火星の水2018年07月26日 15:27

火星の水
火星の水


(火星に「液体の水でできた湖」が存在する証拠が見つかる)
https://gigazine.net/news/20180726-mars-liquid-water-lake/

「これまで火星には水の氷が存在することは発見されていましたが、液体の水の存在が事実であるとすれば画期的な発見になります。」

他のメディアが、生命の発見につながると舞い上がっている中、ギガジンの記事だけが正確に事実だけを伝えている。

(Radar evidence of subglacial liquid water on Mars:原論文)
http://science.sciencemag.org/content/early/2018/07/24/science.aar7268

生命がいるとかは、一言も書かれていないからな。

鉱物や塩類が溶けている過冷却された水の中に、自動的に生命が生まれるなら、宇宙は生命の存在で溢れかえっているだろうさ・・・。

(火星に巨大地下湖、欧州探査機が発見 水の存在「疑いない」)
http://www.afpbb.com/articles/-/3183798

「生命が存在できるかは不明で、専門家の中には、水温が非常に低く塩分濃度も高いことや、水中に多くの鉱物が溶け込んでいることから、生命存在の可能性を疑問視する声もある。」

問題なのは、この氷底湖が、氷の下1.5kmというところにあることだな。

氷に穴掘って確認するしかない。

地球の南極でさえ、ボストーク湖に辿り着いたのはつい最近の話だ。

(ボストーク湖)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%B9%96

「氷床下約4キロメートルにある。」

「2012年2月、南極の氷床の下にあるボストーク湖の調査を目指すロシア北極南極科学調査研究所(サンクトペテルブルク)は8日、同国調査隊が氷床を深さ約3800メートルまで掘削し、1989年の掘削開始以来初めてドリルが同湖に達したと発表した。」

南極の氷は、古くても3000万年くらい前の新しい氷だ。

地球の水循環の中に、しっかりと組み込まれていて、ボストーク湖もその中で生まれた泡のような存在に過ぎない。

その中で生き延びている生命がいたとしても、何の不思議もない。

火星の氷底湖の場合は、それより遥かに古い存在と思われ、かつて生命が存在した痕跡を何らかの形で残している可能性はある。

生命そのものの存在は、これはまた、別の話だ。

逆に、ひょっとしたら、後数億年か数十億年先に、新たな生命が生まれるかもしれない。

化学反応の担い手である液体の水、材料となる有機物、そして反応を促すエネルギーさえあれば、宇宙のどこでも生命が発生すると考えてる連中ばっかだからな・・・。

まあいい。

複雑精緻を極めた生命の存在は、宇宙最大の謎の一つだ。

そう簡単に生まれるはずはないというのが浮沈子の意見だが、少なくとも地球には生まれちまったわけだ。

他にいるはずがないという主張は、地球という実例を突きつけられれば、いささか説得力に欠ける。

確かに、代謝し、自己複製して増殖する生命という化学反応は、他のあらゆる反応と比べても桁外れに複雑で、どこにでもあるというものではない。

しかし、だからといって、宇宙の中で他に一つもないと言い切ることは、論理的にも不可能だろうしな。

火星の湖の発見で、業界はこの先数十年間食っていけるネタを発見したわけだ(そうなのかあ?)。

エウロパやエンケラドゥスの氷に穴開けて(数百キロ!?)、地下の海に辿り着くのは大変だからな。

今世紀中に実現可能かは分からない。

間欠泉で吹き上げられた内部の水は、どーせ途中の氷底湖からの材料しか提供しないだろうしな。

そこに何も発見できなかったからと言って、地下の海に生命がいないということにはならないだろう。

行くだけでも遠いしな。

それに比べれば、火星の表面を1.5km掘るだけでいいなら、安いものだ。

まともに開発すれば、無人探査でも行けるかもしれない。

もっとも、今飛んでいるインサイトは、数メートルの穴しか掘れないけどな。

これが、21世紀初頭の人類の限界だからな。

火星の氷に穴掘るのに、どれくらいの金がかかるかは分からない。

その挙句に、何も出なかった時の業界内部での反応も怖いしな(だから、あんなもんに金付けるなんて無駄だって言ったじゃん!?)。

浮沈子は、火星に限らず、エウロパやエンケラドゥスの氷の下の海(湖)をいくら探しても生命のかけらも出てこないと考えている。

太陽系の外の話はさておいて、いい塩梅に生命が誕生する条件を備えていたのは地球だけだ。

今のところ、それを否定する話は何もない。

好きなだけ探査を続けるしかない。

地球外生命なんて、映画の中だけの話だと大衆が気付いて、そんなもんに金掛けるなんて無駄だという空気(空気かよ・・・)が蔓延するまでは、留まることはないだろう。

21世紀は、地球外生命探査の挫折の世紀として記憶されることになるに違いない。

徳川の埋蔵金のような話だな。

(徳川埋蔵金)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E5%B7%9D%E5%9F%8B%E8%94%B5%E9%87%91

「TBSのテレビ番組『ギミア・ぶれいく』で、糸井重里を中心としたプロジェクトチームを結成。自称超能力者の助けを借りるなどして埋蔵箇所を「源次郎の井戸」と推定し、大型重機を使用した大掛かりな発掘を試みた。江戸時代以降に掘られたと見られる穴や遺物を多数発見したが、埋蔵金に直接繋がるような発見は無く、プロジェクトチームも解散した。」

埋蔵金ならまだしも、地球外生命の場合は、最近書いた記事のように、敵対的な生物かも知れないしな(別に、向こうがそう思っていなくても、結果的に地球生物にとっては脅威になり得る)。

惑星保護官には、あまり期待できそうもないしな。

パンドラの箱でも竜宮城の玉手箱でもいいけど、そっとしておくのが一番だと思うけどな。

そういえば、リュウグウ行って、なんか持って帰ってくる話もあったっけ・・・。

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