人工呼吸器を巡る謎の数々2020年05月27日 10:37

人工呼吸器を巡る謎の数々


ネットに溢れる新型コロナ報道や、関連した情報を追いかけているうちに、いつの間にかこの病気に対するステレオタイプなイメージが出来上がっているのを感じる。

・新型コロナに感染
・症状が出ない潜伏期(5日程度)
・発症(発熱等の風邪症状)
・電話で相談(従来は37.5度4日間以上経ってから:担当大臣はそんなことないと言ってるけど)
・受診(秘密の窓口)
・必要に応じて医師の判断でPCR検査
・陽性結果(従来は検査結果が判明するまで5日程度)
・隔離措置(従来は医療機関に入院:感染2週間後)
・呼吸困難に進行(酸素吸入:中等症状)
・自立換気能不足に進行(人工呼吸器:重症化)
・肺における換気能障害に進行(エクモ導入)
・死亡

発症から死亡までの期間は、個人によって異なるけど、早ければ数日で進行するとされる。

まあ、概ねこんな感じだろうと思っていた。

先日(5月19日)、たまに状況を見に行くサイトで、全国の人工呼吸器の使用状況の累積数の推移が掲載された。

(COVID-19 重症患者状況 日本COVID-19対策ECMOnet集計:国内のCOVID-19に対する人工呼吸治療(ECMO除く)の成績累計)
https://covid19.jsicm.org/

本日付の数字はこうなっている。

「5/26現在:
・軽快:307例
・死亡:98例
・人工呼吸実施中:81例」

エクモとは別に集計されているし、中にはエクモと両方使っているとされている症例もあるようだ。

念のため、そっちも見てみる。

「5/26現在:
・ECMO離脱:108例
・死亡 37例
・ECMO実施中 18例」

都道府県別の折れ線グラフ(全国数も出ます)との不一致はあるけど、とりあえず累計報の数字で見てみる。

累計報は、人工呼吸器とエクモは分離されているというから、重症化した患者数については足し上げなければならない。

気になったのは、死亡者数の累計だ。

135例が計上されているが、どう考えても少ない気がする。

(国内感染者1万6662人 死者860人(クルーズ船除く)新型コロナ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200526/k10012445101000.html

「亡くなった人は、国内で感染した人が860人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて873人となっています。」

誤脱遺漏がどれほどあるのかは分からないが、単純に比較すると、エクモ含む人工呼吸器のお世話になって亡くなるのは、15パーセント程度で、死亡者の85パーセント近くが人工呼吸器を装着することなく亡くなっていることになる。

これって、少なくとも一時的には、人工呼吸器が絶対的に不足していたってことなんじゃないのか?。

(作りすぎた人工呼吸器、米側の打診受け首相が購入を約束)
https://www.asahi.com/articles/ASN5T66FTN5TUTFK01V.html

「日本国内でも増産を進めているため、日本側はいったん「不足は起きていない」と答えた。」

ピーク時の現場がどうだったのかが気になるところだ。

別の可能性もある。

つまり、新型コロナの死亡原因は、呼吸不全ではなく、大部分が別の理由によるものだということだ。

換気はそれなりに出来ているのに、他の臓器が損傷を受け、直接的にはそれが原因で亡くなるケースが殆どだということになりはしないか。

サイトカインストームが起これば、もう、多臓器不全でむちゃくちゃになる。

浮沈子は、医学論文にアクセスできない(つーか、面倒くさくて見ていない)から、実際にどうなっているのかは知らない。

報道機関など、ふつーの一般市民がアクセスできる情報しか見ていないからな。

一体、何がどうなっているのやら。

緊急事態が解除された翌日に届いたアベノマスクを眺めながら、事実を確認することの難しさを噛み締める。

「現下の情勢を踏まえ、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が出されました。」(マスク同封のリーフレットより)

やれやれ・・・。

初出のエクモネットでは、毎日更新のアクティブな人工呼吸器使用者数を都道府県別に確認することができる。

東京都を見ると、人工呼吸器38人、エクモ5人となっていて、東京都発表の重症者数33人より10人程多い(人工呼吸器とエクモの重複利用者がいるためもあるかも)。

が、まあ、概ね一致している。

全国で見ると、人工呼吸器145人、エクモ17人で、NHKの報道による重症者156人(クルーズ船1人含む)とも、ほぼ整合する。

現状では、少なくとも重症者と人工呼吸器使用者は近い数字だ。

だが、累計報でみると現在の使用者数は99例となり、乖離が大きい。

だが、それにしても、大多数の死者が人工呼吸器を使っていなかったことはほぼ間違いない。

うーん、事実はどうだったんだろうか?。

そして、新型コロナで死の転帰に至る大部分を占める人工呼吸器未使用者は、何が原因で亡くなってしまったのか。

世間では、我が国の第一波では、医療崩壊は起こらなかったという認識が相場だ(そうなのかあ?)。

しっかりと検証し、何がどうなっていたかを把握しなければ、第二波には立ち向かえない。

昨日も取り上げたけど、8割おじさんは戦略的な情報発信をしている。

(8割おじさん・西浦教授が語る「コロナ新事実」
アメリカが感染拡大の制御を止める可能性)
https://toyokeizai.net/articles/-/352503

「私の属する数理疫学の研究者集団は世界的にもそんなに大きくなく、アクティブに活動しているのは200~300人くらいだ。研究者間で知り合いも多い。」

「皆が、総本山と言われるような欧米の大学で学んで、その後、各国に散らばって教授になっている。多くは年代も近い。現在は、政府のビルに入り、すぐさま何らかの実践的なアドバイスをしないといけないという同じような状況に多くの研究者が置かれている。」

話は、最近の異質性を加味した数理モデルでは、集団免疫の獲得が従来の予想をはるかに下回るという点に移っていくわけだが、この2つのパラグラフ、浮沈子的にはニヤリとするところだ(集団免疫率については、別稿で書くつもり)。

「具体的には、欧米で経済再開の動きが進むが、とくにアメリカではどんどんそちらに向かって政策が進んでいる。いずれ集団免疫を自然に獲得する方向に舵を切る可能性がある。」

狭い世界で米国にもお友達がいて、政策アドバイザーになってて、そっから情報入ってるぞ、と(そうは書いてないけど)。

まあ、どうでもいいんですが。

我が国は通商国家だからな。

仕入れ先とお客様のそれぞれの顔色をうかがいながら、商売していかなければならない。

感染者の10万や20万は、どうということはないだろう?。

米国からの黒船は、既にやってきているに違いない。

第二波の規模は、第一波の10倍くらいか。

作り過ぎた人工呼吸器のお買い上げは、正面玄関から堂々と入ってくる米国の感染者とセットだ(そうなのかあ?)。

(羽田空港 検疫で4人感染確認 ブラジルから到着 新型コロナ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200526/k10012446061000.html

「25日、ブラジルから羽田空港に到着した10歳未満の女の子と20代から30代の男女の合わせて4人が、空港の検疫所で新型コロナウイルスに感染していることが新たに確認」

検疫で捕捉される感染者は、ごく一部に留まるし、その後の停留の実効性にも疑問が残る。

それでなくても、市中に感染者が相当数残っているにもかかわらず、地方政府を含めて当局は一斉に経済活性化に突っ走り始めた。

24条要請は、実効性はほぼゼロで、実質的に空文化している。

早期の緊急事態解除自体が、市中感染を持続させ、海外との門戸開放による感染拡大を隠蔽するためのカモフラージュではないのか(そんなあ!)。

人工呼吸器の謎は、顧みられることもなく、それどころじゃない状態に至る可能性がある。

第二波は、国内の状況によって起こるわけじゃない。

第一波もそうだったけど。

新型コロナは輸入感染症だ。

海外との往来が盛んになれば、一定の確率で国内に入ってくる。

300年間鎖国しない限り、それを完全に防ぐことはできない。

第二波は、必ず来る(断言!)。

それは、我々の選択として呼び込むからだ。

そこに、選択の余地ってあるんだろうか?。

8割おじさんは、そこを問いかけている。

NY並みの医療崩壊と人工呼吸器不足程度は覚悟しておかなければならないかもしれない。

アベノマスクは、大切に使うことにしよう・・・。

集団免疫再び(たぶん、その1)2020年05月27日 16:53

集団免疫再び(たぶん、その1)
集団免疫再び(たぶん、その1)


ワクチンが出来ても出来なくても、仮に出来たとしても普及するまでの間、少なくとも数年間は、このキーワードに付き合うことになる。

集団免疫については、既にこのブログでも何度か登場して、実際に電卓叩いて計算したりもしている。

(王様は裸だと叫ぶも若者は踊らず:追加参照)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/03/03/9220182

「(集団免疫:機構)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%86%E5%9B%A3%E5%85%8D%E7%96%AB#%E6%A9%9F%E6%A7%8B

「よく知られた感染症のR0とHITの推定値:
疾患:感染経路:R0:HIT:
・・・
・SARS:飛沫感染:2–5:50–80%
・エボラ出血熱:体液:1.5–2.5:33–60%
・インフルエンザ:飛沫感染:1.5–1.8:33–44%」
「新たに pc と書かれた値が集団内での病気の伝染の拡大を止めるために必要な臨界比率、すなわち集団免疫閾値(HIT)である」
新型コロナのR0は2.2辺りだからな。
HIT=1-1/R0
=1-1/2.2
≒0.55
→55%」

この時は、基本再生産数を2.2としている。

その後、2.5を使うことが多いようだが、別にいくつでもいい(そうなのかあ?)。

実際にどのくらいで集団免疫を獲得するか(集団免疫閾値:集団免疫率とも←一般的じゃないかも)は、実効再生産数で決まるし、いやいや、元々備わっている生体免疫も影響しているから、罹患率じゃ分からないという話もある。

最近では、個別の感染動態を山のようにシミュレーションして、力業で計算したりすることもあるようだ(未確認)。

新型コロナの場合、60パーセントとか80パーセントとか言われていたけど、どうやらもっと低い値(20から40パーセント)で集団免疫を獲得できそうだという話もある。

どんな感染症でも、必ず集団免疫ができるとは限らない。

ウイルスの変異が早いとか、そもそも免疫機能をすり抜ける忍者のようなウイルスの場合、免疫自体が獲得できない。

前者がインフルエンザで、後者はHIVだな。

ワクチンは、集団免疫を前提にした防疫ツールだから、自然感染で集団免疫が成立するウイルス疾患には有効だ。

キレ(有効性)と持ち(持続性)が大切らしい。

この辺の話は、以下のリンクに詳しいので、詳細は割愛する。

(8割おじさん・西浦教授が語る「コロナ新事実」
アメリカが感染拡大の制御を止める可能性)
https://toyokeizai.net/articles/-/352503

(「人造ウイルスが米国から来たとは科学的に考えにくい」新型コロナの免疫とワクチンの話をしよう(下))
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200329-00170179/

(新型コロナの免疫とワクチンの話をしよう 免疫学の第一人者・宮坂先生にお尋ねしました(上))
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200328-00170083/

(新型コロナ対策で英政府が模索した「集団免疫」とは何か?)
https://www.technologyreview.jp/s/193398/what-is-herd-immunity-and-can-it-stop-the-coronavirus/

浮沈子的に気になっている話として、英国は途中でめげちゃったが、しぶとく粘っているスウェーデン(感染者34,440人、死者4,125人)がある。

(「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/05/post-93307.php

(封鎖なしのスウェーデン、「集団免疫」には程遠い状況 首都の抗体率7.3%)
https://www.cnn.co.jp/world/35154212.html

致死率は確かに高いが、医療崩壊は起きていないそうだし、ロックダウンしていないとはいえ、我が国程度の行動抑制を行っている(我が国は、多くの小中学校が閉鎖されていたが、スウェーデンは開校を続けている)。

社会的距離政策は、それなりに機能しているのだ。

致死率についても、今後は大幅に増えることはないだろう。

初期の対応や、高齢者介護施設での死亡が祟ってしまったようだ。

感染者自体は、今後も増やしていく計画だから、いずれ集団免疫を獲得する可能性は高い。

第2波の流行が襲ってきても、上手くかわせる可能性がある。

(スウェーデン、新型コロナウイルスの死者4000人超える)
https://www.afpbb.com/articles/-/3284960

「死者の9割は70歳以上だと発表した。同国の人口は約1030万人。」

確かに、東京都より少ない人口で、4000人を超える死者はつらいところだ。

が、最近は新規死亡者は10人前後に減ってきている。

今後も、この状況を維持できるならいずれ集団免疫を獲得するに違いない。

元より、表面化している感染者は、ごく一部に留まる。

緩やかな低下傾向を見せてはいるが、一定の水準を維持し続けている。

感染制御されていることは間違いない。

「スウェーデン当局は、厳格な外出制限を課さずに国民の命で賭けをしていると批判されている。だが公衆衛生局は、この対応は長期的に継続可能なものであり、大胆かつ短期的な措置には社会への影響を正当化できるほどの効果はないと主張している。」

浮沈子が、なぜスウェーデンに注目しているかと言えば、我が国が今後の第二波を受けるにあたって、一定規模の感染を継続する可能性を示しているのではないかと考えるからだ。

急ブレーキを踏むのではなく、医療資源を充実させて重症者の対応を徹底する一方、検知機能(検査態勢や積極的疫学調査体制)を拡充して、社会経済活動を持続させたまま、一定の新規感染者を許容するという方策だ。

エンジンブレーキ政策みたいなもんか。

それがいつまで、どの程度で続くのかは分からない。

スウェーデンの政策は、他国が真似しようとしても、おいそれとはできないという話もある。

(コラム:「スウェーデン流」コロナ対策をマネできない理由)
https://jp.reuters.com/article/covid-sweden-breakingviews-idJPKBN22P0TW

・第1:幅広い政治的コンセンサス
→長期政策の安定的な維持

・第2:保健当局など政府を信頼
→強制力を伴わない政策の実現を担保

・第3:単身世帯が多い
→家庭内感染のリスク低減

これって、まあ、政府への信頼は別にしても、我が国にも当てはまるんじゃないのかあ?。

例えば、浮沈子が棲息する東京都の場合、地方政府は安定しているし、知事の要請に従う従順性もある(チェーンソーで首切ってやるという話は聞かない)。

単身世帯については、スウェーデン(56パーセント)には及ばないが、ほぼ半数に達していると推計されている。

(「東京都世帯数の予測」の概要)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/03/28/33.html

「2 東京都の家族類型別世帯:
2020年:48.3パーセント(推計値)」

一方で、都内のクラスターの中には、高齢者施設における感染もあったからな。

複数世代同居が多いイタリアやスペインが悪いとばかりは言えない。

強制力を伴わない、説得による要請で政策目標を達成しようというのは、あくまでもアプローチと実効性の問題で、本質じゃない。

教育や企業活動に対する影響にしても、我が国でも通勤を制限したりはしなかった。

公共交通機関は通常運行され、日本全国、何処へでも行くことができたわけだしな。

まあ、不要不急じゃない限りだがな。

輸入感染症の蔓延対策だから、国境における検疫が強化されるのは当然だが、それは何処の国でも同じ事だ。

何が異なるかと言えば、集団免疫を政策の中で明確に意識していること、医療体制を睨んで医療崩壊を起こさないことを明言していることだ。

浮沈子が見るところ、我が国では実質的な医療崩壊が起こっていたとみるべきだ。

国民の受診行動を抑制し、重症者においては、人工呼吸器の適用がひっ迫した(調査中)。

軽症者への対応が行き届かず、急変した感染者を救えなかったことも痛い経験になった。

もちろん、このままでは、集団免疫を容認する政策などは取れない。

脆弱過ぎるし、危う過ぎる。

しかし、米国をはじめとする国際社会からの開国圧力を受け、水際対策の緩和と共に、第一波とは桁違いの大流行に見舞われることは確実だ。

それをどう凌ぐのか。

再び急ブレーキを踏んで、社会経済を取り返しが付かない状況に追い込むのか、一定の感染を許容して、集団免疫の獲得を目指す政策に転換するのか。

我が国の市中感染は、多くても数パーセントと言われる(1パーセント未満というのが固いところか)。

最新の感染動態多様モデル(つーのかあ?)でも、低い方で20パーセント程度が集団免疫閾値とされている。

東京都の新規感染者のピークは、200人程度(当初201人だったが、後日206人に訂正)。

1400万人の2割である280万人に達するには、1万4千日掛る計算だ(38年余り!)。

やれやれ・・・。

仮に実際の感染者数は、その10倍だとしても、4年間の長期戦ということになる。

ワクチンの開発には、少なくとも数年かかることを考えれば、ここは政策を転換して、長期戦を想定した持続可能な方策に改める必要があるだろう。

遅かれ早かれ、世界中の国々はそうせざるを得なくなる。

重症化を抑える特効薬が出来ればそれはそれでいいし、罹っても絶対治るスーパー特効薬が出来れば、恐れるに足らないが、それだっていつになるかは分からない。

スウェーデンは、世界に先駆けてその態勢を確立したのかも知れない(ブラジルもそうだという、ドラスティックな議論はしない・・・)。

我が国は、彼の国を追いかけることができるんだろうか?。

高負担高福祉の社会体制が基盤にあるとしても、それは程度の差に過ぎないだろう(そうなのかあ?)。

政権に対する信頼は、一朝一夕には築けないけどな。

賭けマージャンやってる場合じゃないんじゃね?。

打上げ迫る:ほぼ10年ぶりの米国からの有人宇宙船2020年05月27日 21:48

打上げ迫る:ほぼ10年ぶりの米国からの有人宇宙船
打上げ迫る:ほぼ10年ぶりの米国からの有人宇宙船


秋山さんの渾身の記事が上がっている。

(ついに28日、初の有人飛行。スペースXの宇宙船「クルードラゴン」に世界が注目するワケ)
https://www.businessinsider.jp/post-213571

「NASAが購入していたロシアのソユーズ宇宙船の打ち上げ費は、1シート(乗員1名、1回あたりの輸送費)あたり8000万ドルを超えて膨らみ続けていた。」

「2019年末の時点でNASAが公表したスペースXの1回あたりの宇宙飛行士輸送費用は5500万ドル。」

ちなみに、スターライナーは9000万ドルとあり、ソユーズより1席当たりの打ち上げ費用は高い(イラストより)。

「1回あたりクルードラゴン宇宙船には4名の宇宙飛行士が搭乗することとなっている。搭乗できる人員には余裕があり、スペースXは民間向けの宇宙旅行サービスに余剰分を提供することができる。」

そういうことだったのかあ?。

「早ければ2021年後半には打ち上げが実現する予定で、その際には8日間以上、民間宇宙飛行士が宇宙に滞在することになるという。」

浮沈子は、NASAミッションで使われるクルードラゴンは、4人乗りだとばっか思ってたんだがな。

残りの座席に、民間宇宙飛行士を乗せられるというのは初耳だ。

まあいい。

メディアは違うが、例の星条旗についても別記事が上がっていた。

(28日未明打ち上げ スペースXが果たす「2011年の約束」とは?)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20200527-00180628/

「スペースXは旗取りシーケンスを開始します……」

初めから、狙ってたわけだ。

「打ち上げ予定時刻 5月28日午前5時33分(日本時間):
打ち上げシーケンス(すべて日本時間):
45分前(04:48) 推進剤充填開始の判断
42分前(04:51) クルーアクセスアーム取り外し
37分前(04:56) 宇宙船打ち上げ脱出システム装備
35分前(04:58) 燃料充填開始
35分前(04:58) 第1段液体酸素充填開始
16分前(05:17) 第2段液体酸素充填開始
07分前(05:26) ロケットエンジン予冷開始
05分前(05:28) 宇宙船の内部電源移行
01分前(05:32) 最終打ち上げ確認開始
01分前(05:32) 推進剤タンクを打ち上げ時圧力に移行
45秒前(05:32) スペースX側打ち上げ最終判断
03秒前(05:32) エンジン点火シーケンス開始
00秒 (05:33) 打ち上げ

00分58秒後(05:33) MAX Q(最大動圧点)到達
02分33秒後(05:35) 第1段メインエンジン燃焼終了(MECO)
02分36秒後(05:35) 第1段分離
02分44秒後(05:35) 第2段エンジン燃焼開始
07分15秒後(05:40) 第1段帰還開始
08分47秒後(05:41) 第2段エンジン燃焼終了(SECO-1)
08分52秒後(05:41) 第1段着地エンジン噴射
09分22秒後(05:42) 第1段着地
12分00秒後(05:45) クルードラゴン宇宙船が第2段から分離
12分46秒後(05:45) クルードラゴン宇宙船ノーズコーンオープン開始」

スペースXのページではここまでだが、ドッキング後の予定もある。

「クルードラゴンのISSドッキング予定(日本時間):
5月29日午前0時39分 ISSドッキング
5月29日午前2時55分 ハッチオープン
5月29日午前3時25分 歓迎セレモニー」

準備は順調に進んでいるようだが、気になる話もある。

(ライブ報道:NASA、SpaceXが今日の重要な乗組員の打ち上げまでカウントダウン)
https://spaceflightnow.com/2020/05/27/falcon-9-crew-dragon-demo-2-mission-status-center/

「2020年5月26日07:13:
・・・
すべてのチームが参加し、ミッションに向けて前進を続けています。今、私たちがする必要があるのは、天気を制御する方法を理解することだけです。」

そういう楽観的な態度が良くない。

「2020年5月26日22:11:
エンジニアはストロングバック構造の上部近くにある冷水ループのトラブルシューティングをしたいと考えています。仕事は明日の計画された打ち上げを遅らせることを期待されない。」

だから言わんこっちゃない!。

「2020年5月26日22:26:
Falcon 9は発射台39Aで水平になりました。関係者によると、冷水ループでのトラブルシューティング作業は、発射の遅延を引き起こすことはないと予想されています。」

「2020年5月27日02:04:
チームはストロングバック構造の上部近くにある冷水ループの問題に取り組んでいます。明日の打ち上げに間に合うように修正される予定です。」

「2020年5月27日05:28:
SpaceXは、打ち上げの24時間少し前に、地上システムの問題をトラブルシューティングした後、Falcon 9ロケットとクルードラゴンカプセルをパッド39Aで再び垂直に上げています。」

前後の作業がどのくらいかかっているのかは知らないが、トラブルシューティングに要した時間は7時間余り。

ロケット本体ではなく、支持構造側の問題だが、冷水ループというのが何だか分からないからな。

気になる話と言えば、NASAの人が言ってた天候の問題もある。

(SpaceXの乗員の打ち上げには、ダウンレンジ中絶のための新しい気象制約が付属しています)
https://spaceflightnow.com/2020/05/26/spacex-crew-launch-comes-with-new-weather-constraints-for-downrange-aborts/

「ミッションマネージャーは、ケネディ宇宙センターの周りだけでなく、大西洋を横断する何千マイルにもわたる廊下に沿ってSpaceXのクルードラゴン宇宙船に宇宙飛行士が最初に打ち上げられる際の天気を注意深く監視します。」

今までは、1段目の回収地点くらい(衛星の打ち上げ時はフェアリングも)を気にしていればよかったが、有人打ち上げでは途中で打ち上げを中断してカプセルを回収する可能性もあるからな。

「NASAのSpaceXクルーの打ち上げに関する打ち上げコミット基準のリストによると、ダウンレンジの天候がドラゴンの打ち上げ脱出操作でスプラッシュダウン時に限界を超える可能性が高い場合、飛行は続行されません。」

宇宙飛行士が海で溺れたなんてのは、洒落にならない。

「ミッションマネージャーは、米国とカナダの東海岸に沿ったケネディ宇宙センターから北東に向かう発射上昇路沿いの50か所以上の場所で気象条件を監視します。その後、回廊は北大西洋を越えてアイルランドに向かって伸びます。」

「SpaceXは、打ち上げの約4時間前に、宇宙飛行士にSpaceX製の打ち上げスーツとエントリーフライトスーツを着用する前に、気象ブリーフィングを提供します。」

「最後の呼び出しは、エスケープシステムを準備するため、最後の45分です。」

「その時までに、私たちは行くか行かないかにかかわらず結論に達しているでしょう。」

浮沈子が愛用している、気象観測衛星コンステレーション画像(世界の雨分布速報)で見ると、セントジョーンズアボートランディングエリア(北米側)と、シャノンアボートランディングエリア(アイルランド側)の近くに、雨域を伴う雲が見られる。

(GSMaP)
https://sharaku.eorc.jaxa.jp/GSMaP/index_j.htm

やれやれ・・・。

延期になる可能性は高いかも知れない・・・。