エジプトは中東なのか?2019年10月19日 12:11

エジプトは中東なのか?
エジプトは中東なのか?


無事帰国。

なれども、預託荷物は遅延していて、後続便にて到着予定とのこと(本日14時頃、成田に着いたとの連絡あり:追加)。

浮沈子の受け取りの都合で、手元に来るのは24日以降になる。

中に入っている下着類が、どういうことになっているかは考えないことにしよう(一応、手洗いはしてありますが・・・)。

まあいい。

往路のアブダビで携帯工具(小型ライト付き)を没収されたこと、復路のアブダビで首に巻いていたタオルを紛失したこと、ダハブの1本目(キャニオン)で、ダイコンその他を着けずに潜ったこと、ダイビング用のフードが破れてしまったこと、アブダビから成田がオーバーブッキングで、あわや中東に一人取り残されそうだったこと(キャンセルが出て、無事に皆さんと同じ便で帰国できましたが)、そのせいで預託荷物が遅れたことを除けば、病気にもならず、怪我もしないで帰国できたことは良かった。

入国の際、成田の検疫でラクダに乗ったことを申告したら、係員から意外な返答があり、ここに記しておくことにする。

「エジプトは中東じゃありませんから、MARSの申告は必要ありません。」

ええーっ?、エジプトって、中東じゃあないのかあ?。

(中東)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%B1#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%80%8C%E4%B8%AD%E6%9D%B1%E3%80%8D%E3%81%AE%E6%A6%82%E5%BF%B5

「このような不確かな概念にも係わらず、日本で中東の概念が広く用いられているのは、(中略)地理的にはアフリカに属すが、政治的・文化的には西アジアのアラブ諸国と同じマシュリク(東アラブ)に属すエジプトを西アジアと一体の地域として扱うためには非常に便利な地域概念と思われる。」

「欧米諸国では、「中東」はほぼアフガニスタンを除く西アジアとアフリカ北東部の国々を指す概念として用いられ、具体的には、アラブ首長国連邦 (UAE)、イエメン、イスラエル、イラク、イラン、エジプト、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、シリア、トルコ、バーレーン、ヨルダン、レバノンの諸国、及びパレスチナ自治政府の管轄地域がその概念の中に含まれている。」

世間一般では、エジプトはれっきとした中東地域とみなされているんだがな。

(地域別インデックス(中東):外務省のページ)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/middleeast.html

「アフガニスタン
アラブ首長国連邦
イエメン
イスラエル
イラク
イラン
オマーン
カタール
クウェート
サウジアラビア
シリア
トルコ
バーレーン
ヨルダン
レバノン
パレスチナ」

パレスチナまで入れているのに、我が国の外務省の区分ではエジプトはアフリカ地域となっている。

地理的にはそうだけど、世間の常識とは異なるお役所の常識か・・・。

実務的にはどうなんだろう?。

(中東アフリカ局)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/sosiki/chuto.html

「中東第一課:業務内容:
(1)中東諸国21か国中11か国(アルジェリア,イスラエル,「エジプト」,ヨルダン,シリア,チュニジア,トルコ,モロッコ,リビア,レバノン)及びパレスチナ暫定自治政府に対する外交政策の企画立案及びその実施。」

「中東第二課:業務内容:
(1)アフガニスタン,アラブ首長国連邦,イエメン,イラク,イラン,オマーン,カタール,クウェート,サウジアラビア,及びバーレーンに関する政務の処理,これに必要な情勢の調査・分析及び各国に関する外交政策の企画・立案並びにその実施の統制。」

実際には、サハラ以北の北アフリカ地域を含めた広義の中東地域(アフガニスタンを含むことに注意)を中東諸国21か国として、一体とした業務管理を行っているようだ。

政策的には、この地域を地理的概念だけで区分することは難しいからな。

まあ、どうでもいいんですが。

厚生労働省が、MARSの検疫でエジプトを除外しているのは、外務省が中東を地理的要件で区分しているのとは別の理由だ。

(中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A:「問3 MERSはどこで発生していますか?」を参照)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers_qa.html

「流行国*:アラブ首長国連邦、イエメン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン」

「輸入症例ではないMERSの確定患者の発生が認められた流行国*」

流行国という概念の中には、輸入症例のみの国は含まれていないようだ。

「ヨーロッパ(イタリア、英国、オーストリア、オランダ、ギリシャ、ドイツ、トルコ、フランス)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア)、アジア(韓国、タイ、中国、フィリピン、マレーシア)、北米(アメリカ合衆国)及び中東(イラン、バーレーン、レバノン)からも患者発生の報告があります」

「これらの患者はすべて、(中略)流行国*への渡航歴のある人、又はその接触者であり、輸入症例であることが分かっています。」

非常に紛らわしい記述だが、浮沈子的に整理すると上記のようになる。

MARSは、ヒトコブラクダを自然宿主とする人畜共通感染症だ。

(MERSコロナウイルスの宿主としてのラクダについて:追加)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2320-related-articles/related-articles-430/6119-dj4305.html

「ヒトコブラクダ検体からヒトで見つかったものとほぼ同じウイルスの分離に成功し、MERS-CoVはヒトコブラクダ由来であるということが決定的となった。」

「またMERS-CoVはヒトコブラクダにおいては軽度の上気道感染を引き起こす病原性しかないことも明らかとなった」

(人獣共通感染症:呼称について:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E7%8D%A3%E5%85%B1%E9%80%9A%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87#%E5%91%BC%E7%A7%B0%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

「人獣共通感染症以外の呼称としては動物由来感染症などが挙げられる。」

「以前は人畜共通感染症または人畜共通伝染病という呼称が一般的であったが、「畜」という語が家畜のみを想起するのに対して、近年は愛玩動物(ペット)や野生生物からの感染が重大な問題になっているという指摘がある。これらを考慮して、人獣共通感染症という言葉を用いようとする動きがあり、この呼称が定着しつつある。」

「なお、厚生労働省はヒトへの感染経路を重視する観点から動物由来感染症という呼称を使っている。」

ヒトーヒト感染は、飛沫感染及び接触感染(ほとんどが医療機関における感染)。

流行国というのは、ここでは自然宿主が棲息している国のようで、そこで感染して帰国しても、輸入国(輸入症例のみの国)として区別される様だ。

実に紛らわしいな・・・。

ヒトーヒト感染の実態に応じた合理的な管理なんだろうが、一般には理解が難しい。

「問7:MERSはヒトからヒトへ感染しますか?」

「答:海外の感染予防対策の実施が不十分な医療機関等においては、患者から医療従事者や他の医療機関受診者等に感染した例が報告されています。」

「ただし、飛沫感染する季節性インフルエンザと比較しても感染力は弱く、次々にヒトからヒトに感染することはありません。」

整理しておこう。

①中東呼吸器症候群は、中東(エジプトを除く)のヒトコブラクダから感染する(致死率35パーセントで対症療法しかない)。
②地理的区分ではアフリカに属するエジプトは、実務的には中東の一部として区分されている。
③浮沈子はエジプトでヒトコブラクダに乗ったが、成田の検疫で、エジプトは流行国ではないので申告する必要はないと言われた。

幸い、今のところ熱発などもなく、MARSに感染した兆候はない。

真夏の気候のエジプトと、冷たい雨が降る東京の気温差に馴染めない程度だ。

昨夜は、今季初めて暖房を入れて寝た。

もう、東京では、短パン・Tシャツ・サンダルで過ごす季節は終わっていた。

街にはオレンジ色のカボチャが溢れ(ハロウィン)、それが終わればクリスマスのデコレーションが取って代わる。

今年も、あと2か月余りとなり、年末まで引き算して勘定するようになった。

ウェットスーツで潜るとヘンタイと言われ、ドライ用に今回破ってしまったフードの代わりを買い求めなければならない。

明日からは、DPVの研修が始まる。

レッドシーツアーの整理は、それが終わって、さらに23日のオープンウォーターのお手伝いが済んでからだな。

とにかく、身体は無事に帰ってこられた。

レッドシーで潜ることも出来た。

クフ王のピラミッドも押してみた(もちろん、ビクともしなかったけど)。

カフラー王のピラミッドの中にも入れた。

ダハブの海岸をラクダに乗って移動したしな(乗る時、サンダルが片方脱げただけ)。

それらは皆、一生の思い出になった。

成田からの帰りのバスで、ロンドンから着いたばかりの老齢の女性と拙い英語で会話した(3週間の滞在だそうです)。

ポンドの下落を嘆いていたっけ。

日本との時差は、8時間だと言っていた。

エジプトは7時間、アブダビは5時間だった。

まだ、時差ボケでボーっとしている(時差のせいだけかあ?)。

飯でも食って、時差ボケの解消に努めるとしよう・・・。

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