ドラゴン2は使い捨て? ― 2018年09月13日 23:13
ドラゴン2は使い捨て?
ファルコン9の打ち上げにも、興味関心が薄れてきた今日この頃。
ブースターである1段目の再使用は当たり前となり、回収に成功したからといって大騒ぎすることもなくなった。
ブロック5になってからは、順調に回収が行われているようだしな。
懸案であるフェアリングの回収は、ぼちぼちとテキトーにやればいいのだ。
2段目の回収にチャレンジする話は、いつの間にか立ち消えになっているしな。
1段目の回収だけでも、ライバルに対して十分以上の差をつけているわけだし、初めから完全再使用を目論むBFRの開発に注力することで、さらにライバルを突き放そうとしているわけだから、既に賞味期限が切れたファルコン9に入れ込むことはない・・・。
そんな怠惰な(?)日々が過ぎていこうとしている中、フォーブスの日本語記事が飛び込んできた。
(スペースXの「再利用可能な宇宙船」計画、目標を変更か)
https://forbesjapan.com/articles/detail/22954
「クルー・ドラゴンはドラゴンと同様、海上に着水させるという。そのため、その後は物資の輸送用としての再利用は可能であるものの、宇宙飛行士を輸送できるのは一度だけになる。」
「再利用可能な宇宙船を開発するのは今後、ボーイング1社ということになる。」
確か、ロッキードマーチンが作っているオリオン宇宙船も、10回くらいの再使用を想定していたはずだから、事実誤認があるようだな。
(オリオン)
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/orion_crew_vehicle.html
「アポロ宇宙船は使い捨てでしたが、オリオンは10回程度再使用することが可能になっています。」
記事は相当古く、コンステレーション計画当時のままだが、オリオン宇宙船の仕様が変更になったという話は聞かない。
まあいい。
スペースXは民間企業だから、割に合わないと見たら、さっさと引き上げるわけだからな。
有人機としての再使用は、ピンポイントで陸上に着地できるパワードランディングを想定していたわけで、パラシュートによる海上着水での再使用は割に合わないということになる。
このフォーブスの記事はいささか古く、既に有人宇宙船としての再使用を断念した記事が半月前に上がっていた。
(SpaceX has no plans to reuse Crew Dragon spaceships on NASA astronaut launches)
https://www.teslarati.com/spacex-no-crew-dragon-spaceship-reuse-nasa-astronaut-launches/
「SpaceXはNASA宇宙飛行士の打ち上げにクルードラゴン宇宙船を再利用する計画はない」(表題より:自動翻訳のまま:以下同じ)
スペースXは、ISSへの貨物輸送の契約も取っているから、有人カプセルを貨物用として再使用することになれば、コスト削減に多少は貢献することになるかもしれない。
まあ、もったいない話だけどな。
全部捨てちまうよりはいいだろう。
貨物用を再使用しても、むしろコスト増になってしまうという話もあった(宇宙船の生産ラインを一本化するために、旧型のドラゴンを再使用していたという)。
今回、その辺りの原価計算がどういうことになっているかという話は出ていない。
上手に設計してあれば、メンテナンスコストを低減することは可能だからな。
有人用と貨物用は、新型では筐体を共用していると言われる。
貨物用の方で実績を積む仕掛けに出来れば、有人用でもピンポイント回収が可能になるかもしれない。
今回の決定は、パワードランディングを諦めたことによる当然の帰結ということになる。
再突入時の熱から宇宙船を守るアブレーターの層を突き破って、着陸用の脚が出てくるという仕掛けに、NASAがOK出さなかった懸念は分かるような気がする。
(コロンビア号空中分解事故)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2%E5%8F%B7%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E5%88%86%E8%A7%A3%E4%BA%8B%E6%95%85
「STS-107が大気圏に再突入した際、損傷箇所から高温の空気が侵入して翼の内部構造体が破壊され、急速に機体が分解した。」
悪夢を再び見るくらいなら、多少ロシアに支払う金が多くなろうが、開発期間が延びようが、スペースXの儲けが少なくなろうが知ったことではない。
少なくとも、当初の有人機は、パラシュートで海に落ちる。
回収されて改修され、貨物用として使われることになるかどうかは分からない。
改修費用が嵩んだり、時間がかかるようなら、貨物用にも新品を使うことになるかもしれない。
ボーイングのスターライナーは、陸上回収で10回程度の再使用を予定しているというが、こっちも分からんぞお。
ライバルが再使用しないということになれば、安心して新品を使うかもしれない。
駄々こねて、値上げを要求してな。
B社は、そういうことは得意だからな(そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
スプートニクは、海上回収での再使用の困難さを指摘している。
(Elon Musk’s SpaceX Abandons Reusable Spacecraft Idea)
https://sputniknews.com/science/201809111067915188-spacex-reusable-spacecraft-abandoned/
「But without precision landing on the ground, the entire idea of reusability becomes unviable.」(しかし、地面に正確に着陸しなければ、再利用可能性は完全に失われます。)
現在使用されている旧式のドラゴンの再使用のためのメンテナンスがいかに困難であるかは、当事者であるスペースXが一番分かっているだろう。
しかし、これらは全て、本質的な話ではないと思っている。
宇宙船の再使用は、いつか必ず実現する。
クルードラゴンの改良型が出てくるかもしれないし、ラプターエンジンを積んだBFRによって実現されるかもしれない。
その時には、2段目とかフェアリングとかも回収されるようになっているかもしれないしな・・・。
ファルコン9の打ち上げにも、興味関心が薄れてきた今日この頃。
ブースターである1段目の再使用は当たり前となり、回収に成功したからといって大騒ぎすることもなくなった。
ブロック5になってからは、順調に回収が行われているようだしな。
懸案であるフェアリングの回収は、ぼちぼちとテキトーにやればいいのだ。
2段目の回収にチャレンジする話は、いつの間にか立ち消えになっているしな。
1段目の回収だけでも、ライバルに対して十分以上の差をつけているわけだし、初めから完全再使用を目論むBFRの開発に注力することで、さらにライバルを突き放そうとしているわけだから、既に賞味期限が切れたファルコン9に入れ込むことはない・・・。
そんな怠惰な(?)日々が過ぎていこうとしている中、フォーブスの日本語記事が飛び込んできた。
(スペースXの「再利用可能な宇宙船」計画、目標を変更か)
https://forbesjapan.com/articles/detail/22954
「クルー・ドラゴンはドラゴンと同様、海上に着水させるという。そのため、その後は物資の輸送用としての再利用は可能であるものの、宇宙飛行士を輸送できるのは一度だけになる。」
「再利用可能な宇宙船を開発するのは今後、ボーイング1社ということになる。」
確か、ロッキードマーチンが作っているオリオン宇宙船も、10回くらいの再使用を想定していたはずだから、事実誤認があるようだな。
(オリオン)
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/orion_crew_vehicle.html
「アポロ宇宙船は使い捨てでしたが、オリオンは10回程度再使用することが可能になっています。」
記事は相当古く、コンステレーション計画当時のままだが、オリオン宇宙船の仕様が変更になったという話は聞かない。
まあいい。
スペースXは民間企業だから、割に合わないと見たら、さっさと引き上げるわけだからな。
有人機としての再使用は、ピンポイントで陸上に着地できるパワードランディングを想定していたわけで、パラシュートによる海上着水での再使用は割に合わないということになる。
このフォーブスの記事はいささか古く、既に有人宇宙船としての再使用を断念した記事が半月前に上がっていた。
(SpaceX has no plans to reuse Crew Dragon spaceships on NASA astronaut launches)
https://www.teslarati.com/spacex-no-crew-dragon-spaceship-reuse-nasa-astronaut-launches/
「SpaceXはNASA宇宙飛行士の打ち上げにクルードラゴン宇宙船を再利用する計画はない」(表題より:自動翻訳のまま:以下同じ)
スペースXは、ISSへの貨物輸送の契約も取っているから、有人カプセルを貨物用として再使用することになれば、コスト削減に多少は貢献することになるかもしれない。
まあ、もったいない話だけどな。
全部捨てちまうよりはいいだろう。
貨物用を再使用しても、むしろコスト増になってしまうという話もあった(宇宙船の生産ラインを一本化するために、旧型のドラゴンを再使用していたという)。
今回、その辺りの原価計算がどういうことになっているかという話は出ていない。
上手に設計してあれば、メンテナンスコストを低減することは可能だからな。
有人用と貨物用は、新型では筐体を共用していると言われる。
貨物用の方で実績を積む仕掛けに出来れば、有人用でもピンポイント回収が可能になるかもしれない。
今回の決定は、パワードランディングを諦めたことによる当然の帰結ということになる。
再突入時の熱から宇宙船を守るアブレーターの層を突き破って、着陸用の脚が出てくるという仕掛けに、NASAがOK出さなかった懸念は分かるような気がする。
(コロンビア号空中分解事故)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2%E5%8F%B7%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E5%88%86%E8%A7%A3%E4%BA%8B%E6%95%85
「STS-107が大気圏に再突入した際、損傷箇所から高温の空気が侵入して翼の内部構造体が破壊され、急速に機体が分解した。」
悪夢を再び見るくらいなら、多少ロシアに支払う金が多くなろうが、開発期間が延びようが、スペースXの儲けが少なくなろうが知ったことではない。
少なくとも、当初の有人機は、パラシュートで海に落ちる。
回収されて改修され、貨物用として使われることになるかどうかは分からない。
改修費用が嵩んだり、時間がかかるようなら、貨物用にも新品を使うことになるかもしれない。
ボーイングのスターライナーは、陸上回収で10回程度の再使用を予定しているというが、こっちも分からんぞお。
ライバルが再使用しないということになれば、安心して新品を使うかもしれない。
駄々こねて、値上げを要求してな。
B社は、そういうことは得意だからな(そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
スプートニクは、海上回収での再使用の困難さを指摘している。
(Elon Musk’s SpaceX Abandons Reusable Spacecraft Idea)
https://sputniknews.com/science/201809111067915188-spacex-reusable-spacecraft-abandoned/
「But without precision landing on the ground, the entire idea of reusability becomes unviable.」(しかし、地面に正確に着陸しなければ、再利用可能性は完全に失われます。)
現在使用されている旧式のドラゴンの再使用のためのメンテナンスがいかに困難であるかは、当事者であるスペースXが一番分かっているだろう。
しかし、これらは全て、本質的な話ではないと思っている。
宇宙船の再使用は、いつか必ず実現する。
クルードラゴンの改良型が出てくるかもしれないし、ラプターエンジンを積んだBFRによって実現されるかもしれない。
その時には、2段目とかフェアリングとかも回収されるようになっているかもしれないしな・・・。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。