女神降臨2018年09月22日 09:40

女神降臨
女神降臨


正直言って、あまり関心ないんだが、はやぶさ2の記事を書く。

宇宙ネタが乏しく、目新しい情報といえば、そのくらいしかないからな。

飽きっぽい性格の浮沈子は、既にファルコン9の記事を書こうとする気もなくしているしな。

一昨日辺りから、はやぶさ2に搭載されたローバー(移動可能な着陸探査ロボット:移動できないのはランダーと呼ぶ)の放出が行われているようだ。

昨日は、ミネルバⅡー1と呼ばれるローバー(2台)が午後1時ころに放出された(現時点では、着陸したかどうかは未確認:推定では着陸した模様)。

はやぶさ2には、合計で4台の着陸機が搭載されている。

今回放出されたのは、その中の2台だ。

それぞれ、ミネルバⅡー1A、ミネルバⅡー1Bと呼ばれていて、太陽電池の張り付け方(放熱特性に違いを持たせたかったかららしい)を除いて、ほぼ同一の構成となっている(カメラの台数が、Aは4台、Bは3台:追加)。

(車輪なしでどうやって移動する?ローバー「ミネルバ2」の仕組み(後編) (1/3))
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1603/28/news015.html

「なおローバー1A/1Bで外観が異なっているのは、熱特性を2台で少し変えたためだ。ローバー1Bの方だけ、内部のパネルが剥き出しになっており、この銀色の部分で、外部からの熱の流入を抑えつつ、赤外線の放射で排熱するよう考えられている。」

まあ、どうでもいいんですが。

大塚さんの記事は、今一つ詰めが甘い感じがする。

というより、網羅的情報と個別情報の区別がつきにくい。

たとえば、センサーはどんなものが搭載されているのかについては、記事から拾っていかなければわからないが、一覧表にでもしてくれれば分かりやすい気がする。

「この中に各種センサー、移動機構、通信機、計算機、電源などが搭載」

・観測カメラ:民生品(メーカー不明:解像度はVGA(640×480画素))
・・ステレオカメラ:着地しているときに近くを立体視
・・広角カメラ:ホップ中に広い範囲を撮影

・フォトダイオード:各方向に搭載(個数等は不明):ローバーの動きを判断するのに使用

・温度計と電位差計:ローバーの上下にあるトゲ(上下各12本ずつ計24本)に搭載:小惑星表面の熱慣性を測定

(小惑星探査機「はやぶさ2」のMINERVA-II1分離運用に関する記者説明会:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=MrwMFbzl-Fs

18分15秒辺りでジャイロセンサーを搭載していることを明らかにしているので、回転についても分かるはずだな(加速度計もあるようです:追加)。

まあいい。

上記の記者説明会の概要はこちら(追加)。

(はやぶさ2、ローバーの分離に成功、タッチダウンに向け「大きな自信」に)
https://news.mynavi.jp/article/20180922-696224/

ミネルバというのは、例によってこじつけ的な頭字語(アクロニム)だ。

(ミネルバ (ローバー))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%90_(%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC)

「ミネルバ (MIcro/Nano Experimental Robot Vehicle Asteroid, MINERVA) 」

こじつけられているのは、ローマ神話の女神である。

(ミネルウァ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%A6%E3%82%A1

「詩・医学・知恵・商業・製織・工芸・魔術を司るローマ神話の女神」

「ミネルウァは、ユーピテル(ジュピター)、ユーノー(ジュノー)と共にローマのカピトリーノ三柱神とされた。」

高い格式なわけだ。

「知恵を司る女神としての側面から、ミネルウァは教育機関などで紋章に取り入れられたりしている。」

史上初の小天体移動式探査機として、相応しいネーミングと言えよう。

女神が無事に降臨したかどうかは、早ければ今日中くらいに発表されるはずだ。

前回(はやぶさの時)は、上昇中に放出するというチョンボを食らって、あえなく昇天する(着陸することなく、宇宙空間に放っぽり出される)羽目になったからな。

フォトダイオードの途切れ途切れのデータを速報で見る限り、無事に着陸したと期待されるそうだが、詳細なデータを解析してみないと確定的なことは言えないらしい。

放出のタイミングについては、初代はやぶさと異なり、地球からの指令ではなく、探査機(はやぶさ2)の自律運用に切り替えている。

また、放出の際の加速度を相殺する方向に、はやぶさ2本体を動かすなど、前回の失敗を反省して、きめ細やかな対応を取っているようだ。

ご機嫌取りつつ女神に降臨していただくのも、楽じゃないってことか・・・。

(小型探査ローバMINERVA-II1:追加)
http://www.hayabusa2.jaxa.jp//topics/20180919/

It's a Small World2018年09月22日 22:32

It's a Small World
It's a Small World


ミネルバ2-1(2機)の着陸が報じられた。

(はやぶさ2の探査ロボ、リュウグウ着陸に成功 世界初)
https://www.asahi.com/articles/ASL9Q51FTL9QULBJ009.html

「探査機「はやぶさ2」から分離した小型探査ロボット2台が、小惑星「リュウグウ」に着陸した」

(ミネルバⅡ1、写真撮影・リュウグウ
着地・ホップによる移動に成功!:元記事)
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20180922/

「MINERVA-Ⅱ1はRover-1AとRover-1Bの2機からなっていますが、2機とも小惑星リュウグウ表面に着地したことを確認しました。各ローバとも状態は正常で、撮影した写真や各種のデータを送ってきています。その写真等の解析で、ローバはリュウグウ表面を移動していることも確認できました。」

画像の写真は、その1枚である。

地球から3億km離れた小惑星上の、ややピンボケして歪んだショボイ画像だが、そんなことはどうでもいい。

ここは、人類がまだ見ぬ別世界だ。

朝日が報じたこの写真を見た時、浮沈子の頭に浮かんだのはこの曲・・・。

(【ミッキー】 小さな世界 【癒しのディズニーオルゴール】 It's a Small World~Disney music box~:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=9dgXd2jvzd0

いろんなバージョンがあるようだが、オルゴールのにしてみた。

小さな小惑星に相応しい気がする。

もっとも、ディズニーのアトラクションには別の意味があるらしい。

(イッツ・ア・スモールワールド)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89

「ディズニーは「人種や性別、国籍、言語の違いがあっても子供達は何のしがらみもなくすぐに友達になれ、ケンカしても泣いて笑ってすぐに仲直りしてしまう。まさしくこれが平和の世界ではないか」と考え、「「平和な世界」とは「子供たちの世界」ではないか」と考えた末に、アトラクションのテーマが決定した。」

元々は、ユニセフの求めに応じて、ニューヨーク世界博覧会の出し物の一つとして作成されたものだという。

新世界の映像には、もちろん子供などは写っていない。

つーか、当たり前だが、生命のかけらさえない。

ゴツゴツとした岩だらけの表面だけが見える。

平和な世界だ。

憎しみもなければ、争いもない。

2機のローバーは、誰もいない小さな世界の上を、バッタのようにピョンピョンと飛び回っているんだろう。

「小惑星表面でのホップ中の画像が届いたときには、小天体での移動メカニズムの有効性を確認することができて、長年の研究成果が実を結んだことを実感しました。」

技術屋って、どーしてこう、色気がないのかなあ・・・。

まあいい。

サンテグジュペリの星の王子様の中には、小さな惑星を独り占めにしている登場人物が出てくる。

(【保存版】「星の王子さま」が5分で分かる!あらすじ・内容・解説まとめ!)
https://www.keikawakita.com/entry/201612the-little-prince

「「王様」の星。
「うぬぼれや」の星。
「酔っ払い」の星。
「ビジネスマン」の星。
「点灯夫」の星。(点灯夫=街灯をつける人)
「地理学者」の星。」

「これら6つの星は「人が人生で溺れがちなものの象徴」だそうなんです。」

「・「王様」の星    ⇒権力
・「うぬぼれや」の星  ⇒人気
・「酔っ払い」の星   ⇒快楽
・「ビジネスマン」の星 ⇒財力
・「点灯夫」の星    ⇒労働
・「地理学者」の星   ⇒学問」

ミネルバ2-1は、後続のローバーであるMASCOTが降ろされるまでは、リュウグウを独り占め(2台だけど)にできるわけだ。

権力、人気、学問くらいかな(おっと、仕事もあるか)。

まあ、どうでもいいんですが。

初代はやぶさの情けない失敗から、苦節13年。

関係者の努力が実ったわけで、何にしても良かった。

「13年前の「はやぶさ」のときに達成することができなかった小惑星表面での小型ローバの移動探査が成功して感無量という感じです。小惑星表面の至近距離から撮影された画像には感動しました。」

女神は降臨し、星の上を舞っている。

そこは小さな世界だが、平和で争いのない世界だ。

翻って、我々が棲むこの星の上はどうだ?。

争いは絶えることなく、憎しみが渦巻いている。

「アトラクションに大人が登場しないのは、(中略)「平和な世界」=「子供の世界(子供が築くコミュニティー)」であるというウォルト・ディズニーのテーマ設計が理由である。」

子供は、いつか大人になる。

おやつを独り占めにし、おもちゃを奪い取り、ガキ大将になって、周りの子供を従えるようになるのだ。

世界は、そうして大人になった、元子供たちで溢れている・・・。

遥か彼方の無人の小惑星まで行かなければ、平和な世界はないのかも知れないな・・・。