毎回、そういえばあれはどうなった状態のILCだが、外野は相変わらず元気だな2019年04月21日 23:37

毎回、そういえばあれはどうなった状態のILCだが、外野は相変わらず元気だな


(<ILC>岩手・宮城県議連、誘致働き掛けを自民党に要請)
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190419_71055.html

「整備実現を目指す両県議会の議員連盟は18日、自民党に対し、早期の誘致表明を政府に働き掛けるよう要請した。」

学術会議が、そんなもんいらないと結論を出したわけで、余程のことがない限り、我が国に誘致する話は立ち消えになるかと思っていたが、政府が色気を出すもんだから、外野は余計元気になる。

「文部科学省は3月に示したILC誘致に関する見解で「日本学術会議のマスタープランなど正式な学術プロセスでの議論が必要」と指摘した。」

昨年暮れに結論は出てるんだがな。

仮に、コストが半分くらいになったとしても、そもそも我が国が誘致して、学術界に落ちる金に間接的にせよ影響が出る話はお断りのはずだけどな。

もっといえば、我が国の負担がゼロになったとしても、積極的には受け入れたくない話ということになる。

人材を持っていかれちまうからな(たぶん)。

どっか、よその国(中国かあ?)でやってくれと・・・。

(ILC、政府見解は「前進」 エバンスLCC代表インタビュー)
https://www.iwate-np.co.jp/article/2019/3/28/50749

「文部科学省が(3月)7日表明した政府見解について「(実現へ)前進した」との見方を示した。中国で検討が進む大型加速器構想について「一番の脅威」と説明。ILC実現に向けて日本政府に対し、年内に一層踏み込んだ態度を示すよう強く求めた。」

「もしも今後さらに前向きな声明がなければ、今年の終盤以降、検討を続けていくのは難しくなる」

もともと、昨年暮れまでの結論を、今年の3月まで引き延ばした話だ。

(<ILC>「誘致表明至らず」文科省見解 検討は継続の方針:追加)
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201903/20190307_71046.html

「誘致の表明には至らない」

その上で、

(1)日本学術会議のマスタープランなど正式な学術プロセスでの議論が必要
(2)欧州素粒子物理戦略など議論の進捗(しんちょく)を注視
(3)計画に科学的意義はあり、文科省は関心を持って国際的な意見交換を継続

これのどこが前進なんだか・・・。

既に、CERNは円周100kmに及ぶ次期コライダー計画(FCC)をぶち上げ、その(時期的な)一部の機能として電子・陽電子コライダー(FCC-eeというらしい)を作る構想を固め始めた。

方式としては中国と同じ、大きさが気持ちデカい程度で、完全なライバルになる(最近は、初めはデカい構想を掲げて、予算当局に譲る形で縮小するのが流行りだからな)。

(ILCがいらない理由がまた一つ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/01/17/9026232

「FCCはこれまでにないエネルギーと強度で電子-陽電子、陽子-陽子、イオン-イオンの衝突を観測できるようになるだろう」

直線型加速器も検討している。

(ILCがいらない理由がもう一つ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/01/18/9026270

「セルン自身が、CLICというILCとよく似たプランを進めているのだ」

これが現実の話になるかどうかが、リンエバンスが言うところの「検討を続けていくのは難しくなる」という話の具体像なのかもしれない。

我が国のILCには、早々に見切りをつけて、中国とのガチの競争に打ち勝たなければならないからな。

「リニアコライダー計画としての技術的成熟度では、ILCがCLICよりも数年以上先んじていることは、関係者の衆目の一致するところである。」

「新しい物理学を拓くという観点からは、より高い3TeVを目指す点で、1歩先んじている(ILCは、最大でも1TeVまで)。」

さて、どう転ぶことになるのか。

中国の方も、調べてあるので引用しておく。

(もう一つの巨大加速器)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/01/19/9026762

「CEPCは8つの円弧と8つの直線部を持ちます」(たぶん、直線部分は短い)

規模は、FCCと同じ程度だ(最大規模で同等)。

加速器が沢山出てきたので、ここらで整理しておこう(一部ですが)。

名称:機関等:形式:タイプ:衝突エネルギー:時期
・FCC:CERN:円形(100km):陽子・陽子等:100TeV:50年代
・FCC-ee:CERN:円形(100km):電子・陽電子:250GeV:40年代
・SPPC:中国:円形(100km):陽子・陽子等:100TeV:40年代
・CEPC:中国:円形(100km):電子・陽電子:250GeV:30年代
・CLIC:CERN:線形(11〜50km):電子・陽電子:3TeV:30年代
・ILC:日本:線形(20~30km):電子・陽電子:1TeV:20年代

エネルギー等は最大値を掲載している。

あくまで目安にしかならないけど、全体を概観するにはちょうどいいかも。

線形加速器では、ILCが時期的にリードしている。

技術的なハードルも、相対的には低い。

中国は、円周型加速器に於いて、CERNを10年リードしようとしている。

時間という資源を有効に利用して、イニシャチブを取ろうというわけだ。

下手したら、美味しいところは全部中国に持っていかれた後に、遅れて出来たCERNのマシンで落穂ひろいする羽目になるかも知れないのだ。

やれやれ・・・。

それに対するCERNの保険がCLICなのかもしれない。

ピュアな実験結果を先んじて手に入れ、パワー的にもリードできる。

ヒッグス粒子の定量的研究においては、先んじることが出来るだろう。

もう、既に、世界はILC抜きで回り始めているのかもな。

巨額の資金を動かし、国際協力を取り付け、当局に構想を呑ませる力。

衝突エネルギーの大きさだけではない、事業推進力としてもビッグパワーサイエンスなわけで、それをこなしていくことが求められる。

国内の学術コミュニティにおける合意作りで躓いているレベルでは、話にもならない。

浮沈子は、さっさと白旗掲げて撤退するのがいいと考えている。

震災復興といっても、ごく一部の地域にしか恩恵はない。

しかも、継続して事業があるわけではなく、時限的なプロジェクトであることに留意すべきだろう。

建設に10年、研究に10年。

そして、長い長い負の撤退期間が残る。

掘りぬいたトンネルの後始末、放射化した器材や排水の管理、寂びれゆく街、荒んでいく人の心・・・。

止めといた方がいいんじゃないのかあ?。

中国に美味しいところを持っていかれないためにも、CERNのCLIC構想に道を譲り、活用できる遺産は引き継いで、そっちの成功に協力して国際的な成果を得るのがよろしい。

東北の復興や、学術会議のマスタープランは、他の事業に譲った方が無難だ。

浮沈子的には、このプロジェクトは我が国が担うには重過ぎる気がする。

次期核融合炉とかなら、まだ、筋は良かったんだがな。

産業界を絡めて、大いに盛り上がったかもしれないけど、あれはフランスに持っていかれてしまったからな。

ああ、今回もフランスかあ(スイスとの国境にまたがってますが)。

まあいい。

ひょっとしたら、大どんでん返しで我が国になるかも知れない。

オリンピックが終われば、景気は冷え込むからな。

大阪万博までの繋ぎも必要だ。

政策的には、時限的なお祭りの方がいいこともある。

始めた事業を撤退するのが一番難しいからな。

終わりが見えている方が、扱いやすいということもある。

「中国で実現の可能性が高いとなれば研究者はなびく」

そう、最後はそこが決め手になるかも知れない。

優れた構想や、高い実現可能性だけだは飯は食えないからな。

現物を作ることが出来るかどうかが決め手になる。

火中の栗を拾うことが出来れば、そして、それが本物ならば、果実を得ることが出来る。

政権が、魅力を感じているのもそれがあるからだろう。

我が国は、そういうワケワカのリスクを避けてきた過去があるからな。

しかも、ILCは、元をただせば米国の事業だ。

尻拭いをしてやれば、有難がられるに違いない(そうなのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

学術会議で不合格と採点された事業だからな。

政府が採用するには、そこのところを科学コミュニティ内で整理して、受け入れやすいカタチにしなければならないだろう。

少なくとも、従来の費用負担の在り方を抜本的に改める必要がある。

更に、人材確保についても、我が国の人材を過剰に奪われることがないようにしなければならない。

他にもやることは沢山あるのだ。

事業が終わった後の施設や組織の活用方法についても、従来の考え方とは異なるアプローチが必要だろう。

核廃棄物の長期保管場所とか、あらぬ疑いを掛けられないようにしておかないとな(そうなのかあ?)。

どーせなら、首都移転しますとか、そのくらいのスケール感が欲しい。

まあ、単なる祭りで終わらせるつもりなのかもしれないし、それでいいのかもしれない。

さて、どうなることやら・・・。

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