再使用ロケット或いは天使の翼 ― 2018年07月31日 08:48
再使用ロケット或いは天使の翼
宇宙は、目と鼻の先にありながら、地球の重力の井戸の底から見上げることしかできなかった。
そう、ほんの数十年前まで、人類は地球の上に張り付き、重力の鎖に繋がれたまま虚しく空を見上げるだけだった(気球とかはありましたが)。
ロケットが発達し、気球よりもはるかに高い空の上に飛び上がり、人工衛星や宇宙船を打ち上げて、宇宙空間(概ね高度100km以上)に到達したのは、およそ60年ほど前の話だ。
しかし、それは国家を挙げての大事業で、米国とソ連が世界の覇権を掛けて競争する中で生まれた仇花だった。
結局、月着陸までは行ったけれど、それ以降は鳴かず飛ばず。
せいぜい、無人の探査機と、地球低軌道の有人飛行に留まって、そこからは一歩も出なかった。
もっと手軽に気軽に宇宙に行きたい・・・。
バージンギャラクティックやブルーオリジンは、弾道軌道で宇宙空間を体験させる再使用ロケットを開発し、いよいよ商売を始めようとしている。
一方、スペースXは、人工衛星打ち上げロケットの1段目を再使用し、間もなく有人宇宙船を打ち上げようとしている。
弾道ロケットにしても、打ち上げロケットにしても、再使用というキーワードは、もはや当たり前というか、宇宙開発の前提になりつつある。
使い捨てロケットというのは、ロケットの効率を極限まで高めなければ不可能な、困難なミッションに限定されるか、技術の未熟さを曝け出すかのどちらかだ。
まあ、大量生産して、再使用よりも低コストが実現できるのなら、それだって構わない。
しかし、高頻度で打ち上げるのなら、再使用できた方がいいに決まっている。
資源の有効利用ということもあるしな。
ニュースを見ていたら、朝日が能代の再使用ロケット実験の記事を出していた。
(ロケットの再利用、JAXAが実験へ 垂直離着陸に挑戦)
https://www.asahi.com/articles/ASL7Z2JCKL7ZULBJ001.html
「実験に使うロケットは全長7メートル、重さ約2トン。液体水素と液体酸素を混ぜてエンジンで燃焼させ、4トンの推力を使って垂直に離着陸する。」
この話は、鳥嶋さんの記事にも出てくる。
(「再使用観測ロケット」開発の最新情報、小型ながら高性能なレーダー衛星)
https://news.mynavi.jp/article/jaxa_opencampus2017-3/
「この実験機は、再使用観測ロケットよりも小さく、またロケットエンジンも再使用観測ロケットに4基積む予定のものを1基だけ積む。目標は高度数km~数十kmほどまで上昇して帰還する技術の実証にあり、すでに開発を始めており、来年度(2018年度)の打ち上げを予定しているとのことだった。」
この記事の中に出てくる、以前の実験機RVTについては、このブログでも取り上げている。
(山っ気)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/01/17/8325880
「詐欺師ペテン師の世界になるか、ロケットの次のゴールにたどり着くか。」
「能代の空に浮かんだ再使用ロケットは、冒頭の引用記事を最後に、二度と空に上がることはなかった。」
鳥嶋さんの記事にあるように、その後もエンジンの実験は続けられたそうだ。
しかし、それ以上は進まなかった。
再使用ロケットの実験は、結局立ち消えになるのかと思っていたら、今年の初めころから動きがあって、実機による実験が見えてきたようだ。
元々、水素酸素系のエンジンだからな。
単なる観測ロケット用のエンジンではなく、衛星打ち上げロケットも見据えて開発されていたらしい。
その先見の明ある開発を、花開かせることが出来るのかが問題だ。
周回遅れにされちまったのは仕方ない。
観測ロケットへの応用は、まあ、そのうち実現するだろうが、衛星打ち上げロケットまで辿り着くのは数十年先の話になる。
H3ロケットの次の(下手すると、次の次の)ロケットにならなければ、そういう話は出てこない。
H3では、2段目についてはレガシー技術を使って、冒険的な開発はしていないからな。
次の主力ロケット開発では、そこがメインになるだろう。
再使用は、次の次になる可能性が高い。
我が国の場合、主力ロケットの開発には、20年から30年かかるからな。
早くて2040年代、下手すると2080年代とかにならないと再使用ロケットの打ち上げロケットへの応用はない。
気の長い話だし、浮沈子とかは生きてない。
もちろん、その前に、米国とかは有人宇宙船を打ち上げるロケットを再使用で運用しているだろうしな。
中国も、開発は早いかもしれない。
国威発揚だからな。
ウチだって、再使用位出来るんだってとこ、見せたいしな。
まあいい。
周回遅れだろうがなんだろうが、開発が進んでいることが重要だな。
再使用ロケットは、宇宙開発における真の姿だ。
天使の翼といってもいいかもしれない。
炎の翼だがな・・・。
(JAXA、2019年度にも再使用ロケットで離着陸飛行実験:追加)
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00458727
「宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2019年度にも高さ5キロメートル程度に到達する再使用ロケット実験機の離着陸飛行実験を行う。」
「18年度中には再使用ロケット実験機による高さ100メートルへの飛行実証を行う。」
宇宙は、目と鼻の先にありながら、地球の重力の井戸の底から見上げることしかできなかった。
そう、ほんの数十年前まで、人類は地球の上に張り付き、重力の鎖に繋がれたまま虚しく空を見上げるだけだった(気球とかはありましたが)。
ロケットが発達し、気球よりもはるかに高い空の上に飛び上がり、人工衛星や宇宙船を打ち上げて、宇宙空間(概ね高度100km以上)に到達したのは、およそ60年ほど前の話だ。
しかし、それは国家を挙げての大事業で、米国とソ連が世界の覇権を掛けて競争する中で生まれた仇花だった。
結局、月着陸までは行ったけれど、それ以降は鳴かず飛ばず。
せいぜい、無人の探査機と、地球低軌道の有人飛行に留まって、そこからは一歩も出なかった。
もっと手軽に気軽に宇宙に行きたい・・・。
バージンギャラクティックやブルーオリジンは、弾道軌道で宇宙空間を体験させる再使用ロケットを開発し、いよいよ商売を始めようとしている。
一方、スペースXは、人工衛星打ち上げロケットの1段目を再使用し、間もなく有人宇宙船を打ち上げようとしている。
弾道ロケットにしても、打ち上げロケットにしても、再使用というキーワードは、もはや当たり前というか、宇宙開発の前提になりつつある。
使い捨てロケットというのは、ロケットの効率を極限まで高めなければ不可能な、困難なミッションに限定されるか、技術の未熟さを曝け出すかのどちらかだ。
まあ、大量生産して、再使用よりも低コストが実現できるのなら、それだって構わない。
しかし、高頻度で打ち上げるのなら、再使用できた方がいいに決まっている。
資源の有効利用ということもあるしな。
ニュースを見ていたら、朝日が能代の再使用ロケット実験の記事を出していた。
(ロケットの再利用、JAXAが実験へ 垂直離着陸に挑戦)
https://www.asahi.com/articles/ASL7Z2JCKL7ZULBJ001.html
「実験に使うロケットは全長7メートル、重さ約2トン。液体水素と液体酸素を混ぜてエンジンで燃焼させ、4トンの推力を使って垂直に離着陸する。」
この話は、鳥嶋さんの記事にも出てくる。
(「再使用観測ロケット」開発の最新情報、小型ながら高性能なレーダー衛星)
https://news.mynavi.jp/article/jaxa_opencampus2017-3/
「この実験機は、再使用観測ロケットよりも小さく、またロケットエンジンも再使用観測ロケットに4基積む予定のものを1基だけ積む。目標は高度数km~数十kmほどまで上昇して帰還する技術の実証にあり、すでに開発を始めており、来年度(2018年度)の打ち上げを予定しているとのことだった。」
この記事の中に出てくる、以前の実験機RVTについては、このブログでも取り上げている。
(山っ気)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/01/17/8325880
「詐欺師ペテン師の世界になるか、ロケットの次のゴールにたどり着くか。」
「能代の空に浮かんだ再使用ロケットは、冒頭の引用記事を最後に、二度と空に上がることはなかった。」
鳥嶋さんの記事にあるように、その後もエンジンの実験は続けられたそうだ。
しかし、それ以上は進まなかった。
再使用ロケットの実験は、結局立ち消えになるのかと思っていたら、今年の初めころから動きがあって、実機による実験が見えてきたようだ。
元々、水素酸素系のエンジンだからな。
単なる観測ロケット用のエンジンではなく、衛星打ち上げロケットも見据えて開発されていたらしい。
その先見の明ある開発を、花開かせることが出来るのかが問題だ。
周回遅れにされちまったのは仕方ない。
観測ロケットへの応用は、まあ、そのうち実現するだろうが、衛星打ち上げロケットまで辿り着くのは数十年先の話になる。
H3ロケットの次の(下手すると、次の次の)ロケットにならなければ、そういう話は出てこない。
H3では、2段目についてはレガシー技術を使って、冒険的な開発はしていないからな。
次の主力ロケット開発では、そこがメインになるだろう。
再使用は、次の次になる可能性が高い。
我が国の場合、主力ロケットの開発には、20年から30年かかるからな。
早くて2040年代、下手すると2080年代とかにならないと再使用ロケットの打ち上げロケットへの応用はない。
気の長い話だし、浮沈子とかは生きてない。
もちろん、その前に、米国とかは有人宇宙船を打ち上げるロケットを再使用で運用しているだろうしな。
中国も、開発は早いかもしれない。
国威発揚だからな。
ウチだって、再使用位出来るんだってとこ、見せたいしな。
まあいい。
周回遅れだろうがなんだろうが、開発が進んでいることが重要だな。
再使用ロケットは、宇宙開発における真の姿だ。
天使の翼といってもいいかもしれない。
炎の翼だがな・・・。
(JAXA、2019年度にも再使用ロケットで離着陸飛行実験:追加)
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00458727
「宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2019年度にも高さ5キロメートル程度に到達する再使用ロケット実験機の離着陸飛行実験を行う。」
「18年度中には再使用ロケット実験機による高さ100メートルへの飛行実証を行う。」
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