世紀の回収2018年05月12日 09:12

世紀の回収
世紀の回収


(Bangabandhu Satellite-1 Mission:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=rQEqKZ7CJlk

映像が途切れたり、鮮明でなかったりした着陸だが、1段目は無事にドローン船に着陸した。

やれやれ・・・。

映像を見ると、相当揺れていて、また、センターからもずれているので、なんか危うい感じだが、着陸してしまえばこっちのもんだ。

荒れた大西洋を、どんぶらこっこと帰ってくるわけだから、次の発射がいつになるかは分からない。

もちろん、初めてのブロック5だから、入念な検査を行うことになる(たぶん)。

当然、48時間以内の打ち上げなんてできない。

今回はそれでいい。

考えてみれば、回収してから点検し、発射台近くのハンガーに持ってきて組み立てるまでの時間や、発射台に据え付けて、燃料を入れてスタティックファイアーテストをしたり、衛星などを据え付けて、再度打ち上げ台に立たせたりするわけだからな。

試験点火してからも、その結果を評価する時間も必要だ。

あれやこれやで、結局、1週間くらいはかかる感じか(テキトーです)。

低軌道への簡単な打ち上げで、陸上で回収するような場合を除けば、48時間以内の再打ち上げというのは不可能な事が分かる。

現在は遠く離れているランディングゾーン1を、発射台のすぐそばに持ってくるか、LZ-1のそばに、新たな発射台を作るかしなければ、効率は良くないな。

将来的には、洋上で回収したら、その船の上から発射するとかな。

次の衛星とか、2段目とかを、ドローン船に積んでいくしかない。

燃料や液体酸素も持参だ。

しかしなあ、ドローン船から打ち上げたはいいが、その1段目の回収をどうするかが問題だ。

第2のドローン船を配置しておくしかないからな。

結局、陸地まで持ってくるのと手間は同じ。

もう、再使用が常態化するわけだからな。

打ち上げの映像を見ている限り、目新しいことがあるわけではない。

先月のTESSの回収と、大した違いはない。

そう考えると、世紀の回収も大したことはないように思える。

しかし、2015年に陸上へのパワードランディング、翌年にドローン船への着陸を成功させるまでは、誰も本当に再使用が常態化するとは考えていなかったに違いない。

実際、今までは回収されるのは約半数。

再使用といっても、1回だけ使いまわすだけで、後は部品取りか捨ててしまうか。

とても、再使用ロケットと胸を張って言える状況ではなかった。

今日からは、堂々と再使用ロケットと名乗ることができる。

まあ、あと数回はブロック4の在庫打ち上げが予定されているようだから、全部がそうなるわけじゃないし、天候の関係から回収を諦めたり、失敗したりすることがあるかもしれない。

100回程度の耐用回数を超えれば、当然廃棄されることになる。

それが、1000回になり、1万回になれば、ロケットというものは、使い捨てにするんじゃなくて、再使用するものだということが常識になるんだろう。

しかし、それはブロック5の時代ではなく、BFRやそれ以降のロケットになる。

まだ、通過段階だな。

ブロック5は、初めて再使用ロケットを名乗ることができる。

そこがポイントで、その最初の回収が今日、行われたということになるわけだ。

なにしろ、今まではたった1回しか再使用しなかったわけだからな。

パワードランディングの実験と、そもそも再使用ができるかどうかの確認程度のレベルだ。

10回程度、最小限のメンテナンスで連続して再使用できるといっても、事実上、それ程高頻度で打ち上げられるわけじゃない。

また、実際、それだけの耐久性を有するかどうかの確認もこれからだ。

本格的な再使用が、ようやく始まったと捉えるべきなんだろう。

未来は、ある時、突然やってくるわけではない。

こつこつと積み上げた、少しばかりの変化が、気付いたら常識を変えていたというのが現実の話だ。

今日の着陸だって、少しズレてたしな。

危なかった・・・。

今後は、ドローン船の改良も必要になってくるかもしれない。

対候性のいい船じゃないと、確実な回収は望めないからな。

数年前は、こんな日が来ること自体が夢のような話だった。

鉛筆型の打ち上げロケットを、宇宙空間から逆噴射して垂直に洋上の船舶のデッキにピンポイントで着陸させて、さらには、そのロケットを数日で再使用しようなどというのは、荒唐無稽も甚だしい状況だった。

夢でも見てるんじゃね?。

その夢は、今日、現実になった。

スペースシャトルも、夢を見せてくれたけどな。

結果は、悪夢になってしまい、シャトルごと消えてしまった。

リフティングボディタイプの宇宙船(打ち上げロケットではない)の開発は、今でも行われている。

X-37Bや、ドリームチェイサーなどだ。

カプセル型の宇宙船の再使用は、既にドラゴンで実現している。

経済的には、割の合わない話だそうだが、ドラゴン2では、その辺も考慮されているかもしれない(未確認)。

まあ、大気圏への突入と、大気圏内での空気の抵抗を利用するところはどちらのタイプも似ている。

2段目の回収も、これからチャレンジするらしいが、まあ、期待しないで見てた方がいいかも。

バリュートみたいな方法で、果たしてうまくいくかどうかは何とも言えない。

そういうのは、先の話だし、実現したりしても経済効果は限定的だ。

金がかかっていて、再使用すれば格段に安上がりになるところから始めるというのは手堅い話だ。

そうやって稼いだ金で、次なるロケットを開発して、全段再使用を目指した方が健全な気もする。

時間はかかるが、最適化が図れるしな。

その意味でも、1段目の再使用を本格化させて、収益の増大につなげる今回の回収は、世紀の回収といっていい。

未来につながる回収だ。

それは、打ち上げロケットの定義を変え、運用を変え、それがもたらすサービスを変え、我々の生活を変えていく。

それが未来というものだ。

未来は、遠い将来の姿を夢想することだけじゃ訪れない。

そのビジョンを見失わずに、今日できる小さな1歩をしっかりと踏み出すことだ。

まあな、そのビジョンが、火星移民だったりするってのは、あんま好ましい話じゃないけどな・・・。

残りの600m2018年05月12日 23:21

残りの600m
残りの600m


昨日は400mで打ち切りにしたプール。

今日は、筋トレなしの600mを泳ぐ。

これで、1000m達成だな。

単なる自己満足。

それ以外の何物でもない。

それでいいのだ。

帰ってきて、遅い昼めし食って爆睡。

今日は、身体を休める日だ。

朝、出かける前に、明日の準備を整える。

後は、水着とパソコンを入れるだけだ。

おっと、無線ルーターとスマホと携帯電話も持ってかないとな。

さっき起き出して、遅い夕食を食べ、ちょっと気になっていたことを調べてみた。

(Koreasat-5A Webcast:動画出ます。:T-12分9秒辺り:October 30, 2017)
https://www.youtube.com/watch?v=CNRTNxZSPhE&list=PLC474234E124B5213&index=14&t=0s

(Falcon Heavy Test Flight:動画出ます。:T+4秒辺り:February 6, 2018)
https://www.youtube.com/watch?v=wbSwFU6tY1c&t=38s

(Bangabandhu Satellite-1 Mission:動画出ます。:T-5分2秒辺り:May 11, 2018)
https://www.youtube.com/watch?v=rQEqKZ7CJlk

給水塔らしきものが右側に映っているので、これらはみな、同じ方向から撮っていることが分かる。

日付は、世界協定時に基づく。

画像を見て分かるように、39A発射台は、鉄骨の部分が一部取り壊され、変貌しつつある事が分かる。

避雷針を乗っけているところ以外は、すっきりとしてきている。

将来的には、その部分も撤去され、別の避雷針が建てられるかもしれない。

ゆくゆくは、BFRを打ち上げなければならないからな。

現在のものでは、高さが足りない。

まあ、フロリダから上げるのでなければ、避雷針の心配はいらない。

現に、カリフォルニアのバンデンバーグでは、発射台に避雷針はない。

まあ、どうでもいいんですが。

いずれにしても、アポロの大半を打ち上げ、スペースシャトルを打ち上げてきた由緒ある発射台は、姿を変えつつあるのだ。

20年の貸与期間が終わっても、原状復帰しろという話にはなっていないだろうしな。

中継のカメラアングルの大部分は、この角度からではなく、撤去されてきた事が分かるアングルを探すのに苦労した。

そういうことが目立たないように設定しているのかもしれない。

まあいい。

世界の関心は、打ち上げられるロケットにあり、あるいは、そのペイロードにあるわけで、発射台の、それも、実際の地上サービスとは無関係の施設にはないのだ。

こういう変貌を目の当たりにすると、時代の流れを感じる。

スペースシャトルが飛んでいたのは、つい数年前(2011年)のことなのに、遥か昔になってしまって、その同じ発射台からは、鉛筆型のロケットが発射され、その1段目を回収し、再使用するという本格運用を始めているありさまだ。

そのことは、仕方ない。

耐熱タイルむき出しで、振動と騒音の中を飛び立つスペースシャトルの設計思想に、欠陥があったと言わざるを得ない。

もう、ああいう機体を作ることはないだろうな。

少なくとも、大型のリフティングボディを耐熱タイルむき出しのまま、裸で打ち上げるという暴挙はすまい・・・。

あれっ、BFRって、なんか似てないかあ?。

大気圏再突入の際には、2段目(つーか、宇宙船)は、断熱圧縮により外壁を過熱される。

そこは、21世紀になったんだから、耐熱タイルを張り付けるより、マシな方法をとるんだろうが、それにしても似ている。

打ち上げの際に、加熱される部分にカバーが付くような話は聞かない。

大丈夫なんだろうか?。

いつか来た道・・・。

もちろん、パワードランディングとの併用になるだろうから、どこかでエントリーバーンをして、加熱の温度を下げるとか、気の利いたことをするんだろう(未確認)。

再使用する際のコストや時間を考えれば、毎回塗装しなおしとかは有り得ないからな。

いずれにしても、スペースシャトルは引退し、先端にカプセル(フェアリング)付けた鉛筆型のロケットの時代になった。

その発射台の鉄塔が取り壊され、撤去されていくのもやむを得ない。

時代の変化の一つの象徴だな。

有翼型宇宙船が、滑走路から飛び立つようになれば、そもそもロケットの発射台などという施設自体が無用の長物になる。

まあな、滑走路の方が長いからな。

長物とは言えないかもな・・・。

以下、参考まで。

(ケネディ宇宙センター第39発射施設)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%8D%E3%83%87%E3%82%A3%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%AC%AC39%E7%99%BA%E5%B0%84%E6%96%BD%E8%A8%AD

(CRS-10 Hosted Webcast:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=giNhaEzv_PI&index=27&list=PLC474234E124B5213

ファルコン9が、初めて39Aを使った時の打ち上げ。

歴史的背景についても説明しているし、回転塔の部分も完全に残っている。

(This is a featured list. Click here for more information.
List of Falcon 9 and Falcon Heavy launches)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Falcon_9_and_Falcon_Heavy_launches

いつもの打ち上げリスト。