クルードラゴンは4人乗りになったらしいが、スターライナーは倍近い7人乗りのまま2019年12月09日 01:13

クルードラゴンは4人乗りになったらしいが、スターライナーは倍近い7人乗りのまま
クルードラゴンは4人乗りになったらしいが、スターライナーは倍近い7人乗りのまま


スペースXのクルードラゴン(ドラゴン2クルー用)が、知らない間に4人乗りになっていた。

(再設計後、SpaceXのCrew Dragon宇宙船のフィニッシュラインが見えます)
https://spaceflightnow.com/2019/12/07/after-redesigns-the-finish-line-is-in-sight-for-spacexs-crew-dragon/

「ショットウェルはクルードラゴンの遅延の4つの主な理由を特定しました。」

・パワードランディング→パラシュート着陸
・座席の角度の仕様を変更→7席から4席へ
・クルードラゴンカプセルが爆発(今年4月)
・パラシュートのライザーをより堅牢にする必要

記事からのまとめだけど、合ってます?。

で、パラシュートになったことと爆発したことは知ってたが、座席の数が減ったのはこの記事で知った。

パラシュートのライザーの強化については、よく知らないが、重量増を伴い、キャノピー(落下傘の生地)を薄くするなど苦労したようだな。

まあいい。

座席数の減少は痛恨の極みだ。

スターライナーは、当初のまま、7人乗せられる。

フライトアボートテスト(動的打ち切りテスト)が、1月4日以降に行われることも明かされている。

その後、4週間に渡るレビュー期間を経て、有人テストが行われるという。

何か問題が起これば、さらに遅れるが、ようやく先が見えてきた感じだな。

「2月に最初の乗組員の飛行を期待しています」

それも怪しい。

「SpaceXが操縦していないクルードラゴンの試験飛行を今年初めに行う前に、カプセルは宇宙ステーションに向けて離陸するまでフロリダの打ち上げ場所で約8か月間過ごしました。」

遅延の理由は不明だが、浮沈子はスターライナーの開発の遅れに合わせるために調整したのではないかとみている。

7席から4席への変更理由も怪しい・・・。

「SpaceXが乗組員の宇宙船の内部レイアウトを既に設計した後、NASAは、乗組員が水しぶきで経験する可能性のあるGフォースに関する懸念のために、船の座席の角度の仕様を変更することにしました。」

「この変更により、SpaceXはクルードラゴンの会社独自の7シートデザインを廃止しなければなりませんでした。」

「この変更と座席の角度では、もう7つを獲得できませんでした」とShotwell氏は言います。「だから今は4席しかない。それは私たちにとって大きな変化でした。」

(ドラゴン2)
https://en.wikipedia.org/wiki/Dragon_2

「乗組員能力:7/4(NASAシートの使用)」

「クルードラゴンは、7人の宇宙飛行士を収容できます。」

「NASAのISSへの飛行には、加圧された貨物を運ぶために使用されるペイロードの質量と体積が追加された4人の宇宙飛行士しかいません。」(NASA flights to the ISS will only have four astronauts, with the added payload mass and volume used to carry pressurized cargo.)

この記述を読むと、加圧貨物のスペースを確保するために、3人分減ったような感じだがな。

もう一つ、浮沈子的に気になるのは、カプセルの再使用に関わる以下の記述だ。

「Dragon 2は部分的に再利用可能で、大幅なコスト削減につながる可能性があります。ドラゴン2は、特定のカプセルの最初の飛行で乗組員を飛行させる計画であり、カプセルのリフライトで貨物を運んでいます。」

パワードランディングが廃止された際、再使用については完全に見送られたと思ってたけどな。

まあ、どうでもいいんですが。

数々の変更を飲み込み、開発は大詰めを迎えている。

当初のユニークな宇宙船は、従来通りの面白みのないカプセル型宇宙船に成り下がった。

陸上へのパワードランディングから海上への落下傘降下へ、7人も乗れる宇宙船からたったの4人乗りへ、何度も繰り返して使える宇宙船から、原則使い捨てへ。

(ドラゴン)
https://www.spacex.com/dragon

「概要:
ドラゴンの宇宙船は、地球軌道に出入りする7人までの乗客を運ぶことができます。」

未練たらたら・・・。

このページの動画では、4人に減らされたシートを含むインテリアを見ることができる。

以下は、その映像を含むユーチューブの動画。

(SpaceX Crew Dragon interior (4K UHD):動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=SQX3zcpOojQ

こっちはNASAが上げている動画。

(Inside the SpaceX Crew Dragon Spacecraft:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=mE_hCTfMdng

「SpaceXのクルードラゴンの内部ツアーをご覧ください。2019年3月2日の最初の(未搭乗)デモフライトでの打ち上げを目的としています。クルードラゴンは、NASAミッションの最大4人の宇宙飛行士を、重要な貨物と補給品とともに、 NASAの商用乗組員プログラムの一部としての国際宇宙ステーション。」

これを読むと、NASAミッションに限って4人になることもあり得る感じもする(未確認)。

それに対して、当初は何の変哲もないカプセル型宇宙船と思われていたスターライナーは、まあ、当初設計のままだが、今となってみると優れた宇宙船に見えてくる。

原則陸上への落下傘降下(ロシアや中国では当たり前ですが)、7人も乗れる宇宙船で、ふつーに再使用できる。

(ボーイングCST-100スターライナー)
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_CST-100_Starliner#Development

「乗組員能力:7」

「最大10ミッションの再利用性」

「以前の米国の宇宙カプセルとは異なり、CST-100はエアバッグでクッションされた着陸を水中ではなく地面に行います。米国西部では5つの着陸エリアが計画されており、CST-100には毎年約450の着陸機会があります。」

スターライナーは、クルードラゴンより優れているんだろうか。

浮沈子から見れば、大差はない。

貨物機としても使用される予定のドラゴン2は、1週間の単独運用が可能な仕様になっているが、有人専用宇宙船のCST-100(スターライナーの型式名)は60時間の単独運用しかできない。

どちらにしても、ISSへの輸送以外には、まあ、宇宙ホテルの送迎くらいにしか使い道はないのだ。

行動範囲は、地球低軌道に留まる。

月へ行って帰ってくるようなミッションには使えないのだ(未確認)。

そういう用途で使用できる宇宙船は、今のところオリオンしかない。

(オリオン(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Orion_(spacecraft)

「用途:LEOを超えたクルー探査」

「デザインライフ:21.1日」(みょーに細かい・・・)

まあ、考えてみれば、今年の3月にリプリー(ダミー人形の名前)が飛んだ時、座席が少ないとは思ったんだがな。

テストフライトだからかと考えていた。

ショックだ・・・。

4席しかない・・・。

スターライナーは、初めのままの7席だ(ISSミッションの時には減らすのかあ?)。

負けてるし・・・。

(How SpaceX and Boeing will get Astronauts to the ISS:追加:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=RqLNIBAroGY

このビデオを見る限り、ISSミッションにおいてはスターライナーも4人乗りになるようだ。

また、やはり、クルードラゴンは有人宇宙船として使用後、貨物用として再使用されるらしい。

個体か液体か、それが問題なロケットエンジンと液体にもいろいろあるというよくできた映像2019年12月09日 18:23

個体か液体か、それが問題なロケットエンジンと液体にもいろいろあるというよくできた映像
個体か液体か、それが問題なロケットエンジンと液体にもいろいろあるというよくできた映像


我々は、北朝鮮のロケット開発技術を正しく理解しているのだろうか?。

(テポドン2号:技術的特徴)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%9D%E3%83%89%E3%83%B32%E5%8F%B7#%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%9A%84%E7%89%B9%E5%BE%B4

「推定される推進剤は、非対称ジメチルヒドラジンなどの燃料を注入したまま即応発射体制がとれる常温保存可能なものであると推定されていたが、2012年12月12日の銀河3号の発射実験においては予想に反して灯油(ケロシン)が用いられていた。」

(北朝鮮「重大実験」は液体燃料ロケットエンジン燃焼試験の可能性)
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20191209-00154255/

「発表主体は国防科学院なので兵器に関連したものであり、長距離弾道ミサイル用の新型ロケットエンジン燃焼試験だったと考えられます。」

「東倉里にある施設は衛星打ち上げロケット発射台と液体燃料ロケットエンジン燃焼試験棟です。なお固体燃料ロケットエンジンの製造と試験は東部の咸興にある施設で行われているので、今回の東倉里で行われた「重大実験」は固体燃料ではなく液体燃料ロケットエンジンの試験であった可能性が高いでしょう。」

一方、NHKは固体燃料エンジン(ロケットモーター)の可能性を伝えている。

(北朝鮮「重大な実験」 固体燃料使ったエンジン実験の可能性)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191209/k10012207541000.html

「韓国メディアはICBM=大陸間弾道ミサイル用の固体燃料を使ったエンジンの実験の可能性があると伝えています。」

同じ資料を見ながら、異なる分析が行われていることに注意だな。

どちらかが真実で、もう一方はスカだ。

「また「人工衛星の開発」の名目で新たな液体燃料を使ったエンジンの実験を行ったとの見方も出ています。」

北朝鮮は、2012年に光明星3号2号機を軌道投入している。

(光明星3号2号機)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E6%98%8E%E6%98%9F3%E5%8F%B72%E5%8F%B7%E6%A9%9F

「NORADは光明星3号2号機と、それに付随するスペースデブリの計4物体が衛星軌道に到達し、人工衛星となったことを確認した」

打ち上げは、初出の銀河3号で行われている。

トンチャンリで行われたということから、液体燃料エンジンの開発が強く推察されるが、まあ、北朝鮮のことだから、そう見せかけた個体燃料モーターということも、十分考えられる。

「わが国としては常日頃から北朝鮮をめぐる動向について、重大な関心を持って情報収集と分析に努めている。政府として引き続きアメリカなどとも緊密に連携を取りながら、必要な情報収集、分析、そして警戒監視に全力を挙げて、わが国の平和と安全を確保していきたい」

我が国政府の発言は慎重だな。

迂闊なことを言うと、また突っ込まれるしな。

(北朝鮮「弾道ミサイル近くで見ることに」新たな発射を示唆)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191130/k10012196991000.html?utm_int=word_contents_list-items_022&word_result=%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%83%85%E5%8B%A2

「日本の海域に落ちてもいない砲弾をめぐって『日本のみならず国際社会に対する深刻な挑戦だ』と述べており、ぶざまだ」

「談話では、28日発射したのは「ロケット砲」で弾道ミサイルではないとしていて、日本政府が弾道ミサイルの発射は国連の安保理決議に違反すると指摘していることを念頭に、こうした批判をかわしたい思惑もありそうです。」

発射したのはこれ・・・。

(北朝鮮から弾道ミサイル発射か EEZ外に落下と推定 政府)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191128/k10012194691000.html?utm_int=word_contents_list-items_028&word_result=%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%83%85%E5%8B%A2

「高度およそ100キロ、距離にしておよそ380キロ飛しょうして、日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下」

ロケット砲って、380kmも飛ぶのかあ?。

(ロケット砲)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E7%A0%B2

「これらの兵器は本格的な誘導装置を持った地対地ミサイルの実用化により退役が進んでいるが、一部の国では現役である。」

いくつか見てみたが、せいぜい数kmから数十kmくらいだからな。

そういい逃れたい気持ちも分からなくはない。

これ以上、制裁が続く事態は避けたいところだ。

一方、米朝協議を活性化させたい気持ちもあるに違いない。

ロケットエンジンやロケット砲、弾道ミサイルなどを政治のツールとして使うことにかけては、手慣れた感じがする。

昨日から、エブリデイアストロノートというユーチューブの番組に嵌っている。

(Everyday Astronaut:動画出ます。)
https://www.youtube.com/channel/UC6uKrU_WqJ1R2HMTY3LIx5Q

このブログでも、いくつか引用しているが、ラプターエンジンのやつは力作だな。

(Is SpaceX's Raptor engine the king of rocket engines?)
https://www.youtube.com/watch?v=LbH1ZDImaI8

「SpaceXの新しいラプターエンジンは、メタンを燃料とするフルフロー式の燃焼サイクルエンジンであり、開発が非常に難しいため、これまでに飛行したことのないエンジンはありません。」

「このトピックは本当に恐ろしいので、Raptorエンジンをコンテキストに取り込むために、いくつかの一般的なタイプのロケットエンジンサイクルの概要を説明し、RaptorをSpaceXの現在のような他のいくつかの一般的なロケットエンジンと比較します作業馬、マーリン、スペースシャトルのRS-25、RD-180、ブルーオリジンのBE-4、F-1エンジン。」

「それだけでは不十分な場合、SpaceXはクレイジーなエンジンサイクルを使用するだけでなく、液体ロケットを燃料として使用することになります。これも軌道ロケットでは使用されていません。そのため、ロケット燃料としての液体メタンのユニークな特性についても検討し、SpaceXがRaptorエンジンにメタンを使用した理由を理解できるかどうかを確認します。」

「また、すべての異なるエンジンサイクルタイプを分析し、説明するので、フルフローの段階的な燃焼サイクルとは何か、どのように機能するか、他のサイクルと比較する方法がわかります。」

「したがって、このビデオの終わりまでに、ラプターエンジンが特別である理由、他のロケットエンジンと比較する方法、メタンを使用している理由、およびRaptorエンジンがロケットの新しい王になるかどうかを知るコンテキストが得られることを願っていますエンジン…」

話としては分かっているつもりだったが、映像で見せられると納得する。

なぜ、米国では燃料としてRP-1ではなく、水素が選択されたかということも明確にされている(プレバーナー内を燃料リッチにした際に、その排気を主燃焼室内に送り込むことによるエンジンの損傷を避けるため)。

浮沈子は、BE-4もフルフロー二段燃焼エンジン (Full Flow Staged Combustion Cycle: FFSCC) だとばっか思ってたけどな。

酸素リッチだったわけだ。

(BE-4)
https://ja.wikipedia.org/wiki/BE-4

「サイクル:一軸式酸素リッチ二段燃焼サイクル」

(BE-4:英語版)
https://en.wikipedia.org/wiki/BE-4

「BE-4は、灯油などのより一般的に使用されるロケット燃料ではなく、液体メタンを使用します。このアプローチでは、気体燃料を使用して残りの液体燃料を加圧する自己加圧が可能です。これは、ヘリウムなどの加圧ガスの貯蔵を必要とする高価で複雑な加圧システムの必要性を排除するため、有益です。」

「BE-4は、酸素リッチプレバーナー 1 つと、燃料ポンプと酸素ポンプの両方を駆動するタービン1つを備えた段階燃焼エンジンです。このサイクルは、単一の燃焼室とノズルのみを使用していますが、現在アトラスVで使用されている灯油燃料RD-180に似ています。」

まあ、どうでもいいんですが。

北朝鮮のロケットエンジンは、マーリンエンジンと同じく、オープンタイプなのかもしれない(未確認)。

大陸間弾道弾などに使うことなく、平和裏に開発してもらいたいもんだな・・・。