「カッチブー」な図と不都合な真実っぽい論文を読む2020年05月06日 04:08

「カッチブー」な図と不都合な真実っぽい論文を読む
「カッチブー」な図と不都合な真実っぽい論文を読む


思いっきり引っ掛かって、不眠症に陥っている。

(「コロナに罹ったら14日で復職OK」は安全な基準か?)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200504-00173758/

第一線で活躍する感染症専門医が、激務の合間に発信してくれる貴重な情報。

ちょっとヤバいかなという記述もあるが、エビデンスが示されているのでなんとなく信じてしまいそうになる。

「稀な事例として退院後に再度新型コロナウイルス陽性となる方が確認されていることから、厚生労働省は退院(=隔離解除)から4週間は以下のことを徹底するよう通知が出ています」(以下、略)

「これらの感染対策を退院後4週間徹底していれば、万が一再び陽性となってしまった場合も、濃厚接触者となる方は出ないはずです。」

先生、こんなん有りますけど・・・。

(新型コロナ抗体で防げる根拠「なし」か。 潜む「再発」の危険性)
https://www.mag2.com/p/news/450069

「NHKの報道によると、4月26日に熊本市で再発が確認されたのは、20代の女子学生。4月3日に新型コロナウイルスの感染が確認され、入院したという。治療を終えて4月9日に退院していたが、4月17日に再び倦怠感を感じ、味覚や嗅覚の異常があったことから帰国者・接触者外来を受診。その後再発が確認された。この女性と同居する50代の会社員の女性も、24日に感染が確認されている。」

厚労省は外出するなとは言っていないし、家の中でマスクしろとかも要求していないことに注意だな。

しかし、その対策には同居人が漏れてたわけだ。

再発と思われる事例は頻発しており、この事例のように再発後の二次感染を引き起こしたと思われるものも出てきている。

が、まあ、そういうことも稀にはあるだろう。

退院時には、ウイルス検査して(二度も)、万全を期して市中に戻すわけだしな。

一方、軽症と判断され、自宅待機となった場合は検査もされない。

2週間後に無罪放免(!)だが、その後再発した事例もある。

(自宅療養解除後に再び感染確認)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20200503/1050010113.html

「自宅療養のあと陰性が確認されないまま神奈川県から通常の生活に戻ってよいとされ、その後になって発熱し、感染が確認」

「神奈川県は自宅や指定した宿泊施設で療養してもらう軽症者については、入院した感染者と違って原則、陰性を確認する検査は実施しておらず、2週間後に症状がないと電話で回答すれば翌日以降、通常通りの生活に戻しています。」

「患者によっては2週間以上の療養が必要な場合もあり、一律の対応ではなくケースごとに判断するべきだ」

そんなもん、見分けられんのかあ?。

別に神奈川県が特殊なわけではなく、厚労相の通達により、日本全国津々浦々、全て同様の対応になっている(たぶん)。

例外は常にあり、そこから漏れれば感染症は広がり続ける。

浮沈子が引っかかって眠れなくなっているのは、そういう重箱の隅を突くような話ではない。

忽那先生の記事で、カッチブーな図として掲げられている「感染した日からの感染性の推移(Science 10.1126/science.abb6936 (2020).およびTomas Pueyo氏 "The Basic Dance Steps~"より)」というやつだ。

「これによると人から人への感染は、
①発症前の時期が45%
②発熱や咳などの症状のある時期が40%
③環境(高頻度接触面など)を介した感染が10%
④無症候性感染者からが5%
と推計されています。」

①②のところはいい。

発症前の感染が重要ということは、既に3月20日に改訂されたWHOの接触者定義でも明らかだからな。

③については、接触感染の比率として妥当かどうかは別として、それなりの割合があるはずだ(感染者と接近遭遇せず、間接的に物の表面を介した接触感染だけを区分する困難さもあるしな)。

不眠症の原因は、④の無症候性キャリアからの感染の割合が5パーセントしかないとされていることだ。

気になって仕方なかったので、元論文を当たった。

(SARS-CoV-2感染の定量化は、デジタル接触追跡による流行の制御を示唆します)
https://science.sciencemag.org/content/early/2020/04/09/science.abb6936

「これらの感染経路のそれぞれについて、証拠が存在します。症候性(12)、発症前(13)。無症候性(14); および環境(12)。」

無症候性キャリアからの感染に関する引用元にも当たる。

(COVID-19の無症候性キャリア感染の推定:サイエンス 2020年3月31日)
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2762028

「方法:
2020年1月に、中国の安養の第5人民病院と無症候性家族1名が入院した、発熱と呼吸器症状のある5人の患者の家族集団を登録しました。この研究は地域の治験審査委員会によって承認され、書面によるインフォームドコンセントがすべての患者から得られました。患者の記録の詳細な分析が行われた。」

ちっと症例数が少なくねーかあ?。

時期的にも、感染初期で、最後まで無症候性キャリアとされていたのは患者1の20歳の女性だけだしな(「討論:5人の患者の家族集団は、発症前に武漢の流行センターから旅行した無症状の家族と接触していた。」という記述しかない)。

まあ、この辺は、無症候性キャリアからの感染例があるという事例の提示だけだからな。

「軽症の場合のウイルス量は重症の場合の60分の1であることがわかっており(19)、無症候性の個人のウイルス量はさらに低い可能性が高く、感染性と診断に影響する可能性があります。」

5%しかないという根拠的には、弱い気がするんだがな。

この論文執筆当時は、その1か月後にNYシティの抗体検査で市内の24.7パーセントに陽性者が出るなどとは夢にも思ってないだろうしな。

アプリ使って濃厚接触者をイージーにコントロールしようという元論文だが、浮沈子的には有効性に疑問がある。

誰もがスマホ持ち歩いているわけじゃないだろうし、当局がどんだけ秘密守るとか言っても、信じる奴はいないだろうしな。

仮に実現できるとしても、人間は3密ダイスキだからな、電源切ってくっ付き合うに決まってるのだ・・・。

ここには、更に不眠症因子が書かれている。

「これには重要な警告があります。これまでのシンガポールでの集団発生は小さく、子供たちの関与はありません。子どもたちが頻繁に無症候性キャリアとSARS-CoVの-2(の潜在的な源となりうること広範な憶測がなされてきた37、38)」

そもそも、一切スクリーニングを行わないで、関与なしと決めつけられるんだろうか?(シンガポールの感染が、それで説明できるからかあ?)。

引用37は生後6か月の乳児、引用38は武漢子供病院における171例の感染児童(16歳未満?)の症例報告に過ぎない。

うーん、眠れっこないだろう、これじゃあ!。

まあいい。

ガキどもの感染の実態は、必ず解明されるに違いない。

数値予測をしていて、なんか変だと思ったら、このルートを外挿して見ることをお勧めする(そうなのかあ?)。

浮沈子は、このカッチブー(未だに、意味不明・・・)な図のルート別構成比を受忍することはできない。

そんな、ぶわっくゎぬぁ!!。

さて、そろそろ寝ようかな・・・。

<追加>

(退院後に再び陽性 感染の20代女性 熊本 新型コロナウイルス)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200427/k10012406841000.html

「退院後、再び陽性が確認されたのは今回が初めて」

ようやく見つけたNHKの記事。

最近、見つけるのに苦労するようになったのはなぜ?。

長征5B打ち上げ成功2020年05月06日 14:40

長征5B打ち上げ成功
長征5B打ち上げ成功


(中国初の3月5日ロングロケットがクルーカプセルテスト飛行で打ち上げ)
https://spaceflightnow.com/2020/05/05/chinas-first-long-march-5b-rocket-launches-on-crew-capsule-test-flight/

「ロングマーチ5Bロケットは、大量のペイロードを低地球軌道にロフトするように設計されており、第2ステージなしで飛行し、フルサイズのロングマーチ5構成よりも少し短いです。」

液体燃料ブースター4基(各2基のエンジン)と第一段(2基のエンジン)だけで、地球低軌道に25トンの打ち上げ能力を有する(別項には22トンという記述もある)。

(3月5日ロングキャリアロケット:中文ウィキ)
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%95%BF%E5%BE%81%E4%BA%94%E5%8F%B7B%E8%BF%90%E8%BD%BD%E7%81%AB%E7%AE%AD

「ペイロード- LEO 25トン」

今回の打ち上げは、新型有人宇宙船のテストだ。

「新世代有人宇宙船試験船
フレキシブルインフレータブルカーゴリターンキャビンテストキャビン」

詳細不明だが、再突入テストを含むようで、別項では軌道は長楕円軌道となっている。

(ロングマーチVシリーズロケット:発売記録:発売)
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%95%BF%E5%BE%81%E4%BA%94%E5%8F%B7%E7%B3%BB%E5%88%97%E7%81%AB%E7%AE%AD#%E5%B7%B2%E5%8F%91%E5%B0%84

「大きな楕円軌道」

スペースフライトナウの記事には、再突入の記述もある。

「今週の短期軌道試験飛行は、おそらく水曜日と同じくらい早く、中国北西部の遠隔地への再突入と着陸で終了する予定です。」

成功したら、また書くかもしれない。

シュラウドについての気になる記述もある。

「火曜日のロングマーチ5Bロケットの打ち上げにより、長さが67フィート(20.5メートル)を超え、直径17フィート(5.2メートル)の新しい大型ペイロードフェアリングも登場しました。」

「3月5日のロングノーズシュラウド内に打ち上げられたペイロードは、中国の次世代乗組員カプセルのデモ車両であり、最終的には中国の神州宇宙船に代わって宇宙飛行士を地球軌道の宇宙ステーションに運ぶために設計されました。」

映像を見てもよく分らないんだが、有人カプセル全体をフェアリングが覆っているのか、ノーズコーンの部分は露出しているのかが不明だ(うーん、全面カバーしているように見えるなあ)。

緊急脱出システムとか、どうなってるんだろうか?。

「推進力とパワーモジュールを備えた乗組員の宇宙船は、長さが8.8メートル近くあります。中国有人宇宙工学事務所(CMSEO)によると、機器と推進剤を完全に搭載した状態で、重量は約47,600ポンド(21.6メートルトン)になります。」

ひょっとしたら、最近流行りのプッシュ式脱出システムなのかもしれない。

浮沈子的には、外連味のないSLSのけん引式ロケットが好きなんだがな。

まあいい。

このロケットの打ち上げ成功については、日本語のメディアも相次いで報道している。

(中国が新型の長征5号Bロケットで次世代乗員カプセルのデモ飛行)
https://jp.techcrunch.com/2020/05/06/2020-05-06-china-launches-next-gen-crew-capsule-for-demo-flight-via-new-long-march-5b-rocket/

「長征5号Bは推進力を高める4つのブースターを装備した10基のエンジンを搭載したロケットで、中国にとってこれまでで最も強力なロケットだ。このロケットは第2段がなく、大型のペイロードを地球低軌道に運ぶために特別に設計されている。これはまさに、同国が2022年までの建設を計画している宇宙ステーションの組み立てに必要なものだ。」

(中国 次世代運搬ロケット打ち上げ成功 宇宙開発加速 鮮明に)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200506/k10012418971000.html

「新華社通信は、中国政府が新型コロナウイルスの対策に当たりながら打ち上げのプロジェクトも進めたと強調」

へえー、そうなのかあ?。

(3月5日のロングキャリアロケットの初飛行は、中国の有人航空宇宙プロジェクトの「第3ステップ」ミッションを成功裏に開始)
http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/www.xinhuanet.com/mil/2020-05/05/c_1210604742.htm

「この使命は、新しいクラウン肺炎の蔓延の拡大と一致しています。プロジェクトの全行程は、党中央委員会の意思決定と、流行と経済的および社会的発展の全体的な予防と制御の展開を断固として実施します。スタッフの規模を縮小するために、クローズドマネジメント、リモートコンサルティング、およびシステム全体の調整を採用しています。 、テストプロセスを最適化し、伝染病の状況を厳密に防止および制御します。」

英語版とかには書かれていないが、中文には明記されている。

若干、共産党用語がうざいけどな。

まあ、どうでもいいんですが。

この打ち上げは、ちょうどオリオン宇宙船(当時、中身はドンガラ)をデルタ4ヘビーで打ち上げ、高速再突入試験を行った感じだ。

中国的には、その打ち上げをSLSでやったようなもんだがな。

長征5号シリーズの打ち上げが安定してくれば、報道の通り、宇宙ステーションや月面ミッション、火星探査への道が開ける。

当面は、7月に打ち上げられるといわれる謎の火星探査機だが、本当に上がるのかどうかは疑わしい。

浮沈子的には、2年後の先送りに一票だな・・・。