いまさら何だよ!?ミネルバ2-2 ― 2018年11月10日 06:01
いまさら何だよ!?ミネルバ2-2
不具合があると分かっている探査機(ローバー)を積み込んで、3億キロも向こうまで運んでいたことが、打ち上げから4年も経って、ようやく明らかにされた。
(はやぶさ2ステータス:ターゲットマーカの名前検索が可能に。一方でローバー2に不具合)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20181108-00103468/
「開発時にはコンポーネントを並べて動作試験などを行っていた。最終的に組み上げたところ動作に不具合がでるようになった。アース線の取り回しなど、電気的な環境が変わった可能性がある」
ふつーなら、搭載中止(または、打ち上げ延期)だな。
未完成というか、不具合があると分かっている探査機を積んで飛ぶことはあり得ない。
「はやぶさ2から給電している状態から、分離して太陽電池からの電源に切り替わると、状態が変わることもありうる。決して、きっと切り離したらうまくいくという運任せではなく、科学的に有意義な成果を得られるようにする。たとえば山形大のペイロードは電源なしでも飛び跳ねることができる。実際に動いたかどうかの検証にはかなり工夫が必要だが、切り離して落ちていく過程で、生きている通信系を使うことなども検討する」
ひどい話だ。
JAXAは、これまでひた隠しにしていたわけで、罪一等重いな。
(はやぶさ2搭載の小型ローバー「MINERVA-II2」に不具合、復旧は困難か)
https://news.mynavi.jp/article/20181109-721470/
「不具合が起きているのはデータ処理系で使われているFPGA。FPGAは論理回路を再構成可能(プログラマブル)なチップ」
「電源投入時に論理回路が正常に設定されない現象が起きている」
「この問題は、打ち上げ前の最終試験で初めて発生。それまでの電気試験などでは異常は見られなかったものの、最終的に構体内部に組み込んだところ、動作が不安定になった」
「これまで、軌道上で何度か電源の再投入を試したものの、状況は改善されなかった。」
打ち上げの際とか、軌道上で試験した際とか、発表のタイミングは何度もあったのに、だんまりを決め込んでいたわけだな。
こういうオプション扱いの搭載物については、当局(JAXA)は直接の担当じゃないわけだから、発表する主体じゃないというのは分かる。
今回も、コンソーシアムの代表である東北大学の先生が対応している。
(小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(18/11/8))
http://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/detail/13380.html
ぐちゃぐちゃしゃべっているけど、結局は未完成で瑕疵のある探査機を積んで、途中で回復することを期待しつつ、運を天に任せて飛ばしたことに変わりはない。
もってのほかだな。
許せん!。
広報的に、このタイミングだったというのも気になるな。
ターゲットマーカーの投下が、ビミョーにずれた話と併せて公表に踏み切っている。
(はやぶさ2のターゲットマーカ - L08-B中心から15.4m離れた場所に着地)
https://news.mynavi.jp/article/20181109-721122/
「分離したターゲットマーカは、目標ポイントであるL08-Bの中心点から15.4mほど離れた場所に着地した」
「L08-Bそのものは直径20m(半径10m)ほどのエリアで、ターゲットマーカは、その円からわずか5mほどの外に落ちたことで、吉川真ミッションマネージャは、「L08-Bのエリア内に入れば完璧だったが、5m離れただけなので、十分にターゲットマーカを追跡しながら、タッチダウンができる可能性が残っている」と説明。」
「搭載している5個のうち1個の分離が高度13m付近で行われた。」
13mの高さから落として15mズレたというのは、落としたことよりも本体の誘導精度の問題だ。
「搭載しているレーザーレンジファインダ(LRF)が計測した値を、実際にはやぶさ2の制御にフィードバックした際の精度などを検証するために行われたもの。条件が満たされれば、ターゲットマーカを分離、その後の追跡を実施するとしていたが、運用の結果、条件を満たしているとはやぶさ2が判断。」
レーザーレンジファインダの計測精度、はやぶさ2の制御にフィードバックした際の精度、条件を満たしたかどうかを判断した制御側のロジックなどのどれか、あるいは複数に問題があるということになる。
「L08-Bのエリア内に入れば完璧だったが、5m離れただけなので、十分にターゲットマーカを追跡しながら、タッチダウンができる可能性が残っている」
ハッキリ言って、ノーコンのピッチャーが投げた球が、ストライクゾーンを外れて落ちたわけで、暴投であることは明らかだ。
(マウンド)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89
「本塁からマウンドまでの距離も1881年に従来の45フィート(13.7m)から50フィート(15.2m)に変更され、現在のような60.5フィート(18.4m)に変更されたのは1893年のことである」
野球のマウンドプレートよりも近い位置からの投球で、15mズレたら、明後日の方向に投げたことになる(そういう問題かあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
記者会見での質問も、はやぶさ2が合運用(地球から見て太陽の陰に隠れる時期の運用:通信障害が起こる)に入ることや、このノーコンターゲットマーカーの投下の話が中心で、添え物に過ぎないミネルバローバー2の話は殆ど出なかった。
ドジを隠蔽するには、いいタイミングの発表だったことは間違いない。
広報担当は、ヤッターと思っているだろうな。
まあいい。
ハッキリ言って、ミネルバ2-2は、何の役にも立たない重りに過ぎない。
科学的観測成果はゼロになると分かっていて搭載したのも、重量を精密に測定し、はやぶさ2のウエイトとして最適化されているから搭載したわけだ。
打ち上げが迫っている中で、他の候補があったわけでもなく、入れ替えて別のものを搭載するわけにもいかない。
最悪、純粋に重りとしての機能を果たせればそれでいいわけで、はやぶさ2側から見て、失うものは何もない。
チョンボの責任は、あくまでコンソーシアム側にあり、JAXAじゃない・・・。
そうかあ?。
浮沈子は、激しく違和感を感じる。
ミッションの当事者同士としては、責任分界点を設けて、その範囲の中でそれぞれの責任を果たすというのは重要だ。
インターフェイスについても、相互に支障をきたさないように、十分検討する必要がある。
しかし、それはあくまで技術的、予算管理的な、当事者間的捉え方であって、ミッショントータルとしてアウトリーチする際の態度としては、無責任に映る。
様々な機関が相乗りする探査機では、そうならざるを得ないのかもしれないし、深宇宙探査というチャレンジングなミッションであれば、なおさら責任問題に神経質にならざるを得ないというのは分かる。
失敗の確率が高いからな。
はやぶさ2の場合、初代はやぶさの失敗を踏まえて、成功させなければならないプレッシャーは大きい。
冒険的な行為に価値を与えず、失敗に不寛容な我が国の文化(?)が背景にあることも理解している。
だからこそ、ネガティブな情報の積極的な公表が重要なわけで、搭載前から文鎮化している探査機のことを隠したまま打ち上げ、途中で試みた試験に失敗していることも明かさず、このタイミングで(本体の軽いチョンボと絡めて)出すというのは、国民を馬鹿にしている(そこまで言うかあ?)。
「搭載前にどこまで踏み込んだ試験ができていたのか、という疑問は残るが、現在はローバーの投下中止といったミッション断念の判断ではない。」(初出のヤフーの記事より)
余分な重りを抱えたまま帰ってくるよりは、燃料の節約にもなるだろうから、ゴミはさっさと捨ててしまうのがよろしい。
今のままでは、科学実験の成果はゼロで、工学的にも通信系の深宇宙での動作確認くらいしか成果はない。
(「はやぶさ2」搭載小型ロボットに不具合 東北大など開発)
https://www.sankei.com/life/news/181108/lif1811080021-n1.html
(はやぶさ2搭載ロボに不具合、予定の観測困難に)
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181108-OYT1T50134.html?from=ytop_photo
(はやぶさ2
小型探査ロボ不具合 撮影や温度測定不可能か)
https://mainichi.jp/articles/20181109/k00/00m/040/091000c
(JAXAによる「はやぶさ2」の説明会 見えて来た課題)
https://www.zaikei.co.jp/article/20181109/476931.html
各社の報道を見ても、文鎮を積んで飛んだことに対する批判はない。
ミネルバ2-1の大成功や、欧州探査機の投下成功に水を差すことを慎んでいるのかもしれないし、サンプルリターンというメインミッションの経過を注視しているのかもしれない。
或いは、少ない予算と短い開発期間、厳しい制約のなかでのミネルバ2-2に寛容なのかもしれない(大きさ、重量とも、初代ミネルバより大きいですけど:浮沈子的には、その中に移動機構を4つも詰め込むのも問題だと思うけど・・・)。
インテグレーションを担当した東北大学は、面目丸つぶれだな。
浮沈子的には、はやぶさ2から分離して電源環境が変わったとしても、復旧することはないと考えている。
素子そのものの不具合だからな(組み上げた時に壊したんじゃね?)。
叩いて直すレベルじゃない(昔のテレビかあ?)。
ソフトを書き変えて改善するわけにもいかない。
現状では、テレメトリーも取れないという最悪の状態だ。
文鎮のまま、リュウグウ表面から、はやぶさ2経由で通信できたというだけで終わる可能性が最も高い(ピンは返すらしい)。
やれやれ・・・。
疲れる話だな・・・。
不具合があると分かっている探査機(ローバー)を積み込んで、3億キロも向こうまで運んでいたことが、打ち上げから4年も経って、ようやく明らかにされた。
(はやぶさ2ステータス:ターゲットマーカの名前検索が可能に。一方でローバー2に不具合)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20181108-00103468/
「開発時にはコンポーネントを並べて動作試験などを行っていた。最終的に組み上げたところ動作に不具合がでるようになった。アース線の取り回しなど、電気的な環境が変わった可能性がある」
ふつーなら、搭載中止(または、打ち上げ延期)だな。
未完成というか、不具合があると分かっている探査機を積んで飛ぶことはあり得ない。
「はやぶさ2から給電している状態から、分離して太陽電池からの電源に切り替わると、状態が変わることもありうる。決して、きっと切り離したらうまくいくという運任せではなく、科学的に有意義な成果を得られるようにする。たとえば山形大のペイロードは電源なしでも飛び跳ねることができる。実際に動いたかどうかの検証にはかなり工夫が必要だが、切り離して落ちていく過程で、生きている通信系を使うことなども検討する」
ひどい話だ。
JAXAは、これまでひた隠しにしていたわけで、罪一等重いな。
(はやぶさ2搭載の小型ローバー「MINERVA-II2」に不具合、復旧は困難か)
https://news.mynavi.jp/article/20181109-721470/
「不具合が起きているのはデータ処理系で使われているFPGA。FPGAは論理回路を再構成可能(プログラマブル)なチップ」
「電源投入時に論理回路が正常に設定されない現象が起きている」
「この問題は、打ち上げ前の最終試験で初めて発生。それまでの電気試験などでは異常は見られなかったものの、最終的に構体内部に組み込んだところ、動作が不安定になった」
「これまで、軌道上で何度か電源の再投入を試したものの、状況は改善されなかった。」
打ち上げの際とか、軌道上で試験した際とか、発表のタイミングは何度もあったのに、だんまりを決め込んでいたわけだな。
こういうオプション扱いの搭載物については、当局(JAXA)は直接の担当じゃないわけだから、発表する主体じゃないというのは分かる。
今回も、コンソーシアムの代表である東北大学の先生が対応している。
(小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(18/11/8))
http://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/detail/13380.html
ぐちゃぐちゃしゃべっているけど、結局は未完成で瑕疵のある探査機を積んで、途中で回復することを期待しつつ、運を天に任せて飛ばしたことに変わりはない。
もってのほかだな。
許せん!。
広報的に、このタイミングだったというのも気になるな。
ターゲットマーカーの投下が、ビミョーにずれた話と併せて公表に踏み切っている。
(はやぶさ2のターゲットマーカ - L08-B中心から15.4m離れた場所に着地)
https://news.mynavi.jp/article/20181109-721122/
「分離したターゲットマーカは、目標ポイントであるL08-Bの中心点から15.4mほど離れた場所に着地した」
「L08-Bそのものは直径20m(半径10m)ほどのエリアで、ターゲットマーカは、その円からわずか5mほどの外に落ちたことで、吉川真ミッションマネージャは、「L08-Bのエリア内に入れば完璧だったが、5m離れただけなので、十分にターゲットマーカを追跡しながら、タッチダウンができる可能性が残っている」と説明。」
「搭載している5個のうち1個の分離が高度13m付近で行われた。」
13mの高さから落として15mズレたというのは、落としたことよりも本体の誘導精度の問題だ。
「搭載しているレーザーレンジファインダ(LRF)が計測した値を、実際にはやぶさ2の制御にフィードバックした際の精度などを検証するために行われたもの。条件が満たされれば、ターゲットマーカを分離、その後の追跡を実施するとしていたが、運用の結果、条件を満たしているとはやぶさ2が判断。」
レーザーレンジファインダの計測精度、はやぶさ2の制御にフィードバックした際の精度、条件を満たしたかどうかを判断した制御側のロジックなどのどれか、あるいは複数に問題があるということになる。
「L08-Bのエリア内に入れば完璧だったが、5m離れただけなので、十分にターゲットマーカを追跡しながら、タッチダウンができる可能性が残っている」
ハッキリ言って、ノーコンのピッチャーが投げた球が、ストライクゾーンを外れて落ちたわけで、暴投であることは明らかだ。
(マウンド)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89
「本塁からマウンドまでの距離も1881年に従来の45フィート(13.7m)から50フィート(15.2m)に変更され、現在のような60.5フィート(18.4m)に変更されたのは1893年のことである」
野球のマウンドプレートよりも近い位置からの投球で、15mズレたら、明後日の方向に投げたことになる(そういう問題かあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
記者会見での質問も、はやぶさ2が合運用(地球から見て太陽の陰に隠れる時期の運用:通信障害が起こる)に入ることや、このノーコンターゲットマーカーの投下の話が中心で、添え物に過ぎないミネルバローバー2の話は殆ど出なかった。
ドジを隠蔽するには、いいタイミングの発表だったことは間違いない。
広報担当は、ヤッターと思っているだろうな。
まあいい。
ハッキリ言って、ミネルバ2-2は、何の役にも立たない重りに過ぎない。
科学的観測成果はゼロになると分かっていて搭載したのも、重量を精密に測定し、はやぶさ2のウエイトとして最適化されているから搭載したわけだ。
打ち上げが迫っている中で、他の候補があったわけでもなく、入れ替えて別のものを搭載するわけにもいかない。
最悪、純粋に重りとしての機能を果たせればそれでいいわけで、はやぶさ2側から見て、失うものは何もない。
チョンボの責任は、あくまでコンソーシアム側にあり、JAXAじゃない・・・。
そうかあ?。
浮沈子は、激しく違和感を感じる。
ミッションの当事者同士としては、責任分界点を設けて、その範囲の中でそれぞれの責任を果たすというのは重要だ。
インターフェイスについても、相互に支障をきたさないように、十分検討する必要がある。
しかし、それはあくまで技術的、予算管理的な、当事者間的捉え方であって、ミッショントータルとしてアウトリーチする際の態度としては、無責任に映る。
様々な機関が相乗りする探査機では、そうならざるを得ないのかもしれないし、深宇宙探査というチャレンジングなミッションであれば、なおさら責任問題に神経質にならざるを得ないというのは分かる。
失敗の確率が高いからな。
はやぶさ2の場合、初代はやぶさの失敗を踏まえて、成功させなければならないプレッシャーは大きい。
冒険的な行為に価値を与えず、失敗に不寛容な我が国の文化(?)が背景にあることも理解している。
だからこそ、ネガティブな情報の積極的な公表が重要なわけで、搭載前から文鎮化している探査機のことを隠したまま打ち上げ、途中で試みた試験に失敗していることも明かさず、このタイミングで(本体の軽いチョンボと絡めて)出すというのは、国民を馬鹿にしている(そこまで言うかあ?)。
「搭載前にどこまで踏み込んだ試験ができていたのか、という疑問は残るが、現在はローバーの投下中止といったミッション断念の判断ではない。」(初出のヤフーの記事より)
余分な重りを抱えたまま帰ってくるよりは、燃料の節約にもなるだろうから、ゴミはさっさと捨ててしまうのがよろしい。
今のままでは、科学実験の成果はゼロで、工学的にも通信系の深宇宙での動作確認くらいしか成果はない。
(「はやぶさ2」搭載小型ロボットに不具合 東北大など開発)
https://www.sankei.com/life/news/181108/lif1811080021-n1.html
(はやぶさ2搭載ロボに不具合、予定の観測困難に)
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181108-OYT1T50134.html?from=ytop_photo
(はやぶさ2
小型探査ロボ不具合 撮影や温度測定不可能か)
https://mainichi.jp/articles/20181109/k00/00m/040/091000c
(JAXAによる「はやぶさ2」の説明会 見えて来た課題)
https://www.zaikei.co.jp/article/20181109/476931.html
各社の報道を見ても、文鎮を積んで飛んだことに対する批判はない。
ミネルバ2-1の大成功や、欧州探査機の投下成功に水を差すことを慎んでいるのかもしれないし、サンプルリターンというメインミッションの経過を注視しているのかもしれない。
或いは、少ない予算と短い開発期間、厳しい制約のなかでのミネルバ2-2に寛容なのかもしれない(大きさ、重量とも、初代ミネルバより大きいですけど:浮沈子的には、その中に移動機構を4つも詰め込むのも問題だと思うけど・・・)。
インテグレーションを担当した東北大学は、面目丸つぶれだな。
浮沈子的には、はやぶさ2から分離して電源環境が変わったとしても、復旧することはないと考えている。
素子そのものの不具合だからな(組み上げた時に壊したんじゃね?)。
叩いて直すレベルじゃない(昔のテレビかあ?)。
ソフトを書き変えて改善するわけにもいかない。
現状では、テレメトリーも取れないという最悪の状態だ。
文鎮のまま、リュウグウ表面から、はやぶさ2経由で通信できたというだけで終わる可能性が最も高い(ピンは返すらしい)。
やれやれ・・・。
疲れる話だな・・・。
最近のコメント