米国には飛び火せず2019年01月15日 12:06

米国には飛び火せず
米国には飛び火せず


コンゴ民主共和国でエボラの治療にあたっていた米国の医師が、発症することなく経過観察期間を終え、退院したと報じられている。

(DRC Ebola total climbs to 644 led by spike in Katwa cases)
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2019/01/drc-ebola-total-climbs-644-led-spike-katwa-cases

「12月にDRCで働いている間にエボラにさらされ、生物収容ユニットを持っているネブラスカメディカルセンターでモニタリングを受けていたアメリカの医療従事者は、何の症状も経験もなく陽性検査なしで釈放されました」(自動翻訳のまま)

まずは目出度い。

一方、カトワでは感染者の増加が続いていて、今日の報告では累計で108人に達している。

(SITUATION ÉPIDÉMIOLOGIQUE DANS LES PROVINCES DU NORD-KIVU ET DE L'ITURI
Lundi 14 janvier 2019)
https://mailchi.mp/sante.gouv.cd/ebola_kivu_14jan19

105人のマバラコを抜いて、キブに次ぐ2位に躍り出た。

カトワは、地元の協力が得られにくいと報じられ、地域的にも大都市圏であるブテンボに隣接する。

そのブテンボでは、エボラ治療センターの管轄外で死者1名が発生している(昨日の報告)。

つまり、亡くなった患者は何らかの理由で血液検査を行えず、誰かに感染させられ、ひょっとしたら十分な治療を受けられず、おまけに周囲を重大な感染リスクに晒しまくったわけだ(未確認)。

このブログで何度も書いているが、浮沈子はブテンボだけを見ている。

ここで感染爆発が起これば、従来の手法で対応することが出来なくなるからな。

周辺を合わせると100万人規模の大都市圏だ。

たった1件だが、気になるプロバブルケース(可能性症例)だ。

こういうのが増えてくると、捕捉されない感染ルートが多数形成され、ワケワカの状態に発展する。

点と線を辿って、しらみつぶしに感染ルートを断っていくという手法の限界になる。

疑わしい患者を片っ端から入院、隔離し、全世帯を対象に消毒薬をばらまくという面的対応に踏み切ることになる。

今のところ、そうなる気配はない。

大統領選挙のドタバタは続いているらしいから、防疫活動に対する妨害などの懸念は去らない。

元々、物騒な地域ということもあり、先のことは分からないが、感染爆発に陥ることもなく、細く長く流行は続いている。

エボラは、自然宿主から感染して後は人間の病気だ。

ヒトがヒトからうつされることによって伝播する。

未認可とはいえ、有効性が期待できるワクチンが開発され、6万人近い接種も行われているようだ。

それでも流行は止まらない。

ベニでの感染者は、最近はほとんど増えていない。

しかし、時々思い出したように増えるし、疑い症例の発生は止まらない。

殆どが別の病気ということになるが、それはそれで問題だからな。

治療が功を奏して回復する割合は相変わらず4割程度だ。

6割は死亡している。

この割合は、ザイール株の流行の中では低い部類だ。

新たな治療法が普及し、助かる患者が増えるといいんだがな。

年が明けて半月たち、感染者の累計は700人に迫っている(649人)。

今月中に到達する可能性もある。

概ね、毎月100人くらいの増加だ。

ピークは過ぎた感じがする(テキトーです)。

終息に向かう気配はないが、爆発的な増加の懸念も少なくなってきている。

まあ、一寸先は闇だけどな。

感染症は、アリの一穴で広がる。

完全終息まで、気を抜くことは許されない。

地域社会の協力が得られにくい中、地道な活動を続けるスタッフには頭が下がる。

致死性が高いとはいえ、地球の向こう側の、アフリカのど真ん中の、まあ、規模的にはどうということのない感染症。

春になれば、いいニュースが聞かれるかもしれない・・・。

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