A380が178機2018年01月19日 00:08

A380が178機
A380が178機


他の記事を書こうとしてたんだが、余りに驚いたんで、こっちを先に書く。

先日、注文がなければ、もう作らないと言っていたA380が、作り続けられることになったようだ。

エミレーツ航空が、36機(確定20機+オプション12機)を発注したんだそうだ。

(エミレーツ航空、エアバスA380を36機発注 A380を178機保有へ)
http://sorae.info/030201/2018_01_18_air.html

バンコクまで乗ったことがあるが、取り立てて何かがいいと感じる飛行機じゃなかったな。

座った場所も、2階の後ろだったしな。

787に乗った時の、度肝を抜かれる快適さはない。

極ふつーの飛行機だった。

で、そのふつーの飛行機は、我が国の航空会社は、まだ保有していない。

ANAが、3機押し付けられたらしいが、それだけだ(2019年春に就航予定)。

あの飛行機は、見栄で買い、見栄で乗る飛行機だな。

世界で一番デカいのに乗ったぞと。

4発の安心感と、機内の広さ(座席じゃなく)はあるが、移動中の快適さは、座席がキモだからな。

羽田に降りないのは、後続機がタービュランスに巻き込まれるので、10分くらい空けなければならず、離発着の混雑時に捌き切れないからだと聞いた。

成田だけ・・・。

航空会社にとっては、デカすぎて、使い勝手が悪いんだろう。

一回り小さいのにして(それでも300人くらいは乗れるんでしょうが)、頻繁に飛ばした方がいいようだ。

A380は、ハブ空港間を大量輸送して、そこから乗り継ぐ形での運用が伸びると見込んで作られたらしい。

実際には、中型機で直行便を飛ばす形になり、需要は低迷している。

ただし、理屈の上では、エアバスの方が効率は高い。

空港乗り発着回数に限りがある以上、大型機の導入は避けられないが、ちょっとデカ過ぎだったな。

747(400人乗り)くらいが、上限だったんだろう。

もちろん、席を埋めることが出来れば、効率は高いから収益も上がる。

限られた路線でしか使いこなせない。

何処でも降りられるわけじゃないからな。

空港施設への投資も必要だ。

そんな飛行機を、100機以上も所有して、やっていけるのかどうか。

エミレーツは、あまり長いこと所有しないだろうから、順次払い下げ(?)になって、178機のヘンタイ(編隊!)を組むことはないだろうが、それにしても多過ぎる気がする。

一時は、200機近いバックオーダーを抱えたA380だが、既に納入残は100機程度になっている。

このペースでいけば、本当に生産中止になってもおかしくない。

エミレーツ頼みというところか。

既に、市場は飽和している。

中型ワイドボディ長距離機の時代になったわけだ。

しかしながら、一定程度の需要は常にあって、この規模の航空機がなくなることはないだろう(そうかあ?)。

その需要を、エミレーツが一手に引き受けているのかもな。

現在飛んでいるA380の2機に1機はエミレーツだ。

やれやれ・・・。

エアバスは、やっぱ、747よりデカいのを作りたかったんだろう。

綿密な市場調査と予測をしたことにして、結局見栄張って作っちまっただけだ(そうなのかあ?)。

作る方も、買う方も、乗る方だって、見栄の塊だからな。

どこかで息切れしてくるのは仕方ない。

エアバスは、2014年にも、止める止めると駄々をこねて見せた前科がある。

(Airbus A380:Production)
https://en.wikipedia.org/wiki/Airbus_A380#Production_2


「On 11 December 2014, Airbus chief financial officer Harald Wilhelm hinted the possibility of ending the programme in 2018, disappointing Emirates president Tim Clark.」(2014年12月11日、エアバス最高財務責任者(CFO)ハラルド・ヴィルヘルムは、エミレーツ社長ティム・クラークを失望、2018年にプログラムを終了する可能性を示唆しました。:自動翻訳のまま)

まあ、おそらく、あと3年も経てば、同じ話が蒸し返され、エミレーツが追加発注して生き延びるんだろう。

しかし、開発コストの回収は断念、今後は生産ラインを維持する程度(月産1機)の細々とした事業にならざるを得ない。

それも、いつかは消える。

1000機の大台に乗ることは、決してないだろう。

500機だって、冗談のような数字だ。

2020年代初頭には、生産終了(たぶん)。

2040年頃には、消えてなくなっているかも知れない。

それでも、世界最大(乗客数で)の総2階建ての旅客機を作った栄光(やっぱ見栄?)は残る。

双発のA350-1000が、3クラス350席くらいだからな。

十分な大きさだ。

B777-9だと、3クラス400席くらいだ(747とほぼ同じ)。

このくらいがちょうどいいんだろう。

つーか、上限だしな。

エンジンも2機で済むし。

信頼性が向上して、大陸間飛行でも2機掛けでよくなったというのが、技術的には最大の変化だ。

もう、4機掛けの大型旅客機が構想されることはないかもしれない。

最後の巨人機A380。

今回、生き延びることが出来たのは、奇跡かもしれないな・・・。