洞窟潜水とパニック2019年01月09日 09:02

洞窟潜水とパニック


浮沈子は、パラオのシャンデリアケーブに初めて潜った時、パニックを起こした(つーか、その時1回しか潜ってないんだけど)。

今考えれば、パニックだと分かるんだが、パニックを起こしている時はパニックとは気づかない。

小型の水中ライトでは壁面に光が届かず、真っ暗な闇の中に取り残され、先導するダイバーの灯りだけを頼りに進まざるを得ない状況で、不安に駆られた。

帰りはうっすらと見えている入口の青い光に向かって、一目散に(まあ、ゆっくりとですが)泳いで脱出し、途中のサンプには浮上しなかった。

洞窟なんか、二度と潜るかと思った。

どころか、ダイビングを止めちまおうかとすら考えた。

それ程のストレスだったし、その時の不安な気持ちを忘れることはできない。

西伊豆の雲見や、今回の宮古島のカバーンダイビングは、まあ、真っ暗というわけではなく、薄明かりが差している程度の洞窟だが、それでもパニックになるのではないかと不安だった。

そのために、カバーン講習も受け、ブラインドでのトレーニングもしてもらって、ストレス耐性を上げた状態で臨んだ。

やや怪しげなオープンサーキットでの中性浮力や、膝落ち腑に落ちのフィンキックは、一朝一夕で直せるものではないが、宮古島では初日のチェックダイブの砂地(JDC)で、水底から10cmくらいを維持して止まったり、回ってみたりして、練習をさせていただいた。

何とかなりそうな気がして、少し不安が取れた状態で潜ったのが良かったのかもしれない。

特に不安になったり、パニックに陥るようなこともなかった。

3日目の魔王の宮殿では、ブリーフィングの時にガイドさんから洞窟の中ではライトを点けないように、と指示があったのでやや焦ったが、上から差し込む明かりをきれいに見せるためということで、渋々従った。

まあ、どうってことはなかったですけど。

ライトも、正副予備の3系統を持ち、器材も事前のチェックを怠らず、万全を期して臨んだのが良かった。

タンクもデカいの(12リッター)にしたしな(毎回、100以上残りましたが)。

過剰ともいえる準備やトレーニング、事前調査、保守的な現場の対応(エントリーは船尾から)。

タンク担いで立ち上がってバックロールとか、そういうことはしない。

それでなくても、耳抜きと船酔いのストレスを抱えているわけだから、その他は可能な限り排除する。

様々な配慮のおかげで、無事に12本のダイビングを終えられたことに感謝だな。

出来るだけのことはやったという自信が、不安を取り除く。

準備が不足していれば、それがストレスになって、閉鎖環境でのパニックに繋がる(たぶん)。

3日目の船酔いにはまいったが、ダイビングそのものに支障はなかった。

たぶん、酔い止めの薬を飲むタイミングが悪かったんだろう(朝食後)。

4日目は、朝起きたらすぐに飲んだ。

細かいことが、ストレスの増加につながる。

経験の有無も大きいな。

昨年、雲見に2回ほど行っていなければ、不安は、より大きかったに違いない。

何より、出口さえ見えていればなんとかなるという気の持ちようが大事だ。

カバーン講習でラインを引いて潜った時、このラインさえ辿れば戻れると思うと、安心感がグッと違ったことを思い出す。

逆に、ラインをロストした時はヤバいけどな。

まあいい。

出口へのルートがしっかり確保されているということは、実際の安全と共に、パニック防止にとっても重要だ。

いろいろ書いたが、浮沈子は、まだカバーン講習の途中だからな。

テキトーに書いている。

そんでもって、今回潜ってみてもなお、積極的に洞窟に潜る気はしない。

狭いところはやっぱり嫌いだし、暗いところは大嫌いだ。

浅く明るく暖かい海、南の島のゆる~い時間の流れにあこがれる。

もちろん、オープンウォーターだって、パニックの危険はある。

流れが強かったりして、無理に泳いだりすれば疲労するしガスも食う(場合によっては、水底を匍匐前進かな)。

過呼吸になるかも知れない。

ダウンストリームやアップストリームもあるし、水中危険生物とかもいる(概ね、前のダイバーのフィンがヤバいけどな:レギやマスク飛ばされたり・・・)。

現地の事情を良く知るガイドさんについていくのもいいが、はぐれちまった時のことも考えておかなければならない(コンパスは持ってるだけじゃ役には立たない:エントリー時に方位確認して、ベゼル設定忘れずに)。

まあ、他にも山ほどパニクる原因はある。

水中は人間が生きていけない世界だ。

ダイビングそのものに致死的リスクが伴う以上、パニックを完全に防ぐことは難しい。

自己の力量を的確に判断し、少なくともそれを逸脱するようなハイリスクなダイビングを行うべきではない。

また、力量に見合った範囲であったとしても、予期せぬトラブルへの備えを怠らず、保守的なダイビングに留まる態度も重要だ。

浮沈子が思うに、その態度こそ、もっとも重要な要素であるような気がする。

レジャーダイビングで、命を賭ける価値のあるものなどない。

命がけより心がけだな・・・。

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