買う気はあるといったけど、やっぱやめた程度の話が大騒ぎな737MAX周辺 ― 2019年07月11日 09:21
買う気はあるといったけど、やっぱやめた程度の話が大騒ぎな737MAX周辺
(ボーイング737MAX、サウジの航空会社が購入契約撤回-事故後初)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-07/PUAL6T6KLVR401
「フライアディールは昨年12月、737MAX30機購入と20機追加のオプション契約を結んだと発表し、最大59億ドル(約6400億円)を投じる見込みだった。」
「米ボーイングの737MAXを購入するコミットメントを撤回した。」
「7日の発表資料で、欧州エアバスからA320neoを最大50機購入」
「今後エアバス機で全て運航する方針を示した。」
航空業界におけるコミットメントが、正確にどういう意味かは知らないけど、一応、契約書みたいなものは取り交わすんだろう(未確認)。
後で、言った言わないにならないためにも、文書化は重要だからな。
「フライアディールは昨年12月、737MAX30機購入と20機追加のオプション契約を結んだと発表し、最大59億ドル(約6400億円)を投じる見込みだった。」
ボーイングにとっては、痛い話だ。
単に契約を失っただけではなく、ライバルに持っていかれた挙句、将来に渡って顧客を失う羽目になった(そうなのかあ?)。
(Flyadeal Picksエアバスとしてボーイング737マックスは最初の顧客を失います:標題から自動翻訳のまま:以下同じ:元記事)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-07-07/saudi-discount-carrier-flyadeal-to-operate-all-airbus-a320-fleet
「航空会社のスケジュール要件を考慮すると、現時点ではFlyadealが737 Maxへのコミットメントを最終決定することはないと私たちは理解しています」
「私たちはFlyadealチームに嬉しく思いますし、将来的に彼らの艦隊と運用のニーズをサポートできることを願っています」
切歯扼腕・・・。
まあいい。
勝負は時の運だ。
しかしなあ、その「時」ってのが、なかなか巡ってこないんだよなあ・・・。
(サウジLCCフライアディール、737MAX契約撤回 A320neoに)
https://www.aviationwire.jp/archives/177857
「引き渡しは2021年から始まる予定。フライアディールの機材は、すべてA320ファミリーとなる。」
「737 MAXのキャンセルについては、ガルーダ・インドネシア航空(GIA/GA)が今年3月に、発注済みの737 MAX 8について、受領済みの1機を除いた受注残49機をすべてキャンセルする意向を示している。」
ガルーダについては、このブログでも取り上げているが、意向としてはMAX8の代わりに、MAX10を買えないかという交渉のようだったがな。
(気になる記事)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/03/24/9051135
「基本的に、ボーイングに代わるものではないが、他のタイプも検討するので、ボーイング737 MAX 10を提供する可能性がある。」
「エアバスの航空機は検討していない」
本質的に違う話のようだ。
既に確定発注していたボーイング機(737MAX)を、エアバス機(A320neoとか)に切り替えた話はまだ出ていない。
しかし、今後は予断を許さない状況になりつつあるようだ。
(ボーイングの納入機数、4割減る 主力機の事故が響く)
https://www.asahi.com/articles/ASM7B444RM7BUHBI01F.html
「米航空当局は6月、別の問題も新たに発見したとしており、運航再開は秋以降にずれこむ可能性が高い。これに伴い、737MAXを納入できない期間も長引く見込みだ。」
「米航空機大手ボーイングは9日、2019年1~6月の商用機の納入機数が前年同期より37%減り、239機になったと発表した。」
「一方、ライバルの欧州エアバスは同28%増の389機。」
まあ、赤字になっているわけじゃないし、長期的な需要が衰退しているという話じゃない。
運航再開は数か月先、或いは来年になるかも知れないが、飛ぶことは飛ぶんだろう(たぶん)。
そうして、納入も進み、2割減産している生産も元に戻り、この間の潜在的な需要を取り込んで売れまくるに決まっているのだ(ホントかあ?)。
浮沈子は、当初、この問題は短期的に解決し、仮に何らかの改善が必要だったとしても、B社のことだから何とか対応して、大ごとにはならないだろうと高をくくっていた。
787のバッテリー発火事件もあったしな。
設計を根本からやり直して、数千機の予約をキャンセルするという選択肢はあり得ない。
要素技術のトラブルは、その範囲で解決し、基本設計を覆す話にはならないと考えている。
ただし、今回はやや手こずっている感じがする。
改修に絡む新たなトラブルが発生したり、その他の瑕疵が発見されて、運航停止からの復帰が遅れ、短期的な経営状況に悪影響を与えたり、ライバルに顧客の一部を持っていかれたりしているけど、それは元々対応しておくべきことが、徹底調査の結果発見された話で、むしろ喜ばしいことなのではないか。
エアバスへの乗り換えがそう簡単に出来るわけでもないし、航空機市場への影響は限定的だろう。
メディアが伝えているのは、膠着状態にある現状の中の小さな動きに過ぎない。
米国市場で大手航空会社がボーイングを見限って、全面的にエアバスに切り替える方針を打ち出したとかいう話ではないのだ。
そうはいっても、フライアディールの件は、エアバスからボーイングに切り替えようとしていた話が没になったわけだからな。
エアバス側としては、ホッと胸をなでおろしているに違いない。
敵失に乗じることはできないにしても、その攻勢をかわすことには成功したわけだからな。
旅客機であれ軍用機であれ、その航空機としての特性を動的に制御し続けなければまともに飛べない時代に片足を突っ込んでいる。
最先端戦闘機とかは、敢えて安定性を崩して高機動に対応したり、ステルス化によるヘンタイ的デザインによってグチャグチャになった空力特性を補完したりしている。
旅客機の基本性能である高い燃費性能を実現するために崩れた安定性を、電子制御による動的操作で回避しようとすることは、ある意味当然といえる。
浮沈子は、そのこと自体は悪ではないと考えている(ラルフネーダーとは異なる見解だな)。
その対応の過程の中で、生煮えのソフトをリリースしたり、機種転換訓練(移行訓練)を簡略化したり、今回の対応にしても、システムが万歳したらパイロットに放り投げるという回避策(?)を採るという、納得し難い対応になっているのが問題だ。
規制当局が、今回のソフトウェア改修に伴い、シミュレーターによる追加訓練を必要としないという結論を、早期に打ち出したことも気に入らない。
迎え角センサーの入力が破綻し、システムエラーになってMCASの自動操作を自動解除するなら、せめて、それに対応するためのシミュレーター訓練を行うべきだろう。
本来なら、システムを重層化したり、AIによるバックアップを掛けたりして、正しい自動操作がなるべく維持されるような改修が望ましんだが、ボーイングはそういう対応を取らなかった。
根幹を弄ることなく、早々に自動操作を諦め、パイロット任せにする。
時代の流れに逆行しているこの対応も、浮沈子の気に入らない。
B社の財務状況がどうなろうが知ったことではないが、危機感が足りないのではないか。
航空機のように、物理の神様にケンカを売る商売では、技術要素を等閑にすることは致命的な事態を招く。
しかし、まあ、たぶん、喉元過ぎれば熱さを忘れるんだろうな。
そして、世界のどこかで、再び設計上の欠陥のために航空機の事故が起こる。
原因が追究され、その場限りの対策が施される。
その繰り返しだ。
そのうち、それも不可能になるかも知れない。
AIが決めた対策を施すが、トラブルは消えない。
人間には、そのロジックを追い切ることはできず、気まぐれに起きるトラブルを受け入れるしかなくなるのだ。
技術の終焉、人類の運命の日だな・・・。
(ボーイング737MAX、サウジの航空会社が購入契約撤回-事故後初)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-07/PUAL6T6KLVR401
「フライアディールは昨年12月、737MAX30機購入と20機追加のオプション契約を結んだと発表し、最大59億ドル(約6400億円)を投じる見込みだった。」
「米ボーイングの737MAXを購入するコミットメントを撤回した。」
「7日の発表資料で、欧州エアバスからA320neoを最大50機購入」
「今後エアバス機で全て運航する方針を示した。」
航空業界におけるコミットメントが、正確にどういう意味かは知らないけど、一応、契約書みたいなものは取り交わすんだろう(未確認)。
後で、言った言わないにならないためにも、文書化は重要だからな。
「フライアディールは昨年12月、737MAX30機購入と20機追加のオプション契約を結んだと発表し、最大59億ドル(約6400億円)を投じる見込みだった。」
ボーイングにとっては、痛い話だ。
単に契約を失っただけではなく、ライバルに持っていかれた挙句、将来に渡って顧客を失う羽目になった(そうなのかあ?)。
(Flyadeal Picksエアバスとしてボーイング737マックスは最初の顧客を失います:標題から自動翻訳のまま:以下同じ:元記事)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-07-07/saudi-discount-carrier-flyadeal-to-operate-all-airbus-a320-fleet
「航空会社のスケジュール要件を考慮すると、現時点ではFlyadealが737 Maxへのコミットメントを最終決定することはないと私たちは理解しています」
「私たちはFlyadealチームに嬉しく思いますし、将来的に彼らの艦隊と運用のニーズをサポートできることを願っています」
切歯扼腕・・・。
まあいい。
勝負は時の運だ。
しかしなあ、その「時」ってのが、なかなか巡ってこないんだよなあ・・・。
(サウジLCCフライアディール、737MAX契約撤回 A320neoに)
https://www.aviationwire.jp/archives/177857
「引き渡しは2021年から始まる予定。フライアディールの機材は、すべてA320ファミリーとなる。」
「737 MAXのキャンセルについては、ガルーダ・インドネシア航空(GIA/GA)が今年3月に、発注済みの737 MAX 8について、受領済みの1機を除いた受注残49機をすべてキャンセルする意向を示している。」
ガルーダについては、このブログでも取り上げているが、意向としてはMAX8の代わりに、MAX10を買えないかという交渉のようだったがな。
(気になる記事)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/03/24/9051135
「基本的に、ボーイングに代わるものではないが、他のタイプも検討するので、ボーイング737 MAX 10を提供する可能性がある。」
「エアバスの航空機は検討していない」
本質的に違う話のようだ。
既に確定発注していたボーイング機(737MAX)を、エアバス機(A320neoとか)に切り替えた話はまだ出ていない。
しかし、今後は予断を許さない状況になりつつあるようだ。
(ボーイングの納入機数、4割減る 主力機の事故が響く)
https://www.asahi.com/articles/ASM7B444RM7BUHBI01F.html
「米航空当局は6月、別の問題も新たに発見したとしており、運航再開は秋以降にずれこむ可能性が高い。これに伴い、737MAXを納入できない期間も長引く見込みだ。」
「米航空機大手ボーイングは9日、2019年1~6月の商用機の納入機数が前年同期より37%減り、239機になったと発表した。」
「一方、ライバルの欧州エアバスは同28%増の389機。」
まあ、赤字になっているわけじゃないし、長期的な需要が衰退しているという話じゃない。
運航再開は数か月先、或いは来年になるかも知れないが、飛ぶことは飛ぶんだろう(たぶん)。
そうして、納入も進み、2割減産している生産も元に戻り、この間の潜在的な需要を取り込んで売れまくるに決まっているのだ(ホントかあ?)。
浮沈子は、当初、この問題は短期的に解決し、仮に何らかの改善が必要だったとしても、B社のことだから何とか対応して、大ごとにはならないだろうと高をくくっていた。
787のバッテリー発火事件もあったしな。
設計を根本からやり直して、数千機の予約をキャンセルするという選択肢はあり得ない。
要素技術のトラブルは、その範囲で解決し、基本設計を覆す話にはならないと考えている。
ただし、今回はやや手こずっている感じがする。
改修に絡む新たなトラブルが発生したり、その他の瑕疵が発見されて、運航停止からの復帰が遅れ、短期的な経営状況に悪影響を与えたり、ライバルに顧客の一部を持っていかれたりしているけど、それは元々対応しておくべきことが、徹底調査の結果発見された話で、むしろ喜ばしいことなのではないか。
エアバスへの乗り換えがそう簡単に出来るわけでもないし、航空機市場への影響は限定的だろう。
メディアが伝えているのは、膠着状態にある現状の中の小さな動きに過ぎない。
米国市場で大手航空会社がボーイングを見限って、全面的にエアバスに切り替える方針を打ち出したとかいう話ではないのだ。
そうはいっても、フライアディールの件は、エアバスからボーイングに切り替えようとしていた話が没になったわけだからな。
エアバス側としては、ホッと胸をなでおろしているに違いない。
敵失に乗じることはできないにしても、その攻勢をかわすことには成功したわけだからな。
旅客機であれ軍用機であれ、その航空機としての特性を動的に制御し続けなければまともに飛べない時代に片足を突っ込んでいる。
最先端戦闘機とかは、敢えて安定性を崩して高機動に対応したり、ステルス化によるヘンタイ的デザインによってグチャグチャになった空力特性を補完したりしている。
旅客機の基本性能である高い燃費性能を実現するために崩れた安定性を、電子制御による動的操作で回避しようとすることは、ある意味当然といえる。
浮沈子は、そのこと自体は悪ではないと考えている(ラルフネーダーとは異なる見解だな)。
その対応の過程の中で、生煮えのソフトをリリースしたり、機種転換訓練(移行訓練)を簡略化したり、今回の対応にしても、システムが万歳したらパイロットに放り投げるという回避策(?)を採るという、納得し難い対応になっているのが問題だ。
規制当局が、今回のソフトウェア改修に伴い、シミュレーターによる追加訓練を必要としないという結論を、早期に打ち出したことも気に入らない。
迎え角センサーの入力が破綻し、システムエラーになってMCASの自動操作を自動解除するなら、せめて、それに対応するためのシミュレーター訓練を行うべきだろう。
本来なら、システムを重層化したり、AIによるバックアップを掛けたりして、正しい自動操作がなるべく維持されるような改修が望ましんだが、ボーイングはそういう対応を取らなかった。
根幹を弄ることなく、早々に自動操作を諦め、パイロット任せにする。
時代の流れに逆行しているこの対応も、浮沈子の気に入らない。
B社の財務状況がどうなろうが知ったことではないが、危機感が足りないのではないか。
航空機のように、物理の神様にケンカを売る商売では、技術要素を等閑にすることは致命的な事態を招く。
しかし、まあ、たぶん、喉元過ぎれば熱さを忘れるんだろうな。
そして、世界のどこかで、再び設計上の欠陥のために航空機の事故が起こる。
原因が追究され、その場限りの対策が施される。
その繰り返しだ。
そのうち、それも不可能になるかも知れない。
AIが決めた対策を施すが、トラブルは消えない。
人間には、そのロジックを追い切ることはできず、気まぐれに起きるトラブルを受け入れるしかなくなるのだ。
技術の終焉、人類の運命の日だな・・・。
最近のコメント