ILCがいらない理由がまた一つ2019年01月17日 22:36

ILCがいらない理由がまた一つ
ILCがいらない理由がまた一つ


(全長100km・総工費3兆円という世界最大の粒子加速器の建設プロジェクトをCERNが発表)
https://gigazine.net/news/20190117-cern-future-circular-collider/

「ヨーロッパ原子核研究機構(CERN)はLHCのおよそ4倍もの大きさのある超巨大衝突型加速器「Future Circular Collider(FCC、未来円形衝突型加速器)」の建設プロジェクトの概要を発表」

「FCCはこれまでにないエネルギーと強度で電子-陽電子、陽子-陽子、イオン-イオンの衝突を観測できるようになるだろう」

この手の話には、3文字熟語(略語)が多く登場する。

現行のLHC(全周27km)もワケワカだ。

(大型ハドロン衝突型加速器)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E3%83%8F%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%B3%E8%A1%9D%E7%AA%81%E5%9E%8B%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%99%A8

「2015年4月5日に改良工事を終え、以前の8兆電子ボルト(8TeV)から13兆電子ボルト(13TeV)の高速エネルギーへ更新して運転を再開した」

よく分らないことにかわりはないんだが、新しく構想されている加速器って、どのくらいのエネルギーなのか。

「FCCの最終目標は最大100TeV(テラ電子ボルト)のエネルギー出力が可能な超伝導陽子加速器リングを提供することですが、まずは電子-陽電子衝突の実験装置建設を予定しています」

13TeVから、100TeVだからな。

このくらいわかりやすいものはない。

さっきの引用の中にも出てくるんだが、現行のLHCが陽子同士の衝突をメインにしているのに対し、新しく作ろうとしているのは、電子-陽電子や、イオン-イオンもいけるらしい(その違い、よく分かんないんですけど)。

ちなみに、陽子は水素イオン(の一つ)でもあるがな。

まあいい。

きっと、有難いことなのに違いない。

気になったのは、初期の仕様では、電子-陽電子衝突の実験装置建設を予定を目指しているということだ。

(LHCとILCの違い)
https://aaa-sentan.org/ILC/about-physics/anatomy/a007/

「電子・陽電子の最大の特徴は電子や陽電子の中身がないので、衝突したときに余分な反応がおきず、ノイズが少ないことです。」

「ILCの場合は加速された電子と陽電子は中身がないので、衝突すると対消滅してエネルギーに変わってしまいます。物質が一度無くなってしまい、純粋なエネルギーからもう一度物質が生まれるということがおきるので、周りのノイズが全くない美しい反応を見ることができるのです。」

分かる人には分かるんだろうが、浮沈子に分かるのは、ILCがなくたって、FCCが出来ればそれで十分だろうということだ。

直線と円形の加速器形状の違いはあるが、ぐいぐい曲げて加速出来れば、それでいいのではないか。

(ILC加速器の構成)
https://aaa-sentan.org/ILC/about-collider/ilc%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%99%A8%E3%81%AE%E6%A7%8B%E6%88%90/

「ILC加速器は初期計画として、衝突エネルギー250ギガ電子ボルト(GeV)の加速器を想定しています。」

「将来構想としては、衝突エネルギー500 GeVから1テラ電子ボルト(TeV)、全長30〜50 キロメートルの展望を持っています。」

将来の拡張仕様でFCCの1パーセントだからな。

初期計画では、0.25パーセントに過ぎない。

これに8千億円使って、さらに運用コストを掛ける意味はあるんだろうか?。

もちろん、100TeVを出せるのは、陽子-陽子衝突などの時で、電子-陽電子の時の衝突エネルギーはギガジンの記事にはない(引用している元記事には、90から365 GeVとある)。

クリアな実験結果が得られる電子-陽電子加速器としては、ILCの存在意義はあるんだろう。

FCCにしても、3兆円というべらぼーな金がかかるらしいし、出来上がるのは2050年以降というから、先の長い話だ。

ILCは、それまでのつなぎという形で、世界の加速器の分担をすることになる(実現すれば)。

我が国の業界的には、前向きではないようだからな。

春先には、政治的な決断をするんだろうが、浮沈子的には、また一つ、ネガティブな話が加わったようにしか見えない。

中国が、円形加速器を計画しているらしいが、ILCを作ると手を挙げてくれるのが一番望ましい気がする。

まあ、中国としては、HLCとFCCの間の円形加速器の成果を手にしたいわけだからな。

そういう具合にはならないだろう(たぶん)。

ILCは、かなりコアな仕掛けだ。

業界の中でも、特殊な領域を攻めるということになる。

まあ、しかし、どっかが作って、その領域を調べなければならないのかも知れない。

FCCが初期稼働する2040年まで指を咥えて見ているか、専用の加速器をどっかが作ってくれるのを待つか。

人類の知識のスピードが、それだけ遅くなるのかもしれないけど、それはやむを得ないだろう。

どこかの宇宙人と競争しているわけじゃないからな。

急ぐことはない。

ヒッグス粒子が、あと10年で消えてなくなるわけじゃなし。

「暗黒物質や反物質の観測を行うためにはこれまでの標準モデルを超える物理学が必要になる」

暗黒物質が、加速器であぶり出されるのかどうかは不明だ(未確認)。

やってみなくちゃ分からないということはあるんだろう。

欧州は、英国の離脱で大変なことになっているようだが、そんなことはどこ吹く風で、あっさりと3兆円(240億ユーロ)のプロジェクトを掲げてしまった。

やれやれ・・・。

我が国は、分担金を払って、部分的に使わせてもらうことしかできない。

国際協力なんてどこ吹く風の中国と違って、成果の公表などは、ある程度公平になるんだろうが、自由度は大幅に下がるだろうな。

それも、やむを得ない。

先立つものがなければ、袖は振れないのだ。

後期高齢者が爆発的に増える時期に、ちょうど重なってきたのが運の尽きだな。

科学者のオモチャを買う金などない。

30年後、FCCが出来上がる頃になれば、ジジババは消えてなくなり、少しは余力が出てきて、手を上げることが出来るようになるかもしれない。

その頃になれば、中国が高齢化社会で大変なことになってるだろうからな。

チャンスだ。

それまでは、臥薪嘗胆、ぢっと我慢で待つしかなかろう・・・。

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