ロケットは頭の中に:3Dプリンターで作る使い捨てロケットは再使用の夢を見るか? ― 2020年07月13日 09:44
ロケットは頭の中に:3Dプリンターで作る使い捨てロケットは再使用の夢を見るか?
イリジウムが契約をしたというので大注目になった記事は読んだ。
(イリジウムの発売を最大6回まで相対性理論で予約、ヴァンデンバーグパッドの計画を明らかに)
https://spaceflightnow.com/2020/06/24/relativity-books-up-to-six-launches-for-iridium-announces-plans-for-vandenberg-pad/
「相対性理論によると、Terran 1ロケットの95%が3Dプリントされる予定」
「Terran 1ロケットの高さは約115フィート(35メートル)で、最大2,755ポンド(1,250キログラム)の貨物を低高度の軌道に運ぶことができます。」
「各イリジウムNEXT衛星の重量は、約1,896ポンド(860キログラム)」
「イリジウムは、テララン1のミッションごとに1,200万ドルという相対性理論の宣伝された発射価格よりも低い「良い価格」を得たと語った。」
まだ打ち上げられてもいないロケットに、過剰な期待をしているのではないか。
そう思って放置していたんだが、鳥嶋さんの記事を読んで考え直した。
(ロケットを丸ごと3Dプリントする米ベンチャー、イリジウムから打ち上げ受注)
https://news.mynavi.jp/article/20200706-1113379/
「部品数を従来のロケットの約100分の1にするとともに、製造にかかる人員や工具も大幅に減らすことができ、低コスト化を図っている。また、品質向上も図れるとともに、製造にかかる時間も従来の約10分の1にまで短縮。」
彼らが目指しているのは、単にコスト削減ではない。
ロケット製造(開発含めて)における革命なのだと気付いた。
そのことを裏付ける以前の記事も見つけた。
(巨大な3Dプリンターを搭載したロケットを製造する新興企業は、3500万ドルの資金を獲得しました)
https://www.cnbc.com/2018/03/27/relativity-space-series-b-round-3-d-printing-rockets-gets-35-million.html
「3D印刷の利点の1つは、テスト、データの収集、新しいバージョンの印刷、および数か月ではなく数週間での再テストができることです」
3Dプリンターによる製造というのは、おそらく表層に見えている形に過ぎない。
製造コストや打ち上げ価格についても、ファルコン9でまとめて打ち上げる価格に対抗できるとは思えないしな。
年に3回打ち上げる相乗り打上げ極軌道のスケジュールに合わせた方が、割安になるに決まっている。
3Dプリンターを使って毎回その都度製造できるメリットは、改良や変更を直ちに取り入れられる点にある。
開発中の使い捨てロケットには向いているともいえる。
しかし、安定して飛行できるようになれば、そのメリットは失われる。
製造品質の安定と部品点数の削減によるコストの低減や製造期間の短縮にしかならない(それでも、十分過ぎるメリットはあるけどな)。
その安定版ロケットを、再使用化したらどうなるんだろうな。
鬼に金棒か。
もちろん、現在のサイズでパワードランディングさせて1段目2段目もろとも回収するわけにはいかないだろう。
そこに拘って性能を犠牲にすることはない。
サイズアップしてチャレンジするしかない。
物理の神様は公平だからな。
しかし、頭の中にあるロケットをコンピューターの助けを借りて3Dプリンターで製造して飛ばすというのは新しいアプローチだ。
スターシップがブリキ細工(ブリキではありませんが)でシコシコと組み上げ、設計や製造の瑕疵で吹っ飛んでいるのを見ると、彼我の差に愕然とする。
もちろん、テラン1だって、そういう限界を知るための破壊検査は行うことになるかも知れないが、その修正は遥かにスマートに行われるに違いない(たぶん)。
端末からパラメーターの数字をちょろっと入れ替えておしまい・・・。
後は、3Dプリンターが良きに計らってくれる。
そういう時代になったのかも知れないし、航空機や船舶、それこそ自動車だってそうやって作られることになるかも知れない。
多品種少量生産向き限定だった製造方法が、どこかで板金プレスに取って代わる時が来る。
スターシップが毎週1機作られる時代になれば、ひょっとして3Dプリンターが大活躍しているかもしれないしな。
レラティビティ・スペースが再使用ロケットを作るのが先か、スペースXが3Dプリンターでスターシップを作るのが先か。
ロケットの時代は、すぐそこに来ている。
まあ、そういわれ続けて半世紀たっちまったしな。
当てにはならない。
しかし、今度こそ本物の予感がする。
再使用と3Dプリンターのコラボだ。
100万点の部品を人間の手で組み上げる時代は終わった。
10万点の統合化された部品をロボットの助けを借りて組み上げ、コンピューターで制御しながら飛ばす時代になった。
これからは、1000点の部品をロボットだけで組み上げて、そのまま発射台に据え付けることになるんだろう。
電装品の配線だって、初めから作り込まれているに違いない(未確認)。
テラン1の初号機は来年飛ぶらしいが、その一見何の変哲もない打ち上げは、ファルコン9の第一段目がパワードランディングしたのと同じように、時代を画する打ち上げになるに違いない。
有象無象のミニロケット会社(IST含む?)とは異なる、本物の匂いがする。
無事に飛んだらめっけもんだな・・・。
イリジウムが契約をしたというので大注目になった記事は読んだ。
(イリジウムの発売を最大6回まで相対性理論で予約、ヴァンデンバーグパッドの計画を明らかに)
https://spaceflightnow.com/2020/06/24/relativity-books-up-to-six-launches-for-iridium-announces-plans-for-vandenberg-pad/
「相対性理論によると、Terran 1ロケットの95%が3Dプリントされる予定」
「Terran 1ロケットの高さは約115フィート(35メートル)で、最大2,755ポンド(1,250キログラム)の貨物を低高度の軌道に運ぶことができます。」
「各イリジウムNEXT衛星の重量は、約1,896ポンド(860キログラム)」
「イリジウムは、テララン1のミッションごとに1,200万ドルという相対性理論の宣伝された発射価格よりも低い「良い価格」を得たと語った。」
まだ打ち上げられてもいないロケットに、過剰な期待をしているのではないか。
そう思って放置していたんだが、鳥嶋さんの記事を読んで考え直した。
(ロケットを丸ごと3Dプリントする米ベンチャー、イリジウムから打ち上げ受注)
https://news.mynavi.jp/article/20200706-1113379/
「部品数を従来のロケットの約100分の1にするとともに、製造にかかる人員や工具も大幅に減らすことができ、低コスト化を図っている。また、品質向上も図れるとともに、製造にかかる時間も従来の約10分の1にまで短縮。」
彼らが目指しているのは、単にコスト削減ではない。
ロケット製造(開発含めて)における革命なのだと気付いた。
そのことを裏付ける以前の記事も見つけた。
(巨大な3Dプリンターを搭載したロケットを製造する新興企業は、3500万ドルの資金を獲得しました)
https://www.cnbc.com/2018/03/27/relativity-space-series-b-round-3-d-printing-rockets-gets-35-million.html
「3D印刷の利点の1つは、テスト、データの収集、新しいバージョンの印刷、および数か月ではなく数週間での再テストができることです」
3Dプリンターによる製造というのは、おそらく表層に見えている形に過ぎない。
製造コストや打ち上げ価格についても、ファルコン9でまとめて打ち上げる価格に対抗できるとは思えないしな。
年に3回打ち上げる相乗り打上げ極軌道のスケジュールに合わせた方が、割安になるに決まっている。
3Dプリンターを使って毎回その都度製造できるメリットは、改良や変更を直ちに取り入れられる点にある。
開発中の使い捨てロケットには向いているともいえる。
しかし、安定して飛行できるようになれば、そのメリットは失われる。
製造品質の安定と部品点数の削減によるコストの低減や製造期間の短縮にしかならない(それでも、十分過ぎるメリットはあるけどな)。
その安定版ロケットを、再使用化したらどうなるんだろうな。
鬼に金棒か。
もちろん、現在のサイズでパワードランディングさせて1段目2段目もろとも回収するわけにはいかないだろう。
そこに拘って性能を犠牲にすることはない。
サイズアップしてチャレンジするしかない。
物理の神様は公平だからな。
しかし、頭の中にあるロケットをコンピューターの助けを借りて3Dプリンターで製造して飛ばすというのは新しいアプローチだ。
スターシップがブリキ細工(ブリキではありませんが)でシコシコと組み上げ、設計や製造の瑕疵で吹っ飛んでいるのを見ると、彼我の差に愕然とする。
もちろん、テラン1だって、そういう限界を知るための破壊検査は行うことになるかも知れないが、その修正は遥かにスマートに行われるに違いない(たぶん)。
端末からパラメーターの数字をちょろっと入れ替えておしまい・・・。
後は、3Dプリンターが良きに計らってくれる。
そういう時代になったのかも知れないし、航空機や船舶、それこそ自動車だってそうやって作られることになるかも知れない。
多品種少量生産向き限定だった製造方法が、どこかで板金プレスに取って代わる時が来る。
スターシップが毎週1機作られる時代になれば、ひょっとして3Dプリンターが大活躍しているかもしれないしな。
レラティビティ・スペースが再使用ロケットを作るのが先か、スペースXが3Dプリンターでスターシップを作るのが先か。
ロケットの時代は、すぐそこに来ている。
まあ、そういわれ続けて半世紀たっちまったしな。
当てにはならない。
しかし、今度こそ本物の予感がする。
再使用と3Dプリンターのコラボだ。
100万点の部品を人間の手で組み上げる時代は終わった。
10万点の統合化された部品をロボットの助けを借りて組み上げ、コンピューターで制御しながら飛ばす時代になった。
これからは、1000点の部品をロボットだけで組み上げて、そのまま発射台に据え付けることになるんだろう。
電装品の配線だって、初めから作り込まれているに違いない(未確認)。
テラン1の初号機は来年飛ぶらしいが、その一見何の変哲もない打ち上げは、ファルコン9の第一段目がパワードランディングしたのと同じように、時代を画する打ち上げになるに違いない。
有象無象のミニロケット会社(IST含む?)とは異なる、本物の匂いがする。
無事に飛んだらめっけもんだな・・・。
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