからな。

金で買える安全があれば、買っておくのが正解だ。

まあ、ずっとソユーズを使い続けるという選択肢もある。

どーせ、ISSは2024年には運用を終えて廃棄されるわけだし、それ以降、月周回軌道の宇宙ステーションに行くのは、年に1度のオリオンだけになるかもしれないからな。

米国が民間で低軌道専用の有人宇宙船を開発する意義は、殆どないかも知れない。

もちろん、ビゲローとかが作る宇宙ホテルへの送迎という需要はある。

それだって、何時になるかは分からないし、いつまで続くかもわからない。

思い切って、開発を打ち切り、ソユーズに頼るのも一つの選択だ。

実用になるのが2019年だから、運用期間はたったの6年間ということになる。

低軌道に、宇宙船を飛ばす公的需要はそれで終わるわけだからな。

ISSよ、さらばだ(そうなのかあ?)。

まあいい。

その後の運用については、何も決まっていない。

物理的に使えるのかどうかも分からない。

ISSの終わりが、地球低軌道への有人宇宙船の終わりになる。

そういう可能性は、排除できない。

それでもいいんじゃないか。

膨大な開発費を投じて、6年間のために宇宙船を作って飛ばすなら、ロシアに金を払った方が安かったろう。

従来の許容安全率は、90回に1回の死亡事故だそうだ。

今回は、それを270回に1回に向上させるという。

あと、6年位開発が遅れて、民間宇宙船が飛ばなくなれば、事故率はゼロになるわけだがな。

ソユーズ宇宙船は、最近は死亡事故を起こしていないからな。

(宇宙開発における事故)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E4%BA%8B%E6%95%85

「飛行中の死亡事故:
・ソユーズ1号 (1967年4月24日)
・ソユーズ11号 (1971年6月30日)」

開発が失敗に終わり、米国の民間宇宙船が飛ばず、オリオンだけになり、年に1回しか飛ばなくなれば、向こう270年間の安全は保障されたようなものだ(そうなのかあ?)。

浮沈子は、人間が宇宙空間に長期滞在することについては、懐疑的だ。

地球低軌道の滞在だって、リスクに見合ったゲインはないと考えている。

ISSは、さっさと叩き落して、無人のラボを上げるのが正しい。

実験は、ユニットに組み込まれたロボットが行うか、遠隔で操作すればいい。

人体実験は出来ないが、そもそも宇宙空間に人間を送り込まなくて良くなれば、そんな野蛮な行為は不要だ。

業界のイケイケドンドンの雰囲気に呑まれて、人間は宇宙空間向きじゃないという本質を忘れることがあってはならない。

まあ、そこんとこを、NHKに期待するのは間違ってるけどな・・・。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
kfujitoの徒然の筆者のペンネームは、
「○○子」です。
○○を記入してください。

コメント:

トラックバック