自動車記事としてのヘビー打ち上げ2018年02月08日 09:23

自動車記事としてのヘビー打ち上げ
自動車記事としてのヘビー打ち上げ


(米スペースX、テスラ「ロードスター」を搭載した「ファルコンヘビー」の打ち上げ成功)
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1105413.html

「テスラ初のEV(電気自動車)初代「ロードスター」を火星に向かって打ち上げた。」

やっぱ、初代だったのかあ?。

記事には今回の打ち上げに因んで、青山に展示してある本物の初代ロードスター(浮沈子も、試乗したことありますが)の写真が出ているが、どう見ても違うような気がするけどな。

「東京青山にあるテスラ青山 (東京都港区南青山2-23-8)では、火星でドライブをするロードスターのドライバー気分を楽しんでもらおうと、2月7日~12日の期間、初代ロードスターを展示する。」

久しぶりに、行ってみようかな。

「テスラ ロードスターを打ち上げた後、2つのブースターと1つのコアブースター地上に着陸させてリサイクルしようという計画。」

一般的には、リサイクルという表現が使われるんだろう。

正確には、ファルコン9の1段目については、リユースになるので、浮沈子は再使用という表現にしている。

再利用でもいいんだが、原形を留めずに、素材を再加工して、別物として再度使用するイメージがあるので、避けている(ペットボトルが足ふきマットになるとか)。

同じものを、そのまま、最小のメンテナンスで再度使用するということから、再使用の方が相応しい気がする。

日常、余り馴染みがないのは、再使用されるものが少なくなっているのかもしれない。

昔は、ガラスのビンとかは、再使用のいい例だった。

牛乳瓶やビール瓶、一升瓶も再使用した(今でもしてるんでしょうが)。

最近は、砕いてカレットにして再利用(リサイクル)になっちまうんじゃないのか(未確認)。

それでも、素材を繰り返し利用するわけだから、エネルギー的には相当節約になっていて、回収、運搬、再加工しても、割に合うわけだな。

ファルコン9のブースターは、現状では1回か2回しか使用されていないので、消耗品に毛が生えた程度の再使用でしかない。

イーロンマスクが唱えるように、飛行機のように燃料だけ入れて、すぐに飛び立てて、1000回以上使えるようになれば、もう、再使用とか再利用とかに拘ることはなくなる。

立派な耐久消費財になって、耐用年数とか使用回数で減価償却される固定資産になる。

現状では、何百億円しようが、ロケットは消耗品扱いで、固定資産にはならない。

会計期間中に消費されてしまうものを、資産計上したらまずいからな。

組み立て途中の部品や、打ち上げ前の保管期間中は、財として管理する必要がある(もちろん、回収されたブースターも)。

まあ、どうでもいいんですが。

自動車は、元々消耗品ではないから、固定資産として扱われるが、今回打ち上げられたテスラロードスターは消耗品に口座変更されているはずだ(個人所有だから、関係ないか)。

寄贈品としてスペースXが受け入れていれば、何等かの会計処理が行われる。

しかし、人工惑星となったからといって、消耗されたことになるかどうかはビミョーな話だ。

自動車としての機能は、搭載する前に外されているだろうから、たとえば広告塔として管理するとしたら、打ち上げ後10億年間、減価償却の対象になるかもしれない(そうなのかあ?)。

まあ、標準的な広告塔の減価償却期間が終われば、残存価格を残して、そのまま塩漬けにされるんだろう。

あるいは、広告媒体としての機能を失ったとき(映像データが受信できなくなった時)に、除却されるとか。

米国の会計制度は全く知らないから、この記事はテキトーに書いている。

課税当局は、いろいろ考えてるんだろうな。

宇宙での金儲けが始まれば、政府は適正に課税することを考えなければならない。

儲け話には、課税が付いて回る。

まあいい。

こういう記事にしようと思ったわけじゃないんだがな。

下世話な話になってしまった。

ともあれ、自動車関係の媒体が書いた記事としては、誤解少なく、正確な記事になっている(肝心のロードスターの部分以外は)。

感心した。

(【動画】テスラの最速電気自動車が宇宙を“ドライブ”。米宇宙ベンチャーがロケット打ち上げ)
https://www.as-web.jp/movie/280260?all

「そのため、物資や衛星などは搭載しておらず、代わりにテスラが2020年の発売を目指しているロードスターが積み込まれた。」

そうだろう?、やっぱ、初代じゃない。

そんなもん積んだって、広告効果はないからな。

(テスラの大型ロケット、打ち上げ成功…EVスポーツカーが宇宙空間へ)
https://response.jp/article/2018/02/07/305789.html

「初代テスラ『ロードスター』を搭載。」

うーん、どっちなんだあ?。

浮沈子は、自動車媒体の記事なら、どっちを積んだか正確に記述されていて、事実確認が行えると思ってたんだがな。

(イーロン・マスク、ロケットで宇宙へ打ち上げる愛車のテスラ「ロードスター」に「スターマン」を乗せる)
http://jp.autoblog.com/2018/02/06/elon-musk-tesla-roadster-spacex-mars-launch/

「初代テスラ Roadsterの写真をInstagramに投稿しました」

「※こちらの記事はEngadget日本版より許可を得て掲載したものです。」

自動車専門媒体なんだから、チェックしろよな・・・。

宇宙人は英語が読めるか2018年02月08日 10:48

宇宙人は英語が読めるか
宇宙人は英語が読めるか


(Printed on the circuit board of a car in deep space)
https://www.instagram.com/p/Be31IJxgOoK/?utm_source=ig_embed

掲載されていたのはギガジンの記事。

(火星を目指すオープンカーというSF世界を実現したSpaceXの超大型ロケット「Falcon Heavy」打ち上げ成功)
https://gigazine.net/news/20180207-spacex-falcon-heavy-launch/

「車のECUには「Made on Earth by humans」と書かれており、UFOなどに発見され、どこかに運び出されても人類をアピールできる準備も万全。」

米国人て、どーしてこう、誰もが英語を読めると勘違いしているんだろうな。

この記事では、テスラロードスターが、初代モデルなのか2020年に販売される予定のモデルなのかは分からない。

「今回の試験発射で「Falcon Heavy」にのせられているものはチェリーレッドのテスラ「ロードスター」。」

まあ、どうでもいいんですが。

宇宙人に読んでもらおうと、人類が意識して書いた絵手紙がある。

(パイオニア探査機の金属板)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%A2%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F%E3%81%AE%E9%87%91%E5%B1%9E%E6%9D%BF

「この金属板は1972年と1973年に打ち上げられた宇宙探査機パイオニア10号・11号に取り付けられた銘板で、人類からのメッセージを絵で記したものである。」

「探査機によるMETI(Messaging to Extra-Terrestrial Intelligence)=Active SETI(能動的な地球外知的生命体探査)の最初のケースである。」

「1977年に打ち上げられたボイジャー探査機には、このパイオニアの金属板よりももっと複雑で詳細なメッセージを記録したレコード盤が搭載されている。」

浮沈子から見れば、どっちも自己満足に過ぎないような気がするんだがな。

「我々がエジプトのヒエログリフを解読するのに何世紀もかかったのと同様に、この発見者がメッセージを読み解くためには数世代を必要とするかもしれない。」

Made on Earth by humansと似たり寄ったりというところか。

テスラロードスターは2段目と共に2018年02月08日 12:48

テスラロードスターは2段目と共に
テスラロードスターは2段目と共に


現在、小惑星軌道に向かって飛んでいるといわれているテスラロードスター(火星軌道なんて、通り超して)。

(FALCON HEAVY/TESLA)
https://www.n2yo.com/satellite/?s=43205

昨日まで、自動車のアイコンが出ていたんだがな。

今朝見たら消えていた。

軌道追尾できない高度に上がってしまったのかもしれない。

「FALCON HEAVY/TESLA is a dummy payload (Tesla Roadster and a mannequin in a spacesuit nicknamed Starman) successfully launched by the Falcon Heavy on February 6, 2018. Falcon Heavy is a reusable super heavy-lift launch vehicle designed and manufactured by SpaceX. The Falcon Heavy (previously known as the Falcon 9 Heavy) is a variant of the Falcon 9 launch vehicle and consists of a strengthened Falcon 9 rocket core with two additional Falcon 9 first stages as strap-on boosters. The Falcon Heavy is the world's highest capacity rocket in operation, superseding the Delta IV Heavy payload to LEO by over a factor of two. Falcon Heavy was designed from the outset to carry humans into space, including the Moon and Mars, although as of February 5, 2018, there are no longer plans to use Falcon Heavy for crewed missions; it shall instead focus on payloads such as large satellites.」(FALCON HEAVY / TESLAは、2018年2月6日にFalcon Heavyによって打ち上げられたダミーのペイロード(Tesla RoadsterとStarmanという宇宙服のマネキン)です。Falcon Heavyは、SpaceXによって設計され、製造された再使用可能な超重量リフト・ローンです。 Falcon Heavy(以前はFalcon 9 Heavyとして知られていました)は、Falcon 9ロケットの変形であり、強化されたFalcon 9ロケットコアと2つの追加Falcon 9第1ステージがストラップオンブースターで構成されています。 ファルコンヘビーは、デルタIVヘビーペイロードをLEOに置き換えて2倍以上に上げ、世界最高性能のロケットです。 ファルコン・ヘビーは、2018年2月5日現在、クルーミング・ミッションにファルコン・ヘビーを使用する計画はなくなりましたが、月から火星を含む人間を宇宙空間に運ぶように設計されました。 代わりに大きな衛星のようなペイロードに焦点を当てる。:自動翻訳のまま)

ファルコンヘビーが、ファルコン9ヘビーとして知られていたとは知らなかったな。

まあ、どうでもいいんですが。

飛翔体として登録されたのは1つだけだ。

つまり、2段目とペイロードは分離していない。

公式の打ち上げシーケンスを見ても、ペイロードのデプロイは記載されていないしな。

(Falcon Heavy Demonstration Mission)
http://www.spacex.com/sites/spacex/files/falconheavypresskit_v1.pdf

「LAUNCH, LANDINGS AND ORBITAL INSERTION
Hour/Min/Sec Events
00:01:06 Max Q (moment of peak mechanical stress on the rocket)
00:02:29 Booster engine cutoff (BECO)
00:02:33 Side cores separate from center core
00:02:50 Side cores begin boostback burn
00:03:04 Center core engine shutdown/main engine cutoff (MECO)
00:03:07 Center core and 2nd stage separate
00:03:15 2nd stage engine starts
00:03:24 Center core begins boostback burn
00:03:49 Fairing deployment
00:06:41 Side cores begin entry burn
00:06:47 Center core begins entry burn
00:07:58 Side core landings
00:08:19 Center core landing
00:08:31 2nd stage engine cutoff (SECO-1)
00:28:22 2nd stage engine restarts
00:28:52 2nd stage engine cutoff (SECO-2)
Mission continues on an experimental long coast and third stage two burn to target a precessing Earth-Mars elliptical orbit around the sun」

カメラのアングルで巧妙に隠されているが、スターマンが乗った赤いオープンカーの向こうには、ファルコンヘビーの2段目がくっ付いたままだ。

うーん、だっさ・・・。

(Live Views of Starman:4時間40分の動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=aBr2kKAHN6M

第3段階での噴射は、このコースティングの後で、その後に2段目とペイロードが分離された可能性はあるが、少なくとも告知されてはいない。

浮沈子は、てっきり分離されると思ってたんだがな。

2段目とくっ付いたままかよ・・・。

今回の打ち上げは、確かに3つのブースターを持つファルコンヘビーの実験であり、2段目は余興に過ぎないわけだから、どうでもいいのかもしれない。

真っ赤なスポーツカーだけが、宇宙空間を漂うというイメージが、ガラガラと音を立てて崩れていく。

宇宙空間だからな。

音、しないけどな・・・。

(SpaceXのロケットで宇宙を旅するスターマンは「スピード違反」で目的地の火星を通り過ぎてしまうことが判明:追加)
https://gigazine.net/news/20180208-falcon-heavy-overshot-roadster-asteroid-belt/

ここでは、2段目から切り離されたと明記されているんだがな。

「予定通りの火星への軌道に乗せるためには、あらかじめ計算し尽くされた速度を正確に守る必要があるのですが、第2ステージはスピードを出し過ぎた状態となり、そのままスターマンを切り離してしまいました。」

「しかも、唯一の推進力となるロケットエンジンも既に切り離し済み。ということで、テスラ・ロードスターとスターマンはなすすべもなく太陽系の物理の法則に身を任せて宇宙を漂うしかない状態となってしまいました。」

うーん、いったいどっちなんだろう・・・。

月世界旅行キャンセル2018年02月08日 23:26

月世界旅行キャンセル
月世界旅行キャンセル


昨日書いた記事をよく読むと、引用した資料の中で、ファルコンヘビーが上げることになっていた、民間人が搭乗した月世界旅行用ドラゴンの打ち上げがキャンセルされたとあった。

(FALCON HEAVY/TESLA)
https://www.n2yo.com/satellite/?s=43205

「there are no longer plans to use Falcon Heavy for crewed missions」(クルーミング・ミッションにファルコン・ヘビーを使用する計画はなくなりました:自動翻訳のまま:以下同じ)

スペースXのローンチマニュフェストや、英語のウィキからも消えている(日本語版には残ってましたが)。

別の記事でも確認した。

(SpaceX no longer planning crewed missions on Falcon Heavy)
http://spacenews.com/spacex-no-longer-planning-crewed-missions-on-falcon-heavy/

「Musk, in the call with reporters, did not rule out flying people on Falcon Heavy, but only if there were delays in the development of BFR. “We’ll see how the BFR development goes,” he said. “If that ends up taking longer than expected, then we will return to the idea of sending a Crew Dragon on a Falcon Heavy around the moon, and potentially do other things with crew on Falcon Heavy.”」(Muskは、記者との電話で、Falcon Heavy上の人を飛行させることを排除しなかったが、BFRの発達が遅れた場合に限り、「BFRの発展がどのように進むかを見る」「それが予想以上に長くなると、月の周りのファルコンヘビーにクルードラゴンを送り、ファルコンヘビーのクルーと他のことを潜在的にやり遂げるという考えに戻る」)

つまり、ヘビーではなくBFRで行うが、開発が進捗しなければヘビーに戻るということなわけだ。

どっちにしても、月周回はやることになる。

まあ、全く新しいロケットだからな。

初めからうまくいくという保証はない。

浮沈子は、結局ヘビーで行くことになると思ってるんだがな。

メタンエンジンが完成したという話は聞かないからな。

もう、長年やってるのに、文字通り鳴かず飛ばずだ。

ヘビーの開発は、ファルコン9のバージョンアップの恩恵を直接受けることが出来たからな。

BFRは、開発リスクが高い。

エンジンもさることながら、巨大な2段目の完全再使用を前提にした機体の設計、製造は、難航必至だ。

灯油を燃やす枯れたエンジンを束ねるのとは訳が違うからな。

誤解を恐れずに言えば、ファルコンヘビーは、1960年代の遺産を食い潰しただけのロケットだ。

ブースターを100本束ねて、史上最大のモンスターロケットを上げても、それは同じだ。

世界初のメタンエンジンが、そう簡単に出来上がるとは思えないしな。

耐久性、信頼性を得るには、長い時間と相当な労力が必要だ(100人乗せて吹っ飛んだら、冗談では済まない)。

スペースXの発表が楽観的過ぎることについては、もう、世界中が慣れてしまったからな。

2024年に、怪しげなロケットで有人火星飛行を行うなどというのは、だれもが与太話だと分かっている。

浮沈子的には、2034年ですら怪しいと見ている。

その前に、開発を断念する可能性の方が高いだろう。

若干の遅れはあっても、ヘビーで月旅行をする話は、そう遠くない未来に復活するに違いない。

まあ、浮沈子の予想だからな、当てにはなりませんが。

その頃には、テスラロードスターは、何回か小惑星軌道まで達していることだろう。

ヘビーネタは、まだまだ続きそうだな・・・。