火星はぼろっちい惑星 ― 2018年05月07日 21:52
火星はぼろっちい惑星
(グウィン・ショットウェル: 30分で地球を半周するSpaceXの旅行プラン)
https://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20180504-00014615-ted
「火星は結構ですが ぼろっちい惑星です 住めるようにするには いろいろやらなければなりません」
地球上で、いちばんイカレた会社(スペースX:Space Exploration Technologies Corp.)の社長のインタビューの中で、唯一、まともに聞こえたセリフだ。
大陸間弾道旅客ロケット(仮称)のプランにしても、浮沈子にしてみればふざけた話に聞こえる。
スターリンクの話も、少し出てきた。
目新しいところのない、スペースXの宣伝のようなインタビューだな。
航空機と大陸間ロケットの話の中で、1日に何十回も飛ばすことができれば、コスト競争に勝てるというくだりがある。
「では どうやって 航空券と張り合えるのか? これが30分とか 1時間で移動できるなら 1日に何十回も飛べます 長距離の飛行機だと 1日に1回しか飛べません だからロケットの料金が 若干高く 燃料費が 若干高かったとしても 1日に飛行機の 10倍とか飛ばすことができ このシステムから必要な収入を 上げることができます」
まあ、そううまくはいくまい。
必要なメンテナンス、燃料の注入時間、ブースターの準備だけでも、最低1時間はかかるからな。
複数のロケットを同じ路線で運用しなければ、毎時に飛ばすことはできないだろう。
それは、必然的にコストの増加を伴う。
開発中のラプターエンジンが、どれほどの耐久性と信頼性を持っているかは不明だが、いいとこ、毎日運航できれば上等なのではないか。
それだけでも、大した話だが、それでは航空機に対抗することはできない。
このインタビュー、そういう突っ込みどころは満載だが、グウィンショットウェルの人柄がよく分る、いい番組だと感じた。
おちゃめなおばさんだな。
前向きで、明るくて、陽性な性格だ。
こういう人材でないと、イカレた会社の社長は務まらないんだろう。
ファルコン1の打ち上げにたて続けに失敗している中で、NASAに売り込みをかけて成功した下りはうならせるものがある。
今では、世界有数の打ち上げロケット会社だが、当時は単なる新興企業だ。
もう一つ、注目すべき発言があった。
「(クリス)1度に100人を 火星に運ぶんですね かかるのは6ヶ月くらい? それとも2ヶ月?
(グウィン)それはロケットの 大きさによります 私たちは どんどん大きなBFRを 作っていきますが 最初のもので 3ヶ月というところです 現在は平均で 6~8ヶ月ですが もっと早くしたいと 思っています」
発表されているBFRの大きさは1種類(タイプ別では、タンカー、貨物、有人の3種類)だが、複数サイズのロケットが計画されているようだ。
初めは、小型のタイプが作られる可能性がある。
あるいは、発表されているものより、大きなサイズに発展していくのかもしれない。
インタビューの初めのところでは、BFRは既存のファルコン9やヘビーを置き換えるものではないといっている。
しかし、運用コストが劇的に下がって、BFRだけ飛ばした方がいいということになれば、当然置き換えられていくことだろう。
異なる大きさのBFRの存在を示唆する発言は、要注目だな。
まあいい。
グウィン時間で10年「以内」ということだが、まあ、それも楽観的な時間だ。
浮沈子時間では、「最低」10年かかると見ている。
2020年代に完成すれば、上等の部類だ。
全く新しい設計のエンジン、ゼロから開発される機体、それらを統合して運用するアビオニクス。
クラスター化されたエンジンの制御や、パワードランディングのノウハウなど、ファルコン9シリーズからの遺産はあるだろうが、2段目の再突入や短期間(短時間?)での再使用については、今後の課題になる。
ちなみに、現在は再使用までの期間は概ね半年程度だからな。
世界中の優秀な技術者を抱え込んで、超特急で開発を進めるロケット企業。
スターリンクで躓かない限り、本業での発展に曇りはない。
火星なんかに行かなくてもいいから、地球の周りで堅実な商売をしてもらいたいもんだな・・・。
(グウィン・ショットウェル: 30分で地球を半周するSpaceXの旅行プラン)
https://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20180504-00014615-ted
「火星は結構ですが ぼろっちい惑星です 住めるようにするには いろいろやらなければなりません」
地球上で、いちばんイカレた会社(スペースX:Space Exploration Technologies Corp.)の社長のインタビューの中で、唯一、まともに聞こえたセリフだ。
大陸間弾道旅客ロケット(仮称)のプランにしても、浮沈子にしてみればふざけた話に聞こえる。
スターリンクの話も、少し出てきた。
目新しいところのない、スペースXの宣伝のようなインタビューだな。
航空機と大陸間ロケットの話の中で、1日に何十回も飛ばすことができれば、コスト競争に勝てるというくだりがある。
「では どうやって 航空券と張り合えるのか? これが30分とか 1時間で移動できるなら 1日に何十回も飛べます 長距離の飛行機だと 1日に1回しか飛べません だからロケットの料金が 若干高く 燃料費が 若干高かったとしても 1日に飛行機の 10倍とか飛ばすことができ このシステムから必要な収入を 上げることができます」
まあ、そううまくはいくまい。
必要なメンテナンス、燃料の注入時間、ブースターの準備だけでも、最低1時間はかかるからな。
複数のロケットを同じ路線で運用しなければ、毎時に飛ばすことはできないだろう。
それは、必然的にコストの増加を伴う。
開発中のラプターエンジンが、どれほどの耐久性と信頼性を持っているかは不明だが、いいとこ、毎日運航できれば上等なのではないか。
それだけでも、大した話だが、それでは航空機に対抗することはできない。
このインタビュー、そういう突っ込みどころは満載だが、グウィンショットウェルの人柄がよく分る、いい番組だと感じた。
おちゃめなおばさんだな。
前向きで、明るくて、陽性な性格だ。
こういう人材でないと、イカレた会社の社長は務まらないんだろう。
ファルコン1の打ち上げにたて続けに失敗している中で、NASAに売り込みをかけて成功した下りはうならせるものがある。
今では、世界有数の打ち上げロケット会社だが、当時は単なる新興企業だ。
もう一つ、注目すべき発言があった。
「(クリス)1度に100人を 火星に運ぶんですね かかるのは6ヶ月くらい? それとも2ヶ月?
(グウィン)それはロケットの 大きさによります 私たちは どんどん大きなBFRを 作っていきますが 最初のもので 3ヶ月というところです 現在は平均で 6~8ヶ月ですが もっと早くしたいと 思っています」
発表されているBFRの大きさは1種類(タイプ別では、タンカー、貨物、有人の3種類)だが、複数サイズのロケットが計画されているようだ。
初めは、小型のタイプが作られる可能性がある。
あるいは、発表されているものより、大きなサイズに発展していくのかもしれない。
インタビューの初めのところでは、BFRは既存のファルコン9やヘビーを置き換えるものではないといっている。
しかし、運用コストが劇的に下がって、BFRだけ飛ばした方がいいということになれば、当然置き換えられていくことだろう。
異なる大きさのBFRの存在を示唆する発言は、要注目だな。
まあいい。
グウィン時間で10年「以内」ということだが、まあ、それも楽観的な時間だ。
浮沈子時間では、「最低」10年かかると見ている。
2020年代に完成すれば、上等の部類だ。
全く新しい設計のエンジン、ゼロから開発される機体、それらを統合して運用するアビオニクス。
クラスター化されたエンジンの制御や、パワードランディングのノウハウなど、ファルコン9シリーズからの遺産はあるだろうが、2段目の再突入や短期間(短時間?)での再使用については、今後の課題になる。
ちなみに、現在は再使用までの期間は概ね半年程度だからな。
世界中の優秀な技術者を抱え込んで、超特急で開発を進めるロケット企業。
スターリンクで躓かない限り、本業での発展に曇りはない。
火星なんかに行かなくてもいいから、地球の周りで堅実な商売をしてもらいたいもんだな・・・。
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