有人宇宙飛行を金儲けの手段とするのは時期尚早なのか ― 2020年08月20日 11:14
有人宇宙飛行を金儲けの手段とするのは時期尚早なのか
航空機の黎明期、大空を飛び回るのは冒険だった。
リンドバーグが単独で大西洋横断してから、まだ100年経っていない。
(チャールズ・リンドバーグ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0
「1927年に「スピリット・オブ・セントルイス」と名づけた単葉単発単座のプロペラ機でニューヨーク・パリ間を飛び、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功。」
93年ということになる。
「単独でない大西洋無着陸飛行については、1919年にジョン・オールコックとアーサー・ブラウンが達成している。」
単独でなければ101年ということか。
まあいい。
商業宇宙旅行は、ソユーズ宇宙船によって既に始まっているが、ロシアのロケット会社がそれで飯を食っているわけではない(未確認:多少は足しになっているかも)。
スペースXのクルードラゴンの成功を受けて、2本の記事が上がっている。
(SpaceXのクルードラゴンが宇宙旅行の新時代を開始)
https://www.elonx.cz/crew-dragon-spolecnosti-spacex-odstartuje-novou-eru-turistickych-letu-do-vesmiru/
「スペースアドベンチャーズでスタートを切った7人の宇宙旅行者」
デニスチトーを初め、既に7人が宇宙旅行を楽しんだ。
我が国の秋山豊寛(当時TBS社員)は、一応、仕事ということだから物見遊山ではない(そうだったのかあ?)。
本人は、既に78歳と高齢である(感慨深いな・・・)。
スペースXは、クルードラゴンに乗客を乗せて、自動飛行させてISSより高い軌道に行ったり、ISSにドッキングしてプロの宇宙飛行士の仕事の邪魔しに行ったりするようだ(トム・クルーズが映画の撮影もするんだってさ!)。
まあ、どうでもいいんですが。
こういう楽観的な状況に対して、そんなもんじゃないだろうという意見もある。
(ドラゴン宇宙船は人間を月まで飛ばせるだろうか?それは複雑です)
https://arstechnica.com/science/2020/08/could-a-dragon-spacecraft-fly-humans-to-the-moon-its-complicated/
「オクラホマ州のケンドラ・ホーンやテキサス州のエディ・バーニス・ジョンソンを含む一部の下院民主党は、商業会社が人間の着陸システムを構築することを許可されるべきではないと主張しました。」
月面着陸の文脈だが、米国においてさえ宇宙開発は未だに国家事業だ。
スペースXだって、ドラゴン貨物船の契約がなければ、ここまで成長できたかどうかは疑問だ。
衛星を飛ばして通信や地球観測で儲けている会社はあるかも知れないが、有人飛行で商業的に継続している話はない(未確認)。
弾道飛行が宇宙旅行かどうかは、大いに疑問があるけどな(カーマンラインより高いか低いかは、あまり問題にはならないだろう)。
S社は、スターシップで宇宙旅行を大々的に展開するつもりのようだが、そんなことは今は与太話の域を出ない(2020年代には無理でしょう)。
浮沈子的に気になっているのは、スターシップが大気圏再突入時の断熱圧縮による高温から機体を保護するのに、結局、耐熱タイルに依存することにした点だな。
(SpaceXは、ロボットと共に軌道Starship熱シールドプロトタイプをインストールします)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-heat-shield-prototype-robots/
「SpaceXは、先月納入されたロボットの助けを借りて、大規模なStarshipヒートシールドの取り付けテストを開始しました。」
耐熱タイルと言えば、スペースシャトルを廃止に追い込んだ元凶だからな。
スプレー缶(SN5などのプロトタイプ)に数枚貼り付けてテストするというのとはわけが違う。
ロボットが貼り付けるとしても、それを検査してGOサインを出すのは人間だし、むき出しのままで打ち上げられる点ではX-37Bやドリームチェイサーなどとも異なる(両者はいずれも打ち上げ時にはフェアリングに格納されている)。
手作業での貼り付け部分も残るようだしな。
いつか来た道に、再び踏み込もうとしているように思えてならない。
有翼機による大気圏再突入と、耐熱タイルによる熱保護は、繰り返し模索されてきた。
X-37Bは、打ち上げ時の損傷を避け、良好な運用実績を上げている(再突入は2機合わせても6回ですけど)。
ステンレスの表面に液体を吹き付けて気化熱で冷却する仕掛けも模索されているようだが、初物の上に、うまく機能するかどうかは未知数だ。
人命を預かる仕掛けに不安を抱え、運用実績乏しく、いつ爆発してもおかしくないロケットを頼りに宇宙旅行を考えるというのは無理がある。
弾道飛行はともかくも、地球低軌道でさえ十分とは言えない。
弾道飛行は、宇宙空間に飛び出したとしても、確実に地上に戻ってこられる保証があるからな(第一宇宙速度未満)。
大気の濃いところに戻るにしても、致命的な発熱を伴う軌道には打ち上げないだろうしな(大陸間弾道弾は別ですが:高度数千km、再突入速度マッハ20で弾頭が溶けます)。
断熱の問題だけではない。
長期間の宇宙旅行ということになれば、当然、放射線とか無重力の影響を考慮しなければならない。
人体への影響は免れない。
基本的に、ロケット自体の信頼性(いつ、ドカンといくか分からんしな)も付きまとう。
アルステクニカの記事では、ファルコンヘビーを有人適用にすることの困難さについても触れられている。
物見遊山の宇宙旅行で、そういうリスクは取れないだろう。
従来と同じく、使い道に困る金を持っていて、地上の楽しみを求め尽くした好事家の道楽の域を出ないだろう(弾道飛行除く)。
その機会が、1桁から2桁、せいぜい3桁前半に拡大したとしても、世界は変わらない。
月面着陸(月面基地)とか火星移民は、現時点では与太話だ。
月軌道まで行って、月を回って帰ってくる程度が限界ではないか(宇宙旅行として)。
それだって、冒険というよりは暴挙に近い。
アポロが飛んだ1960年と現代で、物理的に大きく変わった話は何もない。
メカトロニクスが進展して、機械の制御が上手く出来るようになっただけの話で、機械の絶対性能が飛躍的に向上したわけではない。
宇宙開発は相変わらず国家事業だし、民間の参入は限られた部分だけだ。
与太話に踊らされて、宇宙旅行の夢を見るのは構わないが、お盆休みに帰省するのとはわけが違う。
庶民とは無縁の、雲の上の話に過ぎない。
ああ、宇宙旅行だから、雲の上には違いないか・・・。
<以下追加>----------
(スペースXの火星行き巨大宇宙船「スターシップ」、試作機が初飛行に成功)
https://news.mynavi.jp/article/20200819-1234680/
「早ければ2021年にも無人での宇宙飛行を、そして2023年に有人月飛行の実施を目指す。」
「今後の高高度への飛行や宇宙飛行、大気圏再突入などは、これまでの試験よりさらにハードルが高く、順調に進むかどうかは未知数」
「今回の飛行試験の成功はひとつの一里塚を超えたにすぎず、道のりはまだ長い。」
宇宙開発の歴史に造詣が深く、スペースXの特異なスケジュール感も熟知している鳥嶋さんの記事を読むと、ホッとする気がするな。
月着陸船がスターシップのバリエーションの一つとして構想されている件については、NASA長官のコメントを引用している。
「他社の提案とはまったく異なるソリューションだが、ゲーム・チェンジャーとなる可能性がある。私たちはその可能性を軽視したくない」
浮沈子的に言い換えれば、「実現の見込みは全くないが、万が一の奇跡に期待して博打を打ってもいいじゃんか」ということになる。
NASAはお役所で、米国民が納めた税金の使い道を決めるところだ。
金の使い道を決めるということは、政治的には、国民の期待を代弁する機能でもある。
スターシップは、そういう夢を見させてくれる米国的アイドルなわけだ。
地球低軌道に特化したクルードラゴンや無人貨物輸送限定のファルコンヘビーでは、夢は描けないからな。
ある意味、ものの分かった長官の配慮ということなのかもしれない。
トランプ政権は、天変地異でも起こらなければ今年で終わる。
月面着陸に関心の薄い民主党が政権を奪還すれば、アルテミスなど消し飛んでしまうだろう。
B社のSLSが再び前面に出てきて、長く金の掛る有人宇宙開発の歴史に戻る。
巨大貨物ロケットとしてのスターシップはある程度(2段目が再使用可能になるかどうかは別にして)実現するかもしれないが、有人で飛ぶのは相当先の話(2030年代以降)になる公算が高い。
それでも、スターリンクを一度に400機上げられ、1段目のスーパーヘビーブースターの殆どを再使用できればめっけもんだ。
2段目の回収が1度でも成功すれば、画期的な出来事に違いない。
実運用で回収率50パーセントとしても、十分採算が取れるだろう(フェアリングと同じくらいか)。
アルテミス計画は無期延期、ISSタクシーの片割れであるスターライナーの行く末も怪しい。
まあ、こっちは実現する可能性はあるけどな(年内にも打ち上げられる無人飛行に期待か)。
ブルーオリジンのニューグレンは影も形もなく、ノースロップグラマンのオメガロケットも消えた(そうなのかあ?)。
ULAのバルカンロケットだって、いつ上がるかは分からない(来年予定:エンジンはなんとか供給されるようです)。
しかし、それらは全て無人の貨物打ち上げだ(スターライナーや将来のドリームチェイサー(有人バージョン)が継続すれば、バルカンロケットは有人対応する予定)。
ロシアや中国のロケット以外で有人で飛んでいるのはファルコン9だけ。
SLSはいつ上がるか分からんし(たぶん2022年以降)、オリオン宇宙船は倉庫の中で腐っていくだけだ(そんなあ!)。
夢は夢、現実は現実。
SN6が期待通りに飛び上がる保証はない。
つーか、ラプターエンジンの隠れた瑕疵のせいで、空中爆発する可能性さえある(SN5では、炎が出てたしな)。
有人宇宙飛行で、来年具体的な出来事があるとすれば、スターライナーか中国の新型カプセルに宇宙飛行士が乗るくらいだろう。
(中国、新型有人宇宙船の試験飛行に成功 - 有人月探査へ向けた新たな一歩)
https://news.mynavi.jp/article/20200520-1039076/
「最大の特徴は、月への有人飛行を可能としているところ」
「有人での試験飛行の予定など、今後の開発・試験計画については不明である。」
中国の新型宇宙船に人を乗せるのは、少し先の話のようだな・・・。
航空機の黎明期、大空を飛び回るのは冒険だった。
リンドバーグが単独で大西洋横断してから、まだ100年経っていない。
(チャールズ・リンドバーグ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0
「1927年に「スピリット・オブ・セントルイス」と名づけた単葉単発単座のプロペラ機でニューヨーク・パリ間を飛び、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功。」
93年ということになる。
「単独でない大西洋無着陸飛行については、1919年にジョン・オールコックとアーサー・ブラウンが達成している。」
単独でなければ101年ということか。
まあいい。
商業宇宙旅行は、ソユーズ宇宙船によって既に始まっているが、ロシアのロケット会社がそれで飯を食っているわけではない(未確認:多少は足しになっているかも)。
スペースXのクルードラゴンの成功を受けて、2本の記事が上がっている。
(SpaceXのクルードラゴンが宇宙旅行の新時代を開始)
https://www.elonx.cz/crew-dragon-spolecnosti-spacex-odstartuje-novou-eru-turistickych-letu-do-vesmiru/
「スペースアドベンチャーズでスタートを切った7人の宇宙旅行者」
デニスチトーを初め、既に7人が宇宙旅行を楽しんだ。
我が国の秋山豊寛(当時TBS社員)は、一応、仕事ということだから物見遊山ではない(そうだったのかあ?)。
本人は、既に78歳と高齢である(感慨深いな・・・)。
スペースXは、クルードラゴンに乗客を乗せて、自動飛行させてISSより高い軌道に行ったり、ISSにドッキングしてプロの宇宙飛行士の仕事の邪魔しに行ったりするようだ(トム・クルーズが映画の撮影もするんだってさ!)。
まあ、どうでもいいんですが。
こういう楽観的な状況に対して、そんなもんじゃないだろうという意見もある。
(ドラゴン宇宙船は人間を月まで飛ばせるだろうか?それは複雑です)
https://arstechnica.com/science/2020/08/could-a-dragon-spacecraft-fly-humans-to-the-moon-its-complicated/
「オクラホマ州のケンドラ・ホーンやテキサス州のエディ・バーニス・ジョンソンを含む一部の下院民主党は、商業会社が人間の着陸システムを構築することを許可されるべきではないと主張しました。」
月面着陸の文脈だが、米国においてさえ宇宙開発は未だに国家事業だ。
スペースXだって、ドラゴン貨物船の契約がなければ、ここまで成長できたかどうかは疑問だ。
衛星を飛ばして通信や地球観測で儲けている会社はあるかも知れないが、有人飛行で商業的に継続している話はない(未確認)。
弾道飛行が宇宙旅行かどうかは、大いに疑問があるけどな(カーマンラインより高いか低いかは、あまり問題にはならないだろう)。
S社は、スターシップで宇宙旅行を大々的に展開するつもりのようだが、そんなことは今は与太話の域を出ない(2020年代には無理でしょう)。
浮沈子的に気になっているのは、スターシップが大気圏再突入時の断熱圧縮による高温から機体を保護するのに、結局、耐熱タイルに依存することにした点だな。
(SpaceXは、ロボットと共に軌道Starship熱シールドプロトタイプをインストールします)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-heat-shield-prototype-robots/
「SpaceXは、先月納入されたロボットの助けを借りて、大規模なStarshipヒートシールドの取り付けテストを開始しました。」
耐熱タイルと言えば、スペースシャトルを廃止に追い込んだ元凶だからな。
スプレー缶(SN5などのプロトタイプ)に数枚貼り付けてテストするというのとはわけが違う。
ロボットが貼り付けるとしても、それを検査してGOサインを出すのは人間だし、むき出しのままで打ち上げられる点ではX-37Bやドリームチェイサーなどとも異なる(両者はいずれも打ち上げ時にはフェアリングに格納されている)。
手作業での貼り付け部分も残るようだしな。
いつか来た道に、再び踏み込もうとしているように思えてならない。
有翼機による大気圏再突入と、耐熱タイルによる熱保護は、繰り返し模索されてきた。
X-37Bは、打ち上げ時の損傷を避け、良好な運用実績を上げている(再突入は2機合わせても6回ですけど)。
ステンレスの表面に液体を吹き付けて気化熱で冷却する仕掛けも模索されているようだが、初物の上に、うまく機能するかどうかは未知数だ。
人命を預かる仕掛けに不安を抱え、運用実績乏しく、いつ爆発してもおかしくないロケットを頼りに宇宙旅行を考えるというのは無理がある。
弾道飛行はともかくも、地球低軌道でさえ十分とは言えない。
弾道飛行は、宇宙空間に飛び出したとしても、確実に地上に戻ってこられる保証があるからな(第一宇宙速度未満)。
大気の濃いところに戻るにしても、致命的な発熱を伴う軌道には打ち上げないだろうしな(大陸間弾道弾は別ですが:高度数千km、再突入速度マッハ20で弾頭が溶けます)。
断熱の問題だけではない。
長期間の宇宙旅行ということになれば、当然、放射線とか無重力の影響を考慮しなければならない。
人体への影響は免れない。
基本的に、ロケット自体の信頼性(いつ、ドカンといくか分からんしな)も付きまとう。
アルステクニカの記事では、ファルコンヘビーを有人適用にすることの困難さについても触れられている。
物見遊山の宇宙旅行で、そういうリスクは取れないだろう。
従来と同じく、使い道に困る金を持っていて、地上の楽しみを求め尽くした好事家の道楽の域を出ないだろう(弾道飛行除く)。
その機会が、1桁から2桁、せいぜい3桁前半に拡大したとしても、世界は変わらない。
月面着陸(月面基地)とか火星移民は、現時点では与太話だ。
月軌道まで行って、月を回って帰ってくる程度が限界ではないか(宇宙旅行として)。
それだって、冒険というよりは暴挙に近い。
アポロが飛んだ1960年と現代で、物理的に大きく変わった話は何もない。
メカトロニクスが進展して、機械の制御が上手く出来るようになっただけの話で、機械の絶対性能が飛躍的に向上したわけではない。
宇宙開発は相変わらず国家事業だし、民間の参入は限られた部分だけだ。
与太話に踊らされて、宇宙旅行の夢を見るのは構わないが、お盆休みに帰省するのとはわけが違う。
庶民とは無縁の、雲の上の話に過ぎない。
ああ、宇宙旅行だから、雲の上には違いないか・・・。
<以下追加>----------
(スペースXの火星行き巨大宇宙船「スターシップ」、試作機が初飛行に成功)
https://news.mynavi.jp/article/20200819-1234680/
「早ければ2021年にも無人での宇宙飛行を、そして2023年に有人月飛行の実施を目指す。」
「今後の高高度への飛行や宇宙飛行、大気圏再突入などは、これまでの試験よりさらにハードルが高く、順調に進むかどうかは未知数」
「今回の飛行試験の成功はひとつの一里塚を超えたにすぎず、道のりはまだ長い。」
宇宙開発の歴史に造詣が深く、スペースXの特異なスケジュール感も熟知している鳥嶋さんの記事を読むと、ホッとする気がするな。
月着陸船がスターシップのバリエーションの一つとして構想されている件については、NASA長官のコメントを引用している。
「他社の提案とはまったく異なるソリューションだが、ゲーム・チェンジャーとなる可能性がある。私たちはその可能性を軽視したくない」
浮沈子的に言い換えれば、「実現の見込みは全くないが、万が一の奇跡に期待して博打を打ってもいいじゃんか」ということになる。
NASAはお役所で、米国民が納めた税金の使い道を決めるところだ。
金の使い道を決めるということは、政治的には、国民の期待を代弁する機能でもある。
スターシップは、そういう夢を見させてくれる米国的アイドルなわけだ。
地球低軌道に特化したクルードラゴンや無人貨物輸送限定のファルコンヘビーでは、夢は描けないからな。
ある意味、ものの分かった長官の配慮ということなのかもしれない。
トランプ政権は、天変地異でも起こらなければ今年で終わる。
月面着陸に関心の薄い民主党が政権を奪還すれば、アルテミスなど消し飛んでしまうだろう。
B社のSLSが再び前面に出てきて、長く金の掛る有人宇宙開発の歴史に戻る。
巨大貨物ロケットとしてのスターシップはある程度(2段目が再使用可能になるかどうかは別にして)実現するかもしれないが、有人で飛ぶのは相当先の話(2030年代以降)になる公算が高い。
それでも、スターリンクを一度に400機上げられ、1段目のスーパーヘビーブースターの殆どを再使用できればめっけもんだ。
2段目の回収が1度でも成功すれば、画期的な出来事に違いない。
実運用で回収率50パーセントとしても、十分採算が取れるだろう(フェアリングと同じくらいか)。
アルテミス計画は無期延期、ISSタクシーの片割れであるスターライナーの行く末も怪しい。
まあ、こっちは実現する可能性はあるけどな(年内にも打ち上げられる無人飛行に期待か)。
ブルーオリジンのニューグレンは影も形もなく、ノースロップグラマンのオメガロケットも消えた(そうなのかあ?)。
ULAのバルカンロケットだって、いつ上がるかは分からない(来年予定:エンジンはなんとか供給されるようです)。
しかし、それらは全て無人の貨物打ち上げだ(スターライナーや将来のドリームチェイサー(有人バージョン)が継続すれば、バルカンロケットは有人対応する予定)。
ロシアや中国のロケット以外で有人で飛んでいるのはファルコン9だけ。
SLSはいつ上がるか分からんし(たぶん2022年以降)、オリオン宇宙船は倉庫の中で腐っていくだけだ(そんなあ!)。
夢は夢、現実は現実。
SN6が期待通りに飛び上がる保証はない。
つーか、ラプターエンジンの隠れた瑕疵のせいで、空中爆発する可能性さえある(SN5では、炎が出てたしな)。
有人宇宙飛行で、来年具体的な出来事があるとすれば、スターライナーか中国の新型カプセルに宇宙飛行士が乗るくらいだろう。
(中国、新型有人宇宙船の試験飛行に成功 - 有人月探査へ向けた新たな一歩)
https://news.mynavi.jp/article/20200520-1039076/
「最大の特徴は、月への有人飛行を可能としているところ」
「有人での試験飛行の予定など、今後の開発・試験計画については不明である。」
中国の新型宇宙船に人を乗せるのは、少し先の話のようだな・・・。
今週のスターシップ:BFRは新たな伝説となるのか ― 2020年08月20日 15:46
今週のスターシップ:BFRは新たな伝説となるのか
(スターシップSN6は圧力試験に合格しました。より長い飛行のために2つの本格的なプロトタイプが製造されています。)
https://www.elonx.cz/starship-sn6-uspesne-absolvovala-tlakove-zkousky-ve-vyrobe-jsou-dva-plnohodnotne-prototypy-pro-delsi-lety/
「次のSN6プロトタイプはすでに極低温圧力試験に合格し、独自のRaptorエンジンを受け取っています。」
「8月18日、ラプターSN29(または29番目に製造された部品)がランプに運ばれ、すぐにスターシップSN6に取り付けられました。」
「静的点火とおそらく別の短い飛行がすぐに続くはず」
「発表された閉鎖は、SpaceXがSN6の静的点火を、おそらく8月24日月曜日に実行することを計画」
そうは問屋が卸さないかもしれない。
スターシップの開発は、ほぼ週単位で進んでいく。
今週登場したのは、SN8の控えとして建造されると思しきSN9だ。
「Starship SN8およびSN9のプロトタイプはすでに生産されており、より高い高度に飛ぶでしょう。」
SN9か・・・。
初耳だな。
リンクされている別記事によれば、3機のラプターを搭載予定で304Lステンレス鋼で作られているようだ。
「SN9プロトタイプのパーツはすでにボカチカで見られています。これは、SN8が最初のフライトで生き残れない場合に備えて、本質的にSN8の双子」
ちょうどSN5とSN6のようなものかもしれない。
SN4とかも、ラプターの噴射まではいったから、三つ子だったのかもな。
同じことは、テストタンクであるSN7とSN7.1にも言えるかもしれない。
「SN7.1はSN7に似た別のテストタンク」
「304L鋼で作られ、SN7と比較して、生産の改善が含まれます。」
「破壊されるまで再度テストされる」
破壊されることが前提だから、こっちはそれでいいかもしれないが、5、6とか8、9のセットは、上手くいけば生き残ることができるかもしれない。
あるいは、所期の目的を果たしたのちに、限界を見極めるために破壊テストに曝されるとか(壊してみなけりゃ分からんだろう?)。
まあいい。
記事の末尾には、スーパーヘビーと結合された巨大ロケットBFRの全長が記されている・・・。
「Super Heavyランチャーは最終的には当初の計画よりも2メートル高くなることを明らかにしました。したがって、Starship(50メートル)とSuper Heavy(72メートル)の完全なセットの高さは、想像もできないほどの122メートルになります。」
べらぼーめ・・・。
「これは、アポロ計画のもとで宇宙飛行士を月まで輸送した伝説のサターンVよりも11.4メートル高くなっています。」
巨大ロケットの開発(スターリンクを含む)は、民間資金を調達することにより賄われている。
(SpaceX Starlink、Starshipプログラムが資金調達の目標を打ち砕き、20億ドルを調達)
https://www.teslarati.com/spacex-starlink-starship-2-billion-funding-record/
「SpaceXは現在、StarlinkおよびStarshipプログラムに19億ドル(20億6000万ドルのうち)の新規資金を確保しており、12〜18か月以上の両方の高額な開発プログラムの健全性が保証されています。」(一部修正)
スターリンクプロジェクトには、100億ドルかかると言われているからな。
20億ドルが手付金のような規模であっても驚くには当たらない。
スターシップ(スーパーヘビー含む)にいくらかかるかは、神のみぞ知るだ。
記事にもあるように、スターシップの成功(貨物バージョンまででもいいけど)はスターリンクプロジェクトの命運を握っている。
「数千万の顧客がいる場合、それは真のキャッシュカウになる可能性があり、最大で年間10億ドルの維持費と運用コストで60億ドルを超える収益を生み出します」(キャッシュカウ:「金の生る木」のようなもんか)
絵に描いた餅を食べるには、なんとしてもスターシップの開発を成功させなければならない。
その儲けが、火星移民というろくでもない目的に投入されることになるとしてもだ。
スターシップは、それ自体が火星移民のための宇宙船だが、その成功はスターリンクの成功と繋がっていて、その収益で移民船を建造したり打ち上げたりするわけだからな。
大陸間弾道旅客ロケット構想にしても、スターシップの実現なしには成し得ない。
その儲けもまた、火星移民に消えていく・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
生き馬の目を抜くスターシップロケット開発(SLSとかは、もっと悠長なんだがな)。
サターンVに代わって、新たな伝説となるかどうかは来週(8月24日)予定のスタティックファイアテストに掛かっているのかも知れない(ドッカーン!?)・・・。
(スターシップSN6は圧力試験に合格しました。より長い飛行のために2つの本格的なプロトタイプが製造されています。)
https://www.elonx.cz/starship-sn6-uspesne-absolvovala-tlakove-zkousky-ve-vyrobe-jsou-dva-plnohodnotne-prototypy-pro-delsi-lety/
「次のSN6プロトタイプはすでに極低温圧力試験に合格し、独自のRaptorエンジンを受け取っています。」
「8月18日、ラプターSN29(または29番目に製造された部品)がランプに運ばれ、すぐにスターシップSN6に取り付けられました。」
「静的点火とおそらく別の短い飛行がすぐに続くはず」
「発表された閉鎖は、SpaceXがSN6の静的点火を、おそらく8月24日月曜日に実行することを計画」
そうは問屋が卸さないかもしれない。
スターシップの開発は、ほぼ週単位で進んでいく。
今週登場したのは、SN8の控えとして建造されると思しきSN9だ。
「Starship SN8およびSN9のプロトタイプはすでに生産されており、より高い高度に飛ぶでしょう。」
SN9か・・・。
初耳だな。
リンクされている別記事によれば、3機のラプターを搭載予定で304Lステンレス鋼で作られているようだ。
「SN9プロトタイプのパーツはすでにボカチカで見られています。これは、SN8が最初のフライトで生き残れない場合に備えて、本質的にSN8の双子」
ちょうどSN5とSN6のようなものかもしれない。
SN4とかも、ラプターの噴射まではいったから、三つ子だったのかもな。
同じことは、テストタンクであるSN7とSN7.1にも言えるかもしれない。
「SN7.1はSN7に似た別のテストタンク」
「304L鋼で作られ、SN7と比較して、生産の改善が含まれます。」
「破壊されるまで再度テストされる」
破壊されることが前提だから、こっちはそれでいいかもしれないが、5、6とか8、9のセットは、上手くいけば生き残ることができるかもしれない。
あるいは、所期の目的を果たしたのちに、限界を見極めるために破壊テストに曝されるとか(壊してみなけりゃ分からんだろう?)。
まあいい。
記事の末尾には、スーパーヘビーと結合された巨大ロケットBFRの全長が記されている・・・。
「Super Heavyランチャーは最終的には当初の計画よりも2メートル高くなることを明らかにしました。したがって、Starship(50メートル)とSuper Heavy(72メートル)の完全なセットの高さは、想像もできないほどの122メートルになります。」
べらぼーめ・・・。
「これは、アポロ計画のもとで宇宙飛行士を月まで輸送した伝説のサターンVよりも11.4メートル高くなっています。」
巨大ロケットの開発(スターリンクを含む)は、民間資金を調達することにより賄われている。
(SpaceX Starlink、Starshipプログラムが資金調達の目標を打ち砕き、20億ドルを調達)
https://www.teslarati.com/spacex-starlink-starship-2-billion-funding-record/
「SpaceXは現在、StarlinkおよびStarshipプログラムに19億ドル(20億6000万ドルのうち)の新規資金を確保しており、12〜18か月以上の両方の高額な開発プログラムの健全性が保証されています。」(一部修正)
スターリンクプロジェクトには、100億ドルかかると言われているからな。
20億ドルが手付金のような規模であっても驚くには当たらない。
スターシップ(スーパーヘビー含む)にいくらかかるかは、神のみぞ知るだ。
記事にもあるように、スターシップの成功(貨物バージョンまででもいいけど)はスターリンクプロジェクトの命運を握っている。
「数千万の顧客がいる場合、それは真のキャッシュカウになる可能性があり、最大で年間10億ドルの維持費と運用コストで60億ドルを超える収益を生み出します」(キャッシュカウ:「金の生る木」のようなもんか)
絵に描いた餅を食べるには、なんとしてもスターシップの開発を成功させなければならない。
その儲けが、火星移民というろくでもない目的に投入されることになるとしてもだ。
スターシップは、それ自体が火星移民のための宇宙船だが、その成功はスターリンクの成功と繋がっていて、その収益で移民船を建造したり打ち上げたりするわけだからな。
大陸間弾道旅客ロケット構想にしても、スターシップの実現なしには成し得ない。
その儲けもまた、火星移民に消えていく・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
生き馬の目を抜くスターシップロケット開発(SLSとかは、もっと悠長なんだがな)。
サターンVに代わって、新たな伝説となるかどうかは来週(8月24日)予定のスタティックファイアテストに掛かっているのかも知れない(ドッカーン!?)・・・。
おらが町の新型コロナ:東京都は新型コロナ第2波のピーク越えをしたのか ― 2020年08月20日 22:17
おらが町の新型コロナ:東京都は新型コロナ第2波のピーク越えをしたのか
結論から言えば、まだ分からないというのが正直なところだ。
しかし、新規確認感染者数自体は確実に減少しているし、重症者だって増えてはいるものの第1波の時とは異なる。
検査数自体を抑制していた第1波と異なり、ある程度検査の範囲を広げてきたことが感染者数の増加につながっていることは間違いない。
無症候性キャリアからの感染を公式に認めてこなかった初期の見解は過去のものとなり、今では未発症段階からの隔離(準じる対応を含む)が当たり前になった。
浮沈子は、公表され始めた3月末からの区市町村別感染者の動向を追っているが、先日、7日間合計のグラフをクラッシュさせてしまって、仕方なく合計や話題の新宿区、都内最大の人口を有する世田谷区、浮沈子が棲息する大田区などをプロットし直した。
東京都全体の傾向からは見えない、重箱の隅をつつくようなグラフを見ながら、ああでもないこうでもないと考えるのは楽しい(死の転帰となることもある疾病で楽しむのは不謹慎かもな)。
重症化して苦しんでいる患者さんもいるわけだからな。
まあいい。
で、見えてきたのは、5月中旬以降、一度は終息の気配を見せていた感染者が、6月初旬から徐々に増え始めているということだ。
世間では、新宿区の繁華街(歌舞伎町界隈)が取りざたされているが、グラフの立ち上がりは世田谷区も同時であることが確認できる(①)。
本当のトリガーが何だったのかは不明ということだ(世田谷が先かも知れないしな)。
6月中は停滞していたが(②)、7月に入ると爆増した(③)。
新宿区独自の検査方針で、濃厚接触者を片っ端から検査して、無症候性キャリアのあぶり出しを行ったわけだな。
しかし、その後、新宿区の感染者数は減少を始める。
一時的なピークはあるものの、トレンドとしては減少し続けている。
一方、この時期に世田谷区はピークを迎えている。
東京都全体としては、8月上旬にピーク越えをした感じだ。
が、よく見ると大田区、杉並区では最近(8月中旬)になって感染者の増加傾向が見られる。
市中感染が継続していて、都心の繁華街から周辺地域に広がりつつあるのかも知れないし、新たなクラスターを核にして、地域固有の感染が拡大し始めているのかも知れない(各区内での感染状況の情報は殆ど出ない)。
こういう話になると、保健所の生データを見ないと、発生地の住所や感染経路などは分からんしな(香港では感染場所を建物レベルで公開しているようですが)。
(前例無き事態には類似の経験の活用を:香港の知恵に学ぶ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/05/11/9245633
「(Latest Situation of Coronavirus Disease (COVID-19) in Hong Kong:マップ上に感染者一人一人の発生場所がプロットされる!)
https://chp-dashboard.geodata.gov.hk/covid-19/en.html」
行政当局が、どこまで把握し、具体的な対策(営業自粛や休業要請、感染対策の徹底指導など)に結び付けているかは知らない。
濃厚接触者確認アプリであるココアの感染者番号通知でさえ満足に行えない状況の中で、世界最大級のメガシティでの流行は深く静かに進行し続けている。
このまま、第2波が収まるのか、引き続き第3波に移行していくのかは分からない。
一つだけハッキリしているのは、第1波に比べて第2波の感染者数がアットーテキに多いという点だな。
検査数の増加、対象の拡大が影響していることは明らかだが、市中感染(感染経路不明)が広がっていることが気になる。
感染制御がうまくいかなくなると、集団免疫の話がニュースになるという珍現象もあるしな。
我が国の感染者は既に5万人を超え、このままいけば中国(8万人台)を追い越すことはまず間違いない。
今年の初めころには、そんなことになるとは夢想だにしなかったからな。
夏になれば、コロナの勢いも収まるのではないかなどと、根拠なき希望も持っていたが、あっさりと裏切られた。
お盆休みの影響が分かるのは、10日から2週間後になると言われている。
8月末頃の話だ。
やれやれ・・・。
既に、浮沈子的関心は第3波の時期と規模、流行拡大の特性に移っている。
第2波では表面化しなかった海外からの流入かも知れないし、最大の懸念でもある若年層(10歳未満)からの感染拡大かも知れない。
短い夏休みが終わり、学校が本格的に始まって、ウイルスにとってウハウハな環境は整っている。
冬には、免疫の低下と共に更なる流行が起こることは分かり切っている。
その前に、秋の大流行が起こるのかどうか。
現政権は、舌噛んでも2度目の緊急事態宣言は行わないだろう。
ココアの普及がそのカギだと言われているが、それを信じる者は誰もいない。
もちろん、ないよりマシだが、正常に機能しない状況が繰り返されれば、普及などおぼつかない。
夏だしな。
マスク外して歩き回る人もいるしな。
熱中症で亡くなる方の方が多いからな(都内では、屋内で亡くなる方が多いそうです)。
今年の夏は、特別の夏だ。
暑く、息苦しい夏・・・。
冷房をギンギンに効かせた部屋で、爆食三昧の夏(減量はどうなったんだあ?)。
今日は、昨日頑張り過ぎたので、完全休養にしてしまった。
免疫を高めるとか言って、爆食爆睡!。
新型コロナも使いようか・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(日本感染症学会 尾身会長「流行はピークに達したとみられる」)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200820/k10012576501000.html
「東京や沖縄、大阪などでは医療機関への負荷が大きい状況が続いているが、今の流行は全国的にはだいたいピークに達した」
問題は、次の流行ということか・・・。
結論から言えば、まだ分からないというのが正直なところだ。
しかし、新規確認感染者数自体は確実に減少しているし、重症者だって増えてはいるものの第1波の時とは異なる。
検査数自体を抑制していた第1波と異なり、ある程度検査の範囲を広げてきたことが感染者数の増加につながっていることは間違いない。
無症候性キャリアからの感染を公式に認めてこなかった初期の見解は過去のものとなり、今では未発症段階からの隔離(準じる対応を含む)が当たり前になった。
浮沈子は、公表され始めた3月末からの区市町村別感染者の動向を追っているが、先日、7日間合計のグラフをクラッシュさせてしまって、仕方なく合計や話題の新宿区、都内最大の人口を有する世田谷区、浮沈子が棲息する大田区などをプロットし直した。
東京都全体の傾向からは見えない、重箱の隅をつつくようなグラフを見ながら、ああでもないこうでもないと考えるのは楽しい(死の転帰となることもある疾病で楽しむのは不謹慎かもな)。
重症化して苦しんでいる患者さんもいるわけだからな。
まあいい。
で、見えてきたのは、5月中旬以降、一度は終息の気配を見せていた感染者が、6月初旬から徐々に増え始めているということだ。
世間では、新宿区の繁華街(歌舞伎町界隈)が取りざたされているが、グラフの立ち上がりは世田谷区も同時であることが確認できる(①)。
本当のトリガーが何だったのかは不明ということだ(世田谷が先かも知れないしな)。
6月中は停滞していたが(②)、7月に入ると爆増した(③)。
新宿区独自の検査方針で、濃厚接触者を片っ端から検査して、無症候性キャリアのあぶり出しを行ったわけだな。
しかし、その後、新宿区の感染者数は減少を始める。
一時的なピークはあるものの、トレンドとしては減少し続けている。
一方、この時期に世田谷区はピークを迎えている。
東京都全体としては、8月上旬にピーク越えをした感じだ。
が、よく見ると大田区、杉並区では最近(8月中旬)になって感染者の増加傾向が見られる。
市中感染が継続していて、都心の繁華街から周辺地域に広がりつつあるのかも知れないし、新たなクラスターを核にして、地域固有の感染が拡大し始めているのかも知れない(各区内での感染状況の情報は殆ど出ない)。
こういう話になると、保健所の生データを見ないと、発生地の住所や感染経路などは分からんしな(香港では感染場所を建物レベルで公開しているようですが)。
(前例無き事態には類似の経験の活用を:香港の知恵に学ぶ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/05/11/9245633
「(Latest Situation of Coronavirus Disease (COVID-19) in Hong Kong:マップ上に感染者一人一人の発生場所がプロットされる!)
https://chp-dashboard.geodata.gov.hk/covid-19/en.html」
行政当局が、どこまで把握し、具体的な対策(営業自粛や休業要請、感染対策の徹底指導など)に結び付けているかは知らない。
濃厚接触者確認アプリであるココアの感染者番号通知でさえ満足に行えない状況の中で、世界最大級のメガシティでの流行は深く静かに進行し続けている。
このまま、第2波が収まるのか、引き続き第3波に移行していくのかは分からない。
一つだけハッキリしているのは、第1波に比べて第2波の感染者数がアットーテキに多いという点だな。
検査数の増加、対象の拡大が影響していることは明らかだが、市中感染(感染経路不明)が広がっていることが気になる。
感染制御がうまくいかなくなると、集団免疫の話がニュースになるという珍現象もあるしな。
我が国の感染者は既に5万人を超え、このままいけば中国(8万人台)を追い越すことはまず間違いない。
今年の初めころには、そんなことになるとは夢想だにしなかったからな。
夏になれば、コロナの勢いも収まるのではないかなどと、根拠なき希望も持っていたが、あっさりと裏切られた。
お盆休みの影響が分かるのは、10日から2週間後になると言われている。
8月末頃の話だ。
やれやれ・・・。
既に、浮沈子的関心は第3波の時期と規模、流行拡大の特性に移っている。
第2波では表面化しなかった海外からの流入かも知れないし、最大の懸念でもある若年層(10歳未満)からの感染拡大かも知れない。
短い夏休みが終わり、学校が本格的に始まって、ウイルスにとってウハウハな環境は整っている。
冬には、免疫の低下と共に更なる流行が起こることは分かり切っている。
その前に、秋の大流行が起こるのかどうか。
現政権は、舌噛んでも2度目の緊急事態宣言は行わないだろう。
ココアの普及がそのカギだと言われているが、それを信じる者は誰もいない。
もちろん、ないよりマシだが、正常に機能しない状況が繰り返されれば、普及などおぼつかない。
夏だしな。
マスク外して歩き回る人もいるしな。
熱中症で亡くなる方の方が多いからな(都内では、屋内で亡くなる方が多いそうです)。
今年の夏は、特別の夏だ。
暑く、息苦しい夏・・・。
冷房をギンギンに効かせた部屋で、爆食三昧の夏(減量はどうなったんだあ?)。
今日は、昨日頑張り過ぎたので、完全休養にしてしまった。
免疫を高めるとか言って、爆食爆睡!。
新型コロナも使いようか・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(日本感染症学会 尾身会長「流行はピークに達したとみられる」)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200820/k10012576501000.html
「東京や沖縄、大阪などでは医療機関への負荷が大きい状況が続いているが、今の流行は全国的にはだいたいピークに達した」
問題は、次の流行ということか・・・。
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