衛星ビジネスの新しいカタチか、単なる廃物利用か2019年04月14日 07:43

衛星ビジネスの新しいカタチか、単なる廃物利用か


衛星を軌道に投入する際に使用されるキックステージ。

ロシアのフレガートとか、エレクトロンのキュリーキックステージが典型的なやつだろうな。

それには、通常、衛星分離機構が付いていて、そこに独立した衛星を1機または多数搭載し、バネなどで穏便にリリースした後は、単なる宇宙ゴミとなって、ペリジー辺りに僅かにある大気の抵抗で落ちてくるまで軌道に留まるか、気の利いた奴は自分で降下して燃え尽きることになる。

このキックステージには、正確な軌道投入を行うためのアビオニクス(航法装置)、通常複数回の噴射を行うことが出来るロケットエンジン、姿勢制御装置、地球との通信装置、電源、それらを接続するデータバス、そして衛星分離機構が搭載されている。

一方、衛星の方は、最近の流行りとして、衛星バスという仕掛けがある。

(衛星バス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%9B%E6%98%9F%E3%83%90%E3%82%B9

「バスは主に以下のサブシステムから構成されている。

・C&DH系(コマンド及びデータ処理系、Command and Data Handling System)
・TTC系(テレメトリ・トラッキング・コマンド系)と呼ばれていたが、オンボードコンピュータの発達に伴いC&DH系と呼ばれるようになってきている。
・電力系(EPS)
・姿勢制御系(ACS)
・推進系
・構体系
・熱制御系(TCS)
・生命維持系(有人飛行の場合)」

通信系については、ミッション機器側で用意されることが多いようだが(まあ、通信衛星に使われることが多いからな)、多くの機能はキックステージと被っている。

そこに注目して、そんならキックステージを衛星バスを持つプラットフォームにしちまって、そこにミッション機器を乗っければ衛星丸ごと完成できるようにすれば商売になるのではないか・・・。

(宇宙ロケットのスタートアップロケットラボは今、あまりにも衛星を構築しています:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.space.com/rocket-lab-photon-satellite-program-photon.html

「Photon衛星は、Electronの「キックステージ」を進化させたもので、小型衛星の軌道をRocket Labの任務の終わりに向けて周回させる単一エンジンの技術です。」

「衛星プラットフォームは、独自のアビオニクススイートと通信および姿勢制御システムを備えています。」

これ自体が、1機の衛星として機能するところまで仕上げられている感じだ(通信系も、もちろんあるし)。

ミッション機器側の熱処理系とかは、仕様によって大きく異なるので、そこまでは面倒見ないかもしれないが、物理的な分界点の新しいカタチであるとは言えよう。

なにより、キックステージという廃棄物(!)を有効に利用できるところがいい。

適用される衛星サービスはある程度限られるんだろうが、170kgの観測機器を乗せられれば、いろんなことが出来そうな気がする。

ビジネスチャンスを広げ、エレクトロンによる本来の打ち上げ機会を増やそうとするツールの一つなんだろうが、上手いことを考えたものだ。

文字通りのプラットフォームとして、複数のミッション機器の相乗りも考えられる。

既に、イリジウムネクストなどでは、1つの衛星に異なるミッション機器を相乗りさせているし、通信衛星にしても、複数の会社が一つの衛星に相乗り(区分所有)してサービスを提供するというのが一般的になりつつあるからな。

まあ、小型衛星では、独自の軌道を採りたがったり、打ち上げのタイミングも自由に決めたいという需要がメインだから、そもそも相乗りというのは馴染まないかもしれないけどな。

それでも、同じ様な軌道で構わないから、余計なことは大家さんに任せて、単一のミッションそのものに専念したいというニッチな市場はあるんだろう。

いや、ひょっとしたら、これからの衛星ビジネスに画期的な変化をもたらすキーテクノロジーになるかも知れない。

分界点をどこに置くのかというだけの問題だが、そこに新しいカタチが見えてくる。

衛星を独自に構築できないニーズを、如何にしてすくい上げてロケットに乗せるかというのは重要だ。

キューブサット業者だけに、美味しいところを持っていかれてたまるか・・・。

いや、そういう業者こそ、共通プラットフォームに期待しているかもしれないしな。

どこまで面倒見てもらえるかということを考えて、ミッション機器側を柔軟に設計するノウハウが必要だからな。

客層としては、その辺りが当面のターゲットだろう。

元々、薄利多売で稼ぐしかない小型衛星市場だから、細かいところで工夫するしかない。

宇宙ビジネスが民間に定着する過程では、同じ様な発想で、様々な展開が期待できる。

ハードウェアの分界点の問題だけでは済まないだろうしな。

汎用衛星を打ち上げておいて、搭載されているソフトウェアをシェアして、特定の衛星機能を切り売りするようになるかもしれない。

リアルタイムで送られてくる地球観測カメラの映像を、時分割して利用するとかな。

そうすると、ハードウェアを小分けにして、独自の需要に応えようという小型衛星のコンセプトとはかけ離れていくけどな。

ハードとソフトの切り分けも含めて、多種多様な衛星サービスが展開されていくに違いない。

その、一つのカタチとして捉えるのが正解だろう。

はたして、ビジネスとして成功するのかどうか。

単なる宇宙ゴミのエクスキューズに終わらないようにしてもらいたいもんだな・・・。

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