ライバルはどうなった?2019年03月23日 10:36

ライバルはどうなった?
ライバルはどうなった?


ここ暫く、737MAXの墜落事故を追いかけていて、ライバルであるA320neoのことも調べた。

(エアバスA320neo)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%90%E3%82%B9A320neo

「neoで使用されるエンジンは、CFMインターナショナル社(米国GE・アビエーションとフランススネクマの合弁事業)のLEAP-1Aエンジン、または米国プラット・アンド・ホイットニー(P&W)社のPW1100G-JM エンジンで、航空会社はどちらかを選択できる。」

「2018年2月、エアバス社はプラット・アンド・ホイットニー(P&W)社のエンジンを搭載して納入したA320neoのおよそ3分の1に欠陥が見つかり、最大級の顧客であるIndiGoへの納入を一時停止していることを明らかにした。」

「この問題に起因し、EASAは2月9日に2018-0041-E緊急耐空性改善通報を出していてこの通報で飛行中のエンジン停止(IFSD:in-flight shut-down)と離陸中止(RTO:Rejected Take-Off)の事案が報告されていて、洋上ETOPS運航の中止を指示し、エアバスは予防的にこの問題に対処するためPW1100G-JMエンジンを搭載したA320neoシリーズの引渡を延期している。」

日本語の記事はここで終わっているが、英語版ではその後の状況に触れている。

(Airbus A320neo family:Production)
https://en.wikipedia.org/wiki/Airbus_A320neo_family#Production

「2018年2月、高圧圧縮機の後部ハブを改造したPW1100Gの飛行中の故障の後、明らかにそのナイフエッジシールに問題が発生したため、EASAとエアバスは予備のA320neoファミリー航空機を接地しました。2018年2月の時点で、P&Wエンジンは導入以来50万時間飛行し、113 P&W搭載のA320neoファミリー航空機は8社の顧客によって運航されていました。エアバスは、次にPW1100Gエンジンを受け入れる停止しました。」(自動翻訳のまま:以下同じ)

「GratベースのA320neosの納入は、Prattが簡単な修正として元のデザインシールに戻った後、5月に再開されました。約100 A320neo待ってエンジンを生産し、2018年に800機を引き渡すために、今年の後半にはそれらのほとんどを提供することが期待月、エアバスの終わりには、2018年の最初の5カ月間で、69は持っていました全通路の40%、CFM LEAPエンジンではほぼ80%が納入されましたが、5月に納入された22基は2つの発電所に均等に分割されました。」

「3か月の停止後、Prattが生産を加速させ、それ自体とAirbusを遅いペナルティにさらすことができない限り、2018年の210 GTF搭載納入の目標は30〜40で見逃されると予想されていました。」

P&Wエンジンは、初期には始動時間が長く、運用に支障をきたすなどの問題も抱えていたようだ。

「就航当初は、2基のPW1100G-JMエンジンを始動するのに7分も掛かり、ルフトハンザのハブ空港であるフランクフルトでは運航上の混乱を招いた。このため出発時にはタキシイウエイ上ではなくゲートでエンジン始動完了を待つ必要があった。」

「その後、PW1100G-JMエンジン搭載機の始動時間問題は対策がとられ、2016年前半にP&Wが始動に関係するソフトを改善させ20秒短縮、その後部品を改良して始動時間を5分40秒にまで縮めた。」

「それから両エンジン停止時に同時に冷却する ”dual-cooling procedure”と呼ぶ方法を導入して始動時に掛かる時間を2分10秒まで短縮し、ルフトハンザが受領した5号機(D-AINE)には、コクピットの頭上パネル(overhead panel)に”dual- cooling switch”が取付けられている。パイロットは必要と判断した場合にはこのスイッチで ”dual-cooling” ができようになる。既に受領したエアライン各社はこの改修キットを受取り、次回整備等で改修ができるようになり、PW1100G-JMエンジン搭載の新造機では標準装備となった。」(日本語版ウィキより)

新しい飛行機には、初期不良がつきものだな。

しかし、A320neoの販売にあたって、移行コストに関してキャリアをだまくらかしたり、パイロットがパニックになるような怪しい改造をしたり、墜落事故を立て続けに起こしても完全な安全性などと強弁したり、規制当局が官憲に刑事事件として捜査されるなどということはなかったようだ。

まあいい。

エアバスの生産ラインは目一杯で、B社の敵失に付け込んでシェアを伸ばすわけにもいかないようだしな。

B社の対応が認められれば、引き続き737MAXの納入が行われ、安泰になるだろう。

一方、無事に有人宇宙船の無人打ち上げテストをクリアしたスペースXのクルードラゴンに対して、ここでもライバルになっているB社の誇る(?)スターライナーはどうなっているのか。

(WITH CREW DRAGON’S FIRST FLIGHT COMPLETE, WHERE’S BOEING’S STARLINER?)
https://www.spaceflightinsider.com/missions/commercial/with-crew-dragons-first-flight-complete-wheres-boeings-starliner/

「ボーイングはまだパッドアボートテスト(現在のタイムラインは2019年にテストが行​​われる場所)を実施していません。これは乗組員のデモフライトの前に行わなければならないことです。SpaceXは2015年に4年前にこのマイルストーンを完了しました。」

「この記事では、ボーイング社はテスト飛行前にパッドアボートテストを実施しなければならないと誤って述べていた。パッドアボートテストマッシュは、乗務員のテストフライトの前に行われます。2019年3月19日の東部標準時午後9時32分に、この誤りをお詫び申し上げます。」

無人の有人宇宙船を打ち上げることはできても、その先のテストをクリアすることが出来るかどうかは不明だ。

「ボーイングのCST-100「スターライナー」カプセルは、いくつかの厄介な技術的問題に遭遇しました。Ars Technicaの報告によると、Aerojet Rocketdyneが提供する重要な中止エンジンは、2018年6月に高毒性のヒドラジン燃料を漏洩させました。」

B社が、このトラブルを初めとする課題を克服することが出来ているかどうかは不明だ。

来月に行われる予定の無人打ち上げテストが、そもそも可能かどうかさえ分からない。

数か月から数年の遅れが生じる可能性もある。

アトラスで打ち上げを行う際に、空力に問題を抱えていることも分かっている。

不格好なスカートを穿かせて凌ぐことになっているようだが、それが機能するかどうかは飛ばしてみなければわからないしな。

浮沈子は、スターライナーが来月上がらない方に1票だな(例によって、当てにはなりませんが)。

(FIRST FLIGHT OF BOEING STARLINER SPACECRAFT COULD SLIP AGAIN:追加)
https://www.spaceflightinsider.com/missions/commercial/first-flight-of-boeing-starliner-spacecraft-could-slip-again/

「・ボーイングパッド中止テスト - 2019年5月に予定
・ボーイング軌道飛行試験1 - 2019年8月に予定されている(ロイターによると)
・ボーイング軌道飛行試験-2 - 2019年11月の予定(ロイター通信)」

その頃には、スペースXの宇宙船が、タクシー任務に付いているに違いない。

民間旅客機部門も防衛宇宙部門も、B社は厳しい状況に置かれている。

この困難を克服して、空に宇宙に羽ばたくことが出来るのかどうか。

地上に引きずり降ろされた737MAX、いつまでたっても飛び立てないスターライナー。

物理の神様への捧げものが足りないんじゃないのかあ?。

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