ダイビング2日目2019年10月25日 09:12

ダイビング2日目2019年20月15日記


今朝も早くから目が覚める。

5時前に起き出して、身繕いしてこのブログを書くのが日課のようになった。

ダイビングの方は、北の港から出向してすぐ近くのリーフで潜る。

7時30分のピックアップだったので、朝食を速攻で平らげる(得意です!)。

揺れは少なかったが、予防策として酔い止めをダブルで飲んだ。

水中で眠くなるようなこともなく、元気に船の昼飯も食べられてよかったな。

ダイビングは快適だったが、ウエイトが軽いことが分かる。

今日は1kg足そう(全部で7kg)。

浮いて浮いて浮きまくった。

タンクは、ラクスファーだったりカタリナだったりする。

ウエイトベルトをずり上げて、胸のあたりまで持ってくるとトリムが取れる。

ウエイトベストを持ってくればよかったと後悔する。

まあ、ベルトを上げれば快適に潜れるので問題はない。

エントリーやエキジットの要領も分かって、船の上でも快適に過ごせた。

ホテルに帰ってきてプールで塩抜きした。

17時まででプールはお終い。

浸かったと思ったらフィニッシュといわれた。

まあいい。

持ってきた水泳用のゴーグルとキャップが無駄にならずに済んで良かった。

一休みして、昨日偵察したショッピングモールに繰り出す。

カレー料理が出てくる店でたらふく食べる。

帰りにアイスクリームも食べてゴキゲン(爆食の極みだな)。

タクシーは大通りだけで、片道30ポンド。

歩けば遠いが、多少は楽が出来る。

ホテルに帰ってきて爆睡。

体重計のことは夢にも出てこない生活が続く。

ダハブツアーは最終日ということになった。

日本人ガイドの染谷さんは、今日でお終い。

明日はアハメドさん。

今日の3本目もそうだったが、典型的な海外ガイドだ。

生き物の紹介とかはほぼ無し。

少しでもルートを外れると、列に戻れと注意される。

やれやれ・・・。

慣れの問題だが、他のメンバーはぶーたれてたな。

今日のダイビングでは、全員でシカトしようとか企んでいるし・・・。

海外ガイドは、概ねそんなもんだ。

ガイドだけ。

見たいものは、自分で見つけるしかない(紹介してくれたのはミノカサゴだけ・・・)。

2本目のゴードンリーフのキンギョハナダイは良かった。

群れの中に入ってじっとしていると、エサと間違えて突っついてくるやつもいる。

イテッ!。

今日は、初日と同じ国立公園の辺りを攻める予定。

ピックアップは8時になった。

朝食をゆっくりとれる。

ダイビング3日目2019年10月25日 09:13

ダイビング3日目2019年10月16日記


アンジェリーナ号(ダイビング船)に馴染んだと思ったら、もうボートダイビング最終日になった。

アハメッドさんのガイドは、安全管理を重視して、あまり生き物を紹介してくれたりはしない。

着底禁止、おさわり禁止なので、水底からの距離を取っている。

ウォール沿いに泳ぐときも、壁に極端に近寄ることはない。

生物保護の観点からは好ましいが、カメラ派ダイバーには辛いところだ。

浮沈子的には問題ない。

メンバーの一人が面白いフィンキックをしているのを見た。

フィンの甲を使ってフロッグキックをしている。

以前、エモンズのダイビングをしている動画でも見たことがある。

別のメンバーは、ドルフィンキックをしていた。

うーん・・・。

まあいい。

フィンキックに正解はない。

効率重視といっても、フィンの材質、形状などから、その使い方は異なる。

最近流行りの先割れフィンは、細かく動かすバタ足に特化して開発されていて、バックキックに不向きなことから某指導団体では認められていない。

フルフットのゴムフィンは、デコタンク2本持ちのダブルタンクでは、踵の部分の剛性が低い(浮沈子は、そう感じたことはないんだが)ために、不向きとされる。

フロッグキックとかは、やり易いんだがな。

今回使用しているマレスのオープンフットのフィンは、フロッグキックで進むときに水が逃げる感じがする。

浮沈子のキックがヘタクソなだけで、面がしっかり作れていないだけなのかもしれない。

細かく動かしてコントロールするのは得意だ。

今回、ウエイトは7kgになってしまった。

ベルトを胸の位置までずり上げてトリムを取る。

後半、ガスが少なくなると浮きまくるタンクとのバランスを取るために、徐々に下にずらしながら使っている。

動的にトリムを取るウエイトシステムを開発してくれれば、一定の需要はあるに違いない(そうなのかあ?)。

サイドマウントとかでは、特にそう感じる。

それが可能ならば、ウエイト自身の浮力が変化するとなおいい。

後半、重くなってくれるとか・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

ダイビング自体は、ハナダイの群れの中を泳ぐ定番のパターン。

透視度はいいけど、白くもやっている。

日によって、ずいぶん異なる。

初日と同じポイントも潜ったけど、違う場所かと思うほどだった。

いずれにしても、ボートダイビングは無事に終わった。

夕食はショッピングモールの中のエジプト料理屋さんでぱくつく。

となりのアイスクリーム屋さんで、チョコアイス。

早帰り組で戻り、ホテルの食堂でケーキとコーヒー。

部屋のカギを貰うのを忘れて、部屋の前のベンチで横になって待っていた以外は、快適なアフターダイブだ。

やれやれ・・・。

今日は、ダハブツアー。

砂まみれダイビング&ラクダチャレンジ。

朝食は抜きで挑戦だな。

ピックアップは朝5時45分。

ダイビング最終日。

エジプトライフの最終日。

安全第一に、無事帰国するのが最終目標だからな。

ダイビング4日目2019年10月25日 09:14

ダイビング4日目2019年10月17日記


ダハブでのダイビング。

まず、朝は5時45分にピックアップ。

移動は2時間弱だが、まずは最初のポイントでチョンボ。

ダイコン、ライト、コンパスを忘れてエントリー。

まあいい。

こういうパターンには慣れている。

とりあえず、皆さんに付いて潜る。

ビーチエントリーだが、フィンを履くのにてこずる。

何とか泳ぎ出せば楽勝。

エキジットはたやすい。

砂地を抜けて割れ目から入り、そのまま出てくる。

ドーム状の天井があるというが、あまり良く分からなかった。

外に出て、その天井から、自分たちが吐いたエアーが細かい泡となって出てくるのを見せる。

こういうのは、どこでも同じで見飽きてるしな(宮古島でもありました)。

浜辺のテントで寛ぐ。

コーヒーが飲みたかったので頼んだが、出てきたのは薄いコーヒーのようなもの。

こちらの人は、あまり拘らない様だ。

いよいよ、本日のメインイベントであるラクダに乗る。

またがる時にサンダルを落としたが、それ以外はあっけない感じだ。

ラクダに乗るの初めてだが、馬と違って左右のローリングがある。

前後のピッチングには身体を合わせられるが、小さなローリングにどう対応したらいいかは難しいな。

乗り降りは、前日、傍で見ていたので何とか対応できた。

鐙もなく、鞍も合っていなかったので、尻にキビシー経験となった。

まあ、一度で沢山だ。

このラクダに乗って、砂漠を横断するなど浮沈子には論外だな。

砂漠といえば、シナイ半島の南の方は山がちの感じで、砂というか赤い岩の崩れたのが印象的な風景だ。

山には木がない。

草も生えていない。

平地に時々茶色っぽくなった低木がある程度。

山といえば一面緑に覆われた風景に馴染んでいる浮沈子にとっては、衝撃的な経験だったな。

そんな自然の中に、ところどころ集落が点在している。

話をダイビングに戻す。

ラクダから車に乗り換えて検問を通ると、ブルーホール。

エントリーは木製のデッキから。

ここは、どうやらシュノーケラーのための設備らしいんだが、そこから堂々とエントリーする。

やれやれ・・・。

ここのブルーホールは、フリーダイビングのメッカらしい。

穴の中に垂直にロープ(2本)を落としていて、アプネアの練習に余念がない。

あまり近くには寄らないように言われていたので、よく見なかった。

ダイビングは、そのエッジを超えてウォール沿いを行って帰って来るだけ。

今回のラストダイブだ。

まあ、初日の船酔いといい、最終日のダイコン忘れといい、いろいろマイナートラブルはあったが、なんとか無事にダイビングを終えることが出来て良かった。

ダハブの街中のレストランに行って、コーヒーを頼んだんだが、こっちは少し濃かった。

お代わりを注文したが、結局出てこなくて、店を後にする。

砂漠の道を爆走して、シャルムへ戻り、ヒルトンの中にあるシナイダイブクラブでご精算。

先に別のトラックで運んでいたダイビング器材は洗ってあった。

ラッキー!。

メッシュバッグの中の袋に入れておいた工具や予備の部品も、しっかり濡れてたけどな。

まあいい。

Tシャツも買い(2枚)、ホテルに戻って器材を干す。

さっきパッキングしたら、殆ど渇いていたので重量も問題ない。

これから時差を意識して、早め早めに仮眠をとっていかないとな。

2日間に渡る帰国の旅が始まる。

大旅行だ。

あと2時間ほどでピックアップになる。

朝食は、機内ということになるんだろう。

チェックインの時から手首に付けられていたリボンを外す時が来た。

我々のステータスでは、食堂でのアルコール飲み放題は認められていない。

リボンの色で判断しているらしい。

昨夜になって、ようやくそのことに気付かされる。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子は、酒飲まないから関係ないけど。

ちょっと仮眠してから出発することにしよう。

長旅だからな。

少しでも休んでおくに越したことはない・・・。

レッドシーツアー、ミッションコンプリート2019年10月25日 11:48

レッドシーツアー、ミッションコンプリート
レッドシーツアー、ミッションコンプリート


エティハド航空の預託荷物積み忘れ(?)による到着遅れ(2日)、浮沈子の受け取り都合による遅れ(4日)、さらには昨日届くはずが佐川のチョンボ(1日)で今日になり、出発から15日目、帰国日から7日経ってようやく我が家に戻ってきたダイビング器材(と、着替えの下着!)。

もちろん、即刻洗濯機全開!。

まあ、どうでもいいんですが。

現地で書いていたブログや、例によって水中写真がなく、ペトレルのプロファイルのみをネットに上げたりして、素材が失われないようにする。

浮沈子の手元に置いておくと、誤って消してしまう恐れがあるからな。

まあいい。

ログデータは、最終ダイビング日の10月16日の1本目はない。

現地で書いたブログにも記したが、ダハブ1本目のキャニオンでは、ダイコン、ライト、コンパスを付け忘れて潜ったから(猛反省・・・)。

記録の整理や、ホームページの体裁を整えるのに時間が掛かりそうだ。

18日に帰国後、19日を挟んで、20日から22日までの3日間は大瀬崎でJPブレッサーさんのDPV-1講習を受ける。

荻原さんのIEを兼ねるということで、実際は講義、実技とも荻原さんに習ったが、JPさんはずーっと立ち会って、的確なコメントや介入をしていた。

GUEは、クオリティコントロールを受講生全員に課しているからな。

手抜きをすると、たちどころに本部に通知されてしまう。

23日は富戸でファンダイブ。

アポロの水中スクーターAV1を引っ張り出して、10月4日以来のDPV富戸ダイブ(5ミリ+フードベストでウエイト5kg)。

明日には、これを使って大瀬崎で潜る。

シングルタンクの予定。

設えはハーネスにしようか、アウトローにしようか、富戸で潜った汎用ジャケットにしようか迷っている(ウエイトが確定しているのと、浮力に余裕があるので汎用ジャケットが無難か)。

せっかくDPV講習(けん引式)受けたのに、アポロのAV1というのもなんだが、これはこれで楽しい。

明日のダイビングが終われば、来週の土曜日から3日間は大瀬崎でテックパスチャレンジのサポート(というか、浮沈子のアフターケア?)。

DPV1講習では、DPVを携えているストレスがあったとはいえ、SドリルもVドリルも、苦手のSMBも惨憺たる有様だったからな。

もう一度焼き直さなければなるまい。

それが終われば、ウエットの季節もお終い。

この冬の目標である、ドライスーツでのCCR運用に向けて、準備を始めることになる。

次から次へと予定が入っていて、レッドシーツアーの記憶はみるみる遠くなっていく。

実際行ってみて感じたのは、聞くと見るとでは大違いだということ。

透視度は期待していたほどではなく、キンギョハナダイの群れは、想定の範囲内(口の周りを突かれたのは想定外だったがな)。

ダハブのフリーダイビングの様子を垣間見られたのは想定外。

しかし、何と言っても、ギザのピラミッドが町はずれに立っていたのがショックだった。

新しい大エジプト博物館は、まだクレーンが立っている状況で、外構はおそらく手つかず、来年の開館なんて到底不可能と思える(まあ、想定内か・・・)。

ギザの大地から見渡すカイロ首都圏の街並みは、ピラミッドが出来た4500年前頃にはなかったからな。

今後、さらに4500年が経てば、地球温暖化による海面上昇で、カイロの街並みの大部分は水面下に沈む。

アスワンダムも、アスワンハイダムも崩れてしまって面影すらないだろう。

その時代になっても、ピラミッドは、多少崩れているかもしれないけど、雄々しく屹立しているに違いないのだ。

クフの礎石を、力いっぱい押してみた。

もちろん、1ミリたりとも動かないけど、その実感は現地に行き、石の感触を直接手にし、過剰な重量を身体で感じなければ分からない。

どれだけ仮想現実が進歩しようとも、人間が五感を働かせて味わう実体験を超えることはない(まあ、4500年後は分からんけどな)。

ちなみに、帰りのトランジットの待合(カイロ空港)で、皆でログ付けした際のレッドシーダイビングのログは以下の通り。

1日目:10月13日(船酔い:ボートダイビング:アンジェリーナ号):ラスモハメッドエリア
1本目:ラス・ガスラーニ
ジャイアントバラクーダ(大味?)
2本目:シャーク&ヨランダリーフ
便器(!)、エイの子供
3本目:ラス・ファナール
ギターフィッシュ(シノノメサカタザメ)

2日目:10月14日(ボートダイビング:アンジェリーナ号):ティランエリア
1本目:トーマスリーフ
2本目:ジャクソンリーフ(ここまで、染矢さんのガイド)
ハナダイ、ハタタテダイ
3本目:ゴードンリーフ(ここからアハメドさんガイド)
浅瀬ドリフト

3日目:10月15日(ボートダイビング:アンジェリーナ号):ラスモハメッドエリア
1本目:マルサバレイカ
2本目:シャーク&ヨランダリーフ(2回目:ちょい濁り)
バラフエダイの群れ
3本目:ジャックフィッシュアレイ
トンネルくぐって、サンゴだらけ

4日目:10月16日:ダハブエリア
1本目:キャニオン
裂け目とドーム
(ポイント間移動に生まれて初めてラクダに乗る)
2本目:ブルーホール
アプネアのメッカ

固有種など:
・ゴールデンバタフライフィッシュ:黄色で、目の周りがブルー
・レッドシーバナーフィッシュ:ハタタテダイに似ている
・ツーバンデッドアネモネフィッシュ:クマノミ
・レッドバックバタフライフィッシュ:チョウチョウウオ
・レッドシーラクーンバタフライフィッシュ:チョウチョウウオ
・エクスクィジットバタフライフィッシュ:チョウチョウウオ
・ブルーセイルフィンタング:ハギ
・クルンジンガーズラス:ベラ
・スエズフージュラー:アジ(グルクン)
・アラビアンダムゼル:スズメダイ
・ブルースポッテッドスティングレー:エイ
・イエローバンドエンゼルフィッシュ(冴えない魚)

なんか、テキトーですいません・・・。

水温は、最高で32度を記録している(平均28度くらい)。

最低でも26度あり、3ミリのシーガルとラッシュガード、フードで十分だった。

ウエットスーツなしで潜る感じではない。

グアムなどの夏に比べると、やや低い感じもする。

3mmフルスーツで十分な感じだ。

塩分が濃く、浮きまくるのでウエイトには注意だな。

アルミタンクがDINバルブだったのは想定外だ。

アダプター(通称:ヘソ)入れて、ヨークのレギュレーターでもOK。

日本で10月4日にチェックした時(10リットルアルミタンク)は、同じ設えで4kgのウエイトだったが、現地では7kgでちょうどよかった(途中まで6kgで粘ったけど、結局1kg足した)。

BCは、もちろんアウトロー。

浮沈子のは、ブラダーの容量が5リットルなので、ウエイトが重いと浮けなくなる。

レギュレーターはフライト。

オクトパスもマイクロンという最軽量構成。

ダハブエリアでのエントリーを考えて、フルフットフィンではなく、ブーツにオープンフットのマレスにした(これも最軽量)。

結局、キャニオンだけのための設えだったけどな。

ブルーホールは、エントリー、エキジットとも、木製のデッキを使った(ここは、スイマーとかシュノーケラーのための施設なんじゃね?)。

他のダイバーは、デッキ使ってなかったけどな(ゴロタのビーチからエントリー)。

エキジットは、大混雑で凄いことになったが、まあ、トラブルもなく、芋の子を洗うような大勢のスイマーたちの間に浮上して上がった。

やれやれ・・・。

思い返せば、様々なことがあった。

何か月にも渡って、反芻しながら消化することになるだろう。

とりあえず、遅れていた荷物が届いたので、今日でレッドシーミッションは終わったことにしようかな。

おっと、洗濯も終わったようだ。

今日は、東京地方は土砂降りの雨模様だが、部屋干しで乾かそう。

侘しさと、過ぎ去った日々への遥かな憧れと、甘酸っぱい思い出に浸る雨の金曜日・・・。

118kmの隙間は狭いか?2019年10月25日 15:59

118kmの隙間は狭いか?


(SpaceXの衛星ブロードバンド、2020年半ばにもサービス開始の意向。ライバルに先手)
https://japanese.engadget.com/2019/10/23/spacex-2020/

「3万もの人工衛星の電波使用に関する申請を国際電気通信連合(ITU)に対しておこなったSpaceX社長のGwynne Shotwell氏が、これら衛星コンステレーションを使った衛星ブロードバンドサービス「Starlink」を2020年半ばにも開始したいと記者団に語りました。」

2020年「代」半ばではない。

「来年」半ば、つまり、1年以内ということになる。

しかし、浮沈子が注目したのは3万機という膨大な数と、それらのおそらく殆どが軍用に供されると思われるところだ。

「Starlink計画は2018年後半に締結された国防総省とSpaceXの間の契約の一部にもなっており、軍用のStarlink衛星の打ち上げが多数追加されているとのことです。米軍は地上での行動を決定するための衛星の活用をさらに進めており、ロシアや中国による衛星通信妨害への耐性を高めようとしているとされます。」

通信の抗堪性を上げることはもちろんだが、頻繁に上空を通過する衛星が高性能のカメラで撮影した情報は、リアルタイムで作戦に反映され、米軍の能力を向上させるに違いない。

スターリンク衛星がことさらに低高度に展開しようとしているのを見ても、単に通信のタイムラグを減らすためだけとは思えないからな。

いろいろ疑問に感じていたことが、軍用というキーワードで腑に落ちた感じだ。

なるほど・・・。

それにしても3万機とは、思い切って大きく出た感じだ(次の記事によれば、3万機は追加分で、既に認可されている1万2千機は別枠で、合計4万2千機だと!)。

(SpaceX、衛星コンステレーション「Starkink」向けに3万基の打上許可を追加申請)
https://japanese.engadget.com/2019/10/16/spacex-starkink-3/

「将来的に有人飛行に影響を与えることになるだろう」

これが軌道上でどれ程の密度になるかを計算してみる。

球の表面積は4πr^2だからな。

地球の平均半径を6370km、高度500kmとした場合、4万2千機では約14114平方kmに1機の割合で飛ぶことになる。

隣の衛星との距離は、平方根を取ってざっと118km。

もっとも、軌道速度は毎秒8kmとかだから、この距離だと15秒足らずで激突することになる。

スペースデブリをばらまき、有人宇宙船の場合には人命にかかわることになる。

その代わり、低レイテンシの通信や、高頻度(リアルタイム)の地上観測、インターネット本来の耐障害性の向上が期待できる。

通信ノードが4万2千もあるからな。

迂回経路は無限に近い。

軍事需要にも、十分応えられる。

天文学者の中には、衛星がキラキラして観測に支障を来すと懸念している向きもあるが、軍事需要が前面に出て来ているわけで、結局は妥協を余儀なくされるに違いない。

世知辛い話だが、宇宙開発は生き馬の目を抜くリアルな戦争やビジネスの世界になってきた。

呑気に天体観測している場合ではないのだ。

衛星の衝突については、様々な対策が考えられている。

避けられる方が、事前に気を利かせて軌道を変えるとか、衛星打ち上げ時なら衝突しそうな時期を外すとか。

そういう調整は、もう、人間業ではなくなるに違いない。

将来に渡る軌道の変化を100万もの衛星や10億を超えるデブリに対して予測し、軌道を変えたり調整したりして運用する時代だ。

つい先日も、コウノトリ8号の打ち上げに際して、H2Bの2段目とソユーズ宇宙船の軌道が近づくので、打ち上げを延期した話があったっけ。

(火災の次は衝突防止で延期のH2Bだが、次は何が原因で延期になるのかな(画像はGenesis I))
http://kfujito2.asablo.jp/blog/cat/universe/

「延期理由は、打ち上げ後に分離したロケット第2段がロシアの有人宇宙船ソユーズに接近する可能性が生じたため。」

「ひょっとしたら、昨日の日程を決める時に、ソユーズ宇宙船のことは忘れてたんじゃないのかあ?(そんなあ!)。」

地球周回軌道に大量の衛星を打ち上げるというのは、ひょっとしたら米軍の戦略的な行動の一環かも知れないな。

びっしりと衛星で埋め尽くされた宇宙空間にロケットを打ち上げるには、米軍にお伺いを立ててからでないと出来なくなる。

そういう状況を手っ取り早く作り出すには、低軌道衛星コンステレーションによるインターネット衛星はうってつけだ。

我が国は、そういう点では米国と仲良くして上手くやっていけるかもしれない。

ロシアや後発の中国、インドなどは、かなりリスクの高い状況に置かれることになる。

まあ、中国はお構いなしに打ち上げるかもしれないけどな。

核兵器開発華々しい20世紀末、核大国(米国とソ連)は次々と核実験の制限を行ってきた。

初めは地下実験だけを許容し、その後はそれも禁じた。

それが後続のインドやパキスタンの核開発を阻止するのが狙いだったことは、よく知られるところだ。

自分たちがイニシャチブを取り続けるために、通り過ぎた後に地雷を埋める様なもんだな。

インターリンク衛星の持つ、ヤバイ側面を垣間見る思いがする。

近い将来、衛星軌道にロケットを打ち上げることに制限が課される可能性は否定できない。

軌道上にノードを置くことは、地球上に置くよりも対テロ耐性を高めることにもなる。

しかし、その一方で、軌道上の衛星を地上から発射したミサイルで簡単に破壊することも可能になるに違いない。

イメージとしては、エリジウムに出てくる対戦車ミサイル風のやつだ。

(エリジウム)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0

「超長距離を航行する高性能スタビライザー搭載ミサイルを発射するミサイルランチャー」

まあいい。

盾と矛。

矛盾に満ちた近未来の地球低軌道。

宇宙にばらまかれようとしている数万の、実質的な軍事衛星。

消耗品として大量生産されるそれらの衛星の一方で、静止軌道に打ち上げられる巨大静止衛星は、長寿命になり、更には延命措置が施される。

(人工衛星に燃料補給する衛星「MEV-1」が打ち上げ実施)
https://sorae.info/space/20191025-mev-1.html

「ノースロップ・グラマンによれば、MEV-1は2トンクラスの人工衛星の運用期間を15年間延長することができます。」

今回延命の対象となったインテルサット901(2001年打ち上げ、13年の寿命、引退後)については、5年間の延命らしい。

(Intelsat-9(901、902、903、904、905、906、907))
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/intelsat-9.htm

「インテルサット901は、引退後、2019年にMEV 1衛星サービスミッションで5年間の寿命延長を受ける最初の静止衛星になります。」(自動翻訳のまま)

低軌道、静止軌道のイニシャチブを握りつつある米国は、月周回軌道においても覇権を取ろうとしている。

宇宙制覇(まあ、地球周辺ですが)を狙う米国の戦略と、それに追随し続ける我が国・・・。

最終的にインターリンク衛星のもたらすものは、絶対的な格差と米国による支配だろう。

それが気に入らなければ、イーロンマスクと一緒に火星に行くしかないというのも、いささか憮然とする話だがな・・・。