隠れた瑕疵或いはどこにでもあるバグ2019年04月08日 09:53

隠れた瑕疵或いはどこにでもあるバグ
隠れた瑕疵或いはどこにでもあるバグ


コンピューターソフトウェアの誤ったコードを発見することは難しい。

通常想定される振る舞いの中では作動せず、ある特殊な条件の下でのみ現れる現象というのがあるからな。

膨大な手間暇掛けて、丹念に探すしかない。

たぶん、ボーイングは、それをやったに違いない。

(ボーイング 737MAX8型機のソフトにさらに別の問題を発見)
https://jp.sputniknews.com/incidents/201904056104411/

「我々は将来、事故を予防するソフトの更新に成功している。このプロセスでひとつの局面を発見した。これはMCASに関連したものではないが、更新ソフトの一部となるものだ」

「調査の行方に詳しい消息筋はワシントンポスト紙に対し、これは飛行の安全にとって極めて重要な問題に関係したものと語っている。」

(Boeing 737 Max飛行制御システムで追加のソフトウェア問題が検出された、と当局者は言います:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.washingtonpost.com/world/africa/ethiopia-says-pilots-performed-boeings-recommendations-to-stop-doomed-aircraft-from-diving-urges-review-of-737-max-flight-control-system/2019/04/04/3a125942-4fec-11e9-bdb7-44f948cc0605_story.html?utm_term=.226699703ece

「その追加の問題はフラップに影響を与えるソフトウェアと他の飛行制御ハードウェアに関係しており、それゆえ飛行の安全にとって重大であると分類される、と調査の知識を持つ2人の関係者が言った。」

「調査に精通している関係者の一人は、最悪の結果は後で別の問題が発生することになるので、誰もが徹底的な見直しを望んでいると述べた。」

「私たちは、この比較的軽微な問題に徹底的に対処するための措置を講じており、それを解決するための解決策をすでに講じています」

問題は軽微だが、それに伴う結果は重大という話はよくあるからな。

2つ目の瑕疵が見つかったということは大きい。

2度あることは3度ある。

「同社によれば、ボーイング社の内部で、737 Maxのレビューを行うための一連のエンジニアがすぐに2番目のソフトウェアの問題を発見したという。この問題はFAAと共有されており、FAAもソフトウェアのアップデートを通じてこの問題を解決する必要があると判断しました。」

「追加の問題が更新スケジュールにどのように影響するかは不明です。」

記事によれば、2つ目の瑕疵は、徹底調査の結果発見されたものではなく、1回目の事故直後に発見されているのだそうだ。

ヤバイな。

3つ目の瑕疵は、きっとどこかに潜んでいるに違いない・・・。

この記事の中では、エチオピア航空機がMCASを解除したにもかかわらず、制御を取り戻すことが出来なかった点にも触れている。

「ボーイングは、誤動作の場合にMCASを無効にする方法を概説した速報を発表し、木曜日の予備報告はエチオピアのパイロットがその手順に従ったことを示した。」

「パイロットは飛行機の機首を上げるために手動の手動トリムシステムを使用しようとしました。」

「飛行の最後の数秒で、両方のパイロットは飛行機の潜水を逮捕しようとしましたが、それでもコントロールを取り戻すことができませんでした。」

「トリムを動かすのに十分な力を手動で生成することはできません。」

ソフトウェアの改修では、MCASは遮断されるが、操縦桿に付いているスイッチで、電動により尾翼の位置を操作できるようになる。

それでも、その操作が間に合うという保証はない。

MCASが介入する際の角度を制限したり、1回だけ介入するように変更するようだが、それだけで十分なのか。

ボーイング任せにしないで、徹底的に確認する必要があるな。

(737MAX型機の「安全性に自信ある」 ボーイングCEOが声明)
https://www.afpbb.com/articles/-/3219418

「基本的安全性に依然として自信を持っている」

「間もなく実施されるソフトウエアの修正により、同型機は「過去有数の安全な航空機」になると述べた。」

ソフトウェアに複数の欠陥があり、既にその対策を行うことに決まっていたにも関わらず、マレンバーグCEOは、エチオピア航空機の墜落当初、大統領に安全を直訴し、安全性に完全な自信があるとほざいていた当の本人だ。

(米航空当局、ボーイング737MAXの運航停止せず EUは停止)
https://jp.reuters.com/article/ethiopian-airplane-australia-idJPKBN1QT2P7

「ボーイングは、各国が運航停止を決めたことに理解を示した上で、737MAX型機の安全性には「完全な自信」があると表明した。FAAからは同機についてさらなる措置を求められていないとした。」

「2人の関係筋によると、トランプ大統領はこの日(3月12日)、ボーイングのデニス・マレンバーグ最高経営責任者(CEO)と協議し、同機の安全性について保証を得たという。」

ボーイングは、今日現在も737MAXの生産を続けている。

2割減産したとか言っても、雇用に影響を与えない程度の形だけの減産で、ほとぼりが冷めるまでの煙幕に過ぎない。

(737 MAX、墜落2件ともMCAS不具合 月産42機に減産へ)
https://www.aviationwire.jp/archives/170609

「737を製造するシアトル近郊のレントン工場の雇用を維持できる範囲で減産する。」

大きく重いエンジンを、燃費改良のために無理して主翼前方上方に搭載したバランスの悪さはそのままに、ソフトウェアで尾翼をウニウニ弄って誤魔化そうとする手法は変わらない。

誤魔化し過ぎて墜落する体たらくは改善されたとしても、素性の悪さは変わらない。

MCASが1度しか働かなくなるために、新たに発生する機首上げには、パイロットが手動(電動)で対応せざるを得ない。

レアケースでは、逆にリスクが増大しているともいえる(そうなのかあ?)。

そんな飛行機を「過去有数の安全な航空機」と呼ぶ姿勢からして、ボーイングの核心が安全性ではないということは明らかだな(そんなあ!)。

浮沈子的には、2割減産などは生ぬるく、この際737MAXシリーズの生産を打ち切り、次期737シリーズ(737NEX:仮称?)の開発に切り替えるのが本筋だと思うけどな。

墜落による乗員の人的損耗が想定されている軍用機ならともかく、究極の安全性が求められる民間旅客機に於いて、機体の物理的な不安定要素をセンサーやコンピューターの演算に頼ってカバーするという発想そのものが人類の驕りだと感じる。

ボーイングは、それでもバベルの塔を作り続けると決心しているようだ。

防衛宇宙部門を有し、そっちの方では、機体の不安定要素を動的制御で補うのは当たり前だからかもしれない。

翼が付いたスマホと化した旅客機。

隠れた瑕疵が、これ以上ないことを願うしかないか・・・。

動的制御前提に最適化されたハードウェアか2019年04月08日 12:52

動的制御前提に最適化されたハードウェアか
動的制御前提に最適化されたハードウェアか


(未来の飛行機はムニュっとトランスフォーム。NASAとMITが研究する新時代の翼)
https://www.gizmodo.jp/2019/04/morph-wing.html

「1種類のパーツを何百個も作り、それを組み合わせて翼にするというところ。生産効率が大幅に向上するだけでなく、デザインに柔軟性が生まれるのもメリットです。」

「いままでの翼には飛行機本体を制御するための補助翼(翼の後ろの方にくっついている、可動する翼)が必要だったのに対し、新しい翼は必ずしも補助翼を必要としないそうです。素材と構造が持つ剛性と柔軟性のおかげで翼の全体、または一部が変形できるところが新しいのだとか。」

「離陸時、巡航時、着陸時などでそれぞれ適した形状にトランスフォームできるので、1枚で何通りもの役目を果たし、かつて必要だったパーツのいくつかはお役御免になってしまいます。」

もちろん、こんな飛行機に静的安定性などはない。

「もちろん支柱的な構造と、翼を変形させるための動力(モーターとか)は必須です」

翼の変形どころか、真っすぐ飛ぶ時ですら、動的制御なしに安定させることは出来ない。

鳥が空を飛ぶ時、彼らは身に着けた動的制御機能をフル回転させているのだ。

翼を変形させ、風を感じ、風に合わせて微調整を繰り返している。

737MAXの記事を書きながら、人類はまだまだ鳥には及ばないと悟る。

人の作りしものの限界、神の造りしものの素晴らしさを思い知る。

バベルの塔は、人の驕りを戒める逸話だが、数千年の時を経ても、神の造りしものであるはずの人類は、未だにバベルの塔を作ることを止めようとしない。

神の創造物の中で、唯一の欠陥品は人類ではないのかあ?。

まあ、どうでもいいんですが。

さっき、旅客機は構造的、静的安定性を前提として建造されなければならないと書いたばっかしなのに、その直後に、真逆の事例を引き合いに、これが未来の飛行機だなどというのはいかがなものか。

メカトロニクスの闇に踏み込み、ソフトでハードを制御して良きに計らう世界で生きようと決心したなら、次に来るのはハードに合わせたソフトではなく、ソフトウェアに合わせたハードウェアだろう。

いや、生物の形態とかは、そもそも遺伝子の表現型に過ぎないからな。

素材である分子の特性とかはどうしようもないとしても、それらを組み合わせて形態を得る際に、ソフトである遺伝子情報に従っているという点では、神の意に適っているともいえる。

引用した航空機のコンセプトは、最小単位の部品の組み合わせで、柔軟な形態を得るというものだ。

さらには、部品そのものの柔軟性(柔らかさ?)で、動的に変形させようという挑戦的なアプローチだ。

ややコンセプトに拘り過ぎの気がしないでもないが、意欲的なところはよろしい。

同一の部品というところを、若干緩めて、適材適所を図ることが出来れば、完成度はさらに上がるだろう。

その限界を見極めるうえでも、或いは最適な素材を見つけるためにも、同一の部品に拘るプロセスは必要かもしれない。

この飛行機は、静的安定性という概念とは最も遠いところにある。

いや、そもそも、静的安定性などというのは、有り得ない仮定の下での架空の状態なわけだからな。

現実の世界では、翼に当たる風は常に変化しているし、エンジンの推力だって一定ではない。

離陸や着陸、旋回や高度変化の際に、翼には動的な対応が求められる。

動的安定性とかいっても、その際の対応の幅や、コントロールのレスポンスの速さがどれ程のものかという相対的な問題に過ぎない。

地面に着陸しているとき以外に、航空機に静的安定性などという概念を持ち込んでみても無意味だ。

そういう広い意味でとらえた時には、飛行機を飛ばすということ自体が、既にメカトロニクスの世界に踏み込んでいる。

そのソフトウェアが担う制御を、訓練を受けた操縦士の脳が代わって行っていただけの話だ。

B社の核心は、営業利益の増大にあるから、アホなMCASに機体の欠陥を誤魔化す生煮えのコードを書き込み、737ーNGの振りをさせて機種転換訓練のコストを圧縮(隠ぺい?)して売りまくったわけだ。

故意とまでは言えないかもしれないが、確信犯であったことは間違いない。

事故はきっと起こるが、なんとか対処できるだろう(法的に?)。

最悪、ソフトウェアの書き換えで誤魔化し続けることが出来るに違いない。

出来れば、法的責任を問われずに逃げ切りたいものだ・・・。

そうして、737MAXシリーズを売りまくり、時間と利益を稼ぎ、ボロを出さずに次期737シリーズの開発期間とコストを得ることが出来ればサイコーだ・・・。

ライオンエアの事故が起こるまで、ボーイングはウハウハだったに違いない。

物理の神様の怒りに触れるまでは。

MITの変形飛行機は、最初から物理の神様にケンカを吹っかけている。

見逃してもらおうなどという謙虚な姿勢は、はなから持ち合わせていない。

もちろん、変形したのちの形態は、静的安定性を追求した従来の機体よりも、空気力学的に優れたものになることが期待される。

その時々の状況に応じて、鳥の翼のように変化するという意味で神の造りしものに似せようとしているという点では、物理の神様のご機嫌の取り方が堂に入ってきたと言えなくもない。

そこで使われるプログラムを書くのが、相変わらず、唯一の神の失敗作である人間であることを除けば・・・。

やる気のなさ見え見えのリップサービス2019年04月08日 15:04

やる気のなさ見え見えのリップサービス
やる気のなさ見え見えのリップサービス


(NASA HEAD ANSWERS AGENCY QUESTIONS ABOUT ‘MOON BY 2024’ GOAL)
https://www.spaceflightinsider.com/organizations/nasa/nasa-head-answers-agency-questions-about-moon-by-2024-goal/

どうやら、NASA内部向けの発言らしいな。

「NASAの従業員が行った最大の質問は、5回目のナショナルスペース会議でマイクペンス副大統領が設定した2024年の期限を守るための米国議会の資金援助でした。」

その暴言に近いペンスの発言については既に触れた。

(無理筋或いは表現の自由?)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/03/27/9052289

「出すもん出さないで、冗談はよしてくれ!。」

まあいい。

浮沈子の印象では、NASA長官は、この現政権の要請をやんわりと無視したように見えたんだがな。

今回の記事では、逆に積極的に利用しようとしているようだ。

「Bridenstineは、1961年にケネディ大統領でさえ、彼が就任できた最長期間を超えて期限を設けたと述べた。」

「NASAが5年以内に人間を月に戻す計画は、本質的には組織がすでに 2028年までに計画していたものの縮小版であるように思われます。」

そもそも、オリオン宇宙船を宇宙に送り出すSLSについて、いつ上がるかという問題が残っている。

「クリティカルパスの項目の例として、SLSのエンジン部を挙げました。予想以上に開発に時間がかかり、その結果、他の項目も遅れを取っています。」

どこかで聞いたような話もある。

「彼はまた、必要でないテストを削除することでSLSの開発スケジュールを早める必要があると語った。」

「スケジュールを加速することは、直列ではなく並列で開発することを意味している」

アポロ計画の際に、サターンVの開発を加速するために、並列開発手法がとられたことは知られている。

(サターンV:C-5)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3V#C-5

「第一号機を製作する前には、各部分の試験を積み重ねていかなければならない。」

「有人飛行の前の無人発射実験の回数を減らすためにも、ロケットの各段を別個に試験するのではなく、すべての段を一度にまとめて発射試験してしまうほうが望ましいと判断された。」

NASA長官は、今回もこの手法を採ることを表明したんだが、浮沈子的にはサターンVの時とは状況が異なるからな。

同列には論じられない。

今や、月への回帰に関しては、ライバルはいない。

宇宙開発の覇権を争っていたソ連は崩壊し、過去の遺産を食いつぶす形で辛うじて残っているにすぎず、急速に後を追ってきた欧州も、有人宇宙技術においては米国の傘下に入っている。

唯一、ライバルとなりえるのは中国だが、まあ、10年早い気がする。

つまり、動機が希薄だ。

更には、NASA自体が、根本的な計画を変えようとする意志がない。

「オリオン宇宙船、月面ゲートウェイの初期バージョン、および3段階の人間着陸システム。」

月へ行くのに、月軌道ステーションは必要ない。

それを運ぶためには、SLSの次期バージョンの開発が不可欠だが、そのための予算は認められていない。

民間セクターに依頼するにしても、貨物便を飛ばすための金は必要だし、そんな実績は皆無だ。

そもそも、運ぶべき月ステーションの基本設計すらない(概念設計も途中じゃないのかあ?)。

ましてや、月着陸船に至っては、計画すらなく、これからどうしましょうかという段階だ。

NASAが考えている2028年という目標さえ、そんなもんを信じるものなど、当事者を含めて誰もいないだろう。

2024年の米国単独の月面着陸を実施するための唯一の計画は、すでに出来上がっているファルコンヘビーに有人宇宙カプセルを乗せ、別途打ち上げた月着陸船に月軌道上で合体して乗り移り、更に別途打ち上げた帰還用宇宙船に月軌道で乗り移って帰ってくるという話ぐらいだ(未検討)。

ファルコンヘビー3基打ち上げれば、まあ、重量的には何とかなるだろうし、ランデブー及びドッキング技術については、アポロ計画以降、散々やっているからな。

上手くいくに違いない(未確認)。

問題は、影も形もない月着陸船だな。

月周回軌道から月面に着陸し、無事に月周回軌道に戻ってこなくてはならない。

2024年までに間に合えば、クルードラゴンでなくても、スターライナーとか本来のオリオン宇宙船でもいい。

打ち上げだって、ファルコンヘビーでなくてもいいし、SLS以外の既存の重量運搬ロケット(デルタ4ヘビー)だってかまわない。

SLSは、とてもじゃないが2024年の初打ち上げだって怪しいからな。

それを前提にする限りは不可能だ。

帰りの宇宙船を別のにするには訳がある。

なんとしても帰ってこなければならないからな。

元の宇宙船に何かが起こってもいいように、初めから予備機を飛ばしておく。

もしも、予備機に不具合が発生したら、往路の宇宙船をバックアップとして活用できる。

そういう意味では、着陸船だって、あらかじめ飛ばしておいて、予定着陸地点の近くに置いておくことも検討の余地はある。

まあ、後から来たのが着陸を誤って、予備の着陸船に衝突して両方壊しちゃったりしたら目も当てられないけどな。

まあいい。

そうやって、月に長期滞在することなく、ただ行って帰ってくるだけの計画さえ、今からシャカリキになって行っても間に合うかどうかは不明だ。

アポロ計画で、最後まで足を引っ張ったのが着陸船だったことを思い出す必要があるな。

(アポロ月着陸船)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E6%9C%88%E7%9D%80%E9%99%B8%E8%88%B9

「2度目の飛行は1969年3月3日のアポロ9号で、サターンV 型ロケットによって打ち上げられた。」

「司令船・機械船・月着陸船をフル装備してサターンVロケットが打ち上げられたのは、この飛行が初めてであった(この分離・再ドッキング試行はアポロ8号の飛行で行われる予定だったが、開発の遅れなどにより8号の飛行目的は月周回のみに変更された)。」

アポロ13号の事故の際、この月着陸船が救命艇として大活躍する訳だが、今回は省略する。

アポロ15号から17号までは、月面探査車も搭載したんだが、そんなもんを開発している時間も金もないだろう。

そうして、今後の月探査とは何の関係もない、ただ金をどぶに捨てるだけの開発をしたとしても、おそらく2024年どころか2028年にすら間に合わないに違いない。

米国は、鉄の意志を持って、それを成し遂げようとしている(たぶん)。

「2024年までの月の計画はSLSのための新しい上段、すなわち探査上段をまだ必要としている」

無人の月周回テストでは、隕石などの衝突にぜい弱な上段ロケットを使用することになっている。

もう、アポロの時のような一か八かの計画は許されない。

ペンスは、勲章をくれてやれば、宇宙飛行士は喜んで危険な飛行を行うと思っているだろうが、スペースシャトルで14人の犠牲者を出したNASAが、それを呑むとは思えないけどな。

無人のEM-1が2024年というのが、今のところ無理のない計画だろう。

有人飛行が実現するのは、早くて2028年。

月周回ステーションに至っては、実現するかどうかも怪しい。

2030年代になって、中国が単独月面着陸を果たした時、チャイナショックで目が覚めるのがオチだ。

その中国にしても、独自の宇宙ステーションと、予算の分捕り合戦に入っているわけだからな。

その頃は民間で運用されているISSの仲間に入れてもらえるかどうかも分からないしな。

五星紅旗が月面にはためく時(えーと、大気が殆どないのではためかないとは思いますが)、米国は慌てて月面開発に乗り出すんだろう。

時すでに遅し・・・。

少なくとも、月の裏側は中国の核心的利益の対象になっているに違いない(そうなのかあ?)。

2020年代は、怒涛の幕開けになりそうな予感がしている。

NASAの長官がリップサービスして誤魔化している間も、着々と準備を整える中国。

ロシアも、欧州も、もちろん我が国も、移り気な米国のご機嫌を伺いながら、中国との連携を模索しだすかもしれない。

米国一国主義だって、いつの間にか米国第一主義にすり替わって、月着陸船は中国から調達するとか言い出すかもしれないしな(そんなあ!)。

今のところ、深宇宙の有人探査については、世界的に見てSLSしか選択肢がない。

ファルコンヘビーにしても、デルタ4ヘビーにしても、有人対策や深宇宙での長期運用については未知数だからな。

月着陸船の開発、SLSならエンジンや新しい2段目の開発、運用方法の開発、民間ロケットの活用など、それこそ同時に進めていかなければならない。

しかも、必要と思われるテストのうちのいくつかはすっ飛ばされることになる(たぶん)。

そうこうするうちに、スーパーヘビーとかスターシップが完成して、70年代の技術を引きずっているSLSを屠ることになるかも知れない。

我々は、ボーイングが不滅だと思っているが、この先10年後、同社が存続しているかどうかは誰にもわからない。

737MAXでケチを付け、いつ火を噴いてもおかしくないバッテリーを抱えて飛び続ける787シリーズでトラブルが頻発すれば、民間航空部門で破綻しかねない。

政権交代で軍事部門がやせ細ってくれば、残る頼みの綱はSLSだけということになる。

ああ、それが一番怪しかったりするかもな・・・。

君はポーランドに行きたいか2019年04月08日 17:24

君はポーランドに行きたいか
君はポーランドに行きたいか


プールダイビングダイスキな浮沈子。

スキルに集中できて、気が散らずに済む。

水舐めてもしょっぱくないし、塩抜きしないで済む(よく洗わないと、塩素消毒が残ってしまって、ウェットの生地を傷めたりするけどな)。

某伊豆方面のダイビングプールには、CCRの練習でよく通った。

大井町にプールがあったころは、中性浮力の練習で2時間潜っていたこともある。

最近は、稲取の温泉プールで潜る機会が増えた。

市川にある國富や、都立大にあるセントラルスポーツのプールにも器材を付けて潜ったことがある。

水深は、ダイビングプールでも、せいぜい5mくらいだ。

初心者ダイバーの講習や、ベテランのスキルアップで使用されることが多い。

欧州とかには、充実したダイビングプールがあって、そこで潜って気晴らしするというのが一つのパターンになっているようだ(詳しくは知りませんが)。

(Nemo 33)
https://en.wikipedia.org/wiki/Nemo_33

「ベルギーのブリュッセルにある屋内の非塩素系 淡水施設です。」(自動翻訳のまま:以下同じ)

「10メートル(33ft)にいくつかの模擬水中洞窟を保持します。」

(Hotel Terme Millepini:Y-40 pool)
https://en.wikipedia.org/wiki/Hotel_Terme_Millepini#Y-40_pool

「Y-40「The Deep Joy」プールは、2014年6月5日に最初にオープン」

「42.15メートル(138フィート)の深さで、世界で最も深いプールになっています。」

(水深45メートルの「世界一深いプール」がポーランドでオープン予定)
https://gigazine.net/news/20190403-world-deepest-pool-poland/

「プールの名前は「Deepspot」で、プロのスキューバダイバーのための練習施設となります。」

記事の中にも出てくるY-40については、以前から知ってたけどな。

来年には、英国に50mというのが出来るらしい。

「ただし、2020年にはDeepspotよりも最大水深が深い「水深50メートル」のプール「Blue Abyss」がイギリスで開業予定となっています。」

浮沈子は、この深さに潜ることはできない。

CCRでも、オープンサーキットでも、40mが限界深度だ。

まあ、十分だがな。

一時期、60mくらいまでは行きたいと思っていたけど、40mまででもやるべきことは沢山あって、とても手が回らない(最近は、頭も回らなくなってきたけどな)。

今月は、プールトレーニングを予定している。

セントラルで2回(シュノーケリングの自主練習)、國富で1回(内容はまだ秘密)。

「Deepspot」や「The Deep Joy」(Y-40)、或いは「Blue Abyss」のような本格的なダイビングプールが出来れば、真っ先に潜りに行くんだがな。

我が国では、なかなか流行らないだろうな。

(ダイビングプール考)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/10/25/8236010

以前書いた記事だが、読み返すと恥しくなるな。

「ダイビング自体がクランチしていく中で、新たな設備を投じて何ができるかということも見極めなければならない。」

海外ではそういう需要が実際にあるわけだし、今後も作られていくに違いない。

プールで潜って何が面白いんだとか言われそうだが、別にお立ち台(!)とか作らなくても、それなりに楽しめるようにはできそうな気がするんだがな。

今度のプール練習の時には、何か考えてみようかな・・・。

エクスプローラー亡き後に登場した究極のSCRとは2019年04月08日 20:57

エクスプローラー亡き後に登場した究極のSCRとは
エクスプローラー亡き後に登場した究極のSCRとは


名古屋でエクスプローラーを試して、何となく違和感だらけだった浮沈子。

(リブ体験会)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/10/23/8234731

「最後に試したのが、問題のエクスプローラーだ。」

「加藤さんに聞いてみると、この器材は、マキシマムボリュームでの運用に近いという。」

「ハッキリ言って、CCRをやっている方が、鞍替えして始めるようなものではない。」

CCRで潜らせておけば文句を言わない浮沈子だからな。

ハッキリ言って、中途半端感(?)満載のSCRに手を出す気にはなれないでいたら、供給停止になってしまった。

そんな中、今年初めにデビューした、マレスのホライズンというSCRが気になっている。

(HORIZON)
https://www.mares.com/en-IC/horizon/

「完全フルデコバージョンの重量:14.8キロ」(自動翻訳のまま:以下同じ)

実際には、これにナイトロックスタンクの重量が加算される。

「特徴:
それぞれが1kgのCO2吸収剤を含み、ユーザーが補充できる2つのスクラバーキャニスター」

そう、これって、泣く子も黙るハイブリッドCCRのレボ(rEvo)との共同開発なわけだ。

「ダイビング中に調整可能なダイバーに供給される一定の酸素分率」

浮沈子には、この仕組みがどうもよく分らない。

ビデオとかを見ると、SSIとコラボしているようだな。

よく分らないのが、カウンターラングの位置だ。

筐体の中に仕込まれているらしいんだが、意図的なのか、たまたまなのか、分かり辛い感じ。

筐体両側のスリットが入っている部分に、吸気用と排気用を分けている可能性もある(未確認)。

浸水対策がどうなっているかも気になるところだ。

まあ、どうでもいいんですが。

元になったレボの武骨さに対して、さすがにマレスの手に掛るとデザイン重視になるな。

コンピューターにしこたま計算させて、SCRを骨までしゃぶり尽くそうという感じか。

基本的には、呼吸ガスの選択によって運用限界が生じる。

深度は40mまで。

十分だな。

タンクは筐体には付かないようだから、サイドマウントして持っていかなければならない。

複数のガスを切り替えて使うことも出来るようだ(未確認)。

CCRの牙城を脅かす存在にはならないだろうけど、同じリブリーザー仲間だからな(そういうことかあ?)。

無関心ではいられないところもある。

運用深度を間違わない限り、ハイパーオキシアになる気遣いはない。

オープンサーキットからの導入が手軽かと言われれば、そう簡単ではないだろう。

特殊器材としての導入障壁を低くしようという努力の跡はみられる。

実際はどうなんだろうか。

価格やトレーニングコストと、導入後のメリットを天秤にかけて考えることになるんだろうな。

動画を見ると、排気は背中側から行われているようだから、ジェムのように目の前に排気の泡が立ち上ることもないし、プクプクという音も聞こえ辛いだろう(未確認)。

酸素センサー2個付いていて、何となく安心感はある(作動ロジックは未確認)。

誰か、人身御供になって試してみる気はないんだろうか(浮沈子は手出ししませんが)。