謎の炎 ― 2018年06月30日 18:43
謎の炎
MOMO2号機の打ち上げ動画を見ていて、あることに気付く。
(ホリエモンロケット2号機が炎上、打ち上げ直後に落下)
https://www.asahi.com/articles/ASL6X61C0L6XULBJ010.html
離床を始めた直後に、画面左側に向かって小さな炎が噴き出している。
こんな初期段階で、姿勢制御用のバーニアの噴射はないだろうと思って、前回の打ち上げ映像をチェックした(つーか、そもそもMOMOにバーニアなんて付いてるのかあ?)。
(【録画】観測ロケット「MOMO」打ち上げ LIVE中継 15:30~:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=ruNLy52V65g
「打ち上げの瞬間は1:00:34あたりです。」
昨年の打ち上げの時には、こんな炎は出ていない。
こりゃ、きっと、配管か何かが吹っ飛んで、その穴からアルコール燃料と酸素のたっぷり入った気体(燃焼ガス)が噴き出したに違いないのだ(未確認)。
映像では、この直後に一瞬、ノズルからの炎が消え、白い煙だけが噴き出し、ロケットは上昇をやめて墜落する。
墜落してくる途中で、ノズル近辺が炎に包まれるんだが、見る限り、ノズルからの噴射ではないようだ(未確認)。
その間も、ノズル上部のどこかで漏れ出したガスがオレンジ色に輝いている。
その炎の勢いが落下に伴って激しくなり、地上に激突したのちは、爆発的に炎上している。
発射台の近くにあるチンケな(!)施設ごと、紅蓮の炎に包まれて燃え上がっている。
あんま、テキトーなことばかり書いていると、正確さを損ないかねないので、一応、構造とかの資料を見てみる。
(サウンディングロケット MOMO)
http://www.istellartech.com/technology/momo
「姿勢制御機構:
モーターで駆動するジンバル機構によってエンジンを上下、左右に振り、ロケットの進行方向を制御します。」
バーニアなんて、あるわけないじゃん!?。
(バーニアスラスタ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%BF
「姿勢制御システムの小さいスラスタを指す。」
資料を見ると、ロケット上部にはロール制御用ガスジェット(窒素ガス使用)とかもあるが、姿勢制御としては、このロール制御と尾翼による空力的安定性に対して、ジンバルで振る感じだ。
ヨーヨーデスピナとか、ちゃっちい仕掛けじゃない。
燃料(エタノール)と液体酸素の加圧にはヘリウムガスの圧力を使用している。
バルブの駆動には、加圧した窒素ガスを使用しているようだ。
けっこう、ちゃんとしたロケットに見える。
単段式だが、例の電柱ロケット(固体燃料ロケット:誘導システムなし!?:スピンを利用した姿勢制御はあります)よりは、現代的な感じだな。
まあいい。
事故の原因の一端が、あの炎と関係していることは明らかだな。
今回は、電装系はまともに動いていて、テレメトリーも取得できているようだから、早期の原因究明も可能だろう(つーか、すぐ落ちちゃったしな)。
民生品の使用が仇になったのか、宇宙専用品の使い方がまずかったのか、それとも、設計にミスがあったのか。
前回の打ち上げから、改良を施して、さらに春先の不具合を徹底的に見直して、満を持しての打ち上げだっただけに、過去サイテーの結果に終わったのは残念至極だ。
(「MOMO2号機」4秒後に推力失う 稲川社長はロケット問題解決と前進を宣言)
https://sorae.info/030201/2018_06_30_ist2.html
「テレメトリのデータは送信され続け、電子系に異常はなかったとみられます。」
「まず打ち上げから1秒後に燃焼圧力が一時的に低下し、再び復帰。この現象の理由については判明していません。また5秒後には、ホットガススラスタの圧力の低下も確認されました。」
ほほう、ホットガススラスターもあるんだ・・・。
(360° MOMO2搭載ロール制御用ガスジェット 制御試験:動画出ます。:追加)
https://www.youtube.com/watch?v=ztONg1WWAz4&feature=youtu.be
「2018年2月7日
観測ロケット「MOMO2号機」に搭載する、エタノール/液体酸素によるホットガススラスタです。
初号機の窒素ガスによるコールドガススラスタから5倍の推力になり、推進剤は機体のタンクからバイパスしてきます。
推力偏向を行う可動式ノズルが付いていて、機体を模擬したテストスタンドが目標の角度に向くように制御されています。」
ロケットとしては、外連味のない実直な設計を施している。
材料の選定や、試験のやり方等については、課題を残しているかもしれない。
この構成なら、規模を拡大して、上段をくっ付ければ、軽い衛星の打ち上げにも使えそうな気がする。
今まで、あまり詳しく見てこなかったんだが、ちょっと期待してもいい感じになってきた。
話題になったホリエモンが出資しているからとか、色眼鏡で見られるところがあるのかもしれないが、技術的には無理のないアプローチをしている。
次回の成功を待てというところかな・・・。
(観測ロケット「MOMO」2号機の打ち上げ実験後記者会見:追加)
http://ima.hatenablog.jp/entry/2018/06/30/100000
「t+5秒でホットガススラスターの燃焼圧も下がり停止。映像データを見るとホットガススラスターの周囲に火が出ている。配管が破れたものと思われる。ホットガススラスターそのものの不具合ではなく周囲の状況に引っぱられたものと推定。」
MOMO2号機の打ち上げ動画を見ていて、あることに気付く。
(ホリエモンロケット2号機が炎上、打ち上げ直後に落下)
https://www.asahi.com/articles/ASL6X61C0L6XULBJ010.html
離床を始めた直後に、画面左側に向かって小さな炎が噴き出している。
こんな初期段階で、姿勢制御用のバーニアの噴射はないだろうと思って、前回の打ち上げ映像をチェックした(つーか、そもそもMOMOにバーニアなんて付いてるのかあ?)。
(【録画】観測ロケット「MOMO」打ち上げ LIVE中継 15:30~:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=ruNLy52V65g
「打ち上げの瞬間は1:00:34あたりです。」
昨年の打ち上げの時には、こんな炎は出ていない。
こりゃ、きっと、配管か何かが吹っ飛んで、その穴からアルコール燃料と酸素のたっぷり入った気体(燃焼ガス)が噴き出したに違いないのだ(未確認)。
映像では、この直後に一瞬、ノズルからの炎が消え、白い煙だけが噴き出し、ロケットは上昇をやめて墜落する。
墜落してくる途中で、ノズル近辺が炎に包まれるんだが、見る限り、ノズルからの噴射ではないようだ(未確認)。
その間も、ノズル上部のどこかで漏れ出したガスがオレンジ色に輝いている。
その炎の勢いが落下に伴って激しくなり、地上に激突したのちは、爆発的に炎上している。
発射台の近くにあるチンケな(!)施設ごと、紅蓮の炎に包まれて燃え上がっている。
あんま、テキトーなことばかり書いていると、正確さを損ないかねないので、一応、構造とかの資料を見てみる。
(サウンディングロケット MOMO)
http://www.istellartech.com/technology/momo
「姿勢制御機構:
モーターで駆動するジンバル機構によってエンジンを上下、左右に振り、ロケットの進行方向を制御します。」
バーニアなんて、あるわけないじゃん!?。
(バーニアスラスタ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%BF
「姿勢制御システムの小さいスラスタを指す。」
資料を見ると、ロケット上部にはロール制御用ガスジェット(窒素ガス使用)とかもあるが、姿勢制御としては、このロール制御と尾翼による空力的安定性に対して、ジンバルで振る感じだ。
ヨーヨーデスピナとか、ちゃっちい仕掛けじゃない。
燃料(エタノール)と液体酸素の加圧にはヘリウムガスの圧力を使用している。
バルブの駆動には、加圧した窒素ガスを使用しているようだ。
けっこう、ちゃんとしたロケットに見える。
単段式だが、例の電柱ロケット(固体燃料ロケット:誘導システムなし!?:スピンを利用した姿勢制御はあります)よりは、現代的な感じだな。
まあいい。
事故の原因の一端が、あの炎と関係していることは明らかだな。
今回は、電装系はまともに動いていて、テレメトリーも取得できているようだから、早期の原因究明も可能だろう(つーか、すぐ落ちちゃったしな)。
民生品の使用が仇になったのか、宇宙専用品の使い方がまずかったのか、それとも、設計にミスがあったのか。
前回の打ち上げから、改良を施して、さらに春先の不具合を徹底的に見直して、満を持しての打ち上げだっただけに、過去サイテーの結果に終わったのは残念至極だ。
(「MOMO2号機」4秒後に推力失う 稲川社長はロケット問題解決と前進を宣言)
https://sorae.info/030201/2018_06_30_ist2.html
「テレメトリのデータは送信され続け、電子系に異常はなかったとみられます。」
「まず打ち上げから1秒後に燃焼圧力が一時的に低下し、再び復帰。この現象の理由については判明していません。また5秒後には、ホットガススラスタの圧力の低下も確認されました。」
ほほう、ホットガススラスターもあるんだ・・・。
(360° MOMO2搭載ロール制御用ガスジェット 制御試験:動画出ます。:追加)
https://www.youtube.com/watch?v=ztONg1WWAz4&feature=youtu.be
「2018年2月7日
観測ロケット「MOMO2号機」に搭載する、エタノール/液体酸素によるホットガススラスタです。
初号機の窒素ガスによるコールドガススラスタから5倍の推力になり、推進剤は機体のタンクからバイパスしてきます。
推力偏向を行う可動式ノズルが付いていて、機体を模擬したテストスタンドが目標の角度に向くように制御されています。」
ロケットとしては、外連味のない実直な設計を施している。
材料の選定や、試験のやり方等については、課題を残しているかもしれない。
この構成なら、規模を拡大して、上段をくっ付ければ、軽い衛星の打ち上げにも使えそうな気がする。
今まで、あまり詳しく見てこなかったんだが、ちょっと期待してもいい感じになってきた。
話題になったホリエモンが出資しているからとか、色眼鏡で見られるところがあるのかもしれないが、技術的には無理のないアプローチをしている。
次回の成功を待てというところかな・・・。
(観測ロケット「MOMO」2号機の打ち上げ実験後記者会見:追加)
http://ima.hatenablog.jp/entry/2018/06/30/100000
「t+5秒でホットガススラスターの燃焼圧も下がり停止。映像データを見るとホットガススラスターの周囲に火が出ている。配管が破れたものと思われる。ホットガススラスターそのものの不具合ではなく周囲の状況に引っぱられたものと推定。」
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