スペースX艦隊の全貌:将来は世界最大の船舶オペレーターになる可能性も2020年06月19日 07:50

スペースX艦隊の全貌:将来は世界最大の船舶オペレーターになる可能性も
スペースX艦隊の全貌:将来は世界最大の船舶オペレーターになる可能性も


浮沈子が知っていたのは、せいぜいドローン船のOCISLY(オブコースアイスティルラブユー)とJRTI(ジャストリードザインストラクションズ:複数形だったんですねえ・・・)、そして、フェアリングキャッチャーボートのミスツリーとミスチーフくらいだ。

ああ、ドラゴンカプセルの回収にも船を使っているという認識はある(DM-1で登場したしな)。

(クルードラゴン回収成功(たぶん))
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/03/08/9044842

「中継の中で出てきたカプセル回収船に注目だな。」

(GO SEARCHER)
https://www.marinetraffic.com/en/ais/details/ships/shipid:426008/mmsi:366584000/imo:9591648/vessel:GO_SEARCHER

「何かの船を改造したものらしい。
1段目洋上回収用の2隻のドローン船、未だに成功していないフェアリング回収用のミスタースティーブンに続く、ニューカマーだ。
ゴーサーチャーというのも、洒落っ気に溢れている(以前の船名が、CALLAIS SEARCHERだからかあ?)。」(GOについては後述)

この頃のミスツリーは、まだミスタースティーブンだったわけだな。

船舶は、名称が変わったり、前の船の名称を継承したりしてややっこしい。

現在のスペースX艦隊の中にも、二代目となっている船もある。

(指示を読むだけ)
https://www.spacexfleet.com/just-read-the-instructions

「Just Read the Instructionsは、名前を使用する2番目のSpaceXドローンシップです。東海岸での2つの実験的着陸に使用されたオリジナルのSpaceXドローンシップは同じ名前を使用していましたが、引退し、 Of Course I Still Love Youに置き換えられました。その名前は、西海岸に向けられた新しいドローンシップに付けられました。」(自動翻訳一部修正:「もちろん」)

現在、二代目となるJRTIは、改修を受けて先日再デビューしたばかりだ。

この記事が出ているスペースXフリートは、浮沈子も名前だけは聞いたことがあったが、今回初めて記事を読んだ。

イーロンXにも記事が出ている。

(アップグレードされたJRTIランディングパッドは、より高性能な新しいロボットで最初のミッションを完了しました)
https://www.elonx.cz/upgradovana-pristavaci-plosina-jrti-ma-za-sebou-svou-prvni-misi-s-novym-schopnejsim-robotem/

「ファルコン9の最初のステージは、DM-2ミッション中にクルードラゴンと宇宙飛行士を軌道に乗せた後、OCISLYプラットフォームに着陸し、OctaGrabberによって確保されました。数日後、プラットフォームはカナベラル港に戻り、そこで驚きが起こりました。ステージを支えるロボットは、私たちが慣れ親しんだものとは少し違って見えました。そのため、OCISLYが最終的に新しいロボットを手に入れ、経験豊富なOctaGrabberが新しくアップグレードされたJRTIプラットフォームに再割り当てされたという推測がありました。」(オクタグラバーについては後述)

このチェコ語のホームページにも、纏め記事がある。

(SpaceXの船舶と船舶の概要)
https://www.elonx.cz/prehled-plavidel-a-lodi/

この記事は、ドローン船を曳航するタグボートまで出ているが、本稿では割愛する。

・OCISLY(ドローン船)
・GOクエスト(OCISLYの支援船:GOは、所有するギス・オフショアの頭文字をとった船舶命名規則による:ゴーとか読まない:以下同じ)
・GOミスツリー(以前のミスタースチーブン:フェアリングキャッチャー)
・GOミスチーフ(フェアリングキャッチャー)
・GOサーチャー(クルードラゴン着陸支援船)
・GOナビゲーター(クルードラゴン着陸支援船)
・JRTI(ドローン船)

この他には、先日までカーゴドラゴンの回収に活躍していたNRCクエストがある。

新しいカーゴドラゴンは、クルードラゴンと同じだから、GOサーチャーかGOナビゲーターが対応するのかも知れない。

スペースXフリートでは、現役扱いになっていた。

(艦隊)
https://www.spacexfleet.com/fleet

ページヘッダーのプルダウンメニューに出てくるオクタグラバーというのが、通の間ではバカ受けのアイテムらしい。

(オクタグラバー)
https://www.spacexfleet.com/octagrabber

「一般にOctagrabberとして知られるFalcon 9保護ロボットは、SpaceXのドローンシップで動作する2つのロボットに与えられた名前です。」

「Octagrabberの詳細については、ElonX.netのこのページをご覧ください。」

イーロンXの英語版の記事を引用しているな。

(OctaGrabberの概要)
https://www.elonx.net/octagrabber/

「この比較的小さなロボットが実際にそのような大きなロケットが滑るのをどのように防ぐことができるのか疑問に思うかもしれません。覚えておいてください:
・ロケットはほとんど中空で、ほとんどすべての燃料が発射と着陸に使用されていたため、着陸後はほとんど空です。着陸後のロケットの重量は約25トンです。
・ロケットの重心は非常に低く、重量のほぼすべてが重いエンジンが搭載されているロケットの底に集中しています。
・ロボットはかなり大きくて重い(写真からはわかりにくいですが、OCISLYはサッカー場のサイズです)
・ロボットの重量、低重心、トレッドによる大きな牽引力、および(デッキとFalconの着陸脚の間の小さな接触領域と比較して)大きな接触領域の組み合わせにより、十分に安全なフィットが得られます。」

カルトなアイテムだな(世界には、このオクタグラバーの追っかけもいるそうだ)。

「ファルコン9の最初のステージがDM-2ミッション中にクルードラゴンと宇宙飛行士を軌道に投入した後、ドローンシップOCISLYに着陸し、元のOctaGrabberによって確保されました。数日後、ドローンシップはカナベラル港に戻りましたが、ブースターをサポートするロボットは、以前とは少し違って見えました。そのため、OCISLYが実際に新しいロボットを入手し、古いOctaGrabberが最近アップグレードされたドローンシップJRTIに再割り当てされたという推測がありました。しかし後で、古いOctaGrabberが新しいロボットに合わせてアップグレードされたことが判明しました。」

この辺りの詳細には、テスララティのエリックラルフもハマっている・・・。

(SpaceXのロケット再利用可能性の夢は、最速の回復後も手に届く)
https://www.teslarati.com/spacex-reusability-dream-fastest-recovery/

「OCTAGRABBER 2.0
すべての登場により、SpaceXは今月初めにFalcon 9ブースターB1058でデビューした2回目の新しい回復方法を使用しています。その運用上の微調整により、同社は、着陸脚の引き込みを開始する前に、ドローン船からFalcon 9ブースターをクレーンで降ろす必要がなくなりました。」

浮沈子的には、岸壁におろしてからゆっくり足を畳んでトレーラーに積み込んだ方が、ドローン船自体は早く出港できるような気がするんだがな。

ブースター再使用のペースを上げるためには、港の荷下ろしの手間を省くのは効果的かもしれない。

まあ、どうでもいいんですが。

そんなことより、例の大陸間弾道旅客機の話で、とんでもない進展があった(そうなのかあ?)。

(Elon Musk氏は、SpaceX Starshipには海洋宇宙港の艦隊が必要になると述べています。)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-floating-spaceports/

「複数の大規模な「フローティングスペースポート」を構築して、火星と月へのスターシップの打ち上げ、および地球上のポイントツーポイントの旅行を可能にする予定」

「SpaceXの次世代の完全に再利用可能なロケットは、飛んだときにこれまでに製造された中で最も強力なロケットになることを考えると、完全に可動式の発射および着陸施設の設計および構築は簡単な作業ではありません。」

浮沈子は断言しておくが、洋上プラットホームからの打ち上げや着陸が、大陸間弾道旅客機で使用されることはない。

この方式は、既に行われた実績がある。

(シーローンチ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%81

「1995年に米露など多国籍の企業による共同事業として開始されたが、2009年の経営破綻」

商売には向かない方式だな。

「海上発射システムを採用することにより、従来の地上発射の場合のような地理的、物理的制約を受ける事が少なく、海洋上のあらゆる場所から打ち上げが可能となり、地上発射型に比べ経費を減らす事ができる。特に赤道直下まで移動して打ち上げることにより、より効率的に人工衛星を軌道に投入することができ、静止トランスファ軌道に6.1tを投入できる。」

スペースXは、既に達成できているわけだからな(無理して洋上から上げる必要はない)。

シーローンチの場合は、打ち上げだけだけどな。

回収も考えれば、洋上プラットホームで一括して運用できればそれに越したことはない。

機体のメンテナンスも、オーバーホール以外は、全てそこでこなせれば言うことはないしな。

しかし、莫大な富を生む石油掘削とは異なり、価格競争(ライバルは、既存の航空会社?)の中での運用ということになれば、競争力を得ることは難しいだろう。

陸上から打ち上げて、陸上に降りるのがよろしい。

辺鄙な所に降りたり打ち上げたりする代わりに、そこへのアクセスをハイパーループで高速化した方がいい。

燃料輸送はパイプラインの敷設が必要になるが、タンカーでの運搬とかを考えれば、はるかに安上がりになるだろう。

そもそも、政情不安定でパイプラインが爆破されるようなところには、ロケット輸送の需要はない。

それでも、例えば欧州とかに飛ばしたいと思ったら(まあ、ふつー思うけどな)、なかなか場所探しというのも難しいかも知れない。

離発着地点から30km以内に民家がないところというのは、現実的にはあり得ないからな。

そこで、洋上プラットホームを沖合に設置して、様々な方策を駆使して燃料や旅客を輸送することになる。

一番確実なのは、船で運ぶということだが、効率悪いしな。

洋上プラットホームまでの燃料輸送は、海底パイプラインという方法がないわけではない。

浮体構造への立ち上げ立ち下げの問題はあるが、やってできない話ではないだろう。

何なら、この際だから石油掘削会社でも起こして、海底油田から出てくる石油を沖合で精製して、その場で積み込んでロケット発射してもいい(引火とかしたら目も当てられないけどな)。

えーと、スターシップはメタンガスが燃料だから、ちょっと違うかもしれない(液酸も必要だしな)。

旅客はそうはいかないかもな(パイプラインで運ぶわけにもいかないだろうし)。

海底に真空のパイプを埋設することはできない(強度的にも難しいかも)。

潮流や海洋生物(クジラ?)、潜水艦や底引き網などによる破壊の危険性もある。

ハイパーループは使えないのだ(たぶん)。

洋上プラットホームも、浅い海なら着底式にした方がいいかもな。

旅客輸送は、それほど大量でなければ、オスプレイのようなのでもいいかも知れない。

ピストン輸送がやりやすいし、速度もそれなりに速いしな。

1日10回から20回の発射なら、50人乗りに改造したオスプレイ(オリジナルは25人乗り)で最大でも50回往復すれば済む。

チヌーク(CH-47:最大55人乗り)よりは、速度の点で有利だからな。

まあいい。

洋上プラットホームは、維持費とかを別にすれば、ロケーションを多様化できるので、ロケット基地には向いているかもしれない。

パイプラインとか垂直離着陸機による運用の目途が立たなくても、船舶でピストン輸送するというレトロで確実な対応が可能だしな。

それだけ、柔軟性に富んでいるともいえる。

旅客や燃料輸送を考えれば、1プラットホーム当たり10席程度の支援船が必要になるだろう。

全世界で100か所程度の洋上プラットホームを運用すれば、スペースX社は1000隻の艦隊を運用する世界有数の船舶オペレーターとなる(もちろん、世界最大?)。

まあ、全部自社所有じゃないだろうけどな。

少なくとも、スーパーヘビーには、回収用のドローン船が必要だ(そういう運用が基本になるそうだ)。

それだけでも、相当の隻数が必要になるだろうからな。

スターシップだけで飛べるようになれば、それに越したことはない。

長距離の貨物輸送とかになれば、スーパーヘビー付きでないと飛ばせないだろう(未確認)。


さて、どうなることやらだな・・・。

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