400超えてまだ増えている ― 2018年11月29日 00:39
400超えてまだ増えている
「Latest numbers as of 26 November 2018:
Total cases: 421
- Confirmed cases: 374
- Probable cases: 47
Deaths: 241
- Confirmed: 194
- Probable: 47」
DRCのエボラは、可能性と確定で400を超え、たぶん、次回の報告では、2000年のウガンダでの感染者(425人)を超えて、歴代2位の座に躍り出ることだろう。
1位は、桁が2つ違うからな(2万8千とかいうとんでもない数字だ)。
今日現在、保留されている疑い例は75人に及ぶ。
これらの検査結果は、次回の報告に反映される。
英語版のウィキの枠囲みを見ると、疑い例を含めた総数は、495人になっている(1人合わないんだが、そこを突っ込んでも仕方ない:今見たら、496人になってた:追加)。
(In eastern DRC, 19 die of Ebola in five days)
https://www.news24.com/Africa/News/in-eastern-drc-19-die-of-ebola-in-five-days-20181128
「別の74の疑いのある症例が調査中である。」(自動翻訳のまま:以下同じ)
どっちよ!?。
まあいい。
保留が多いということは、新たな感染者が発生し続けていて、ラボでの検査が追い付いていないということでもある。
検体が採取されず、臨床症状からエボラとされる可能性例は47件だから、まあ、妥当な数字だ。
これが新たに増えるということは、保健センターなどでの治療を経ずに亡くなって、そのまま埋葬されてしまったことを意味する。
あまり好ましい数字ではないということだな。
この数字が減ることはない。
確定例と共に、積み重なっていく。
その合計は、421例ということになっていて、それがWHOの速報値として出ている。
嬉しくないニュースが出ている。
(Malaria control campaign launched in Democratic Republic of the Congo to save lives and aid Ebola response)
https://afro.who.int/news/malaria-control-campaign-launched-democratic-republic-congo-save-lives-and-aid-ebola-response
「今日、北キブ州のベニ市で4日間の大量薬物投与(MDA)キャンペーンが開始され、殺虫剤処理された蚊の分布と併せて抗マラリア薬を含む450,000人に達することを目標としています」
近くでは、コレラも流行っていると言われている。
泣きっ面に、アブとハチだな(ワケワカ・・・)。
(泣きっ面に蜂)
http://kotowaza-allguide.com/na/nakitsuranihachi.html
「不運や不幸なことの上に、さらに不幸が重なることをいう。」
(虻蜂取らず)
http://kotowaza-allguide.com/a/abuhachitorazu.html
「欲張って二つのものを同時に手に入れようとしたために、結局はどちらも得られず失敗すること。」
まあ、どうでもいいんですが。
WHOの記事を読むと、マラリア対策が進展すれば、エボラの対策にも効果があるとされている。
ホントかあ?。
確かに初期症状は似ているかもしれないし、それを除外できれば、疑い例を減少させることが出来るかもしれない。
限られた資源を有効に活用するという点では、確かにそうなんだろうが、エボラのトレース作業に支障が出ないかが心配だな。
疾病の規模や死亡者数は、マラリアの方がアットーテキに多い(2017年のDRCの感染者は2500万人、死者は4万6千人。世界のおよそ1割はDRCで起こっている:資料を見ると、数字にはかなり幅があるようなんですけど)。
(World malaria report 2018)
http://www.who.int/malaria/publications/world-malaria-report-2018/en/
リンクしている210ページに及ぶPDFの中に、DRCの数字が載っている(資料ページ125、PDFページ167)。
保健政策として、重点を置くのはマラリアの方だ。
死亡率が0.2パーセントに満たないとはいえ、堂々たる感染症だ。
エボラは、高い死亡率で正規のワクチンや特効薬がないとはいえ、散発的に発生し、基本的には規模が小さく、上手に対応できれば早期に終息する。
今回のDRC北東部での感染は、どうやらそうはいかないようだな。
来週辺りには、確実に歴代2位になる。
やれやれ・・・。
「Latest numbers as of 26 November 2018:
Total cases: 421
- Confirmed cases: 374
- Probable cases: 47
Deaths: 241
- Confirmed: 194
- Probable: 47」
DRCのエボラは、可能性と確定で400を超え、たぶん、次回の報告では、2000年のウガンダでの感染者(425人)を超えて、歴代2位の座に躍り出ることだろう。
1位は、桁が2つ違うからな(2万8千とかいうとんでもない数字だ)。
今日現在、保留されている疑い例は75人に及ぶ。
これらの検査結果は、次回の報告に反映される。
英語版のウィキの枠囲みを見ると、疑い例を含めた総数は、495人になっている(1人合わないんだが、そこを突っ込んでも仕方ない:今見たら、496人になってた:追加)。
(In eastern DRC, 19 die of Ebola in five days)
https://www.news24.com/Africa/News/in-eastern-drc-19-die-of-ebola-in-five-days-20181128
「別の74の疑いのある症例が調査中である。」(自動翻訳のまま:以下同じ)
どっちよ!?。
まあいい。
保留が多いということは、新たな感染者が発生し続けていて、ラボでの検査が追い付いていないということでもある。
検体が採取されず、臨床症状からエボラとされる可能性例は47件だから、まあ、妥当な数字だ。
これが新たに増えるということは、保健センターなどでの治療を経ずに亡くなって、そのまま埋葬されてしまったことを意味する。
あまり好ましい数字ではないということだな。
この数字が減ることはない。
確定例と共に、積み重なっていく。
その合計は、421例ということになっていて、それがWHOの速報値として出ている。
嬉しくないニュースが出ている。
(Malaria control campaign launched in Democratic Republic of the Congo to save lives and aid Ebola response)
https://afro.who.int/news/malaria-control-campaign-launched-democratic-republic-congo-save-lives-and-aid-ebola-response
「今日、北キブ州のベニ市で4日間の大量薬物投与(MDA)キャンペーンが開始され、殺虫剤処理された蚊の分布と併せて抗マラリア薬を含む450,000人に達することを目標としています」
近くでは、コレラも流行っていると言われている。
泣きっ面に、アブとハチだな(ワケワカ・・・)。
(泣きっ面に蜂)
http://kotowaza-allguide.com/na/nakitsuranihachi.html
「不運や不幸なことの上に、さらに不幸が重なることをいう。」
(虻蜂取らず)
http://kotowaza-allguide.com/a/abuhachitorazu.html
「欲張って二つのものを同時に手に入れようとしたために、結局はどちらも得られず失敗すること。」
まあ、どうでもいいんですが。
WHOの記事を読むと、マラリア対策が進展すれば、エボラの対策にも効果があるとされている。
ホントかあ?。
確かに初期症状は似ているかもしれないし、それを除外できれば、疑い例を減少させることが出来るかもしれない。
限られた資源を有効に活用するという点では、確かにそうなんだろうが、エボラのトレース作業に支障が出ないかが心配だな。
疾病の規模や死亡者数は、マラリアの方がアットーテキに多い(2017年のDRCの感染者は2500万人、死者は4万6千人。世界のおよそ1割はDRCで起こっている:資料を見ると、数字にはかなり幅があるようなんですけど)。
(World malaria report 2018)
http://www.who.int/malaria/publications/world-malaria-report-2018/en/
リンクしている210ページに及ぶPDFの中に、DRCの数字が載っている(資料ページ125、PDFページ167)。
保健政策として、重点を置くのはマラリアの方だ。
死亡率が0.2パーセントに満たないとはいえ、堂々たる感染症だ。
エボラは、高い死亡率で正規のワクチンや特効薬がないとはいえ、散発的に発生し、基本的には規模が小さく、上手に対応できれば早期に終息する。
今回のDRC北東部での感染は、どうやらそうはいかないようだな。
来週辺りには、確実に歴代2位になる。
やれやれ・・・。
可能性と疑い ― 2018年11月29日 11:08
可能性と疑い
エボラの報道では、コンファームド、プロバブル、サスペクテッドという3種類の区分が用いられている。
コンファームドは、ラボ(検査施設)などで感染が確認された事例で、確実にエボラだとうことが分かっているものだ。
プロバブルは、ラボでの検査は受けていないが、症状などから判断して、たぶんエボラに違いないという事例だ。
様々な理由から、検査を受けることなく埋葬されたケースなどが含まれる。
この事例区分は、判定済みということで、エボラであると事実上みなされている。
サスペクテッドは、これから判定される予備軍、保留などで、症状などからは疑われるが、確定されるには至っていないという事例だ。
そんなもんの数を数えてどーするということはあるんだが、現地での活動や感染の広がり具合を知るには重要な指標だ。
もちろん、この中には、他の疾病(現地の風土病であるマラリアなど)も含まれている恐れがあり、検査してみたら違ってたということもあり得る。
詳細は知らないけど、サスペクテッド事例が、コンファームド事例、プロバブル事例、その他の疾病に振り分けられていくんだろうと思っている(未確認)。
さて、困ったのは、日本語に訳すときにどうするかだな。
コンファームドは、「確定」でいいんだが、プロバブルとサスペクテッドは、自動翻訳ではどちらも「疑い」と訳されてしまったりする。
(エボラ流行のコンゴ、5日間で19人死亡 死者総数は241人に)
http://www.afpbb.com/articles/-/3199622
「374件の感染例が確認され、感染疑い例は47件、合わせて421件と報告している。」
「さらに74件の症例で調査が行われているという。」
AFPは、プロバブルを疑い例と翻訳している。
サスペクテッドは、さしずめ調査中というところか。
浮沈子は、このブログでは、プロバブルを可能性、サスペクテッドを疑いと記述している(時々、間違ったりするけど)。
どういう表現がいいかは悩むところだ。
ちゃんとした定義はこちら。
(Case definition recommendations for
Ebola or Marburg Virus Diseases)
http://www.who.int/csr/resources/publications/ebola/ebola-case-definition-contact-en.pdf
「日常的な監視のために疑わしいエボラまたはマールブルグ症例:
熱が発症し、その地域の発熱の通常の原因に対する治療への反応がなく、血便の下痢、歯肉からの出血、皮膚への出血(紫斑)、目と尿への出血の少なくとも1つ。」(自動翻訳のまま:以下同じ)
「日常的な監視のためにエボラまたはマールブルクの事例を確認:
検査所見の疑いのある症例(陽性IgM抗体、陽性PCRまたはウイルス分離)」
以上は、一般的な定義。
平時には、プロバブルが定義されていないところがミソか。
「実証事例:
臨床医によって評価された疑いのある症例
OR:確認された症例との疫学的関連を有する死亡疑いのある症例(検査室の確認のために検体を採取することができなかった場合)」
平時なら検体採取して、確認するところだが、流行のさ中にはそれが出来ない場合を想定しての区分ということになる。
定義の中にも「疑い」という表現があり、翻訳上は混乱のもとだな。
日本語に訳された記事を読んだり、浮沈子のように外国語がからきしダメで、グーグルの自動翻訳頼みで記事を読んだりする時には、上記のことをわきまえておかなければならないだろう。
プロバブルを疑いと翻訳したAFPの記事は、ちょっと気になったからな。
(広がるエボラ 症例数がコンゴの流行史上最大に【情報まとめ】)
https://www.msf.or.jp/news/detail/pressrelease/cod20181126.html
「これまでの数字(2018年11月16日現在・コンゴ保健省発表)
・合計症例数:344件(確定例 304件、および ほぼ確実※例40件)
・死亡した人数: 202人(確定例 162件、および ほぼ確実例40件)
・治癒者数合計:約100人」
「※「ほぼ確実」は、この地域で亡くなった人のうちエボラ確定例と関連があったが埋葬前に検査できなかった人。」
MSFは、プロバブルを「ほぼ確実」と表現している。
うーん、ビミョーだ・・・。
いずれにしても、本来は行われるべき検査が、諸般の事情でできない状況が発生しているわけで、この区分の存在自体がアウトブレイクの象徴でもある。
英語でプロバビリティといえば、蓋然性などと翻訳される。
夏目漱石の有名な話がある。
(可能性と蓋然性 (上))
http://iio333.hatenablog.com/entry/2012/02/13/235023
「今,私がこの教壇の上で逆立ちする可能性はあるが,その蓋然性はない」
まあ、どうでもいいんですが。
エボラの場合は、確度の高い可能性事例ということになるのかな。
MSFが、「ほぼ確実」と表現しているのは、その点では適切かもしれない(ラボでの診断ではないので、多少の疑いはあるということも含めて)。
いずれにしても、サスペクテッドとは似て非なるカテゴリということだ。
今回のコンゴ北東部での感染のように、死亡事例が原則対象となる。
合掌・・・。
エボラの報道では、コンファームド、プロバブル、サスペクテッドという3種類の区分が用いられている。
コンファームドは、ラボ(検査施設)などで感染が確認された事例で、確実にエボラだとうことが分かっているものだ。
プロバブルは、ラボでの検査は受けていないが、症状などから判断して、たぶんエボラに違いないという事例だ。
様々な理由から、検査を受けることなく埋葬されたケースなどが含まれる。
この事例区分は、判定済みということで、エボラであると事実上みなされている。
サスペクテッドは、これから判定される予備軍、保留などで、症状などからは疑われるが、確定されるには至っていないという事例だ。
そんなもんの数を数えてどーするということはあるんだが、現地での活動や感染の広がり具合を知るには重要な指標だ。
もちろん、この中には、他の疾病(現地の風土病であるマラリアなど)も含まれている恐れがあり、検査してみたら違ってたということもあり得る。
詳細は知らないけど、サスペクテッド事例が、コンファームド事例、プロバブル事例、その他の疾病に振り分けられていくんだろうと思っている(未確認)。
さて、困ったのは、日本語に訳すときにどうするかだな。
コンファームドは、「確定」でいいんだが、プロバブルとサスペクテッドは、自動翻訳ではどちらも「疑い」と訳されてしまったりする。
(エボラ流行のコンゴ、5日間で19人死亡 死者総数は241人に)
http://www.afpbb.com/articles/-/3199622
「374件の感染例が確認され、感染疑い例は47件、合わせて421件と報告している。」
「さらに74件の症例で調査が行われているという。」
AFPは、プロバブルを疑い例と翻訳している。
サスペクテッドは、さしずめ調査中というところか。
浮沈子は、このブログでは、プロバブルを可能性、サスペクテッドを疑いと記述している(時々、間違ったりするけど)。
どういう表現がいいかは悩むところだ。
ちゃんとした定義はこちら。
(Case definition recommendations for
Ebola or Marburg Virus Diseases)
http://www.who.int/csr/resources/publications/ebola/ebola-case-definition-contact-en.pdf
「日常的な監視のために疑わしいエボラまたはマールブルグ症例:
熱が発症し、その地域の発熱の通常の原因に対する治療への反応がなく、血便の下痢、歯肉からの出血、皮膚への出血(紫斑)、目と尿への出血の少なくとも1つ。」(自動翻訳のまま:以下同じ)
「日常的な監視のためにエボラまたはマールブルクの事例を確認:
検査所見の疑いのある症例(陽性IgM抗体、陽性PCRまたはウイルス分離)」
以上は、一般的な定義。
平時には、プロバブルが定義されていないところがミソか。
「実証事例:
臨床医によって評価された疑いのある症例
OR:確認された症例との疫学的関連を有する死亡疑いのある症例(検査室の確認のために検体を採取することができなかった場合)」
平時なら検体採取して、確認するところだが、流行のさ中にはそれが出来ない場合を想定しての区分ということになる。
定義の中にも「疑い」という表現があり、翻訳上は混乱のもとだな。
日本語に訳された記事を読んだり、浮沈子のように外国語がからきしダメで、グーグルの自動翻訳頼みで記事を読んだりする時には、上記のことをわきまえておかなければならないだろう。
プロバブルを疑いと翻訳したAFPの記事は、ちょっと気になったからな。
(広がるエボラ 症例数がコンゴの流行史上最大に【情報まとめ】)
https://www.msf.or.jp/news/detail/pressrelease/cod20181126.html
「これまでの数字(2018年11月16日現在・コンゴ保健省発表)
・合計症例数:344件(確定例 304件、および ほぼ確実※例40件)
・死亡した人数: 202人(確定例 162件、および ほぼ確実例40件)
・治癒者数合計:約100人」
「※「ほぼ確実」は、この地域で亡くなった人のうちエボラ確定例と関連があったが埋葬前に検査できなかった人。」
MSFは、プロバブルを「ほぼ確実」と表現している。
うーん、ビミョーだ・・・。
いずれにしても、本来は行われるべき検査が、諸般の事情でできない状況が発生しているわけで、この区分の存在自体がアウトブレイクの象徴でもある。
英語でプロバビリティといえば、蓋然性などと翻訳される。
夏目漱石の有名な話がある。
(可能性と蓋然性 (上))
http://iio333.hatenablog.com/entry/2012/02/13/235023
「今,私がこの教壇の上で逆立ちする可能性はあるが,その蓋然性はない」
まあ、どうでもいいんですが。
エボラの場合は、確度の高い可能性事例ということになるのかな。
MSFが、「ほぼ確実」と表現しているのは、その点では適切かもしれない(ラボでの診断ではないので、多少の疑いはあるということも含めて)。
いずれにしても、サスペクテッドとは似て非なるカテゴリということだ。
今回のコンゴ北東部での感染のように、死亡事例が原則対象となる。
合掌・・・。
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