DRCエボラの理想的な対応と、資料は注意深く読むべきという教訓2019年07月16日 09:28

DRCエボラの理想的な対応と、資料は注意深く読むべきという教訓
DRCエボラの理想的な対応と、資料は注意深く読むべきという教訓


雨の朝、いつものようにエボラの日報を開く(1日遅れのやつです)。

(エボラの流行EVOLUTION 州北西キブイトゥリ
2019年7月14日(日曜日 ):標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://mailchi.mp/sante.gouv.cd/ebola_kivu_14juil19

掲載されている表の方は、まだ13日(土曜日)のデータなので反映されていないが、ニュース欄には14日(日曜日)に起こった出来事について詳細に記されている。

いささか長いが、引用する。

「Goma Ebola治療センターでサポートされているButemboの確認済みEbola患者:

2019年7月14日のこの日曜日、South Kivuの牧師が、Butemboでの短期滞在の後、Gomaに到着しました。46歳の牧師は、7月4日木曜日、福音伝道の使命のためにブカヴからゴマを経由してブテンボへ行きました。ブテンボ滞在中、牧師は7つの教会で説教をし、そこで病気を含むクリスチャンに定期的に手を貸しました。彼の最初の症状は、彼がまだブテンボにいる7月9日に現れました。彼は7月12日金曜日にゴマにバスで出発するまで彼は看護師によって自宅で治療を受けた。」

「ButemboとGomaの間のバス路線は、Kanyabayonga、Kiwanja、OPRPの3つのヘルスチェックポイントを通過しました。チェックの間、彼は病気の兆候を見せていないようでした。さらに、各チェックポイントで、彼は旅行者のリストに異なる名前と姓を書いています。これはおそらく自分のアイデンティティと健康状態を隠したいという彼の願望を示しています。」

「彼が日曜日の朝にゴマに到着するとすぐに、彼は体調が悪く、発熱し始めたため、保健所に行きました。他の患者は保健センターにいなかったので、他の患者の院内感染の危険性が減少した。エボラの症状を認識した保健所の看護師と医師は、すぐにゴマの対応チームに彼をエボラ治療センター(ETC)に移送したことを警告しました。15時ごろ、ラボテストの結果、彼はエボラ陽性であることが確認されました。彼の健康状態が許せば、患者は救急車でブテンボのCTEに移送され、緊急時対応計画の手順に従って、月曜日からケアを継続します。」

「人々が落ち着いていることが重要です。患者の特定と隔離の速度、およびButemboからのすべてのバス乗客の特定により、Gomaの他の地域に広がるリスクは低いままです。まだ注意が必要です。Gomaでの追加の人々の汚染を避けるために、以下の行動をとることによって伝染の連鎖を破ることは緊急です:

1.患者が通過したヘルスセンターを除染する。
2.例外なく患者のすべての連絡先を特定し、予防接種を行います。
3.21日間連絡先の動きを追跡し、制限します。

2018年11月以来、保健省と世界保健機関(WHO)は、からの旅行者の大量の流入により、ゴマ市でエボラ対応計画および準備システムを導入しました。流行の影響を受けます。Goma Health Centerの医療チームによる患者の迅速な発見は、潜在的なEbola患者の輸入に対処する上で市の備え活動の有効性を証明しています。この準備の一環として、Gomaの3,000人以上の医療従事者が予防接種を受け、エボラ病患者の発見と管理の訓練を受けています。」

「さらに、運送会社は、乗客登録簿を持っていて、この登録簿を対応チームがバス上のすべての乗客を識別できるようにすることで大きなプロ意識を示しています。バスの運転手と他の18人の乗客が確認され、2019年7月15日月曜日の早い時期に予防接種が開始されます。ゴマでの流行の拡大を防ぐためには、母集団全体の共同作業が必要です。医療兵器庫を越えて、保健省はエボラに対する対応がとりわけ地域社会のものであることを思い出します。」

「念のため、保健省の勧告は以下の通りです。

1.石鹸と水または灰での定期的な手洗いを含む、基本的な衛生習慣に従います。
2.流行地域の知人があなたを訪ねてきて病気になった場合は、彼女に触れずにNorth Kivuの市民保護ホットラインに直接電話してください。
3.あなたがエボラ病患者の連絡先であると特定された場合は、予防接種を受けて21日間追跡することに同意してください。
4.人がエボラのために死亡した場合、安全で威厳のある埋葬のための規則に従ってください。それは、家族やコミュニティをエボラの汚染から守りながら、葬儀の習慣や伝統を尊重する、単なる葬儀の方法です。
5.すべての医療従事者にとって、保健所の衛生対策を遵守し、エボラの症状(発熱、下痢、嘔吐、疲労、食欲不振、出血)のある患者を宣言してください。

すべての市民が保健省が推奨する健康対策を遵守している場合、ゴマで検出されたこのエボラの症例は、新たな発生を引き起こさない散発的な症例であることを確認することは可能です。」

キリスト教の宣教師がブテンボで感染し、発病を隠して旅行した。

旅行先でエボラと確認され、しかるべき対応が始まっているという、どーということがない記事だ・・・。

対応は、ほぼ完ぺきだし(バス会社が、正確に記載されているかはともかく、乗客名簿を持っているというのが驚きだ)、こんな出来事のどこがニュースになるのか・・・。

起き抜けで、ぼーっと記事を眺めていた浮沈子は、ハッとして気づいた!。

エボラと認定された旅行先は、ゴマだった!。

(Goma)
https://en.wikipedia.org/wiki/Goma

北キブ州の州都であり、人口100万人の大都会。

表を見て分かる通り、未だにエボラの感染が報告されていない「処女地」だ。

ここで大流行すれば、最早、地元の対応だけでは収拾がつかなくなる。

まあ、患者と接触した関係者は特定されているし、記事にもある通り、当局はゴマへの伝播を危惧して態勢を整えているから大ごとにはならないと思われるが、今後の推移には大いに注目だ。

今月に入って、DRCにおけるエボラの感染は、春先に比べてやや衰えを見せている。

新たな感染者が、1日に20人を超えることはない。

概ね一桁か、多くても10数人というところだ。

ゴマでの本格的な流行ということになれば、1日数十人の感染者が出る可能性が高いからな。

この日は、悲惨な話も掲載されている。

「ベニの自宅で殺害された2人の回答者:

Community Relay(RECO)とストリートリーダーを含む、Beniでのエボラ対応の2人のエージェントが殺害されました。それぞれ、2019年7月13-14日の夜、Mukulia健康地区で自宅で殺害されました。 Butemboへのボーダー どちらの担当者も地域対応チームの一員でした。

近所の女性RECOは、数週間前にすでに数回攻撃されていましたが、彼女はお金を与えていたので救われました。攻撃者に。

いくつかの情報筋によると、攻撃者は彼らがエボラへの対応で仕事を見つけたので彼らの隣人を羨望した2人の犠牲者と同じ近所の人々です。」

エボラ関連で仕事を得たことを妬み、金を強要する。

応じなければぶっ殺す!。

なんてこった・・・。

地域社会の協力を得るためには、啓発活動に積極的に取り組み、説得していくしかない。

しかし、それさえもが命懸けなわけだ。

地球の裏側で、パソコンの前にふんぞり返り、エボラが終息しないのは地域の協力が不足しているに違いないなどと、与太を飛ばしている自分が恥ずかしいな。

そんなことは分かりきっている。

自らの命を賭けて、失われようとしている他者の命を救わなければならない。

厳しい状況の中で、感染者や死者の数字だけが積み上がっていく。

毎朝、その数字だけを追いかけている浮沈子。

資料は注意深く読まなければならないな・・・。

配管内で漏れた酸化剤がチタン製バルブと反応して爆発炎上したクルードラゴンの不運と幸運2019年07月16日 13:40

配管内で漏れた酸化剤がチタン製バルブと反応して爆発炎上したクルードラゴンの不運と幸運


(SPACEXがクルードラゴンの爆発の原因を明らかにする:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.spaceflightinsider.com/organizations/space-exploration-technologies/spacex-reveals-cause-of-crew-dragon-explosion/

4月20日の爆発炎上からほぼ3か月。

だんまりを決め込んでいたNASAとスペースXが、ついにその原因を明らかにした(一応、中間報告という形ですが、80パーセントは確定とのこと)

記事を読んでも、なかなかピンとこないんだが、ヘリウムによる加圧配管に酸化剤である四酸化二窒素(NTO)が漏れ出して、チタン製バルブ(たぶん、ヘリウム側)と爆発的に反応したことが原因とされているようだ(合ってますう?)。

「クルードラゴンには2つの推進システムがあり、それらは同じ推進剤を使用しています…それは一方の側がNTOの四酸化窒素(←誤り:四酸化二窒素)で構成されている複推進剤です、それは酸化剤、そしてモノメチルヒドラジン、それは燃料です。この2つを組み合わせると、基本的にすぐに反応して圧力と推力を生み出します。基本的にはそれが機能します。」

「酸化剤またはNTOが加圧システムにクロスオーバーすることを可能にする漏れ成分がシステムにあることを我々は知っています、そして我々はその加圧システムにその酸化剤の液体スラグがあったと信じます。それで、我々は実際にバルブを開けて推進薬システムを加圧しました。このスラグは逆止弁に押し戻されたと考えており、基本的には…大量の圧力が大量の液体をスラグに押し戻してチェック弁を破壊し爆発を引き起こしたと想像しています。」

記事を自動翻訳すると、「nitrogen tetroxide」を四酸化窒素と訳してくるが、誤訳である(そんなもんはない)。

(四酸化二窒素)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E9%85%B8%E5%8C%96%E4%BA%8C%E7%AA%92%E7%B4%A0

「四酸化二窒素自体は無色であるが、次の化学平衡の存在により二酸化窒素に由来する色、すなわち気体では赤褐色、液体では黄色に呈色している。」

「四酸化二窒素はヒドラジン系ロケット燃料(非対称ジメチルヒドラジン (UDMH) やモノメチルヒドラジン (MMH))と組み合わせて自己着火性推進剤を構成する。」

スーパードラコでは、モノメチルヒドラジンが燃料のようだ。

「NTOがチタン製部品に追いやられてそのような暴力的な反応が引き起こされるとは予想していなかったことを指摘する価値がある」

ダイビング器材(セカンドステージ)でも、耐腐食性や軽量化のためにチタン製部品を使うことがあるけど、酸素(高濃度のナイトロックス含む)の使用は禁忌とされている。

クルードラゴンの設計者は、冶金工学の基礎知識を欠いていたようだな。

この現象が、人間を乗せた本番で起こらなかったのは幸運だった。

また、3月にISSに接続している間に発生しなかったのは奇跡に近い(そうなのかあ?)。

対策が施され、新たな加圧システムによる地上試験が実施され、動的アボート試験に持ち込める時期は未定だが、年内の有人飛行は絶望的になった。

「今年後半にDemo-2を開催するのは不可能ではなかったが、スケジュールがかなり厳しくなっている」

いいだろう。

スターライナーに先を越されても、人的事故を引き起こし、ISSをぶっ壊して地上に未制御落下させるよりは遥かにいい(あれは、燃え尽きないだろうからな)。

不幸中の幸いだ。

対策としては、可動部分のないバーストディスク(これも、ダイビング関係で出て来るけどな)を使用するようだ。

(SpaceXは、クルードラゴン宇宙船を爆破した問題を発見しました)
https://qz.com/1666547/elon-musks-spacex-now-knows-why-its-crew-dragon-exploded/

「SpaceXのエンジニアは今後、加圧システムから酸化剤を切り離し、4つのチタン製バルブを「バーストディスク」と呼ばれるより単純な部品に交換すると述べています。」

酸化剤のリークが起こった詳細なプロセスや、従来の設計思想のどこがまずかったのかなどは不明だ。

バーストディスクの使用が、それらを踏まえて選択された対策なのかどうかも分からない。

高価なバルブの代わりに、シンプルな部品に切り替えるという方向性は、おそらく正しい。

クルードラゴンには、まだまだ隠れた瑕疵が潜んでいるに違いない。

今回の発表は、予備的な調査報告という位置づけで、最終的に確定したものではない。

徹底的に検証して、アポロ1号の悲劇を繰り返さないようにしてもらいたいもんだな・・・。

アポロ1号の悲劇と繰り返されるNASAの悲劇を掠ったクルードラゴンは祝福された宇宙船か2019年07月16日 23:26

アポロ1号の悲劇と繰り返されるNASAの悲劇を掠ったクルードラゴンは祝福された宇宙船か
アポロ1号の悲劇と繰り返されるNASAの悲劇を掠ったクルードラゴンは祝福された宇宙船か


クルードラゴンの地上試験における爆発炎上の原因が、概ね特定された件については、既に書いた。

(配管内で漏れた酸化剤がチタン製バルブと反応して爆発炎上したクルードラゴンの不運と幸運)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/07/16/9129308

「3月にISSに接続している間に発生しなかったのは奇跡に近い」

無人飛行だって、ISSに接続している(或いは、近傍に留まっている)時は、その不具合は人命に係るからな。

現在のところ、酸化剤(NTO:四酸化二窒素)が加圧配管に漏れ出し、チタン製のバルブと激しく反応して燃えたことが原因といわれている。

記事の末尾に書いたように、浮沈子はこの話を読んで、アポロ1号の悲劇を思い出した。

もうすぐ、50周年を迎える人類初の月面着陸の2年半前(1967年1月27日)、ケープ・カナベラル空軍基地34番発射台上で、それは起こった・・・。

(アポロ1号)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD1%E5%8F%B7

「アメリカ合衆国のアポロ計画において、1967年2月21日の発射を目指して準備が進められていた最初の有人宇宙飛行計画である。」

「発射の予行演習を行っていた際に発生した火災により、船長ガス・グリソム(Virgil I. "Gus" Grissom)、副操縦士エドワード・ホワイト(Edward H. White)、飛行士ロジャー・チャフィー(Roger B. Chaffee)の3名が犠牲になり、司令船も焼失した。」

詳細は記事を読んでいただくとして、どこかで聞いたような名前を見つけて感動した。

「計画の再開:
飛行指揮官のジーン・クランツ(Gene Krantz)は事故から三日後に管制室に部下を招集し、演説を行った。その内容は、後にNASAの基本原則となった」

浮沈子の記憶が正しければ、あの成功した失敗と呼ばれるアポロ13号の飛行主任(の一人)だ。

(アポロ13号)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD13%E5%8F%B7

「飛行主任
・ジーン・クランツ (Gene Kranz):白班
・ミルト・ウィンドラー (Milt Windler):茶班
・グリン・ルーネイ (Glynn Lunney):黒班
・ゲリー・グリフィン (Gerry Griffin):金班」

まあ、どうでもいいんですが。

そのクランツが、アポロ1号の事故後にぶった演説の一部を引用する。

「今日より以後、管制室は二つの言葉で知られることになるだろう。タフで有能であれ(Tough and Competent)だ。」

「タフとは、自分がやったことや失敗してしまったことについて絶えず説明責任を持つということだ。自分の責任について妥協することは決してあってはならない…。」

「有能であれとは、あらゆるものをそれが当たり前のことと思ってはならないということだ。管制室は完璧でなければならない。」

「今日、この会議が終わって事務室に帰ったときに君たちがまず第一にしなければならないのは、この「タフで有能であれ」という言葉を黒板に書くことだ。」

「書いたら絶対に消すな。毎日部屋に入るたびに君たちはこの言葉を目にして、グリソム、ホワイト、チャフィーの三人の貴い犠牲を思い出すことになるだろう。この言葉が管制室の仲間たちへの入場料になるのだ。」

管制室は、タフで有能になったかもしれないが、残念ながらその後もスペースシャトルチャレンジャー号、同コロンビア号の事故が起こっている。

ああ、アポロ13号も、立派な事故だがな。

タフで有能な管制室が救えるのは、幸運の女神の衣の裾が触れた時だけだ。

クルードラゴンの爆発炎上事故は、幸いなことに地上試験で起こった。

しかし、設計上の問題点を抱えたまま、ISSに飛行し、数日滞在したわけで、今考えれば冷や汗ものの事態だったわけだ。

この事故が無人試験の際に起こり、一人の犠牲もなく、隠れた瑕疵が暴かれたことは、幸運の一言に尽きる。

これが軌道上で起こっていたら、或いは、その本来の事態である打ち上げ打ち切りの際に起こってしまったら、目も当てられない話になる。

特に、ISSで発生した日には、340トン余りの人工物が、制御を失ったまま地上に落下してくるのだ。

もちろん、係留されているソユーズ宇宙船での脱出が間に合わなければ、滞在している宇宙飛行士も犠牲になる・・・。

宇宙開発史に残る悲惨な事故になるところだったわけで、この事態を避けられただけでも、幸運の女神が祝福したと思わざるを得ない。

事故があった34番発射台の土台には、以下の銘文が刻まれているという。

「(前略)
彼らはその生命を、人類に残された最後の辺境を開拓する国家の事業のために捧げた。彼らがなぜ命を落としたのかではなく、どのような理想のために生きたのかをここに記す。」

まあ、前向きなのはいいんだが、その後の経緯を考えれば、反省が足りなかったと言われても仕方がない。

ウィキの中にも、それをうかがわせる記述を見つけた。

「事故原因:
2. 船内の可燃性物質:
宇宙飛行士バズ・オルドリンは著書『地球から来た男たち』の中で、可燃性物質は8月19日に搭乗員たちとジョセフ・シーの要求に従って取り除かれたが、8月26日に司令船がケネディ宇宙センターに届けられる前には、また取り入れられてしまっていたと明らかにしている。」

有人宇宙船の設計に関しては、スペースXの経験値は低い。

NASAにしたって、世代交代しているからな。

十分なアドバイスを与えることが出来ない可能性もある。

さらに、巨大官僚組織としての側面もあるNASAには、お役所的弊害が渦を巻いているに違いない。

前例踏襲、ことなかれ主義、政治的圧力に弱く、業者に無理難題を押し付け、日程を守るためには技術的要素を捻じ曲げることもあった。

前出のジーンクランツの吐露・・・。

「我々はスケジュールを守ることに関してあまりにも熱心でありすぎたため、毎日の仕事で目にするすべての問題に対する注意が欠けていた。計画に関するあらゆる要素に問題があり、それは我々自身に関しても同じだった」

事故が起こった司令船は、徹底して検証された。

「この事故により、アポロ計画は検証と再設計のために中断された。司令船は極めて危険なもので、不注意で誤って組み立てられていたような事例もいくつか発見された」

「残っているブロック1の司令船はサターン5型の無人の発射試験のために使用し、すべての有人飛行には改良を施されたブロック2を使用することが決定された。」

クルードラゴンが爆発炎上したのは、燃料系統の配管の設計ミスによるものかもしれないが、これを機会に徹底的に再点検すべきだろうな。

NASA内部に、それを検証する能力がないなら、ライバルであるボーイングにやらせてもいいだろう。

まあ、あっちもそれどころじゃないかもしれないけどな。

アポロ計画は、1960年代に人類を月面着陸させ、安全に連れ戻すことを目標として始まった。

民間によるISSとの往還については、当初の予定から大幅に遅れている。

(商業クルー開発:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://en.wikipedia.org/wiki/Commercial_Crew_Development

「進行中の遅延:
CCDevプログラムの初飛行は2015年に予定されていました」

資金不足や技術的な問題が次々に発生し、その解決による遅延が続く。

次世代の有人宇宙船を飛ばすのは、簡単な話ではないのだ。

NASAは、莫大な金額を投じて、SLSとオリオン宇宙船の開発も行っている。

そして、もちろん、人間を運ぶ。

豆腐のような柔なものを、時速数万kmに加速し、地球の引力を振り切って(振り切るわけじゃないですけど)、宇宙に飛び出そうとしているわけだ。

大変な話だな・・・。

計画の遅れは、想定の範囲だろう。

安全第一で、慎重に進めるのがよろしい。

幸運の女神の衣の裾を踏んずけたりすれば、どんなしっぺ返しを食らうか分かったもんじゃない。

今回、クルードラゴンの事故原因の発表が、3か月も経って行われたことに対する批判もある。

アポロ1号に先立つ宇宙船絡みの火災事故については、当時のソ連において、事故隠し(まあ、鉄のカーテンとかあったしな)が行われていたことが、のちに明らかになっている。

「事故以前の火災事例:
1961年3月、ソビエト連邦の宇宙飛行士ヴァレンチン・ボンダレンコ(Valentin Bondarenko)が、高濃度の酸素で満たされた気密室で発生した火災により死亡した。ソ連はこの事実を20年以上も隠蔽していたため、もしNASAがこの事故を知っていたら、アポロ1号の悲劇を防ぐことはできていなかっただろうかという憶測を生むこととなった」

これまた幸いなことに、この間に酸化剤絡みのロケット事故は起きなかった(他がどっかで隠してるかもしれないけどな)。

まあいい。

適時適切な情報の開示と、失敗を他山の石とする謙虚な精神で困難を乗り切ってもらいたいものだ。

末尾になったが、アポロ1号の事故で犠牲となった3名の宇宙飛行士に合掌・・・。