スターリンク8の打ち上げを見損なったついでに、いろいろ調べた2020年06月05日 01:30

スターリンク8の打ち上げを見損なったついでに、いろいろ調べた
スターリンク8の打ち上げを見損なったついでに、いろいろ調べた


(2020年6月3日
スターリンクミッション)
https://www.spacex.com/updates/starlink-mission-06-03-2020/

「6月3日水曜日の午後9時25分(EDT)に、SpaceXは8回目のスターリンクミッションを開始しました。」

すっかり忘れていた。

まあ、現地では夜中の打ち上げだからな。

見ていて楽しいものではない。

しかし、今回の録画鑑賞(つーのかあ?)は、収穫が大きかったな・・・。

(Starlink Mission:8:2020年6月3日:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=y4xBFHjkUvw&list=PLC474234E124B5213&index=2&t=12s

衛星のデプロイ(軌道投入)まで見ることは殆どないんだが、今回は生で見損なったのと、何回か前から短時間で低軌道に突っ込む運用になったこともあり、最後まで見ていて、衛星スタックを開放して投入するところが全部見られた(このシーンは、たぶん初めて)。

これまでの投入シーンは、軌道アニメに置き換えられていて、公表されていなかったからな(タイトルに添えた日付は現地フロリダの日付)。

(Starlink Mission:7:2020/04/22:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=wSge0I7pwFI&list=PLC474234E124B5213&index=6&t=0s

(Starlink Mission:6:2020/03/18:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=I4sMhHbHYXM&list=PLC474234E124B5213&index=7&t=0s

(Starlink Mission:5:2020/02/17:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=8xeX62mLcf8&list=PLC474234E124B5213&index=8&t=63s

(Starlink Mission:4:2020/01/29:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=1KmBDCiL7MU&list=PLC474234E124B5213&index=9&t=0s

(Starlink Mission:3:2020/01/07:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=HwyXo6T7jC4&list=PLC474234E124B5213&index=11&t=613s

(Starlink Mission:2:2019/11/11:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=pIDuv0Ta0XQ&list=PLC474234E124B5213&index=13&t=0s

(Starlink Mission:1:2019/05/24:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=riBaVeDTEWI&list=PLC474234E124B5213&index=18&t=0s

衛星スタックのロック解除シーンは全てカット(軌道アニメと差し替え)されていて、今回初めて公開された。

太陽電池パネル(切り離しの時に、カメラに面している平らな部分)も、1回目と2回目とでは少し形状(背面パネルの配線部分?)が変わっている。

もう一つ気付いたのが、衛星の端っこにある丸いアンテナだな。

1回目の打ち上げでは、付いていないが、2回目からは付いている。

たぶんKaバンドのアンテナだと思うんだがな。

今のところ、衛星間通信をしているとは聞いていないから、もっぱら地上局とのやり取りに使われているんだろう(未確認)。

衛星側のKaアンテナについて調べていたら、イリジウムネクストの記事に当たった。

(Iridium NEXT - A Powerful Vision Comes to Life:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=6-m9EZ_W-SU&feature=emb_logo

20秒辺りから、衛星を数人で押しているシーンがあり、Kaアンテナ(衛星側)の実物を見ることができる(イリジウムネクスト衛星の場合は、直径50cmくらいか)。

イリジウムネクスト衛星のアンテナ群については、この記事に詳しい。

(衛星がコンステレーションに属している場合、衛星にはいくつの通信アンテナが必要ですか?)
https://space.stackexchange.com/questions/20406/how-many-communication-antennas-does-a-satellite-need-if-it-belongs-to-a-constel

「これはイリジウムネクスト衛星の図です。SpaceX衛星は非常に異なって見えますが、質問の目的には、イリジウムネクストが十分に良い例です。」

とりあえず、メイン(ミッション)アンテナについては割愛する。

「イリジウムネクストサットに関しては、メインミッションアンテナとは別に、「隣接」衛星用に4つのクロスリンクアンテナがあります。1つはその前のサット用で、もう1つは同じ平面の後ろのサット用です。1つは東向きの次の衛星用、もう1つは西向きの平面用です。さらに、それらは地上局にリンクする2(?)アンテナを持っています」

固定されているのは、おそらく前後の衛星は同一軌道面だから、アンテナの向きを調整しなくても、衛星の姿勢制御さえちゃんと出来ていれば、通信可能だからじゃないのか?(未確認)。

アンテナは、薄手のパラボラ型な感じだ。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的には、早くスターリンクV2(衛星間光通信機能付き)が上がらないかと気になって仕方ない。

年内には上げるとショットウェルが言ってたんだがな。

イーロン時間じゃないから、確度は高いと見ているんだがな。

(SpaceXが宇宙にインターネットを構築する「Starlink」用の人工衛星を新たに60基打ち上げ、すでにインターネットに接続する準備も整う)
https://gigazine.net/news/20200604-spacex-launches-60-starlink-satellites/

「今回打ち上げられた人工衛星は60基で、人工衛星を太陽光から守るバイザーを備えた新型とのこと。」(別記事によれば、バイザーサットは1機だけだとさ!)

「現在の衛星のバージョンである「Starlink v1」では衛星間の通信はできませんが、「Starlink v2」は衛生間通信をサポートする予定。」

(スターリンク)
https://en.wikipedia.org/wiki/Starlink

「2020年6月の打ち上げには、実験的なサンシェードを備えた1つの衛星が含まれていました。」

この記述は、後日修正されるだろうな(6月の打ち上げって、とりあえず3回予定されているからな:どの打ち上げ?)。

なお、今回はスカイサットの相乗りはなかった(浮沈子は、勘違いしていた:テスララティのエリックラルフも間違えていたしな)。

次回、スターリンク9で相乗りになる。

(SkySats 16-21がSpaceX Falcon 9ライドシェアミッションを開始)
https://www.planet.com/pulse/skysats-16-21-to-launch-on-spacex-falcon-9-starlink-missions/

「SkySats 16-18はSpaceXの9番目のスターリンクミッションで打ち上げられ、来月の打ち上げを目標としています。SkySats19-21はこの夏の後半に打ち上げられます。」

ちゃんと書いてあったな。

どんなデプロイになるのか期待だな。

ちなみに、衛星はバンバン生産されているようで、打ち上げが追い付かないようだ。

2週間に1機打ち上げることを目標にして生産しているからな(1日6機だそうです)。

1万2千機の中間状態になれば、年に2400機ずつ入れ替えていかなければならない。

もちっと、生産ペースを上げないと追いつかないだろう。

打ち上げの方は、スターシップが出来上がれば、余裕だろうけど、ファルコン9だけだと厳しいものがある。

年に40回、ほぼ、毎週打ち上げなければならないからな。

フロリダの2つの発射台をフルに使っても厳しいかも知れない(他の衛星やISSタクシーも飛ばさなければならないからな)。

今回、中3日でクルードラゴンとスターリンク8を上げて、両方とも1段目を2隻のドローン船で別々に回収することができた。

ニュースにならない1段目の回収だが、今回は近接した日程での運用に成功したということで、特筆してもいいかもしれない。

フェアリングの回収にも挑戦した様だが、結果は出ていないようだ。

回収されていれば、パーフェクトというところかな・・・。

スターリンクが南大西洋異常帯を通過すると全世界のインターネットが暴走する?2020年06月05日 18:42

スターリンクが南大西洋異常帯を通過すると全世界のインターネットが暴走する?
スターリンクが南大西洋異常帯を通過すると全世界のインターネットが暴走する?


スペースXが展開するスターリンクは、まあ、考えてみれば当たり前だが、単なる地球低軌道を回る通信中継衛星だ。

地球局からアップリンクし、地球局へとダウンリンクする(これらを纏めてフィーダーリンクというらしい)。

衛星間通信(クロスリンク)は、まだ行っていない(たぶん)。

地上局は、移動体でもいいようだが、ピザボックス大のフェーズドアレイアンテナを必要とする。

実際のスループットがどれくらいになるかは、やってみなけりゃわからんだろう(17Gbpsから20Gbpsともいわれている)。

まあ、どうでもいいんですが。

今日も、何となく体調が優れず(お腹の調子も悪い)、うだうだしながらスターリンク衛星の小ネタを漁る。

調べたのは、衛星の姿勢を制御するモーメンタムホイールというヤツだ。

(モーメンタムホイール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A0%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB

「フライホイールの一種で、主に宇宙船などの姿勢制御に用いられる。質量が大きく、高速回転(約5000rpm)するのが特徴」

「同様に宇宙船で使われる装置としてリアクションホイールがあるが、そちらは名目上のゼロ回転速度付近で動作する。」

この違いが、よく分からんのだがな。

(リアクションホイール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB

「リアクションホイールは、姿勢制御の開始当初から最大回転数の1/2ほどで回転させておく使用法と、姿勢制御の開始当初は回転速度ゼロである使用法がある。」

「前者では運用時のホイール回転数の範囲下限はゼロではなく1000rpm程度であり、停止状態やマイナス方向での回転は行わない。後者は角運動量を保存する能力が前者より大きくできる」

「4軸4基の構成では、4軸すべての軸方向が互いに直交することなく斜めに交差しており「フォー・スキュー」と呼ばれる」

スターリンク衛星の場合も、4軸4基のようだ。

もちろん、姿勢制御だけでは、衝突回避運動は行えないから、クリプトンエンジンを吹かして(たぶん、微小推力)回避運動するんだろう。

そこから、戻ってくるときなどにはスタートラッカーが活躍する(星見て位置決めするわけだ)。

(SpaceXは、たった6回のローンチ後に、Starlinkインターネットを消費者に提供したいと考えています。)
https://www.teslarati.com/spacex-teases-starlink-internet-service-debut/

「Starlinkのスタートラッカー(左、正確なポインティングと位置決めに使用)、およびポインティングと方向付けにも使用される4つのジャイロ。」(CGのキャプションより)

「Starlinkのクリプトンイオンスラスタの1つは、SpaceXの衛星製造施設でテストされています。(SpaceX)」(CGのキャプションより)

浮沈子は、リアクションホイールは、重心に近いところ(特等席?)に、でんと設置されているんだとばかり思ってたが、そうでもない感じだ(スターリンク衛星の場合は、端っこだしな)。

(What Makes an Iridium NEXT Satellite so Unique?:無音の動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=CGYnP4ao9Go

36秒辺りから、イリジウムネクスト衛星のモーメンタムホイールの表示になる。

スラスターと併用されるということなら、あまり場所は問わないのかも知れない(未確認)。

さて、いろいろ調べて、最近のネタとの関連を考えていたんだが、とんでもないことに気付いてハッとした!。

(地球の磁場が弱まる怪現象。2つに分裂する可能性も(ESA))
http://karapaia.com/archives/52291374.html

「ESAによれば、今の段階でのもっとも大きな影響は、人工衛星や宇宙船に搭載されている機器の誤作動におおむね限られるとのこと。」

「そうした機器については、南アメリカや南大西洋上空を通過する際に、より多くの電荷粒子にさらされることもあるだろう。」

スウォームの観測と南大西洋異常帯(SAA)については、先日記事にしたばかりだからな。

(新型コロナと地磁気異常の怪しい関係)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/05/30/9252394

「この第二の中心の出現が、どういう影響を人工衛星やISSの船外活動に与えるかは分からない。」

単なるKu、Ka帯の通信衛星として考えれば、スターリンクも立派に影響を受けるわけだ。

高度も、550kmとお手ごろだしな。

インターネットエクスチェンジとして機能するということになれば、そこでの機器異常は、ネットワークを大混乱に陥れる可能性がある。

際限なくパケットを増幅してい垂れ流せば、あっという間に飽和させてしまうかも知れないし、逆に変なルーティングを連発すればいつまでも届かない話になる。

もちろん、そういうノードエラーに対する対策は施されているに違いないけど、程度問題ということもあるしな。

SAAだけじゃなくて、太陽嵐が起きれば、大規模衛星障害が発生する。

(太陽嵐)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%B5%90

「太陽嵐により放出される電磁波などは、その速度の違いによって、3段階に渡って別々に到達する。まず、最初に到達するのが電磁波で、これは光速度で伝わるためわずか8分程度で到達する。これは主に電波障害を起こし、多くの通信システム(人工衛星、飛行機の無線など)が使用できなくなってしまう。」

「次に来るのが放射線で、これは数時間で到達する。宇宙飛行士などは放射線を遮蔽できるような施設内に避難しないと被曝してしまう。」

電離放射線の場合、メモリーのビット反転とか起きるかもな。

「最後に来るのがCME(コロナガス噴出、コロナ質量放出)と呼ばれるもので、2-3日後に到達する。この影響が最も危険であり、これに伴って磁気圏内に生成される電気エネルギーが原因となって発生した誘導電流が送電線に混入すると電流が乱れ、停電、電力システムの破壊を招く。」

オーロラがそこいらじゅうで起きるわけで、当然人工衛星もただでは済まない。

最終的に数万機が運用されるわけだからな(今のところ、1万2千機が許可済みで、3万機が申請中)。

数千機単位でぶっ壊れることになりかねない。

やれやれ・・・。

そんなヤバイもんに、インターネットのバックボーンを委ねていいものか。

まあ、逆に、地上の異常事態に対しては生き残る可能性が高いからな。

双方、補い合っていくのがよろしい。

インターリンク衛星が、SAA対策しているのかどうかは知らない。

5年でお払い箱にするわけだから、それだけ持てばいいだけの話だ。

なーんも考えてない方に、一票だな・・・。