中国の月面基地は無人基地なのか2019年04月26日 07:28

中国の月面基地は無人基地なのか


(中国、月面基地を「10年以内に」建設へ)
https://www.afpbb.com/articles/-/3222449

「中国国家航天局(China National Space Administration)の張克倹(Zhang Kejian)局長は「宇宙の日」に合わせ行った演説で、今後10年以内に月の南極に研究用基地を建設する計画を発表。さらに、2020年までの火星探査機打ち上げと、同国4機目の月探査機「嫦娥5号(Chang'e-5)」の年内打ち上げを表明した。」

火星探査機は、過去に打ち上げられたことがあるし(蛍火1号:ロシアのロケットのチョンボで、あえなく墜落)、嫦娥5号の年内打ち上げは既定路線だが、10年以内(つーことは、あれだな、2029年までだな)の「月の南極に研究用基地建設」という話は、どう考えても眉唾だ。

「宇宙の日」の演説というところがミソか・・・。

(「宇宙の日」とはどういう日ですか?)
http://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/313.html

「毎年9月12日は「宇宙の日」です。」

ちょっと時季外れのような気が・・・。

(宇宙の日)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E6%97%A5

「毛利衛が日本人として初めてスペースシャトルに搭乗して飛び立った9月12日に定められた。」

えーと、極めてローカルな話なわけだ。

(<企画>初の「中国宇宙の日」に関するあれこれ)
http://j.people.com.cn/n3/2016/0425/c95952-9049305.html

「中国初の人工衛星「東方紅1号」が1970年4月24日に打ち上げられ、中国人による宇宙の神秘の探査、宇宙の平和的な利用、人類への貢献の幕開けとなった。国務院は今年3月、2016年より毎年4月24日を「中国宇宙の日」とすることを承認した。」

国威発揚の宇宙開発。

各国独自に「宇宙の日」を定めるのは自然の流れだな。

まあ、どうでもいいんですが。

で、その中国の国威発揚の記念日である「宇宙の日」に発表された「月面基地」というところがポイントなわけで、今年、来年のジミーなイベントだけじゃないぞと。

将来は、月面基地作るぞと。

まあ、景気付けなわけだ(たぶん)。

だって、中国の有人月面飛行は、2030年代ということになっているらしいからな。

(中国の月探査プログラム:乗組員のミッション:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://en.wikipedia.org/wiki/Chinese_Lunar_Exploration_Program#Crewed_mission

「2019年の時点で、中国は2030年代に月面着陸ミッションの予備調査をレビューしていた」

じゃあ、月面基地建設なんて、真っ赤なウソということになるかといえば、どうも、そうでもないらしい記事を見つけた。

(中国、無人月面基地を検討か)
https://moonstation.jp/blog/lunarexp/china-discussing-unmanned-lunar-base

「「月面基地」というと、人間が常駐して活動しているものを想像しますが、中国では現在、無人の月面基地についての検討が活発に議論されているとのことです。」(記事は2年前)

「おそらく今回の無人月面基地は、この「無人」から「有人」への橋渡しを行うことを想定したステップ、さらにいえば、この無人から有人へのステップが非常に大きいことを中国が認識して、その中間ステップを踏むことを検討しているとも捉えることができるでしょう。」

この見立てが正しいかどうかは知らない。

無人の月面基地を建設することに意義があるのかという気もする。

南極というのは、おそらく太陽電池の発電とか、地球との通信を考慮して決められたんだと思うが、月での観測を継続的に行うという点では合理的だ(なぜ北極でないのかは不明)。

米国も、南極へ着陸しようとしていたしな。

(月面基地:各国の月面基地計画)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E9%9D%A2%E5%9F%BA%E5%9C%B0#%E5%90%84%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%9C%88%E9%9D%A2%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E8%A8%88%E7%94%BB

「アメリカ合衆国:
建設地としては、月の南極に存在するシャクルトンクレーター付近が最有力地として挙げられていた。」

「2010年にバラク・オバマ大統領により計画が中止されたため月面基地構想は白紙化された。」

恒久的無人基地を作って、有人開発までの間を持たせるというのは、技術的科学的意義を別として、スケジュール調整が効く安価な対応だからな。

無人だろうが何だろうが、月面基地は月面基地だ。

うちは、月面基地持ってるぞと。

対外的な脅しが効くかどうかは別にして、国内に対する政治的アピールにはなる。

世界初の月の裏側への探査機着陸、世界初の月面での発芽、そして、世界初(?)の「月面基地」!。

世界初になるかどうかは分からんけどな。

米国が、なんとかして2024年までに有人月面着陸を再開しようとしているが、それに直接対抗するというのは中国としても無理筋だと分かっている。

安上がりに国威発揚を掲げるとしたら、無人月面基地は悪くない選択だ。

初出のAFPの記事には、気になる記述もある。

「中国はさらに24日の発表で、ロケット「長征5号B(Long March-5B)」の初打ち上げを2020年前半に行い、同国が建設予定の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」の基幹部分を運搬すると明らかにした。中国有人宇宙プログラム室(CMSEO)によると、天宮は2022年に軌道に乗る予定。」

ここまではいい。

中国の有人宇宙開発の優先順位が、宇宙ステーション(えーと、地球周回タイプですが)であることは間違いない。

問題は、その後の記述だな。

「天宮は、米国、ロシア、カナダ、欧州、日本の共同事業で2024年に運用終了予定の国際宇宙ステーション(ISS)を置き換える施設となる。」

そうなのかあ?。

まあいい。

国内向けには、そういうことになっているのかもしれないしな。

ISSの代わりだと。

これからは、中国が地球周回型宇宙ステーションを運用するんだぞと。

飛ぶ鳥を落とす勢いの現政権だが、少なくとも宇宙開発については、中身をよく見ておかないとな。

その一方で、着々と技術を向上させていることは確かだ。

こんな記事も出た。

(中国、小惑星/彗星探査機を2022年に打ち上げへ)
https://sorae.info/030201/2019_04_24_china.html

「現時点での計画では地球近傍小惑星「2016 HO3(Kamo’oalewa)」に到達し、サンプルを採取するミッション」

「2016 HO3の探査を終えると、探査機は地球近くへと戻りサンプルを地球へと向けて分離。そして探査機はアステロイド・ベルトにある彗星「Comet 133P(Elst-Pizarro)」の探査を実施」

どっかで聞いたことがあるような話だが、実現不可能ではない。

技術的難度は高いと思われるけど、既に地球ー月系のL2に、中継衛星を送り込む軌道制御技術を持ってるからな。

やって出来ない話ではないだろう。

精査中の理由は明らかだな。

政治的なインパクトが小さい(世界初じゃないし!)。

彗星に体当たりして、軌道を変化させ、地球に落下させるとかすれば、インパクトはデカい(デカすぎ?)。

そっちの方に計画が変更されないように、祈るしかないか・・・。