GPS衛星の打ち上げに見るファルコン9の問題点2020年07月01日 22:38

GPS衛星の打ち上げに見るファルコン9の問題点
GPS衛星の打ち上げに見るファルコン9の問題点


GPS3SV(Space Vehicle)03の打ち上げを録画で見る。

(GPS III Space Vehicle 03 Mission:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=6zr0nfG3Xy4

(SpaceXが米宇宙軍の最初のミッションを開始)
https://spaceflightnow.com/2020/06/30/spacex-launches-its-first-mission-for-u-s-space-force/

今日は水泳教室だったので、夜更かし(早起き)せずに、ギリギリまで寝ていて、帰ってきてから見た。

ちょっと体調が悪く、夜のフィンスイムのテクニカルプログラムはパスした。

雨も降ってたしな。

こういう時はサボるに限る・・・。

まあいい。

サボリついでに、関連情報を見ていて、あることに気付かされた。

ファルコン9(現状のヘビーも)では打ち上げられない衛星が存在する・・・。

(OTV-5ミッション)
https://www.elonx.cz/mise-otv-5/

「シャトルがアトラスVを飛行したとき、垂直に統合されました。つまり、シャトルは垂直にロケットに取り付けられました。ただし、SpaceXはまだ技術的に垂直統合の準備ができていないため、常に格納庫内で水平方向に荷重を統合します。敏感な光学系を備えた一部の衛星は、垂直統合のみを目的として設計されています。そうしないと、損傷する可能性がありますが、X-37Bの場合、水平統合は問題になりません。」

記事を当たったのは、空軍関連のミッションで、ファルコンシリーズが再使用を行った事例を確認するためだったが、スパイ衛星の中には、垂直組み立て棟でないと、光学系(中身はハッブルみたいな宇宙望遠鏡ですから)が歪んでしまうんだろう(未確認)。

そういえば、ファルコンヘビーが宇宙軍の打ち上げに参入するために、垂直組み立て棟とドデカいフェアリングを開発する話をどこかで読んだ気がする(追加参照)。

まあいい。

いずれにしても、現状ではファルコンシリーズで打ち上げられない衛星があるということだな。

GPS3衛星については、初めての打ち上げ(2018年12月23日)の際に記事にしている。

(再使用ロケットの真のリスク)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/12/18/9013298

(謎のミッション番号「ー2」)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/12/18/9013713

(高度2万2百km)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/12/23/9016488

(高度8710km)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/12/24/9016516

ちなみに、今回のデプロイ高度は4228km辺りだ。

前回より低いが、打ち上げ時の軌道プロファイルを見直したようだな。

衛星の放出と1段目の回収を同時に果たしている(フェアリングも、両方とも掬い上げたようです)。

10年はかかると思っていた空軍(今回から宇宙軍だそうですが)の実務ミッションで、初めて再使用するための回収が認められたということだ。

しかし、打ち上げに使われた1段目は新品だからな。

これからは、再使用の1段目を使うことに向けて売り込むのかも知れない。

まあ、どうでもいいんですが。

お役所は税金の節約になるし、スペースXは儲かるし、ULA以外に誰も困るものはない(ブルーオリジンのニューグレンやノースロップグラマンのオメガは、影も形もないしな)。

今後の打ち上げ(現行モデル残り7機)のうち、少なくとも3機をファルコン9が打ち上げることになるようだ。

(GPS-3 (Navstar-3))
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/navstar-3.htm

「Satellite:Date:LS:Launch Vehicle:
・GPS-3 4 (Navstar xx):2020:CC:Falcon-9 v1.2 (Block 5)
・GPS-3 5 (Navstar xx):2020:CC:Falcon-9 v1.2 (Block 5)
・GPS-3 6 (Navstar xx):2021:CC:Falcon-9 v1.2 (Block 5)」

残る4機の打ち上げがどうなるかは未定のようだな。

アトラスVの後継機(バルカンロケット)の進捗状況次第ということになるが、大幅に遅れるようならまたファルコンで上げるに違いない。

ゆくゆくは、2機纏めて上げたいようだしな。

「Atlas-5(551)やFalcon-Heavy(ブロック5)のような大型ロケットでの2回の打ち上げは、9番目以降の衛星で検討されています。」

別に、ULAが困るわけじゃない。

いずれにしても、ファルコンシリーズで上げられない衛星は、彼らのロケットで上げるしかないのだ。

垂直組み立て棟(移動車?)は、スペースXも欲しいところだろう。

こっちは、スターシップの打ち上げともかかわってくるしな。

どう考えても、あれを水平から起こすというのは選択肢にはない(100m超えるしな)。

起こせたとしても、スーパーヘビー止まりだ。

そのノウハウを吸収するためにも、ヘビーの垂直組み立てはしたいだろう。

最低でも、特大の衛星フェアリングを乗せるところはそこでやりたい。

ハッブルをそのまま仕込んで積み込むような話だからな。

スターシップともなれば、打ち上げ延期が続いているJWSTを丸ごと積み込むことだって可能だ。

(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%96%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1

「計画は度々延期され、打ち上げ予定日は2021年3月30日に再設定された」(それも、危ないんじゃね?。)

「口径 〜6.5 m (21 ft)」

(スターシップ (宇宙船))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97_(%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%88%B9)

「全長 120 m」

「直径 9 m」

もう、こいつに積めない衛星はないだろうしな。

地球低軌道で給油して、再度加速すれば、100トンもの貨物を月だろうが火星だろうが輸送することができる(地球低軌道に上げるまでが大変!)。

例によって、作ってはぶっ壊しを繰り返しているけど、10年はかかると思っていたGPS衛星の打ち上げ時の1段目回収が、2年後に実現したわけだからな。

何が起こるかは分からない。

一寸先は闇の宇宙開発を照らす光が、スターシップ(のプロトタイプ?)の爆発の閃光でないことを祈るのみだな・・・。

<追加>

(FAA環境評価、ケープカナベラルでのSpaceX計画の詳細)
https://www.nasaspaceflight.com/2020/02/faa-environmental-assessment-spacex-cape-canaveral/

「SpaceXが新しいモバイルサービスタワー(MST)の建設により、NSSLに対して最も目に見える変更の1つを行うのはLC-39Aです。」

「特定のペイロードは、ロケットに結合されるときに垂直方向に維持する必要があります。」

「もう1つの変更は、Falcon Heavyのより大きなフェアリングの導入」

「現在、(中略)直径は5.2メートル(17フィート)、長さは13.1メートル(43.0フィート)です。これは巨大なNRO宇宙船には十分な長さではないため、これらのペイロードを運ぶためにSpaceXロケットが選択された場合、新しいフェアリング(おそらくストレッチバージョン)が必要になります。」

「United Launch Alliance(ULA)、Blue Origin、Northrop Grummanと競合しています。」

2社が残るようだが、ULAが落ちることは考えづらいからな(わからんぞお・・・)。

S社とノースロップグラマンのガチになるかもな。

既に開発がほぼ終わって実機も飛んでいるS社は、アットーテキ有利だ。

NG社は、開発はこれからだし、上段は他社依存になるからな。

つぎ込んだ金は、ドブに消えるかSLSのブースターの改良に回されることになるかも知れない(そうなのかあ?)。

ブルーオリジンが、何らかの衛星打ち上げロケットを飛ばすのは、早くても2025年以降の話だ(テキトーです)。

スターシップの開発が、万が一(!)上手くいくようなことがあれば、打ち上げ契約をほぼ独占することができるかもしれない(リスク分散のために、最低2社は確保するでしょうが)。

もちろん、米国の軍事衛星だけが市場じゃない。

全体の半分以上は、民間打ち上げということになる。

効率を追求すれば、S社に頼んで打ち上げてもらうのが最安になる。

特定時期に特定軌道に送り込まなければならないキューブサットのような自己推進力を持たない特殊な衛星だけが、エレクトロンのような小型ロケットで飛ぶことになる。

ある程度軌道修正が可能で、相乗りでもいいという場合は、破格の値段で飛ばせるS社を利用しない手はない。

もう、そういう時代になっている。

H3は、一体何を飛ばすんだろうな・・・。

ファウチ博士の憂鬱:10万人の新規確認感染者はいつの話?2020年07月03日 13:59

ファウチ博士の憂鬱:10万人の新規確認感染者はいつの話?
ファウチ博士の憂鬱:10万人の新規確認感染者はいつの話?


ドクターファウチの議会証言が記事になっている。

(米国の新規感染「1日で10万人も」 ファウチ所長が警告)
https://www.bbc.com/japanese/53245041

「エリザベス・ウォーレン議員の質問には、「正確な予測はできないが、非常に心配すべき事態になるだろう。それは保証する」と答えた。」

BBCは、どんな質問したのかをちゃんと書いておいて欲しいもんだな・・・。

(「1日に10万人以上が感染してもおかしくない」アメリカで新型コロナ感染が拡大。専門家が警鐘を鳴らす)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/u-s-could-reach-100-000-coronavirus-cases-per-day_jp_5efbeecfc5b612083c545eb6?utm_hp_ref=jp-world

「1日の死者が10万人を超えてもおかしくない」

「委員会でエリザベス・ウォーレン上院議員がこの発言に触れ、「現在の状況から考えて、パンデミックが終わるまでに新型コロナウイルスによる感染者数と死者数はどれくらいになると思いますか?」と尋ねた。」

「これに対してファウチ氏は「正確な予測はできないが、かなりひどい状況になることは確実です」「なぜなら国の一部で感染が拡大していれば、状況が改善している別の場所も脆弱な状態になるからです」と答えた。」

NYは、既に国内からの移動に制限を設けている。

「ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事はこの日、同州を訪れる際に2週間の自主隔離を義務付ける米国民の対象を拡大し、16州の住民にすると発表した。米紙USAトゥデイの分析では、米国民の48%が該当する。」(BBCの記事)

実効性がどれほどあるかは疑問だが、米国民の半分の来州をお断りする方針を示すだけでも効果が期待できるかもな。

おまいら、来るんじゃねえ!。

我が国でも、東京都の新規確認感染者数が連日100人を超え、他県から同様の扱いになる可能性もあるしな。

東京都民、お断り!。

BBCの記事には、気になる記述もある。

「集団免疫は困難か:
・・・
一方、ファウチ氏は同日、アメリカで新型ウイルスの集団免疫を獲得できる公算は小さいとの見方を示した。同氏は以前、2021年初期には集団免疫を獲得できると予想していた。」

「理由としてファウチ氏は、ワクチンが部分的な効果しかもたない可能性があることと、多くの米国民がワクチン接種を拒否するとみられることを挙げた。」

ワクチンの効きが悪いのではないかという懸念は、回復した患者の抗体価が低下していることから既に指摘されている。

それでも、ないよりマシなワクチンを拒否するって、どーゆーこと?。

「この国の一部の人々には、反科学、反権威、反ワクチンの感情がある。懸念するほど大きな割合の人々だ」

「ワクチンへの信頼を高める教育が必要」

マスクすることだって、政治問題化しちまう国民性だからな。

効き目限定のワクチンじゃ、信頼を高めるのは難しいだろうな。

ファウチ博士が懸念する10万人の新規確認感染者数に達するのはいつになるのかについて、米国の公式統計を基にグラフ化してトレンド線を描いてみる(10日間移動平均:先行表示:ウィキの英語版のページから作成)。

グラフでは、今月下旬に差し掛かっているように見えるが、実際にはもっと早く10万人になる可能性が高い(移動平均は増加中は遅れて表示されることと、増加自体がリニアなわけじゃないからな)。

浮沈子的に注目したのは、僅かずつ減少傾向を示していた新規確認死者数が、増加に転じた可能性を示している点だ(トレンド線は、同様に10日間移動平均)。

まあ、いくら若者中心とはいえ、爆増する新規感染者の遅行指標として新規死者数が増えてくるのは想定の範囲内だ。

むしろ、遅すぎたかもしれない(ほぼ1か月後)。

昨日は、午後からフィットネスに行ったんだが、終わって床屋に行ったら体調を崩した(風通し良すぎか!?)。

床屋に行くと風邪をひくというのは、長年のパターンだからな。

新型コロナの時代には、ちょっと洒落にならないかもしれない。

大事をとって、フィットネスの夜の部はキャンセルして、栄養をたっぷり摂って爆睡する(要するに、食っちゃ寝のパターンだな)。

少しずつ減り始めていた体重が、一気に戻って愕然とするが、無理は禁物だ。

減量は継続することに意義がある。

ここでめげては元も子もない。

今日は、大事をとってフィットネスはサボリ。

栄養補給と休養に専念する(なんと都合の良い言葉か・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

週末には、東伊豆方面で久々のファンダイブを予定している。

体調を万全に整えて、楽しんでこよう(都民の移動制限が掛からなければ)・・・。

ULAの憂鬱:火星探査ロケットが飛ぶのはいつの話?2020年07月03日 22:27

ULAの憂鬱:火星探査ロケットが飛ぶのはいつの話?
ULAの憂鬱:火星探査ロケットが飛ぶのはいつの話?


火星探査機(探査車?:ローバーだからな)の打ち上げ延期が繰り返されていて、2年に1度しかないチャンスが食いつぶされていく・・・。

(NASA火星探査機の新たな打ち上げ日発表、翌日には中国が連続打ち上げか)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20200625-00185041/

「2020年6月25日、NASAは火星探査機「Mars 2020/Perseverance(パーサヴィランス)」の打ち上げを新たに2020年7月22日午前9時35分(日本時間22日午後11時35分)と発表した。」

今年の火星巡礼は、このパーセベランスと我が国のH2Aで打ち上げられるUAEのホープ(アル・アマル)、そして謎に包まれた中国の探査機の3つだ。

「7月15日にはUAE初の火星探査機「HOPE」も鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる予定」

「翌7月23日には中国が初の火星着陸探査機「天問一号」を打ち上げる」

相次ぐ打ち上げは、別に口裏を合わせたわけではなく、その時期が外惑星である火星と内側の地球との位置関係から、最小の燃料で到達できるベストの時期だからに過ぎない。

が、ここにきて異変が生じている。

そもそも、22日の打ち上げ自体が、2日間延期された話だからな。

「当初は7月20日に打ち上げ予定だったが、ロケット搭載の作業中に地上設備で混入物の問題が発生したことから、2日延期されることになった。」

記事によれば、打ち上げウインドウは中国の場合8月15日までとなっているようだ。

そうすると、更に延期となったパーセベランスの日程は、絶対期限に近づいていくことになる・・・。

(NASA、火星探査機の打ち上げを7月30日までに延期)
https://spaceflightnow.com/2020/06/30/nasa-delays-mars-rover-launch-to-no-earlier-than-july-30/

「宇宙船のメイト作戦に備えて打ち上げロケットの処理が遅れたため、NASAとユナイテッドローンチアライアンスは、火星2020ミッションの最初の打ち上げを7月30日までに延期しました」

「液体酸素センサーラインはウェットドレスリハーサル中に公称外のデータを提示し、チームが検査および評価するために追加の時間が必要です。」

このロケット(アトラスV541)は、いろいろケチが付いている。

「火星2020のミッションは当初7月17日に打ち上げられる予定でした」

「いくつかの問題により打ち上げ日が遅れ・・・」

後の記述を見ると、どうやら地上クレーンの問題もあった様だ。

「NASAは当初、VIF内のAtlas 5ロケットの組み立てをクレーンが保持できなかったため、打ち上げを7月20日まで延期しました。」

生物汚染の懸念もあったようだな。

「NASAのペイロード危険サービス施設の地上支援機器の汚染に関する問題-パーシステランスローバーが打ち上げの準備ができている超クリーンルーム-アトラス5の空力ペイロードシュラウド内の宇宙船のカプセル化の遅延。」

ウインドウの最終日も、延期を繰り返している。

「打ち上げ期間は当初8月5日で終了」

「今月初めに、ローバーの軌道の追加分析により、利用可能な打ち上げ日を8月11日まで延長」

「火曜日に、NASAは飛行分析チームが発売期間は8月15日まで延長」

8月15日と言えば、我が国にとっては忘れられない日の一つだが、中国の探査機の打ち上げウインドウの最終日とも一致している。

「NASAによると、エンジニアは打ち上げ期間が8月にさらに延長されるかどうかを調べています。」

ロケットのパワーやペイロード、打ち上げの軌道など、考慮すべき要素は多いだろうが、来年まで延びることはない。

「・・・もし私たちが忍耐力を取り、それを2年間ストレージに戻す必要がある場合、5億ドルの費用がかかる可能性があります。」

「今年8月にパーシベランスローバーを発売する次の機会は、2022年です。」

「宇宙船がアトラス5ロケットに結合された後、発射するための準備が整うまでに約25日かかります。」

8月15日がデッドラインなら、少なくとも今月26日には結合していないと間に合わない。

記事中にあるPHSFというのは、これのことらしい。

(ペイロード危険サービス施設)
https://science.ksc.nasa.gov/facilities/phsf.html

「ペイロード処理機能として、ペイロードコンポーネントとシステムの組み立てとテストをサポートしています。」

読んでもよく分からないんだがな。

パーセベランスの原子力電池(熱電発電機)は、カプセルを乗せてから、専用のアクセスドアを使って装填するようだ。

「宇宙船がアトラス5ロケットの上に吊り上げられると、地上の乗組員はアトラス5のペイロードフェアリングの側面にあるポートを介して、パーシベランスローバーのプルトニウムを燃料とする電源を設置します。」

ヤバい奴は、最後の最後に載せるようだ。

さて、今年のうちに飛び立てるかどうかというギリギリのところに来たようだな。

液体酸素の圧力センサーの問題が解決されても、さらに追加で何かのトラブルが起これば2年の歳月と5億ドルがぶっ飛ぶ。

今回のミッションは、長期に渡る火星サンプルリターンの一部としての位置付けもあるからな。

(火星サンプルリターンミッション:とりあえず、ネタ集めからだな)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/04/25/9238991

「惑星探査の聖杯といわれ、無人探査計画の最優先事項とされながら、なかなか実現されない究極のミッションの一つ」

「NASAのMars 2020ミッションでは、地表を探査し、一連のサンプルを戦略的な地域のキャニスターに厳密に文書化して保管し、後で地球への飛行のために取得します。」

「キャンペーンは、地球からの3つの打ち上げと火星からの1つの打ち上げ、2つの火星探査車、および火星の軌道での自律ランデブとドッキング–地上管制から5,000万km以上離れていることを予測しています。」

「7月に打ち上げが予定されているパーセベランスローバーは、その複雑な要素の最初のピースという位置づけになる。」

まあいい。

いずれにしても、アトラスVが上がらなければ始まらないのだ。

「金よりも、プラチナよりも貴重な火星サンプル。
人類がその聖杯を手に入れることができるかどうかは、浮沈子的には思い切り怪しいと見ている。
新型コロナで、世界は疲弊している。
その落とし前を付ける方が先だろう。
なあに、100年や200年くらい遅れたって、火星が消えてなくなるわけじゃない。
この記事の続きも、書かれる保証などない。
マーズ2020(現パーセベランス)ローバーだけで終わったとしても、何の不思議もないからな・・・。」

そう、浮沈子的にはこのミッションに乗り気ではない。

10年に1回は大規模探査機を飛ばしておこうという、業界の予算枠確保のためのエクスキューズネタだからな。

NASAは、生の火星生命がいそうなところには探査機を降ろさない(今のところ)。

今回ターゲットとしているジェゼロクレーターも、「過去」の生命の痕跡を見つけることが目的だ。

2年間も穴掘りに苦労しているインサイトの話も、最近はあまり聞かなくなってきたしな。

(火星探査機インサイトの地中センサー、押し戻されたりもしたけど地下に向け前進再開)
https://sorae.info/space/20200607-insight.html

「5月30日、ついにロボットアームのスコップが地表に触れるところまで掘り進めることに成功しています。」

つまり、まだ0mの辺りをウロウロしているわけだ(目標は5m)。

「モールの後端が地下20cmよりも深いところまで進めば単独で前進できるようになるとみられています。」

それから1か月近くがたつが、続報はない(20cm未満ということか)。

まあ、どうでもいいんですが。

赤い惑星は、人類の存在など頓着してない。

かつて、イカタコ星人の夢を育み、今は荒れ果てた不毛の地に、バクテリアのカケラでも見つかれば大発見という体たらく・・・。

浮沈子的には、何も出ず、何も見つからず、地球外生命の存在を窺わせる何ものもないということを確認するだけのミッションのような気がする。

2年遅れの出発となったとしても、何ら不都合はない。

もちろん、10年は先になるだろうサンプルリターンの結果、地球外生命の痕跡が確認できなかったからといって、その探査が終わりになるわけではない。

惑星探査の聖杯は、太陽系にまだまだ隠されている。

エウロパやエンケラドゥスの地下の海、その水中に化学合成細菌をベースにした生態系の存在を示唆する地球上の熱水鉱床も発見されているしな。

直接探査は無理筋でも、系外惑星の大気観測で何かが分かるかも知れない。

我々は孤独なのか。

宇宙の孤児として生きていかざるを得ないのか、それとも進化した異星人に食われる運命なのか。

懲りない面々の地球外生命探査は続く(たぶん)。

100年くらいは持つだろう。

業界が説得力を失い、世の中が、もうたくさんだと匙を投げるまでは。

毎度、同じパターンで恐縮だが、気が乗らないものは仕方がない。

アトラスVが期限内に上がろうがどうなろうが、知ったことではない。

ULAには、年内にもう一度、無人スターライナーを上げるという宿題もあるしな。

前回の成功がまぐれだったのか、老舗のロケット打ち上げ会社の底力を見せつけたのかがハッキリする。

ダサい空力スカート穿かせて、無事に飛び立たせなくてはならない。

宇宙船は改修されてマトモになったのはいいが、今度はロケットがこけてしまっては話にならんからな。

ライバルのファルコン9は、その頃には2度目の有人宇宙船を打ち上げて、1段目を回収しているに違いない(ドラゴンにフェアリングはないからな)。

彼我の差は、開く一方だ。

もっとも、S社はスターライナーの開発で景気よく爆発を繰り返している。

9月には、恒例となったコンセプトブリーフィングが行われるだろう。

それまでにパーセベランスを上げられるのか、2年間のお蔵入りにするのか。

トリーブルーノの憂鬱は続く・・・。

<追加>

(NASAの次の火星任務は発射時間の半分近くを燃やしました)
https://arstechnica.com/science/2020/06/nasas-mars-perseverance-launch-date-has-slipped-eight-more-days/

「フロリダのある情報筋は、この問題は液体水素と液体酸素を燃料とするアトラスVロケットのセントール上段に関連していると指摘しています。」

セントールロケットは、十分な実績のある上段ロケットだが、過去にはいくつかのトラブルを経験している。

最近では、目立ったトラブルはない(打ち上げ後、経年劣化で分解してデブリをばら撒く程度だ)。

何事もなければ、センサーの不具合ということで決着するかもしれない。

厄介な問題を抱えているということになれば、ULAの大チョンボになる。

幸い、まだ時間は残っている。

徹底した点検で万全を期してもらいたいもんだな。

訊くだけ野暮な質問:スターシップが飛ぶのはいつ?2020年07月04日 08:45

訊くだけ野暮な質問:スターシップが飛ぶのはいつ?
訊くだけ野暮な質問:スターシップが飛ぶのはいつ?


打ち上げロケットの延期が続いていて、そっち方面のネタがないので、暇つぶしに書くにはちょうどいいかも。

だって、スターシップのプロトタイプは、当分の間飛ぶ心配(!?)はないからな・・・。

(SpaceX Starshipプロトタイプが5回目のテストのガントレットを開始)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-test-gauntlet-fifth-prototype/

「SpaceXスターシッププロトタイプは、最初の飛行になることを期待して、5回目の挑戦的なテストのガントレットを開始しました。」

記事では、SN5が今にも飛びそうな感じで書かれてるが、浮沈子的には1mmも上がらない方に1票だな。

もちろん、SN4が達成した低温圧力試験や、実際の燃料を入れて短時間のエンジン点火を行うところまでは、まあ、やってできない話ではない。

問題は、エンジンに火が点いてから先の話だからな。

エンジンテスト用の施設とは異なり、それ自身が空中に浮かんで飛び上がる機体なわけだから、むやみやたらに頑丈にするわけにも行かず、さりとて強度を削ればぶっ壊れるわけで、匙加減というか頃合いというか、そのビミョーな最適化のプロセスが重要なわけだ。

今時、コンピューターの中で可能な限り詰めておく作業はしていても、実際に製造して重量や温度などの負荷を掛け、エンジン点火に伴う振動や熱的な衝撃を掛けて使い物になるかどうかを見極める作業は必要だ。

その耐久性や強度限界は、文字通り、壊してみなければ分からない。

出来上がった見かけは同じでも、製造方法によってばらつきが大きかったりすれば、実際の運用に当たっては信頼性の問題にもなりかねない。

飛び道具だから、冗長性を過度に持たせるわけにもいかないしな。

「宇宙船SN5は問題なく最初のテストに合格したようで、SpaceXは現在、ロケットタンクのセクションに、液体酸素とメタン推進薬の化学的に中性で非爆発性の代用として極低温液体窒素を装填する最中です。」

別記事によれば、既にその試験もパスした様だ。

(スターシップSN5が極低温証明を完了し、テストキャンペーンを開始)
https://www.nasaspaceflight.com/2020/06/starship-sn5-test-campaign/

「SpaceXのStarship SN5プロトタイプは、火曜日の夜に打ち上げプロバイダーのテキサス州ボカチカの施設で低温証明試験に成功しました。」

「次に、油圧ピストン(別名スラストシミュレータ)が車両のベースを押して、ラプターエンジンの力を模倣します。」

ほほう、芸が細かいな。

「6月30日までに予定されている極低温実証試験の後に、推力シミュレーターは削除され、ラプターエンジンが取り付けられます。SpaceXチームは、数日以内に、テストキャンペーンのエンジンテスト部分に移行する準備が整います。」

たぶん、今はこの段階なんだろう。

「車両がエンジン発射の準備ができたら、SN5の単一のRaptorエンジンを使用して複数の静的火災テストが実行される可能性があります。必要な静的火災の正確な数は確認されておらず、テスト結果に基づいて異なる可能性があります。」

飛ぶのは、これらのエンジンテストが無事に終了してからだし、それらが「無事に」クリアされる保証はない。

材料の問題(301鋼のまま)は別としても、SN5(SN6)に隠れた瑕疵が見つかるのはこれからだ。

エンジン自体の問題も、完全にクリアーになっているのかどうかは分からない(未確認)。

ここから先は、すべて「タラレバ」の話だ。

「すべてがSN5でうまくいけば、SN6はそのテストキャンペーンのフェアリングを受け取る最初のスターシッププロトタイプになる可能性があります。」

「フェアリングの追加により、SN6はより高い高度のテスト飛行を行うことができます。」

この辺りになると、もう完全に獲らぬ狸状態だからな。

浮沈子は、年内に1mm以上飛行する可能性は限りなくゼロに近いと考えている。

材料テスト用だったSN7は別としても、SN8やSN9が作られ(304L合金製?)、地上に括り付けられたままの状態でエンジンテストが繰り返され、そのうちのいくつかが火だるまになって吹っ飛んで、ようやく150mの飛行試験に至るんだろう。

1基のエンジンでテストを繰り返し、3基に増やして燃やしてみては爆発、墜落を繰り返す。

燃焼制御が上手くいけば、ようやく高高度試験飛行が始まるわけだが、機体周りの本格的な開発は、そこから始まると考えた方がいい。

熱的、機械的強度、大気圏外からの超高速での突入、高度なマニューバリングを支える翼の動的制御のノウハウの開発はそれ以降の重要な課題だ。

そんなもんに成功した機体は、皆無だからな。

10年でものになれば、NASAもびっくりの快挙だ。

どんだけの試験機が消耗されるかを考えれば、その間、再使用せずに使い捨てにした方がコスト的には少なくて済むほどになるだろう。

もっとも、商売上手なS社のことだからな。

スターシップ部分は、最初のうちは使い捨てにするかも知れない(ここ、重要です)。

衛星を打ち上げた後に、再突入試験を繰り返すという、いつか来た道なわけだ。

ちょうど、ファルコン9の1段目の回収を実現した時のようにな。

金を稼ぎながら、同時に実験開発を繰り返す。

スーパーヘビーは、図体がデカいだけで(そこも大変なんでしょうが)、特に新たな要素技術を投入しなければならないという話じゃない。

スターシップの運用上のコアな技術である軌道上の給油とかも関係ないしな(浮沈子的には、それがネックになりかねないと見ている)。

まあ、どうでもいいんですが。

最悪、スターシップの再使用がとん挫したとしても、現行のファルコンシリーズを置き換えて運用することは可能だ。

1段目のスーパーヘビーだけ回収して、2段目は捨てる。

軌道上給油が成功すれば、SLSもびっくりの輸送能力を獲得することになる。

工夫次第では、有人飛行にだって使える(カーゴベイに再突入カプセルを積んでいけばいいんだからな)。

ダッサ・・・。

まあいい。

スターシップは、複雑怪奇な運用じゃなくて、単なるデカい2段目としての開発が出来れば使い始めることができる。

スターリンク衛星を400機上げたり、月面基地の建設にも使える(重力小さいからな)。

弾道飛行して、低速での再突入までこぎつけることさえできれば、大陸間弾道旅客機として稼ぐことも可能だ。

軌道速度からの再突入、さらにそこから先の複雑なマニューバリングと巨大重力惑星(地球や火星)へのパワードランディングは宿題に出来る。

数百トンの巨体を時速数万キロで大気圏に突入させ、機体の健全性を保ったまま回収するというのはベラボーな話だ(スペースシャトルが、如何にずば抜けた存在だったかを思い知るな)。

一朝一夕にはできない。

そこは先送りして、とりあえず使い捨てで運用を開始する。

1回だけ回収できればいいというところまで持ち込めれば、さらに使い方は広がる。

使い捨てだが、軌道上からとてつもない量の物資を回収できることになる。

ハッブル宇宙望遠鏡を丸ごと回収することだって可能だ(たぶん)。

向きだけ変えて使っている光学スパイ衛星だって、軌道から持ち帰って修理したりすることも出来るようになる。

敵のスパイ衛星を鹵獲したりすることさえできるかもしれない(非協力的回収が可能かどうかは不明)。

軌道からのお持ち帰りが1回きりだったとしても、その効果は絶大だ。

スペースシャトルとの違いは、軌道上給油による運用高度の違いだからな。

シャトルは、せいぜい数百kmが限界だったが、スターシップなら火星軌道くらいまでは何とかなるかも知れない。

今年打ち上げられるパーセベランスが拾ってきたサンプルを、火星軌道上から回収するのは、ESAではなくスターシップになる可能性だってある(10年くらい掛ければ何とかなるでしょう?)。

最悪でも、再突入カプセル積んで行って、そのなかに回収して再突入させればいい(意味ねー・・・)。

さて、宵越しで書いてきたヨタ記事だが、言いたいことはただ一つ。

年内の打ち上げはない。

しかし、再突入させられなくても、上げることさえできれば使い捨て上段としての運用にはこぎつけられる。

軌道速度からの繰り返し回収という最終目標までの複数の中間のバリエーションの中で、様々な運用が可能になり、それを実施して稼ぎながら開発を継続することも可能だ。

スターシップの使い捨て運用の開始は、意外に早いかもしれない。

ステンレス製の使い捨て上段という点だけで見れば、もちろん、セントールロケットでの長年の実績があるしな。

決してゼロからの開発ではないのだ。

単にデカくしただけの話だ(そうなのかあ?)。

吹っ飛び続けるSNシリーズが2桁になり、3桁になる頃には、実機が登場することになる(たぶん)。

(まーたぶっ壊したのかあ?:という絶好のタイミングでスターシップ(用タンク?)のまとめを読む)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/06/25/9261471

「ぶっ壊れても、ニュース価値が乏しいスターシッププロトタイプ(プロト「タンク」?)。」

「タンクを含めて原形をとどめているのはSN7を含めて10基(機:スターホッパーは飛んだからな:タンクは2基とカウント)中2基(機)だけだ(SN2とスターホッパーだけ)。」

実機が上がるようになっても、実質的には破壊試験(再突入時)が続いているようなもんだ。

2段目を使い捨てにしながら、開発を継続する。

その間も、巨大打ち上げロケットとして稼ぎ続けることができる。

航空機のような継続運用は、21世紀後半になってからだろうな。

人間を乗せて飛ばせるようになるまでには、相当の紆余曲折が予想される。

3桁の使い捨てで収まるかどうか。

スターシップは、火星移民船としての使い方が想定されていると言われる。

断言しておこう。

そんな使い方では、21世紀中には決して飛ばない。

浮沈子は、ステンレス製の機体に変更した真の理由は、使い捨てロケットにした際の材料コストの低減を見据えているからだと見ている。

ラプターエンジンの構成だって、ひょっとしたら3基のまま運用に突入するかもしれない(ミッションによっては1基?)。

使い捨てにするエンジンは、少ない方がいいからな。

夢と現実とのギャップは、果てしなく広い。

実機サイズのスターシッププロトタンク(!)は、長時間燃焼試験さえ実施されてはいないのだ。

もちろん、1mmも上がってはいない。

給水塔タイプの寸詰まりのタンクでさえ、たった150mだからな。

今、火星は約6千万kmの彼方を通り過ぎようとしている(距離にしてざっと4億倍!)。

(2020年秋は、赤く輝く火星に注目!)
https://www.nao.ac.jp/astro/feature/mars2020/

「今回の火星と地球の最接近は、2020年10月6日に起こります。このときの火星と地球の間の距離は約6207万キロメートル」(距離は地心距離だそうです:表面からでも1万km弱しか違わない:地球6380km弱+火星3400km弱:いずれも赤道半径)

その差を埋めることは、果たして可能なのか。

不可能ではないにしても、誰かさんの思惑より時間がかかることだけは間違いない・・・。

米国の死者数が24万人を超える日:問題は、その先に何があるのかだがな2020年07月12日 06:58

米国の死者数が24万人を超える日:問題は、その先に何があるのかだがな
米国の死者数が24万人を超える日:問題は、その先に何があるのかだがな


3か月前、米国の死者数はようやく3千人を超えたばかりだった。

その頃、政府当局が想定していた死者数の最大規模が24万人だったという報道がある。

(トランプ氏「苦しい2週間に」 米の死者24万人の恐れも)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57497270R00C20A4000000/

「米国内で最終的に10万~24万人の死者が出る可能性を指摘」

その後、紆余曲折を経て、米国の死者数は13万人に達している。

CDCは、8月1には14万人から16万人になるとしているが、その後どうなるかは分からない。

集団免疫が成立するかどうかが危ぶまれている状況の中で、感染を繰り返すことになれば死者数を予測することすら意味をなさなくなる。

ウイルスが弱毒化するか、人類が何らかの共存の手段を得るまで、一定割合の死者が出続けることになるからな。

突出して増加している西部や南部の特定の州(加州、フロリダ、テキサスなど)だけではなく、全米でジワリと感染者は増え続けている。

ほぼ終息したとされるNYやNJだって、感染者爆増と大騒ぎしている東京都(ここ3日くらい、200人超)に比べても多い感染者を出し続けている。

最近一週間で注目されるのは、全米の新規死者数が減少から増加に転じたことだ。

3か月前に想定されていた最終的な死者数である24万人という数字が、現実のものとして浮かび上がってくる。

もちろん、それでおしまいになるわけではない。

米国では、ざっくり1日1万人が何らかの理由で死んでいる。

集団免疫が成立せず、弱毒化もしない場合、その1割(1日千人)が新型コロナによるものだとすれば、年間で36万人を計上することになる(テキトーです)。

まあ、季節性インフルエンザで死なないで新型コロナで死ぬ人もいるだろうから、いってこいの部分もあるには違いない。

24万人というのは、今年に限った少なめの数字ということになる(流行初期だからな)。

実際はどうなんだろうか?。

我が国では、死者は累計で千人程度と激少に留まっている。

42万人の死者を予測した数理疫学の専門家もいたけど、集団免疫不成立で弱毒化がなければ、そんなもんでは収まるわけがないのだ。

我が国では、年間140万人弱が死んでいる。

(令和元年(2019) 人口動態統計の年間推計)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei19/dl/2019suikei.pdf

「死亡:1376000」(推計値)

米国の試算と同様に、その1割が新型コロナによるものとすると、42万人にはたったの3年間で到達してしまう。

10年経てば140万人になるのだ。

それまでに、自然免疫で獲得できなかった耐性を得ることができるスーパーワクチンとか、罹ったかなと思ったら飲めば治るスーパー特効薬が出来ない限り、それが現実の数字になるのだ。

繰り返して確認しておこう。

3か月前、米国の死者は3千人だった。

今、13万人を超え、24万人に向かって増加を続けている。

その先にあるのは、一定の死亡率の中に埋もれる恒久的な死者数だ(米国の場合、10年で360万人?:テキトーです)。

もはや、感染者数を追うことには、何の意味もないのかも知れない。

全米の新規確認感染者数は6万人を超えて増え続けている。

ファウチは10万人になっても驚かないとうそぶいているが、その増加はいつか止まる。

全国民に蔓延すれば、1日1万人程度になる(出生者数と同じ)。

人類はいやおうなく、新型コロナと共存するようになる。

それは、文字通り、時間の問題なのだ。

10年後か、100年後かは知らない。

全世界から袋叩きにあっているスウェーデンやブラジルだが、辿り着くのは同じところだ。

問題は、収束(終息ではない)点に至るまでの経過だな。

医療崩壊して、死なんでもいい人まで死んじまうのか、経済崩壊して自殺者多発で死んじまうのか。

ドスンとハードランディングするのか、じわじわとソフトランディングするのか。

幸い、若い年代でこの病気で死ぬ人は少ないとされている。

人類の脅威ではない(たぶん)。

その意味では、経済崩壊で生産年齢層がダメージを受けるよりも、高齢者が感染して死亡する方が社会全体としてはメリットがある。

その点では、スウェーデンは上手くいっているともいえる。

ゲームチェンジャー(スーパーワクチンと特効薬)が現れない限り、収束点へのプロセスの違いで勝負するしかない。

集団免疫という甘美な幻想は捨てて、新型コロナと共存するライフスタイル(死に方?)を真剣に考えた方がよさそうだな・・・。