致死率93パーセント??? ― 2019年02月06日 06:58
致死率93パーセント???
コンゴ民主共和国(DRC)でのエボラ流行で、報告されている特定の地域で異常値が出ている。
(SITUATION ÉPIDÉMIOLOGIQUE DANS LES PROVINCES DU NORD-KIVU ET DE L'ITURI
Mardi 5 février 2019)
https://mailchi.mp/sante.gouv.cd/ebola_kivu_5fev19
浮沈子が感染爆発を危惧しているブテンボ(ビュトンボ)で、感染者58人、死者54人というべらぼーな数字が出ている。
致死率93パーセントを超える異常値だ。
今回の全体の値を見ると、感染者788人に対して、死者は486人。
致死率は、62パーセント弱と、まあまあの値だ。
ザイール株としては、低い部類に入る(それでも、十分に高いですが)。
ブテンボ(と隣接するカトワ)での感染には、懸念される事態が発生している。
(Ebola virus disease – Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news: Update
31 January 2019)
https://www.who.int/csr/don/31-january-2019-ebola-drc/en/
「KatwaとButemboの健康ゾーンでの発生は、民間と公共の健康センターでの院内感染イベントによって部分的に引き起こされています。2018年12月1日以降、これらの地域の症例の86%(125/145)が、発症前または発症後に医療施設を訪れたか、または働いていました。そのうちの21%(30/145)は、疾患が発症する前に医療施設と接触したと報告しており、院内感染の可能性を示唆している。過去1週間(1月9日以降)のカトワでは、院内感染が発生する可能性がある9つの医療センターを含む、確定症例が入院した場所に49の医療施設が特定されました。さらに、同じ期間に、8つの新しい医療従事者(HCW)感染がカトワで報告されました。全体で65の医療従事者がこれまでに感染しています。」(自動翻訳のまま)
やれやれ・・・。
首都から遠く離れ、地域紛争が絶えない状況の中で、エボラのようなシリアスな疾病が発生した時の保健医療機関の対応は目を覆うばかりだ。
院内感染が多いことと、死亡率の統計が異常値を示すこととは直接の関連はない(たぶん)。
感染者が捕捉されないまま、隠しようがない死者の統計だけが増え続ける。
最悪だ・・・。
それとも、エボラウイルスの遺伝子が変異して致死性が高まっているか、今回のマバラコ発の流行とは別の感染が始まっているのか。
どちらも、可能性としてはあるが、実態は不明だ。
WHOからも、そういう発表はない。
いずれにしても、ブテンボの値は異常だ。
カトワでの感染も増え続け(190人)、早ければ、今週中に200人を超える。
流行の中心地であったベニ(234人)を抜いて、新たな中心地になることは間違いないだろう。
トータルでは、800人を超えることになる。
それでも、全体の状況としてはコントロールされているし、感染爆発のような事態には至っていない。
隣国への伝播もない。
エボラが伝染しようとする圧力と、それを封じ込めようとする当局の圧力とは、ほぼ拮抗している。
エボラの方が、ちっとばっか強い程度だが、それを許している一因が院内感染(情けない話だ)というのはいかがなものか。
まあいい。
状況は、おいおい改善されていくに違いない(希望的観測?)。
終息への動きがみられない中、もうしばらく注視していこう・・・。
コンゴ民主共和国(DRC)でのエボラ流行で、報告されている特定の地域で異常値が出ている。
(SITUATION ÉPIDÉMIOLOGIQUE DANS LES PROVINCES DU NORD-KIVU ET DE L'ITURI
Mardi 5 février 2019)
https://mailchi.mp/sante.gouv.cd/ebola_kivu_5fev19
浮沈子が感染爆発を危惧しているブテンボ(ビュトンボ)で、感染者58人、死者54人というべらぼーな数字が出ている。
致死率93パーセントを超える異常値だ。
今回の全体の値を見ると、感染者788人に対して、死者は486人。
致死率は、62パーセント弱と、まあまあの値だ。
ザイール株としては、低い部類に入る(それでも、十分に高いですが)。
ブテンボ(と隣接するカトワ)での感染には、懸念される事態が発生している。
(Ebola virus disease – Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news: Update
31 January 2019)
https://www.who.int/csr/don/31-january-2019-ebola-drc/en/
「KatwaとButemboの健康ゾーンでの発生は、民間と公共の健康センターでの院内感染イベントによって部分的に引き起こされています。2018年12月1日以降、これらの地域の症例の86%(125/145)が、発症前または発症後に医療施設を訪れたか、または働いていました。そのうちの21%(30/145)は、疾患が発症する前に医療施設と接触したと報告しており、院内感染の可能性を示唆している。過去1週間(1月9日以降)のカトワでは、院内感染が発生する可能性がある9つの医療センターを含む、確定症例が入院した場所に49の医療施設が特定されました。さらに、同じ期間に、8つの新しい医療従事者(HCW)感染がカトワで報告されました。全体で65の医療従事者がこれまでに感染しています。」(自動翻訳のまま)
やれやれ・・・。
首都から遠く離れ、地域紛争が絶えない状況の中で、エボラのようなシリアスな疾病が発生した時の保健医療機関の対応は目を覆うばかりだ。
院内感染が多いことと、死亡率の統計が異常値を示すこととは直接の関連はない(たぶん)。
感染者が捕捉されないまま、隠しようがない死者の統計だけが増え続ける。
最悪だ・・・。
それとも、エボラウイルスの遺伝子が変異して致死性が高まっているか、今回のマバラコ発の流行とは別の感染が始まっているのか。
どちらも、可能性としてはあるが、実態は不明だ。
WHOからも、そういう発表はない。
いずれにしても、ブテンボの値は異常だ。
カトワでの感染も増え続け(190人)、早ければ、今週中に200人を超える。
流行の中心地であったベニ(234人)を抜いて、新たな中心地になることは間違いないだろう。
トータルでは、800人を超えることになる。
それでも、全体の状況としてはコントロールされているし、感染爆発のような事態には至っていない。
隣国への伝播もない。
エボラが伝染しようとする圧力と、それを封じ込めようとする当局の圧力とは、ほぼ拮抗している。
エボラの方が、ちっとばっか強い程度だが、それを許している一因が院内感染(情けない話だ)というのはいかがなものか。
まあいい。
状況は、おいおい改善されていくに違いない(希望的観測?)。
終息への動きがみられない中、もうしばらく注視していこう・・・。
妊婦の発症無きCRS発生 ― 2019年02月06日 08:50
妊婦の発症無きCRS発生
昨年からの風疹の流行の中、ついに先天性風疹症候群(CRS)の患児が発生してしまった。
(今回の風疹大流行で初の報告、埼玉で先天性風疹症候群)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40759920R00C19A2000000/
「2018年夏に首都圏を中心に広がった風疹の大流行で、妊婦が風疹に感染することで胎児も感染して先天異常を起こす「先天性風疹症候群」の症例が初めて報告された。」
流行の規模からして、CRSの発生自体は想定の範囲内(数百人に1人程度の発生:今後も流行が続くようだと、10人程度の発生が見込まれる)だが、浮沈子が注目したのは、妊婦がワクチンを接種し、なおかつ、妊娠中、風疹の発症もしていないらしいことだ。
「母親の状況は、ワクチン接種歴があるが、妊娠中の風疹罹患歴は不明だという。」
(先天性風疹症候群の患者、5年ぶり確認 埼玉の男児)
https://www.asahi.com/articles/ASM214HRDM21ULBJ00H.html?iref=comtop_list_nat_n01
「母親にはワクチン接種歴があったが、十分な免疫がなかったとみられる。」
これは、明らかに誤った記述だろう。
母親は発症していない(たぶん)わけだから、免疫効果は十分だったわけだ。
「ワクチンを接種しても免疫がつかない人は一定数いる。妊婦にうつさないよう、夫や周囲の人も免疫があるか確認してほしい」
このコメントも、誤りということになる。
ワクチンによる免疫がついていたからこそ、妊婦は発症しなかったということを無視している。
つまり、妊婦がワクチンを打っても、CRSの予防にはならないということがはっきりしたわけだな(そうなのかあ?)。
現代の生活では、妊婦(及びその可能性がある女性)を社会から隔離することなどできない。
夫や周囲の人がいくら注意しても、妊娠の可能性がある女性を、風疹の感染から完全に防ぐことは不可能だ。
悲しい話だが、風疹の流行期には、妊娠を諦めるか、妊娠の継続を諦めるかしかないことになる。
もちろん、風疹の流行自体を抑え込むことが出来ればそれに越したことはないが、南北アメリカ地域を除いて撲滅に成功した事例はないし、外来のウイルスによる一時的な流行を阻止する手立てはない。
確率の問題だからな。
流行期だって、健康な妊娠、出産の方がアットーテキに多い。
リスクコントロールとして、従来からのような堕胎中心の予防策というのは時代遅れということになる。
21世紀の我々に出来ることは、ワクチンを接種し、ウイルスの伝播を構造的に阻止する社会対策しかない。
あるいは、風疹ウイルスに感染しても、CRSを発症しないで済む根本的な方法を見つけるかだな。
いずれにしても、今回の事例は、関係者にはショックだろう。
妊婦のワクチン接種がCRSを防ぐ手立てにならないことが明らかになったわけだからな。
それでも、絶対的な予防にはならないが、妊娠の可能性がある女性がワクチン接種することが全くの無駄というわけではない。
女性から男性への感染を防ぐ効果もあるしな。
過去のワクチン政策から全体的に抗体価が低い傾向の男性は、風疹に罹りやすいからな。
間接的に流行を抑える効果も期待できる。
それにしても、病気自体が大したことない風疹のワクチン接種のインセンティブが低いことは、如何ともし難い。
最近、問題多発の厚生労働省が旗を振っても、どれだけの人々がワクチンを接種してくれるか。
週報によれば、感染者はやや減ってきたものの、完全な終息には至っていない。
(週別風しん報告数 2019年 第1~4週 (n=280))
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-04.pdf
前回、2012年から2013年にかけての流行を見ると、前年(2012年)の流行が完全に終息することなく、翌年に大流行になっている。
(風疹の遺伝子型とワクチン:グラフのみ参照)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/11/22/9001742
また、従来は、春先から初夏にかけて流行するというのが一般だ(昨年のように、夏以降の流行というのは、昔はなかった)。
(常識のウソ或いは不都合な真実:グラフ参照)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/11/26/9003388
「既に、我が国では季節性は失われてしまった。」
そうはいっても、若い世代は行動力旺盛で、就職時期ということも関係するかもしれない。
米国のハイリスクグループが、高等教育機関であったことを考えると、大人の風疹というのは、性感染症とみなした方がいいかも知れないしな。
女性の年齢階層別感染者を見ても、なんとなくそんな気がする(「層」なのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
いずれにしても、妊婦と胎児の間の風疹ウイルスの垂直感染は、妊婦が不顕性感染であっても起こりうることが明白になった。
それは、妊婦のワクチンの接種だけでは防ぎきれない。
妊婦の発症は防げても、胎児への感染は防ぐことが出来ないわけだからな。
その感染経路がある限り、CRSを無くす方法としては、風疹の撲滅しかないことになる(妊婦の隔離は不可能だし)。
厚労省のワクチン接種がいつから始まるかは知らない。
(【厚労省】定期接種を3年間無料実施‐風疹で追加対策、来年4月から)
https://www.yakuji.co.jp/entry69095.html
「抗体保有率が低い39~56歳の男性約1610万人を対象に、抗体検査とワクチン接種を3年間無料で実施する方針を発表した。夜間と休日にも検査・接種を受けられるよう体制を整備し、市町村が実施準備を進めた上で、来年4月からスタートする。」(昨年の記事なので、「来年」とあるのは「今年」のこと)
4月からか・・・。
それまでの間にも、CRS発生は続いていくに違いない。
確認されるのは、お子さんが生まれてからだからな。
数か月先の話になる。
年末ごろか。
気の重い話だ・・・。
昨年からの風疹の流行の中、ついに先天性風疹症候群(CRS)の患児が発生してしまった。
(今回の風疹大流行で初の報告、埼玉で先天性風疹症候群)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40759920R00C19A2000000/
「2018年夏に首都圏を中心に広がった風疹の大流行で、妊婦が風疹に感染することで胎児も感染して先天異常を起こす「先天性風疹症候群」の症例が初めて報告された。」
流行の規模からして、CRSの発生自体は想定の範囲内(数百人に1人程度の発生:今後も流行が続くようだと、10人程度の発生が見込まれる)だが、浮沈子が注目したのは、妊婦がワクチンを接種し、なおかつ、妊娠中、風疹の発症もしていないらしいことだ。
「母親の状況は、ワクチン接種歴があるが、妊娠中の風疹罹患歴は不明だという。」
(先天性風疹症候群の患者、5年ぶり確認 埼玉の男児)
https://www.asahi.com/articles/ASM214HRDM21ULBJ00H.html?iref=comtop_list_nat_n01
「母親にはワクチン接種歴があったが、十分な免疫がなかったとみられる。」
これは、明らかに誤った記述だろう。
母親は発症していない(たぶん)わけだから、免疫効果は十分だったわけだ。
「ワクチンを接種しても免疫がつかない人は一定数いる。妊婦にうつさないよう、夫や周囲の人も免疫があるか確認してほしい」
このコメントも、誤りということになる。
ワクチンによる免疫がついていたからこそ、妊婦は発症しなかったということを無視している。
つまり、妊婦がワクチンを打っても、CRSの予防にはならないということがはっきりしたわけだな(そうなのかあ?)。
現代の生活では、妊婦(及びその可能性がある女性)を社会から隔離することなどできない。
夫や周囲の人がいくら注意しても、妊娠の可能性がある女性を、風疹の感染から完全に防ぐことは不可能だ。
悲しい話だが、風疹の流行期には、妊娠を諦めるか、妊娠の継続を諦めるかしかないことになる。
もちろん、風疹の流行自体を抑え込むことが出来ればそれに越したことはないが、南北アメリカ地域を除いて撲滅に成功した事例はないし、外来のウイルスによる一時的な流行を阻止する手立てはない。
確率の問題だからな。
流行期だって、健康な妊娠、出産の方がアットーテキに多い。
リスクコントロールとして、従来からのような堕胎中心の予防策というのは時代遅れということになる。
21世紀の我々に出来ることは、ワクチンを接種し、ウイルスの伝播を構造的に阻止する社会対策しかない。
あるいは、風疹ウイルスに感染しても、CRSを発症しないで済む根本的な方法を見つけるかだな。
いずれにしても、今回の事例は、関係者にはショックだろう。
妊婦のワクチン接種がCRSを防ぐ手立てにならないことが明らかになったわけだからな。
それでも、絶対的な予防にはならないが、妊娠の可能性がある女性がワクチン接種することが全くの無駄というわけではない。
女性から男性への感染を防ぐ効果もあるしな。
過去のワクチン政策から全体的に抗体価が低い傾向の男性は、風疹に罹りやすいからな。
間接的に流行を抑える効果も期待できる。
それにしても、病気自体が大したことない風疹のワクチン接種のインセンティブが低いことは、如何ともし難い。
最近、問題多発の厚生労働省が旗を振っても、どれだけの人々がワクチンを接種してくれるか。
週報によれば、感染者はやや減ってきたものの、完全な終息には至っていない。
(週別風しん報告数 2019年 第1~4週 (n=280))
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-04.pdf
前回、2012年から2013年にかけての流行を見ると、前年(2012年)の流行が完全に終息することなく、翌年に大流行になっている。
(風疹の遺伝子型とワクチン:グラフのみ参照)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/11/22/9001742
また、従来は、春先から初夏にかけて流行するというのが一般だ(昨年のように、夏以降の流行というのは、昔はなかった)。
(常識のウソ或いは不都合な真実:グラフ参照)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/11/26/9003388
「既に、我が国では季節性は失われてしまった。」
そうはいっても、若い世代は行動力旺盛で、就職時期ということも関係するかもしれない。
米国のハイリスクグループが、高等教育機関であったことを考えると、大人の風疹というのは、性感染症とみなした方がいいかも知れないしな。
女性の年齢階層別感染者を見ても、なんとなくそんな気がする(「層」なのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
いずれにしても、妊婦と胎児の間の風疹ウイルスの垂直感染は、妊婦が不顕性感染であっても起こりうることが明白になった。
それは、妊婦のワクチンの接種だけでは防ぎきれない。
妊婦の発症は防げても、胎児への感染は防ぐことが出来ないわけだからな。
その感染経路がある限り、CRSを無くす方法としては、風疹の撲滅しかないことになる(妊婦の隔離は不可能だし)。
厚労省のワクチン接種がいつから始まるかは知らない。
(【厚労省】定期接種を3年間無料実施‐風疹で追加対策、来年4月から)
https://www.yakuji.co.jp/entry69095.html
「抗体保有率が低い39~56歳の男性約1610万人を対象に、抗体検査とワクチン接種を3年間無料で実施する方針を発表した。夜間と休日にも検査・接種を受けられるよう体制を整備し、市町村が実施準備を進めた上で、来年4月からスタートする。」(昨年の記事なので、「来年」とあるのは「今年」のこと)
4月からか・・・。
それまでの間にも、CRS発生は続いていくに違いない。
確認されるのは、お子さんが生まれてからだからな。
数か月先の話になる。
年末ごろか。
気の重い話だ・・・。
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