CRS-15或いは最後のブロック42018年06月30日 01:05

CRS-15或いは最後のブロック4
CRS-15或いは最後のブロック4


最早、打ち上げの中継を生で見るということもなくなったファルコン9。

(crs15presskit)
http://www.spacex.com/sites/spacex/files/crs15presskit.pdf

1段目の回収はない。

(CRS-15 Mission:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=ycMagB1s8XM

つまらん映像だが、一つ気になったのは、ドラゴンカプセルを放出した直後に、2段目のロケットから何かの部品(キャップとか、ナットの類?)が、宇宙船めがけて飛んで行ったことだな。

ぶつかったりとかしなかったんだろうか。

ちょっと心配になった。

録画(つーのかあ?)を見ていて、思わず「おっと!」と声が出てしまった。

まあ、どうでもいいんですが。

(Swan song: Final SpaceX Block 4 Falcon 9 launches CRS-15 cargo mission)
http://www.spaceflightinsider.com/missions/commercial/swan-song-final-spacex-block-4-falcon-9-launches-crs-15-cargo-mission/

この記事によれば、ブロック4の最後の打ち上げということになっているが、ウィキのリストでは、10月に延期されてしまったクルードラゴンのアボートテストの際には、韓国の衛星を打ち上げた1段目(B1042.2)が使用されることになっている。

(List of Falcon 9 and Falcon Heavy launches)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Falcon_9_and_Falcon_Heavy_launches

「October 2018:F9 B4 B1042.2:Crew Dragon in-flight abort test」

「A Falcon 9 first stage will propel the Dragon 2 test capsule in a sub-orbital flight to conduct a separation and abort scenario in the transonic regime at Max Q, i.e. under the worst structural stress conditions of a real flight.[344] The spacecraft will then splash down in the ocean with traditional parachutes. The test will be performed by the same capsule from the SpX-DM1 demonstration flight.」(ファルコン9の第1段階では、極低軌道でドラゴン2試験カプセルを推進し、最大Qで、すなわち実際の飛行の最悪の構造応力条件下で、遷音速領域における分離および打ち切りのシナリオを実行する。 宇宙船は伝統的なパラシュートで海の中に飛び散るでしょう。 このテストは、SpX-DM1デモンストレーションフライトの同じカプセルで実行されます。自動翻訳のまま)

まあいい。

その時になればわかるさ・・・。

回収シーンのないファルコン9の打ち上げが続いていて、いささかげんなりしている。

順調いけば、3日間の飛行の後にISSに到着して、カナダアームで捕まえてもらえる。

一段目にはグリッドフィンはない。

着陸脚は映像からは分からないが、解説ではないと言っているようだ。

「you'll also notice that there are no grid fins nor are there any landing legs ・・・」

今回のミッションパッチには、打ち上げロケットは描かれていないしな。

夜間の打ち上げで、しかも、水蒸気が立ち込めていて、着陸脚の辺りは良く見えないのだ。

(SpaceX to test last old-gen Falcon 9’s orbital upper stage lifespan tonight)
https://www.teslarati.com/spacex-last-falcon-9-block-4-launch/

この記事のトップにある画像を見ると、煤けたブースターの胴体に、着陸脚が取り付けられていた跡が、くっきりと白く付いている(つまり、着陸脚は付いていない)。

まあ、廃棄物処理は、大西洋上ではなく陸上で行われたんだろうな。

記事の中では、アボートテストでブロック4が使われる件についても触れているが、ひょっとするとガセネタかも知れない。

いずれにしても、10月になればわかる話だ。

もし、今後、全ての飛行でブロック5が使われるということなら、今回の打ち上げはブロック4の最後の雄姿となる。

もう二度と、その姿を見ることはできない。

段間構造が真っ黒とか、配管カバーが真っ黒とか、着陸脚の取付ボルトがカバーの内側にあるとか、そういうブロック5の外観だけを拝むことになる。

ちなみに、グリッドフィンはブロック4からチタン製に変わっている。

一つの歴史が幕を閉じ、新たなロケットに引き継がれた(たぶん)。

1042ブロックが再使用されなければ、もう、ブロック4の在庫はない。

ファルコンヘビーのサイドブースターも、ブロック5になるようだ。

「November 19, 2018:Heavy B5:KSC LC-39A:Space Test Program Flight 2 (STP-2)」

ド派手な打ち上げを、また見ることが出来る。

もちろん、それ以外の打ち上げもあるけどな。

宇宙開発史の転換点に立ち会うことが出来たのは、幸せなのかもしれない。

今後は、少なくともファルコン9の一段目を回収せずに打ち上げるのは、1割以下になるはずだからな。

殆どの打ち上げが、再使用品ということになるわけで、新品で打ち上げるのも1割以下ということになる。

宇宙ロケットが使い捨てだった時代の、終わりの始まりがやってきたわけだ。

まあ、まだ一部だけどな。

それが、フェアリングの回収になり、宇宙空間で猛スピードを出した2段目に繋がり、やがては、BFRのように、初めから全段再使用を前提とした作りになっていくんだろう。

いままでの1段目の回収や、その再使用というのは、いわば試験的に行われていたわけで、今後はブロック5という回収再使用を前提としたバージョンに引き継がれていく。

商売として、割に合うかどうかというキビシー観点からの評価になる。

テストだから、多少足が出てもいいとか(着陸脚のことじゃないって!)、そういう甘い考えは通用しない。

そこで稼いだ金で、BFR作って火星に行こうとしているわけだからな。

今夜は、明るい月を追いかけるように、火星が空に上っている。

火星移民とか、ワケワカの与太話さえしなければ、スペースXは、偉大な会社なんだろうけど。

しかし、それにしても、後から飛んで行った部品の行方が気になるんだよなあ・・・。

ポルシェの敵はポルシェ2018年06月30日 08:29

ポルシェの敵はポルシェ


ニュルブルクリンク北コースの絶対コースレコードは、長らくポルシェのレーシングカーだった956Cが持っていたが、ハイブリッドマシンである919Evoにより、大幅に書き換えられた。

(ポルシェ919ハイブリッド Evo、ニュルでラップタイム新記録を樹立)
https://f1-gate.com/porsche/919hybrid_43306.html

「5分19秒55のラップタイム新記録を樹立」(6月29日)

「1983年5月28日にシュテファン・ベロフが956Cで樹立した伝説的な6分11秒13のラップタイムを35年間振りに更新した。」

今年、ポルシェはWECのトップカテゴリーから撤退し、改造したレーシングカー(レギュレーションの制約を取り払って、メーカーの好きなように作ったクルマ)で、世界のレース場の記録を塗り替えに掛かっている(そうなのかあ?)。

既に、スパフランコルシャンでも、昨年のF1マシンより速いタイムをたたき出している。

これから先のチャレンジがどうなるかは不明だが、世界中のサーキットを荒らしまくってレジェンドとなることを目指しているのかもしれない。

ノルドシュライフェは、スポーツカーにとって、ある意味、聖地だ。

そこを、改造レーシングカーで荒らすというのはいかがなものかという気がしないでもない。

浮沈子的には、なんか大人げないような気がするんだがな。

既に、絶対コースレコードはポルシェのレーシングマシンが持っているわけだしな。

それをさらに50秒も更新して、何が嬉しいのか・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

自らの伝説を自らで書き換える。

ポルシェの敵は、アウディでもトヨタでもない。

ポルシェの敵は、ポルシェでしかないのだ・・・。

遠慮なく真夏日2018年06月30日 09:03

遠慮なく真夏日


東京地方は、今日も日差しが強く、いきなり真夏日になっている。

気温は既に30度を超えて、たぶん、33度くらいになるのではないか。

梅雨明け宣言したら、安心して真夏日になっている感じだ。

遠慮も会釈もない・・・。

昨日書きかけたブログをアップし、ポルシェの記事を書いたら、何となく気が抜けた感じで、この暑さの中を大井町まで自転車こぐのはしんどい気分になっている。

昨日は、神田に遊びに行って、帰りに1000m泳いできた(筋トレはお休み)。

潜水も25mこなす。

遠泳の方は、来月からでいいかも。

体重の方は変わらず。

食事を控えめにしているのに、なぜか減らないな。

考えてみれば、ふつーに食べているだけだからな。

今までが、食い過ぎだっただけだ(何をいまさら・・・)。

運動の習慣を維持して、脂肪を筋肉に変えながら、あわよくば減量も達成しようという今回のダイエット。

3月から始めて、既に4か月が経つんだが、減量効果の方はさっぱりだな。

暖かくなり、身体を動かすことが楽しくなるのはいいんだが、ものには程度ということがある。

こう暑くては、運動するのも苦痛になる。

水分補給を十分にしているといっても、体温が十分に下がらなければ負担は大きい。

無理は禁物だからな。

冷房の効いた涼しい部屋で、ネットを徘徊しながら与太ブログを書いているのが一番だ。

神田では、以前から勧められていたサイドマウントのハーネスとブラダーを予約する。

既に現物はあるんだが、竹内さんがいる時の方がいいらしい(現在、避暑地で出稼ぎ中?)。

アルミタンクがあるところで、プールダイビングが出来そうなので、せっかくだから買って使ってみようと思っている。

いつか、南の島で潜れる時のために、練習しとかないとな。

サイドマウントも、やらないと忘れちまいそうだ。

今月は、ファンダメンタルズのトレーニングダイブもあるので、ヘンタイダイビングが続くことになる。

伊戸のダイビングで口直しというところか。

後は、来月だなあ・・・。

情緒の対象としてのロケット2018年06月30日 14:53

情緒の対象としてのロケット
情緒の対象としてのロケット


発射台から勢いよく打ち上げられ、遥かな宇宙に向けて飛び立っていくロケットを見て、ある種の爽快感を感じるということはある。

衛星打ち上げロケットであれ、MOMOのような観測ロケットであれ、それは同じだろう。

浮沈子は、再使用ロケットについて関心があるので、使い捨てロケット(つーか、まあ、ふつーそうですが)に関心が薄い。

それでも、例えばエレクトロンのような、電気モーターを回して燃料を押し込むなどというヘンタイロケット(そうなのかあ?)や、考えられる限りの資源を投じて米国が作りつつあるSLSのような、究極の使い捨てロケットには、それなりの関心がある。

しかし、それらはいずれも技術的関心とか、宇宙開発に及ぼす影響とか、非情緒的関心といえるかもしれない。

ロケットと情緒的関心ということなら、このブログでもたびたび言及しているように、打ち上げに失敗して空中で木っ端みじんに砕け散る様を見るのがサイコーだな(無人機に限りますが)。

打ち上げというイベントに加えて、空中爆発という大イベントがおまけで付いて来て、失敗という胸が締め付けられるような結末が涙をそそる。

期待と歓喜の状態から、一転、失望と悲哀が訪れて、その感情の起伏を味わうことになる。

しかし、有人ロケットの打ち上げについては、この限りではない。

その悲惨な結末を見るにつけ、そういう捉え方は人倫にもとると自覚している。

ファルコン9でいえば、有人宇宙船を打ち上げることがないブロック4までは、無邪気に失敗を期待したりしているが、有人機の打ち上げに使用されるブロック5についてはそういう態度は慎もうと思っている(ホントかあ?)。

もちろん、ブロック5を使って人工衛星などを打ち上げる際には、ダメ出し含めて、ちょこっと期待するくらいはいいかもしれない。

まあいい。

今朝のニュースをラジオで聞いていたら、MOMO2号機が打ち上げに失敗して墜落炎上したと報じていた。

(「MOMO2号機」4秒後に推力失う 稲川社長はロケット問題解決と前進を宣言)
https://sorae.info/030201/2018_06_30_ist2.html

「問題を解決し、さらなる協力を得てロケット開発を進めたいと発言」

限られたリソースと短い開発期間で成果を上げなければならない民間企業にとって、ロケット事業での成功には高いハードルが存在する。

浮沈子は、観測ロケットにはあまり関心がなく、MOMOの情報も詳しくは知らないけど、将来は衛星打ち上げも視野に入れているというから次回は頑張ってもらいたいと思っている。

見学に行った人々は、大いに落胆したに違いないが、あっさりと成功するよりも貴重なものを得たに違いない。

我が国のロケット開発は、固体燃料ロケット中心だったけど、米国から技術移転して液体燃料ロケットも作れるようになった経緯がある。

初めから、複雑な構成の液体燃料ロケットを手掛けるということで、ある程度のリスクは覚悟の上だろう。

原因の究明と、今後の進展を見守りたい。

(ホリエモンロケット2号機が炎上、打ち上げ直後に落下:追加)
https://www.asahi.com/articles/ASL6X61C0L6XULBJ010.html

墜落炎上の動画が出ているが、地上施設への被害も甚大だなあ・・・。

謎の炎2018年06月30日 18:43

謎の炎
謎の炎


MOMO2号機の打ち上げ動画を見ていて、あることに気付く。

(ホリエモンロケット2号機が炎上、打ち上げ直後に落下)
https://www.asahi.com/articles/ASL6X61C0L6XULBJ010.html

離床を始めた直後に、画面左側に向かって小さな炎が噴き出している。

こんな初期段階で、姿勢制御用のバーニアの噴射はないだろうと思って、前回の打ち上げ映像をチェックした(つーか、そもそもMOMOにバーニアなんて付いてるのかあ?)。

(【録画】観測ロケット「MOMO」打ち上げ LIVE中継 15:30~:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=ruNLy52V65g

「打ち上げの瞬間は1:00:34あたりです。」

昨年の打ち上げの時には、こんな炎は出ていない。

こりゃ、きっと、配管か何かが吹っ飛んで、その穴からアルコール燃料と酸素のたっぷり入った気体(燃焼ガス)が噴き出したに違いないのだ(未確認)。

映像では、この直後に一瞬、ノズルからの炎が消え、白い煙だけが噴き出し、ロケットは上昇をやめて墜落する。

墜落してくる途中で、ノズル近辺が炎に包まれるんだが、見る限り、ノズルからの噴射ではないようだ(未確認)。

その間も、ノズル上部のどこかで漏れ出したガスがオレンジ色に輝いている。

その炎の勢いが落下に伴って激しくなり、地上に激突したのちは、爆発的に炎上している。

発射台の近くにあるチンケな(!)施設ごと、紅蓮の炎に包まれて燃え上がっている。

あんま、テキトーなことばかり書いていると、正確さを損ないかねないので、一応、構造とかの資料を見てみる。

(サウンディングロケット MOMO)
http://www.istellartech.com/technology/momo

「姿勢制御機構:
モーターで駆動するジンバル機構によってエンジンを上下、左右に振り、ロケットの進行方向を制御します。」

バーニアなんて、あるわけないじゃん!?。

(バーニアスラスタ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%BF

「姿勢制御システムの小さいスラスタを指す。」

資料を見ると、ロケット上部にはロール制御用ガスジェット(窒素ガス使用)とかもあるが、姿勢制御としては、このロール制御と尾翼による空力的安定性に対して、ジンバルで振る感じだ。

ヨーヨーデスピナとか、ちゃっちい仕掛けじゃない。

燃料(エタノール)と液体酸素の加圧にはヘリウムガスの圧力を使用している。

バルブの駆動には、加圧した窒素ガスを使用しているようだ。

けっこう、ちゃんとしたロケットに見える。

単段式だが、例の電柱ロケット(固体燃料ロケット:誘導システムなし!?:スピンを利用した姿勢制御はあります)よりは、現代的な感じだな。

まあいい。

事故の原因の一端が、あの炎と関係していることは明らかだな。

今回は、電装系はまともに動いていて、テレメトリーも取得できているようだから、早期の原因究明も可能だろう(つーか、すぐ落ちちゃったしな)。

民生品の使用が仇になったのか、宇宙専用品の使い方がまずかったのか、それとも、設計にミスがあったのか。

前回の打ち上げから、改良を施して、さらに春先の不具合を徹底的に見直して、満を持しての打ち上げだっただけに、過去サイテーの結果に終わったのは残念至極だ。

(「MOMO2号機」4秒後に推力失う 稲川社長はロケット問題解決と前進を宣言)
https://sorae.info/030201/2018_06_30_ist2.html

「テレメトリのデータは送信され続け、電子系に異常はなかったとみられます。」

「まず打ち上げから1秒後に燃焼圧力が一時的に低下し、再び復帰。この現象の理由については判明していません。また5秒後には、ホットガススラスタの圧力の低下も確認されました。」

ほほう、ホットガススラスターもあるんだ・・・。

(360° MOMO2搭載ロール制御用ガスジェット 制御試験:動画出ます。:追加)
https://www.youtube.com/watch?v=ztONg1WWAz4&feature=youtu.be

「2018年2月7日
観測ロケット「MOMO2号機」に搭載する、エタノール/液体酸素によるホットガススラスタです。
初号機の窒素ガスによるコールドガススラスタから5倍の推力になり、推進剤は機体のタンクからバイパスしてきます。
推力偏向を行う可動式ノズルが付いていて、機体を模擬したテストスタンドが目標の角度に向くように制御されています。」

ロケットとしては、外連味のない実直な設計を施している。

材料の選定や、試験のやり方等については、課題を残しているかもしれない。

この構成なら、規模を拡大して、上段をくっ付ければ、軽い衛星の打ち上げにも使えそうな気がする。

今まで、あまり詳しく見てこなかったんだが、ちょっと期待してもいい感じになってきた。

話題になったホリエモンが出資しているからとか、色眼鏡で見られるところがあるのかもしれないが、技術的には無理のないアプローチをしている。

次回の成功を待てというところかな・・・。

(観測ロケット「MOMO」2号機の打ち上げ実験後記者会見:追加)
http://ima.hatenablog.jp/entry/2018/06/30/100000

「t+5秒でホットガススラスターの燃焼圧も下がり停止。映像データを見るとホットガススラスターの周囲に火が出ている。配管が破れたものと思われる。ホットガススラスターそのものの不具合ではなく周囲の状況に引っぱられたものと推定。」