巨大科学へのチープなアプローチ2019年01月20日 01:04

巨大科学へのチープなアプローチ
巨大科学へのチープなアプローチ


朝日が昨日の社説で取り上げている。

((社説)加速器の誘致 科学界の合意が前提だ)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13853368.html

朝日の社説はすぐ読めなくなっちまうから、触りのところだけちょこっと引用する。

「学術会議はこれまで、科学コミュニティーから応募・提案があったものの中から推進すべき大型研究計画を選び、取り組みの優先度をつけてきた。」

「だがILC計画はその対象にならず、研究者らと一部政治家の主導で検討が重ねられてきた。」

「この種の事業は、丁寧な審議を重ねて科学界のコンセンサスをまず作りあげ、そのうえで人々の幅広い支持をとりつける。そんな進め方が求められる。」

従来のアプローチで、俎上に乗ってこなかったのだから、選定されなくて当然というスタンスだな。

もともと、無理筋というわけだ。

しかし、浮沈子的には、この手のビッグサイエンスを実施するのに、学術界の合意を得るというプロセスは馴染まないと思っている。

政治家と研究者が結託して、学術界をすっ飛ばして決めてしまって何が悪い?。

まあ、既に見てきたように、SSCとかは、そういうアプローチが裏目に出て、結局、予算の膨張を招き、撤退の憂き目を見ることになった。

ILCだって、SSCの時と同じエネルギー省の肝いりで、米国が単独で勧めていたNLCが没になり、国際的に仕様を詰めてきたわけだが、引き取り手がなく、我が国に押し付けようとしているというのが実態だからな(そうなのかあ?)。

もともと、筋がいい話ではないのだ。

妥協に妥協を重ね、だんだんと規模が小さくなって、当初NLCで1.5TeVを狙っていた仕様は、6分の1の規模で取り組まざるを得なくなっている。

それでも、8000億円という建設コストがかかる。

楽観的な数字だし、運用経費は含まれていない。

こんな企画を学術界に持ち込んだりしたら、総スカンを食らうに決まっている。

そんなことは、最初から分かりきっている。

だから、我が国が弱い外圧(国際協力?)という形で持ってきたわけだ。

朝日の社説はもっともらしいが、従来の手法では、未来永劫、巨大科学が我が国に根付くことなどないだろう。

「現時点でILC誘致を表明している国はない。今回の所見も踏まえ、期限にこだわらず、研究の必要性や実現の道筋について他国と協議してはどうか。」

引き取り手がない話を協議してどーする?。

受け入れ国の負担をゼロにするとか、そういう話になるとでも思っているんだろうか?。

我が国が蹴れば、ILCは消える(そうかあ?)。

12倍の出力である3TeVを目指すCLICが勢い付くか、ILCと同程度のCEPCとかFCC-eeが出来るまで、世界は停滞する。

それだけの話だ。

ヒッグス粒子の詳細なプロファイルは、研究のプロセスとしては必要だろうからな。

いずれ、何らかの形で行われることになる。

学術会議がこの話を蹴ったのは、従来のプロセスを守って、今まで通り我々に仕切りをさせろというメッセージだ。

我々を通さない話は全て切るぞ、という見せしめをしたわけだな(そうなのかあ?)。

政治家や国民に対するメッセージでもある。

「ビッグサイエンスの将来のあり方は、学術界全体で考えなければならない課題だ」

専門的な話は、専門家に任せて、政治家や国民は口出しするなということなわけだ(そんなあ!)。

オーバーコールは、まかりならんというわけだな。

現実の話として、我が国がILCを受け入れる道は完全に閉ざされたことになる(たぶん)。

だが、それを是としてはいけないだろう?。

たまには、博打(大胆な投資?)してみたいということもあるじゃないの。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的には、こんなもんいらないという態度に変わりはない。

ISSにきぼうユニットをくっつけて維持したり、HTVで荷物運んだりしている方が分かりやすいし楽しめるからな。

二者択一だったら、宇宙開発の方がマシというだけの話だ。

動機は褒められたもんじゃない。

素粒子物理にド素人な国民(浮沈子もその一人ですが)の理解を得るというのは、大変なことなわけだ。

もし、本当に人類にとって必要不可欠なマシンなら、そして、立地条件として、我が国が最もふさわしいということなら、将来、また別のアプローチがあるかもしれない。

早く作りたいとか、中国に持っていかれるのが嫌だとかいうのは、ただの我儘にしか聞こえない(中国だって、ILCなんていらないって言うだろうしな)。

浮沈子の好みは別として、ここは一旦仕切り直しというのもアリかも知れない。

その結果、別のタイプのレプトンコライダーが選択されたって、何の不都合もない。

欧州の次期計画の策定に合わせる必要もない(なんか、義理でもあるのかあ?)。

我が国は、独自の判断で、出来ることを淡々とやればいいだけだ。

(ILC関連2.7億円 19年度予算案、技術開発継続)
https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/12/22/41845

「先端加速器を低コスト化する日米共同研究を継続。消費税引き上げなどを見込み、概算要求に比べ1千万円増額した。」

「これらと別枠でKEK運営費交付金にILC関連として概算要求と同額の1億6千万円を計上した。」

こっちは、消費税は呑み込めということだな(そうなのかあ?)。

「大型加速器整備のコスト削減に役立つ技術開発を継続。高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)と米フェルミ研究所(FNAL)を中心に進める研究に重点的に充て、超電導加速空洞に用いる希少金属ニオブの素材や加工の低価格化などを進める。」

NLCをぶった切られたフェルミラボと、ILCをぶった切られた(まだ未定ですが)KEKが傷を舐め合うにはちょうどいいかも知れない。

それだって、大切な研究だからな。

我が国の身の丈に合った予算というわけだ。

合わせても、4億3千万円。

でもなあ、8000億円と比べるとなあ。

ショボ過ぎ・・・。

(回答
国際リニアコライダー計画の見直し案
に関する所見:追加)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-k273.pdf

一応、ざっと目を通したという感じ。

うーん、どう読んでも、手を出さない方がいいとしか読めない報告書だな。

有難い打ち上げ2019年01月20日 03:03

有難い打ち上げ
有難い打ち上げ


デルタ4ヘビーの打ち上げが迫っている。

米国の政府閉鎖で影響を受けているのかと思っていたんだが、スパイ衛星をパスするわけにはいかないからな。

(Delta IV Heavy)
https://en.wikipedia.org/wiki/Delta_IV_Heavy

「January 19, 2019 19:05 NROL-71 NRO Vandenberg SLC-6」

大きさだけなら、現役最大のロケットだ(打ち上げ能力はファルコンヘビーに抜かれている)。

(DELTA IV HEAVY TO LAUNCH NROL-71)
https://www.ulalaunch.com/missions/delta-iv-nrol-71

「• Rocket: Delta IV Heavy
• Mission: NROL-71
• Launch Date: Saturday, Jan. 19, 2019
• Launch Time: 11:05 a.m. PST
• Launch Broadcast: Live commentary will begin at 10:45 a.m. PST
• Launch Location: Space Launch Complex 6, Vandenberg Air Force Base, California

Mission Information: United Launch Alliance will use the Delta IV Heavy rocket to launch the NROL-71 mission for the National Reconnaissance Office.

Launch Notes: This will be 132nd mission for United Launch Alliance. It is the 382nd Delta launch since 1960, the 38th for a Delta IV rocket since 2002 and the 11th Delta IV Heavy.」

最近は、軍事衛星の打ち上げも生中継するようになったようだ。

平和は何よりだな・・・。

年に1回上がればラッキーなロケットだが、今年は2回の打ち上げが予定されているようだ。

「2019 NROL-44 NRO Cape Canaveral SLC-37B」

有難い話だ(そうなのかあ?)。

2020年代に入っても、暫くは運用されると見られているが、ファルコンヘビーという強力なライバルが現れた今、その地位は危うくなりつつある。

ULAが開発中のバルカンが出来上がれば、目出度く引退できるかもしれない(いつになることやら・・・)。

まあいい。

このロケットは、特殊用途に合わせて開発され、その役割をこなしている。

運用は複雑といわれているが、以前は、これ以外に重量衛星の打ち上げという点では選択肢がなかったからな。

ファルコンヘビーは、まだそれだけの信頼と実績を築き上げてはいない。

10年くらいの実績を積めば、重量級偵察衛星を扱わせてもらえるかもな。

もうしばらくは、現役で頑張ってもらわなくっちゃな・・・。

(NROL-71 KICKS OFF ULA’S 2019 LAUNCH MANIFEST:追加)
https://www.spaceflightinsider.com/missions/defense/nrol-71-kicks-off-ulas-2019-launch-manifest-announces-end-of/

どうやら、無事に上がったようです。

暖かいところに行きたい気分2019年01月20日 12:52

暖かいところに行きたい気分
暖かいところに行きたい気分


昨日は83タルガのバッテリーを取り付け、エンジンを回す。

車検切れのクルマを運搬車に載せるのに、バッテリー付けて動くかどうかを試す。

キルスイッチの接触が悪かったのか、初めはピクリとも動かず焦ったが、何とか動いた。

やれやれ・・・。

往復は、ジャンプコードと起動用モバイルバッテリーを積んで、年末年始で売れなかった03ボクスターを駆り出す。

久しぶりのドライブだったが、帰りはオープンにして走った。

何のストレスもない、安楽なドライブ・・・。

売るの、止めちゃおか。

年取って、83タルガに乗るのはしんどいしな。

まあ、年取ってから考えればいいか。

昼間の日差しがある時はいいが、朝晩の寒さは尋常ではない。

今朝の最低気温も2度を切っている。

暖かい南の島で、ぬくぬくとダイビングを楽しみたい気分だ。

今後のことを考えると、近くよりは、遠いところから行くべきだろうな。

もう、二度と行けなくなる可能性もあるからな。

これからは、そういうつもりでダイビングツアーを考えていかなければならない。

そうはいいながらも、久しぶりの南の島ダイビングになるので、少し慣らしてからにしたい。

宮古は、まあ、国内だったし、あんま暖かいという気分ではなかったからな(陸上では20度切ってたし)。

ホテルのフロントの人は、ワイシャツの下に3枚着こんでると言ってた(!)。

Tシャツ、短パン、サンダルという、浮沈子の正装(?)で過ごせるところに行きたい・・・。

成田からの出国も忘れてしまっている(まあ、行けば思い出すでしょうが)。

いつものレストランで食事をして、美味しいとはお世辞にも言えないコーヒーのようなもの(コーピー?)を啜りながら、南の島のダイビングに思いを馳せる。

まあ、フィリピンのマクタン島で飲んでいたのも、似たような飲み物だったけど・・・。

まあいい。

一応、サイパンツアーに誘って欲しいとお願いしているけど、ぷらっと出かけてしまうのもいいかもしれない。

久しぶりに、ロタ島でも行ってみようか。

浮沈子のダイビングの原点、透視度の基準(50m)。

グアムの外洋で抜けてる時でも、ちょっと敵わないかも。

懐かしいな。

島へのアクセスを確認しながら、ちょっと行ってみようかな・・・。