政治の季節を迎え、宇宙で繰り広げられる熱い商戦の背後に見え隠れする米国下院とB社の甘い関係2020年02月01日 08:19

政治の季節を迎え、宇宙で繰り広げられる熱い商戦の背後に見え隠れする米国下院とB社の甘い関係


下院が取りまとめた法案を巡る2つの記事を読んだ(宇宙関係の記事も書かないとな:新型コロナウイルスは、「コロナ」だけど宇宙とは関係ないし・・・)。

まずは分かりやすい秋山さんの記事から。

(月有人着陸を4年延期、火星有人探査は2033年に。米下院、超党派議員がNASA法改正案を提出)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20200127-00160480/

「2020年1月24日、「月から火星へ」計画を含む米下院からNASA設置法案の改正案が提出された。」

「「アルテミス」計画を4年延期して2028年実施に戻し、月近傍に構築する宇宙ステーションを足がかりに、2033年に火星有人探査を実現する」

「火星探査に向けた宇宙服の開発などを見据え、国際宇宙ステーション(ISS)の運用を2028年まで延長する。」(現在は2025年で民間へ移行予定)

浮沈子は、ここまで読んで、ある程度見えたんだがな(なんか臭うぞ・・・)。

この法案の示す方向性は、月探査の格下げ(切り離し?)と有人火星探査の強化だ。

「SLSの4機目から登場する予定の大型第2段EUSの完成を重視している。」(ほら、ぷんぷん臭う・・・)。

「国の計画で有人探査を行う場合はSLSが輸送の役割を担うべきとの立場」

「SLSの製造、運用体制を維持するには1年に2回の打ち上げを行うべき」

「2024年で予算終了となるISS運用を2028年まで延長すべき」

決まりだな。

背後にいるのは、紛れもない、ボーイング社だ。

EUS(エクスプロレーションアッパーステージ)、SLS、ISSのいずれも、B社の関与が大きい。

「月基地建設と月面での有人活動、月面の水などを資源として利用するといった活動は火星有人探査のリスク低減にはつながらないとして、「月から火星へ」計画には含めるべきでないとしている。」

B社は、その辺りが弱いんだろう。

「今回の法案がゲートウェイに対する批判を再燃させる可能性もあると考えられる。」

浮沈子はゲートウェイについては懐疑的だが、下院(=B社?)では、それについて批判的な立場ではない。

有人火星探査を行う上で、月軌道上のゲートウェイをベースとして、実際に火星まで行くための巨大宇宙船(これは、是非ともB社で押さえたい!)を開発、運用するというのは、従来からNASA(=B社?)の基本戦略だからな。

秋山さんは、ちょっと外してしまったかもしれない(テキトーです)。

まあいい。

SLSを核として、主要な所を押さえて他社の追随を振り切り、国がかき集めてくれた税金を独占して美味い汁を吸おうという下心見え見えだな(そうなのかあ?)。

そう思って読んでたけど、コロナのせいで忙しくってこのブログの記事にしなかったんだが、次の記事を読んで納得したので書くことにしたわけだ。

(超党派の法案は2024年の月面着陸の目標に拍車をかけ、火星への焦点を支持)
https://spaceflightnow.com/2020/01/26/bipartisan-house-bill-spurns-2024-moon-landing-goal-favoring-focus-on-mars/

「トランプ政権が設定した2024年のスケジュールではなく、2028年までに月面に乗組員を着陸させることを目的」

「2033年までに火星周回軌道に乗組員を派遣する計画を策定」

着陸でないところがミソだ(B社提案のプランも、周回軌道までだからな)。

「2020年の超党派のNASA認可法は、ヒアリング、証言、およびNASAと米国の民間宇宙プログラムを成功に導くための注意深い作業の成果です」(いやいや、ほとんどB社が書いたに違いない・・・)

「スペースは党派的な問題であってはなりません。この法律を可能にした通路全体のチームワークを誇​​りに思っています」(えーと、通路(aisle)ってのは、共和党と民主党の境目のことらしい:「党派を超えた」程度の意味か)

「商業宇宙産業を擁護する組織である商業宇宙飛行連盟は、下院認可法案を批判した。」

「・・・主要なプログラムへの商業的参加と競争を排除することにより、NASAを失敗に追い込むでしょう」

それこそが、B社の狙いだからな。

「下院議員は、宇宙飛行士が断続的に世話をするゲートウェイを、乗組員を火星との間で輸送するために必要なシステムの技術的テストベッドとして機能させることを望んでいます。」(これこそ、B社のマスタープランだからな)

「下院法案はまた、2024年から2028年まで米国政府による国際宇宙ステーションへの支援を延長します。上院認可法は宇宙ステーションの寿命を2030年まで延長することを求めています。」

注意しなければならないのは、今のところ2025年以降はISSは民営化される予定だということだ。

ISSの実際の運用はB社が行っているわけだから、美味い汁が吸えなくなることになる。

NASA直轄期間の延長と、ISSの打ち切りは、安定財源の確保と競合他社(S社とかあ?)をぶった切るにはちょうどいいかも。

「この法案は、スペースローンチシステム(B社)、オリオン(ロッキードマーチン)、ゲートウェイ(いろいろ)、コマーシャルクルー(S社、B社)などの主要なプログラムの目的の継続性を保証します。人間の着陸システムの開発(運搬はB社)を指示します。そして、少なくとも2028年まで国際宇宙ステーションの継続的な運用(B社)を保証します」

「火星を周回して着陸する最初の乗組員ミッションの非必須要素として、恒久的な月面基地と水氷などの月資源を利用する計画を具体的に特定」(月面基地はいらないって!)

「ボーイングは、SLSコアステージおよび探査アッパーステージ(EUS)のNASAの主要請負業者」

「ボーイングのコンセプトは、NASAのゲートウェイで途中降機を必要とせずに、SLSロケットで完全に統合された着陸機を発射するように設計された唯一の公開された提案でした。」(月着陸案)

こうあからさまだと、分かりやす過ぎて、逆に不安になる。

新興業界団体からの苦情が出るのも当然かもな(がめつ過ぎるってえ?)。

(商業宇宙飛行連盟)
https://en.wikipedia.org/wiki/Commercial_Spaceflight_Federation

「エグゼクティブメンバーの現在のリスト:
(Updated August 6, 2019):
Arizona State University
Axiom Space
Blue Origin(知ってる)
BRPH
Cecil Field Spaceport (Jacksonville)
Deloitte
ISS National Laboratory
Maxar Technologies(聞いたことある)
Midland International Air & Space Port
Mojave Air & Space Port
Moon Express
Planet Labs
Qwaltec
Sierra Nevada Corporation(知ってる)
Southwest Research Institute
Space Florida
Spaceport America
Spaceport Camden
SpaceX(知ってる)
Vector Launch
Virgin Galactic(知ってる)
Virginia Commercial Space Flight Authority
World View Enterprises」

浮沈子が知らない会社もたくさんある(つーか、そっちが殆どだ)。

ボーイング、ロッキードマーチン、ノースロップグラマンその他の老舗から、独占的利益を奪い取ろうとする新興企業の寄せ集めだ(そうなのかあ?)。

今まで、下請けしていた企業もあるし。

技術力は確かだろう(未確認)。

今後は、表に出てきて、かすめ取られていた利益を享受したいって顔に書いてある連中ばっか。

B社は、政治の季節を利用して、これら有象無象を屠りにかかったということだな(たぶん)。

これから上院との調整とかあるから、この法案の行方がどうなるかは分からない。

弾劾裁判のように、政治の道具として使われていくんだろう。

まあ、宇宙関連だからな。

文字通り、飛び道具というわけか・・・。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
kfujitoの徒然の筆者のペンネームは、
「○○子」です。
○○を記入してください。

コメント:

トラックバック