世界は変わりつつある:米国の憂鬱は真の憂鬱(その4)2020年03月19日 10:49

世界は変わりつつある:米国の憂鬱は真の憂鬱(その4)
世界は変わりつつある:米国の憂鬱は真の憂鬱(その4)


今月初め(3月2日)、米国(感染者9,273人、死者150人)の感染者は、ようやく100人になったばかりだった。

(100人クラブへようこそ:隠しきれない米国の憂鬱)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/03/03/9220208

「感染者100人の次は、200人じゃない。
1000人であり、1万人だ・・・」

2000人を超える新規感染者が出ているからな。

明日にも1万人を超えて名誉会員になることは間違いない。

ちなみに、浮沈子はスルーしたが、千人を超えたのは3月11日だ(ウィキ英語版による)。

100人から千人超えまで10日間。

千人から1万人まで、同じ10日間。

やれやれ・・・。

一方、欧州の感染は止まらない。

イタリア(35,713、2,978)、スペイン(14,769、638)、ドイツ(12,327、28)、フランス(9,134、264)をはじめとして、スイス(3,115、33)、英国(2,626、104)などが続いている。

中国(80,894、3,237)、イラン(17,361、1,135)、韓国(8,413、84)の影も霞んでしまいそうだ。

イランは、増加の勢いが安定してきた感じだしな。

中国、韓国は、当面の危機を乗り切っている(再燃の恐れは常にあるけどな)。

千人超えの面々は、他にオランダ(2,059、58)、オーストリア(1,646、4)、ノルウェイ(1,584、6)、ベルギー(1,486、14)、スウェーデン(1,292、10)、デンマーク(1,117、4)と欧州勢が連なっていて、我が国(899、29:クルーズ船除く)はそれに続く。

マレーシア(790、2)やカナダ(727、9)も迫ってきていて、逆転されるかもしれない。

まあ、どうでもいいんですが。

統計上見えている数字は、もちろん氷山の一角に過ぎず、数倍から十数倍の感染者が隠れている。

全世界の感染者は218497人、死者は8930人。

実際には数百万人の感染者が出ているということになるけど、それらは決して統計には現れない。

検査しないからな。

風邪の症状と区別がつかなかったり、山のように無症候性キャリアがいるので、全体を把握することは不可能だ。

WHOは、疑わしきは検査すべきだと言っているが、そんな能力は何処の国にもない。

また、検査の結果、感染が判明したら隔離すべきだと言っても、それだけの隔離施設を有する国家もない。

できないことをやれと言っても、掛け声倒れになるだけの話だ。

蔓延国では、重症者の発生を遅らせ、医療資源を守ることに専念している。

無症候性キャリアや軽症者を把握することに対しては、何もしていない。

自宅に留まれと言っても、強制はできないし、家庭内での感染を助長することにもなる。

そうして、重症者は増加の一途を辿り、死者は増え続け、終息無き感染は続く。

何か、大胆な対策を行えば、苛烈な副作用が起こって経済は疲弊し、社会活動は混乱する。

米国は、陸上の国境を閉鎖し、オーストラリア(596、6)は海外旅行を一切禁止した。

(米、カナダとの国境を閉鎖 新型コロナで 貿易は継続)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56973740Y0A310C2000000/

「飲食や観光、娯楽などの目的で入国を互いに認めない。」

なんだ、限定的だな・・・。

(オーストラリア 海外への「渡航禁止」発表 新型コロナ影響)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200318/k10012337301000.html

「海外へのすべての渡航について、警戒レベルを4段階のうち最も高い「渡航禁止」とすることを発表」

「渡航しないことが非常に重要で無期限の禁止とする」

「多くの国々が渡航制限を設ける中、オーストラリアに戻れなくなる可能性もあるとして、海外に滞在しているすべての自国民に対して、できるだけ早く帰国するよう呼びかけ」

この動きは、全世界に広がっている。

物の往来は継続しても、人の往来は制限される。

名誉会員(感染者1万人以上:5か国)、プレミアム会員(同千人以上:11か国)はもちろん、100人クラブ(44か国:クルーズ船含む)の面々は危ない汚染国だからな。

ほぼ全世界が感染国となっている現在、目くそ鼻くそになるのは時間の問題だが、その時間こそがこの感染症においては最大の資源だ。

検査能力も、隔離施設も足りず、特効薬はなく、ワクチンもない状況では、如何に時間を稼ぐかが全ての対応の根幹となる。

ウイルスは、人間の間で感染していくわけだから、行動を制限して感染経路を断つしかない。

短い期間に相当規模で行動制限すれば、一定の効果は期待できる。

北海道は、一応の成功を収めている。

(北海道 緊急事態宣言19日終了 感染防ぐ対策は継続)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200318/k10012338741000.html

「爆発的な感染拡大は回避されたとして19日に「緊急事態宣言」を終了する」

もちろん、①換気が悪い閉鎖空間で②1m未満に接近し合って③長時間会話するなどのアブナイ行為まで解禁になったわけではない。

「感染が懸念される場合は外出を控えるよう呼びかけました。」

「感染拡大防止の取り組みと社会活動や経済活動を両立する「北海道モデル」を確立させる」

いったい、そんなことが可能なんだろうか?。

我が国は、クルーズ船の本格的な下船が始まった1か月前から、その方針を取っている。

タイトロープだ。

狭い道を選んだわけだな。

市中感染が始まり、検査資源や隔離資源の抜本的な増強をせずに、感染速度をコントロールしながら、既存の医療資源を温存する道だ。

利害関係が複雑に絡む医療資源を弄ることは避けたい。

新型コロナは、一過性の現象で、ほとぼりが冷めれば元に戻る・・・。

ドラスティックな対応を取っても、短期間なら耐えられるが、いつまで続くか分からない状況になってきつつある。

英国は、社会制度そのものの変革に手を付けようとしている。

(英首相 ベーシック・インカム検討の考え 感染拡大の景気対策で)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200319/k10012338941000.html

「ユニバーサル・ベーシック・インカム」

「それは考慮すべきアイデアのひとつだ」

まあ、景気対策だからな。

いつまで続くかも分からない。

政策が息切れして、最悪のタイミングで金が底を突く可能性もある。

未曽有の経験に、手探りの状況になっている。

米国の対応は、おそらく一時的なものに留まる。

少なくとも、今のところは。

選挙の季節だし、現政権は大盤振る舞いするだろう。

11月の選挙が終われば?。

そして、その頃までに新型コロナの終息が見えていない時には?。

ヒトヒト感染する感染症は、時代を映す鏡だ。

世界が変わりつつあるのか、それとも元の鞘に収まることになるのか、或いは轟音と共に崩壊することになるのか。

米国の憂鬱は、世界にとって真の憂鬱だ。

1万人の感染者の次は?。

10万人なのか、100万人なのか。

その答えを知る者は、まだ、誰もいない・・・。

(新型コロナ、世界の権威が打ち出す「まさかの数字」リスクに備えよ:2ページ目:追加)
https://diamond.jp/articles/-/231988?page=2

「ニューヨーク・タイムズの報道によれば、アメリカの疾病対策センター(CDC)も、感染対策を何もなにもしなければという前提ではあるが、全米で1億6000万人から2億1400万人が新型コロナに感染し、20万人から170万人が死亡すると推測している。」

感染者数は集団免疫閾値を50パーセント(低値)、65パーセント(高値)として推定している事が分かる(米国の人口は約3.3億人)。

それにしては、死亡者数が少ない気がするんだがな。

まあ、どうでもいいんですが。

見ただけで憂鬱になる数字だ・・・。

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