スターリンク衛星の系譜2019年05月18日 05:31

スターリンク衛星の系譜


(MicroSat 1a、1b)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/microsat-1.htm

「SpaceX社の計画4000-衛星のための技術をテストするには、2個の同一のマイクロサテライト」(自動翻訳のまま:以下同じ)

「彼らはKuバンドのペイロードを運ぶことになっており、最終的なLEOコンステレーション設計につながるブロードバンドアンテナ通信プラットフォームの設計を検証することになっています。」

「衛星は単一の低解像度のパンクロマティックビデオイメージャを搭載することになっていました。イメージャは地球と衛星自体の低解像度の画像とビデオをキャプチャすることでした。」

「SpaceXは3つの地上局を使って衛星をテストしました。1つはカリフォルニア州ホーソーンのSpaceX本社、もう1つはワシントン州レドモンドにあるSpaceXの商用衛星開発センター、3つ目はカリフォルニア州フリーモントのテスラモーターズ本社にあります。」

「人工衛星は2016年にVandenbergからのIridium-NEXT Falcon-9 v1.2ロケットの打ち上げで二次ペイロードとして一緒に打ち上げられることになっていました。衛星は最低6から12ヶ月の間625キロメートルの高度で近極軌道で動作することになっていました。次の開発段階であるMicroSat 2aと2bの衛星のために打ち上げが中止され、地上でのテストが行​​われたようです。」

打ち上げられることなく闇に消えた初期のテスト機。

2015年5月頃の話のようだ。

そして、我々が良く知るところとなった実際の試験機が打ち上げられる。

(MicroSat 2a、2b(Tintin A、B))
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/microsat-2.htm

「SpaceX社の計画4425-衛星のための技術をテストするには、2個の同一の衛星でスターリンクの ブロードバンドインターネットアクセスを提供するために星座を。」

「宇宙船の飛行計算機、電力システム部品、姿勢決定および制御部品、推進部品、GPS受信機、ブロードバンド、テレメトリ、およびコマンド受信機と送信機。一次バスはペイロードトラスシステムに搭載され、ペイロードトラスシステムはまた通信パネル、衛星間光リンク送信機および受信機、スタートラッカー、および遠隔測定アンテナを運ぶ。2 m×8 mの太陽電池パネルが2枚あります。各実証宇宙船は約400 kgの総質量を持っています。各宇宙船の姿勢は3軸安定化されており、2つのポインティング動作モードの姿勢位置を維持するために各軌道上で動的に制御されます。」

必要なテスト項目を網羅した、本格的な衛星である事が分かる。

昨年2月時点では、まだ、スターリンクを事業化するかどうかは未定だったはずだ。

このテスト衛星が成功を収めたことは想像に難くない。

延期に延期を重ねているが、今回打ち上げられる予定のバージョン(0.9)が、何よりの証拠である。

(スターリンクブロックv0.9)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/starlink-v0-9.htm

「ブロードバンドインターネットアクセスを提供するためのSpaceXの4425衛星低地球軌道コンステレーションです。」

「単一のソーラーパネルを備えたフラットパネルデザインを特徴とし、そして質量は約227 kgです。衛星はディスペンサーを必要とせずに打ち上げのために積み重ねられる。軌道の調整と維持、そして軌道の撤去のための推進システムとして、彼らはクリプトン燃料のホールスラスタを使用しています。」

「最初の1584個のスターリンク衛星は550kmの軌道で運用する予定です。その後のサブコンステレーションは1200 kmと非常に低い340 kmの軌道高度で計画されており、最終的なコンステレーションのサイズはほぼ12000の衛星になります。」

「Block v0.9と呼ばれる最初の75の衛星は、衛星間リンクとKaバンドアンテナのないプロトタイプです。これらは、展開と運用の広範なテスト、そして意図的な軌道変更のテストにも使用されます。」

「最初の打ち上げは2019年5月に60個のStarlink Block v0.9のプロトタイプ衛星を搭載したFalcon-9 v1.2(Block 5)ブースターで計画されています。」

「その後の打ち上げは、衛星間リンクも備えた運用中のStarlink v1.0衛星を備えています。」

ちょっと情報が錯綜しているようだ。

最初の生産型である75機は、完全に燃え尽きることなく一部は地上に落下する可能性がある(材料の95%が燃えると予想されます。)

制御落下が可能だろうから、海の上に落とすなど、危険は少ないに違いない。

衛星間リンクやKaバンドアンテナが搭載されるのは、おそらくはもっと先だ。

次の打ち上げになる61機目からとか、76機目からということはないだろう。

おそらく、今年後半以降(まあ、たぶん、S社のことだから、来年以降か)に打ち上げられる次期バージョン(1.0)以降だな。

(スターリンクブロックv1.0)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/starlink-v1-0.htm

「大量生産された宇宙船は、KuおよびKa周波数帯を使用して通信ペイロードを運びます。衛星は、衛星間光リンクおよびフェーズドアレイビーム形成およびデジタル処理技術を採用するであろう。」

「2019年には、全60機のStarlink Block v1.0衛星が2機から6機打ち上げられる予定です。」

衛星間光リンクこそ、低軌道インターネットコンステレーションのコア技術だからな。

この経路制御をどう解決するかによって、スループットの問題を回避することが出来る。

地上の経路制御に頼らずに、独自のルートを取ることが出来る。

もちろん、サーバー側は地上に置かれることになるから、そこからの基幹回線については、地上の影響を受けることになる。

しかし、そのうちに、サーバー群さえ宇宙空間に置かれることになるかも知れない。

ネックは放熱だろうけどな。

巨大な放熱板を備えたサーバー衛星が登場する・・・。

まあ、たぶん、そうはならないかもしれないけどな。

重たいものは地上に置くに限る。

宇宙空間には、データだけ送って、軌道上でスイッチングするだけで十分だ。

インターネット衛星の本質は、空飛ぶルーターである。

もちろん、カメラ積んだりすれば、地上のリアルタイムの映像をネット配信出来たりするんだろうが、それは、次の次のバージョンになるんだろう。

打ち上げられなかったマイクロサットには、白黒カメラが搭載されていたようだが、それ以降のバージョンにカメラ搭載に関する記述はない。

整理すると、以下になる。

・2015年:MicroSat 1a、1b:打ち上げ中止
・2018年:MicroSat 2a、2b(Tintin A、B)
・2019年:Block v0.9:衛星間光リンクとKaバンドアンテナのないプロトタイプ(75機?)
・2019年以降:Block v1.0:2019年打ち上げ予定?

まだ、系譜という程のことはないかもしれないが、バージョン0.9にしても、細かく分ければ2種類くらいになるしな(完全燃え尽き型と5パーセント燃え残り型)。

ひょっとしたら、衛星間光リンクやKaバンドアンテナがないタイプは、燃え尽き型じゃなくなってもそのままになる。

開発が遅れているのかもしれない。

・Block v0.9:燃え残り型:衛星間光リンク等なし
・Block v0.9:燃え尽き型:衛星間光リンク等なし

75機というのは、燃え残るタイプの初期生産ロットらしい。

衛星間光通信とかは、デバイスを付けるかどうかの問題で、衛星本体の設計とは関係ないだろう(たぶん)。

今回の打ち上げは、そのうちの60機ということになる。

衛星の軌道運用、地上とのKuバンドによる通信試験など、やることは沢山あるはずだ。

そもそも、打ち上げ・分離・軌道投入が上手くいくかさえ分からない。

ふつーなら、また2機位をピギーバック衛星にして打ち上げたりして、少しずつ展開していくのが常道だろうが、自前のロケットをバンバン飛ばせるスペースXならではの大盤振る舞いだな(そうなのかあ?)。

将来、スーパーヘビー・スターシップによる打ち上げということになれば、数百機が一度に打ち上げられるということも考えられる(未確認)。

軌道投入能力は、完全再使用でも100トン以上と言われているからな。

今回、60機で18.5トンだというから、単純に計算しても320機位は同時に上げられる。

1万2千機構想は諦めていないようだからな。

38回の打ち上げで終わる。

毎週上げれば、1年以内だ。

完全再使用で、毎日でもあげられるわけだからな。

そういう打ち上げ環境があって、初めて実行可能な事業というわけだ。

衛星コンステレーションを維持することを考えれば、そういう打ち上げインフラがなければ、到底実行不可能ということになる。

事業化の決定には、おそらく、打ち上げシステムの実現可能性の方がネックになったに違いない。

同じ衛星を大量生産することには、おそらく何の問題もないに違いない。

どのくらいの年数を事業継続年数と見込んでいるかにもよるけど、次々と新しいデバイスを積み込んでいけば、バージョンアップにボトルネックはないだろう。

以前のデバイスと併用して、地上との通信や衛星間通信をシームレスに更新することも可能だろう。

今回だって、一見、生煮えで打ち上げ始めるような感じに見えるが、先を考えればプロトタイプを一定数打ち上げて、問題の洗い出しをしておく程度の話なのかもしれない。

たった60機だしな。

それは、始まったばかりのスターリンク衛星の系譜にとっては、ほんのひとつまみ程度に過ぎない話なのだ・・・。

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