しつこくBFR2018年03月19日 18:57

しつこくBFR
しつこくBFR


宇宙関係での話題がない。

ないことはないんだが、あまり気が乗らない。

ぼーっとネットの記事を見ていたら、あることに気付いて、ちょっと書いておこうかと。

スペースXが、ファルコン9で、衛星打ち上げロケットの史上初のパワードランディングに成功したことは、よく知られている。

厳密には、2段式ロケットの1段目の回収に成功したに過ぎない。

2段目のロケットは、宇宙の彼方に飛んで行ってしまって、デブリになるか、大気の抵抗で高度を下げて燃え尽きるかという事になっている。

これは、どうやら、ファルコンヘビーでも同じで、フェアリングの回収は引き続き試みられるようだが、2段目の回収についてはやや不明だ。

(再使用型宇宙往還機:主なRLV)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%8D%E4%BD%BF%E7%94%A8%E5%9E%8B%E5%AE%87%E5%AE%99%E5%BE%80%E9%82%84%E6%A9%9F#%E4%B8%BB%E3%81%AARLV

「スペースX:ファルコン9:2段目の再使用については2017年現在構想のみ。」

「スペースX:ファルコンヘビー:1段目を再使用」

有人カプセルであるドラゴン2については、非与圧貨物を収納するトランク部分が未回収となる。

ここは、再突入の際の熱を遮断するアブレーターを保護している部材で、再突入の前に、お役御免になって切り離されて燃え尽きてしまう。

スペースシャトルで問題になった耐熱タイルのように、打ち上げ時からむき出しで運用されることはない。

宇宙空間ではむき出しになるX-37Bにしても、打ち上げ時はフェアリングに覆われて保護されている。

いったん宇宙に出た機体を回収するという事になると、いろいろ気を使わなければならないという事だ。

スペースシャトルは、様々な理由から打ち切りとなり、以後、軌道に達した宇宙機を回収することに成功しているのは、カプセル型かX-37Bだけという事になる。

打ち上げ時から、むき出しで運用される宇宙機は皆無となった。

さて、問題は、BFRの2段目がむき出し打ち上げの再突入を行う機体である点だな。

スペースシャトルと同じという事になる。

宇宙空間に軌道速度で到達した機体を、最終的にはパワードランディングさせるとしても、大気圏に突入させて、惑星(衛星)大気(まあ、しばらくは地球でしょうが)で減速しながら降りてくるという話になる。

まして、このBFRの2段目は、有人機だからな。

X-37Bは、単なる貨物機に過ぎない。

同じような運用を考えている、シエラネバダコーポレーションのドリームチェイサーは有人機だが、次期ISS輸送機としては、無人の貨物機として登場する。

もちろん、ゆくゆくは有人機に仕立てたくて、操縦席とか窓とか付いていたりする(諦めが悪い?)。

しかし、まあ、せいぜい7人乗りとか、その程度だ。

BFRの2段目は、100人乗りだという。

もう、けた違いの大きさで、こんなもんを宇宙空間からおっこどしてくるなんて、とんでもない話だ。

ちなみに、スペースシャトルのオービタは、全長37.24 m、打ち上げ時重量109トンに過ぎない。

(オービタ:諸元)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%BF#%E8%AB%B8%E5%85%83

「全長: 37.24 m」

「離陸時重量: 109,000 kg」

ウィキによれば、BFRの宇宙機は、全長48m、総重量1,335トンという、べらぼーな大きさだ。

(BFR (rocket)
https://en.wikipedia.org/wiki/BFR_(rocket)

「Second stage – Spaceship:
Length 48 m」

「Gross mass 1,335,000 kg」

むき出しの耐熱材で打ち上げて、それを地球へと降ろす際の減速に使用する。

スペースシャトルが撤退した原因の一つとなった方式を、再び踏襲しようとしているわけだな。

もっとも、耐熱材が同じなのかどうかは分からない。

ウィキでは、「Heat-shields will be reusable.」とあるだけだからな。

アブレーター式なのか、耐熱素材なのかも不明だ。

アブレーター式の場合は、再塗装みたいな手間がかかるからな。

迅速な再使用というわけにはいかない。

ということは、耐熱タイルのような、それ自身が熱的強度を持つ素材を使うことになる。

(スペースシャトル:耐熱タイル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%88%E3%83%AB#%E8%80%90%E7%86%B1%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB

「繰り返される飛行で何度も脱落を起こし、大事故の原因にもなった。安全確保のため、帰還後の点検で毎回毎回タイルひとつひとつの状況や履歴を記録しつつ手作業で検査・修復しなければならず、シャトルの不安要因のひとつ、大きな重荷のひとつとしてつきまとうことになった。」

X-37Bやドリームチェイサーのタイルが、どう進化しているのかは知らない。

少なくとも打ち上げの際の大気などとの相互作用については、フェアリングで覆うことにより、スペースシャトルよりもマシになっていることは確かだ。

BFRに、それはない。

スペースシャトルの不安要因、大きな重荷を抱えたままで、実装されることになる。

大気圏への再突入。

宇宙往還機の宿命であるこの障壁に、BFRはどう取り組もうとしているんだろうか。

(スペースXの巨大宇宙船「BFR」、来年にも試験飛行 - マスク氏語る)
https://news.mynavi.jp/article/20180316-sxsw_bfr/

「宇宙船のみでも地球周回軌道に乗れるだけの性能があるため、ゆくゆくは軌道から帰還する技術、とりわけ耐熱シールドの試験をしたい」

やはり、その重要性というか、困難さは意識しているんだろう。

2段目を軌道から降ろすのは、簡単ではない。

火の玉となって、燃え尽きてしまわないことを祈るばかりだ・・・。

再使用ロケットの優位2018年03月19日 21:03

再使用ロケットの優位
再使用ロケットの優位


現在、SLSの開発が進んでいる。

スペースシャトルの引退に伴って、その遺産を継いで建造されることになっているんだが、鳴かず飛ばずの状態が何年も続いている。

おそらく、あと数年は上がらないだろう。

それには、それなりの訳があるのだ。

何てったって、使い捨てだからな。

失敗すれば、最低でも数億ドルが吹っ飛ぶ。

ダメだったら、作り直せばいいというわけにはなかなかいかない。

1本数億円の電柱ロケットとは2桁違う。

そこへいくと、スペースXが取り組もうとしているBFRというロケットは、完全再使用を目指している。

作り上げるのは大変だろうが、いったんできてしまえば、1回の打ち上げに要する費用は、電柱ロケットと大差ない。

100分の1のコストだ。

それだけではない。

開発についても、低コストで行うことができる可能性が高い。

つまり、基本性能のところだけとりあえず作って、打ち上げながら改良を施して、高度な機能を付与していくことが可能だ。

不具合の修正も、何といっても現物が戻ってくるわけだから、深海から残骸を回収したりすることなく、詳細な状況を確認することができる。

ファルコン9も、おそらく今後のファルコンヘビーも、そうやって改良されていくわけだ。

BFRはどうだろうか。

少なくとも、初期の開発は難航する。

あっさりと打ち上げられてきた既存のファルコンロケットは、基本的にレガシーな技術をベースに、それらを組み合わせて大きな出力と柔軟性を発揮するようにデザインされている。

エンジンは、徐々に改良が施され、ロケットの配置や燃料タンクの大型化が図られてはきたけれど、基本的には何も変わっていない。

ハエ叩きのようなグリッドフィンも、ほかのロケット(や、ミサイル)で、実証済みの技術だ。

後付けの着陸脚こそ斬新だが、初めのうちは展開した後にロックできずに倒れてしまったりしてたからな。

まあいい。

そういう、マイナートラブルは開発初期には避けられないのだ。

いったん、基本部分が出来上がれば、細かいところは、運用しながらの開発が可能だ。

たとえば、タンカーとドッキングして、軌道上で給油するなどという離れ業についても、うまくいかなければ、地上に回収して改良を施せばいい。

有人機の開発も、貨物船の運用を行いながら、信頼性を上げていくことが可能だ。

完全再使用が気軽に行えるようになれば、経費の点からも、開発のスピードは上がるし、丸ごと吹っ飛ぶような事故がない限り、同じ機体を何度も繰り返して使えるので、建造期間を事実上ゼロにすることができる。

垂直離着陸専用の機体(グラスホッパーなど)は、ファルコン9でも使っていたけれど、数百メートル(最大1000m)くらいしか上昇できなかったわけで、基礎的なデータ取り程度にしか使えなかった(まあ、それも大事ですが)。

完全再使用を実現できれば、そこから先は、それこそ毎日でもテスト飛行ができるわけで、SLSのように、年に1回上がるかどうかという使い捨てロケットとは、開発のスピードがけた違いになることは間違いない。

そうはいっても、完全再使用で2段目を回収できるようになるまでは、試行錯誤の連続が続くだろう。

浮沈子は、生きてるうちに実用になれば、めっけもんだと思っている。

BFRの開発は、それ程困難なものになるだろう。

インターネット衛星の展開とか、場合によっては、2段目の回収ができなくても割に合う用途で使い始めるのが正解かも知れないな。

2段目の困難さが目立っているが、1段目の回収だって半端な難しさではない。

少なくとも、ファルコンヘビーの3倍は難しいだろう(そうなのかあ?)。

高度100km以上から、何百トンものロケットを、逆噴射させながら落としてくるわけだからな。

引き込み式の着陸脚は、ファルコン9ブロック5から使われる様だが、軽くて小さい(!)ファルコン9の10倍くらいの代物だからな。

初めのうちは、ドローン船に激突して、大破してしまうに違いないのだ。

一度でも成功すれば、それ以降は格段の進歩を遂げるだろう。

この点では、ブルーオリジンのニューグレンとガチで競争することになる。

ロケットの規模は、BFRの方が一回り大きい。

ロケット:全長:直径
・BFR:106m:9m
・ニューグレン:95m(三段):7m

浮沈子が見るところ、ニューグレンは、外連味のない手堅いロケットに思える。

逆に言えば、それ程までにBFRは革新的なロケットといえる。

軌道上での給油とか、現実離れした運用にしても、完全再使用ロケットを前提として、初めて現実の話として可能になってくるわけだからな。

月軌道で宇宙専用機に乗り換える、極地法のようなボーイングの有人火星探査に比べて、スペースXのBFRは、ロケット自体の性能を極限まで高めることによって実現する、アルパインスタイルのような感じだ。

極地法では、火星にあらかじめ着陸船を送り込んでおいて、宇宙専用機から火星軌道上で乗り換えて着陸することになるようだ。

うーん、その着陸船というのは、ひょっとしたら、BFRの2段目だったりするのかもしれないな・・・。

活動量計バンド応急修理2018年03月19日 22:29

活動量計バンド応急修理
活動量計バンド応急修理


初代ビボフィットを中古で購入して、最近、復活させたのはいいが、手荒に扱うことが多く、とうとうバンドがちぎれてしまった。

ちぎれたところは、ハサミでパチンと切ってしまう。

当然、長さが足りなくなったので、まずは、ためらいもなく真っ二つにして、途中に穴をあけて100均で買っておいた細めのゴムひもを通して結ぶ。

ゴムひもは、少し緩めにして、バンドと手首の間の通気性を確保すれば完成。

ゴムひもの端っこを、ライターであぶって、ほつれないように仕上げる。

今日、1日着けているんだが、なかなか快適だ。

水泳の時に外すことが多く、差し込む穴のところが切れてしまった。

ゴムひもにしたことで、外すときに、差し込みを繰り返すこともなくなったので、しばらくこのままでもいいか。

あまり、見た目は良くないんだがな。

今日は体調不良(昨日の無理が祟ったか)で、1日中、寝たり起きたりを繰り返している。

せっかく応急修理した活動量計の出番はない。

雨が降り出して、散歩にも行けない。

明日は所用があって、歩きは出来そうもないし、雨模様だ。

フィットネスも休みだしな。

明後日も雨・・・。

咲きかけた桜も、雨の中で気温が上がらず、満開になるのが遅れそうだ。

予報では、気温はぐんぐん下がり、明日、明後日はほぼ10度未満で推移しそうだ。

まあいい。

焦らず、じっくりと取り組めばいいのだ。

活動量計が壊れるほど運動したといえば聞こえはいいが、なに、ぞんざいに扱っただけの話だ。

しかも、バンドがちぎれただけ。

天気になって体調が戻れば、また、健康的な生活に復帰すればいいだけだ。

それまでは、不健康な生活を、大いに楽しむことにしよう・・・。