スターリンクの打ち上げを読む:V1L12の打ち上げが延期になった暇つぶし2020年09月29日 10:36

スターリンクの打ち上げを読む:V1L12の打ち上げが延期になった暇つぶし


筋肉痛と戦いながら、動く度にウンウンうなっている。

辛いが、気分は晴れやかだ。

自分にとって、テック45の講習がどれ程負担になっていたかが分かる。

解き放たれた幸せな時間。

籠の扉が開き、大空を飛び回る喜び・・・。

ちと、大げさか。

まあいい。

ファルコン9の打ち上げが延期になり、かねて考えていたスターリンク衛星の打ち上げについてまとめておく。

<参照した打ち上げ記録>----------

イーロンXには、該当する記事のリンクが示されている。

(SPACEXの発売の概要)
https://www.elonx.cz/prehled-startu/

もちろん、スペースXは、今のところ金儲けにならないスターリンクばかり打ち上げてるわけじゃないから、このなかから、ピックアップしてみる。

(Starlink-1ミッション:2019年5月24日:チェコ時間)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-1/

「開始日: 24。5。2019 04:30 CEST
開始ウィンドウ: 90分(開始ウィンドウとは)
ステータス:ミッションは成功しました
静的点火:場所14. 5. 2019 at 04:15 CEST(静的点火とは)
一次ペイロード: SpaceXのStarlinkインターネットコンステレーション用の60の第1世代衛星
貨物の重量: 1つの衛星の重量は227 kgであるため、総重量は13,620kgになります。
ロケット:ファルコン9 v1.2ブロック5(第1ステージ番号B1049.3)
ターゲット:低地球軌道(高度440 km)
開始ランプ: SLC-40(ケープカナベラル空軍基地、ケープカナベラル、フロリダ州)
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY海上プラットフォーム
カバーを捕まえる試み:水に着陸した後、カバーの両方の半分がうまく釣り上げられました」

(プレスキットへのリンク:Starlink-1)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink_press_kit_v2.pdf

「- 00:38:00 SpaceX Launch Director verifies go for propellant load
- 00:35:00 RP-1 (rocket grade kerosene) loading underway
- 00:35:00 1st stage LOX (liquid oxygen) loading underway
- 00:16:00 2nd stage LOX loading underway
- 00:07:00 Falcon 9 begins engine chill prior to launch
- 00:01:00 Command flight computer to begin final prelaunch checks
- 00:01:00 Propellant tank pressurization to flight pressure begins
- 00:00:45 SpaceX Launch Director verifies go for launch
- 00:00:03 Engine controller commands engine ignition sequence to start
- 00:00:00 Falcon 9 liftoff
00:01:13 Max Q (moment of peak mechanical stress on the rocket)
00:02:31 1st stage main engine cutoff (MECO)
00:02:34 1st and 2nd stages separate
00:02:41 2nd stage engine starts
00:03:33 Fairing deployment
00:06:43 1st stage entry burn complete
00:08:17 1st stage landing
00:08:46 2nd stage engine cutoff (SECO-1)
00:46:11 2nd stage engine restarts
00:46:14 2nd stage engine cutoff (SECO-2)
01:02:14 Starlink satellites begin deployment」

以下の打ち上げは、浮沈子が気になるポイントだけ引用しておく。

(Mise Starlink v1-1:11. 11. 2019)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-1/

「静的点火:あり
1段目:B1048.4
ターゲット:低地球軌道(高度280 km、傾斜53°)
開始ランプ: SLC-40
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY
カバーをつかもうとしました:失敗」

(プレスキットへのリンク:Starlink v1-1)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink_v1-1.pdf

「00:60:43 Starlink satellites begin deployment」

(Mise Starlink v1-2:7. 1. 2020)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-2/

「静的点火:あり
第1ステージB1049.4
ターゲット:低地球軌道(高度290 km、傾斜53°)
開始ランプ: SLC-40
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY
カバーをキャプチャしようとしました: 失敗(残りの半分は意図的に水に着陸しました)」

(プレスキットへのリンク:Starlink v1-2)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink_v1-2.pdf

「00:61:03 Starlink satellites begin deployment」

(Mise Starlink v1-3:2020年1月29日)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-3/

「静的点火:あり
第1ステージB1051.3
ターゲット:低地球軌道(高度290 km、傾斜53°)
開始ランプ: SLC-40
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY
カバーをキャプチャする試み:半分はネットに着陸し、残りの半分はわずかにネットを逃しました」

(プレスキットへのリンク:Starlink v1-3)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink_v1-3.pdf

「01:01:48 Starlink satellites begin deployment」

(Mise Starlink v1-4:2020年2月17日)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-4/

「静的点火:あり
第1ステージB1056.4
ターゲット:低地球軌道(220 km x 393 km x 53°)
開始ランプ: SLC-40
ステージ着陸の試み: 失敗、OCISLY
カバーをキャプチャしようとします:はい、しかし両方の半分がネットを逃しました」

(プレスキットへのリンク:Starlink v1-4)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink_v1-4.pdf

「00:14:46 Starlink satellites begin deployment」

(Mise Starlink v1-5:2020年3月18日)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-5/

「静的点火:あり
第1ステージB1048.5
ターゲット:低地球軌道(軌道約210 km x 366 km x 53°)
打ち上げランプ:LC-39A
ステージ着陸の試み: 失敗、OCISLY
カバーをキャプチャしようとします:はい、両方の半分はネットにヒットしませんでしたが、その後水から釣り上げられました」

(プレスキットへのリンク:Starlink v1-5)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink_v1-5.pdf

「00:14:48 Starlink satellites begin deployment」

(Mise Starlink v1-6:2020年4月22日)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-6/

「静的点火:あり
第1ステージB1051.4
ターゲット:低地球軌道(軌道約210 km x 366 km x 53°)
打ち上げランプ:LC-39A
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY
カバーをキャッチしよう:いいえ、カバーは水から取り出されたばかりです」

(プレスキットへのリンク:Starlink v1-6)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink_v1-6.pdf

「00:14:51 Starlink satellites begin deployment」

(Mise Starlink v1-7:4. 6. 2020)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-7/

「静的点火:あり
第1ステージB1049.5
ターゲット:低地球軌道(軌道約210 km x 366 km x 53°)
開始ランプ: SLC-40
ステージ着陸の試み: 成功、JRTI
避難所を占領する試み:損傷していない半分と損傷した1つが港に運ばれました」

(プレスキット(非公式)へのリンク:Starlink v1-7)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-7-press-kit.pdf

「00:14:54 Starlink satellites begin deployment」

(Mise Starlink v1-8:2020年6月13日)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-8/

「静的点火:実行されません
一次貨物:スターリンク衛星コンステレーション用の別の58の衛星
二次貨物:惑星からの3つのSkySat16-18衛星
貨物の重量:各Starlink衛星の重量は260 kg、各SkySatの重量は110 kg
第1ステージB1059.3
ターゲット:低地球軌道(軌道約213 km x 367 km x 53°)
開始ランプ: SLC-40
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY
カバーをつかもうとします:はい、両方の半分」

(プレスキット(非公式)へのリンク:Starlink v1-8)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-8-press-kit.pdf

「00:12:34 SkySat-18 deployment
00:13:04 SkySat-17 deployment
00:13:34 SkySat-16 deployment
00:26:00 Starlink satellites deploy」

(Mise Starlink v1-9:7. 8. 2020)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-9/

「静的点火:あり
一次負荷:スターリンク衛星コンステレーションの57衛星
二次ペイロード: 2つのBlackSkyグローバル衛星
貨物の重量:各Starlink 衛星の重量は260 kg、BlackSky衛星の重量はそれぞれ56 kg
第1ステージB1051.5
目的:低地球軌道(データなし)
打ち上げランプ:LC-39A
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY
カバーをキャプチャしようとしました:両方の半分がネットを逃しました」

(プレスキット(非公式)へのリンク:Starlink v1-9)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-9-press-kit_updated.pdf

「01:01:33 Global 7 deployment
01:06:48 Global 8 deployment
01:33:00 Starlink satellites deploy」

(Mise Starlink v1-10:2020年8月18日)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-10/

「静的点火:あり
一次貨物:スターリンク衛星コンステレーション用の別の58の衛星
二次貨物:惑星からの3つのSkySat19-21衛星
貨物の重量:各Starlink衛星の重量は260 kg、各SkySatの重量は110 kg
第1ステージB1049.6
目的:低地球軌道(データなし)
開始ランプ: SLC-40
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY
カバーをキャプチャしようとします:はい、半分はネットに着陸し、もう半分は水に着陸しました」

(プレスキット(非公式)へのリンク:Starlink v1-10)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-10-press-kit.pdf

「00:12:32 SkySat-21 deployment
00:13:02 SkySat-20 deployment
00:13:32 SkySat-19 deployment
00:45:57 Starlink satellites deploy」

(Mise Starlink v1-11:2020年9月3日)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-11/

「静的点火:実行されません
第1ステージB1060.2
目的:低地球軌道
打ち上げランプ:LC-39A
ステージ着陸の試み: 成功、OCISLY
カバーをキャプチャしようとします:はい、しかし両方の半分が破壊されました」

(プレスキット(非公式)へのリンク:Starlink v1-11)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-11-press-kit.pdf

「00:14:47 Starlink satellites deploy」

おまけ

(Mise Starlink v1-12:?)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-12/

「静的点火:実行されません
第1ステージB1058.3
目的:低地球軌道
打ち上げランプ:LC-39A
ステージ着陸の試み:はい、OCISLY
カバーをつかもうとします:おそらくそうです。両方の半分」

(プレスキット(非公式)へのリンク:Starlink v1-12)
https://www.elonx.cz/docs/press_kits/starlink-v1-12-press-kit.pdf

「01:01:24 Starlink satellites deploy」

またおまけ

(Mise Starlink v1-13:?)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-13/

「静的点火:通常、開始の数日前に行われますが、常に実行されるとは限りません
第1ステージB1051.6
目的:低地球軌道
打ち上げランプ:LC-39A
ステージ着陸の試み:おそらくはい、OCISLYまたはJRTI
カバーをつかもうとします:おそらくはい、両方の半分」

またまたおまけ

(Mise Starlink v1-14:?)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-v1-14/

「静的点火:通常、開始の数日前に行われますが、常に実行されるとは限りません
一部はすでに第1段階で使用
目的:低地球軌道
開始ランプ: SLC-40
ステージ着陸の試み:おそらくはい、OCISLYまたはJRTI
カバーをつかもうとします:おそらくはい、両方の半分」

(以上、引用終わり)

<投入軌道の変化など>----------

最終的にスターリンク衛星(最初期の軌道)が回る軌道は、高度550kmの円軌道だ。

軌道傾斜角は53度。

自前の推進機があるスターリンク衛星は、デプロイされた軌道からえっちらおっちらそこまで登っていくわけだな。

そのデプロイされる際の高度等は、打ち上げ毎に変化してきている。

Starlink-1:低地球軌道(高度440 km):01:02:14
v1-1:低地球軌道(高度280 km、傾斜53°):00:60:43
v1-2:低地球軌道(高度290 km、傾斜53°):00:61:03
v1-3:低地球軌道(高度290 km、傾斜53°):01:01:48
v1-4:低地球軌道(220 km x 393 km x 53°):00:14:46
v1-5:低地球軌道(軌道約210 km x 366 km x 53°):00:14:48
v1-6:低地球軌道(軌道約210 km x 366 km x 53°):00:14:51
v1-7:低地球軌道(軌道約210 km x 366 km x 53°):00:14:54
v1-8:低地球軌道(軌道約213 km x 367 km x 53°):
00:12:34 SkySat-18 deployment
00:13:04 SkySat-17 deployment
00:13:34 SkySat-16 deployment
00:26:00 Starlink satellites deploy
v1-9:低地球軌道(データなし):
01:01:33 Global 7 deployment
01:06:48 Global 8 deployment
01:33:00 Starlink satellites deploy
v1-10:低地球軌道(データなし):
00:12:32 SkySat-21 deployment
00:13:02 SkySat-20 deployment
00:13:32 SkySat-19 deployment
00:45:57 Starlink satellites deploy
v1-11:低地球軌道(データなし):00:14:47
v1-12:低地球軌道(データなし):01:01:24

相乗り衛星がある時は別だが、当初、440kmでデプロイしていたのが280kmから290km程度に変わり(いずれも打ち上げから60分程度)、さらに210kmから220kmでの早期の投入(15分弱)になってきたことが分かる。

しかしだ、今回のV1L12では、投入時間を見る限り、再び290km程度の高度でデプロイしようとしている。

ちょっち、注目だな。

ある意味、元に戻っているわけで、その理由は不明だ。

今後の打ち上げで、どうなるかが見ものだな。

<1段目の静的点火と回収状況など>----------

Starlink-1:B1049.3:あり(静的点火):SLC-40:成功、OCISLY
v1-1:B1048.4:あり:SLC-40:成功、OCISLY
v1-2:B1049.4:あり:SLC-40:成功、OCISLY
v1-3:B1051.3:あり:SLC-40:成功、OCISLY
v1-4:B1056.4:あり:SLC-40:失敗、OCISLY
v1-5:B1048.5:あり:LC-39A:失敗、OCISLY
v1-6:B1051.4:あり:LC-39A:成功、OCISLY
v1-7:B1049.5:あり:SLC-40:成功、OCISLY
v1-8:B1059.3:なし:SLC-40:成功、OCISLY
v1-9:B1051.5:あり:LC-39A:成功、OCISLY
v1-10:B1049.6:あり:SLC-40:成功、OCISLY
v1-11:B1060.2:なし:LC-39A:成功、OCISLY
v1-12:B1058.3:なし:LC-39A:OCISLY
v1-13:B1051.6:LC-39A
v1-14:B1049.7(ペトルメレチンの予想:初の7回目の再使用):SLC-40

使用される1段目は全て再使用だが、一番のお古というわけでもないようだ(整備ローテーションの関係か)。

スターリンクでの使用回数:
B1048:2回(2度目の回収で失敗)
B1049:5回(予定分含む)
B1051:4回(予定分含む)
B1056:1回(回収失敗)
B1058:1回(予定分含む)
B1059:1回
B1060:1回

整備に2か月弱掛かり、月に2回から3回打ち上げるということなら、少なくとも5機の1段目を回していかなければならない。

現在のスターリンク打ち上げ艦隊:
B1049(通算7回使用:予定含む)
B1051(通算6回使用:予定含む)
B1058(通算3回使用:予定含む)
B1059(通算4回使用)
B1060(通算2回使用)
(できれば、もう1機欲しいところだ。)

まあ、スターリンク打ち上げに特化してローテーションしていくわけでもないしな(B1059はスターリンク使用後に顧客に提供されている)。

(最初の段階の概要:1段目の使用状況をまとめた便利ページ)
https://www.elonx.cz/prehled-raketovych-stupnu/

これを見ると、非活性のB1050(たぶん、もう飛べない)、ファルコンヘビーのサイドブースターのB1052、B1053を除けば、中古品(飛行実績品?)は、全てスターリンクに投入されている。

静的点火で注目すべきは、V1L8では、相乗り衛星があるにも関わらず、静的点火を行っていない点だな(B1059.3:3回目の使用時)。

しかし、同じ相乗り衛星のスカイサットのV1L10では静的点火を行っている(B1049が6回目と使い込んでいるからか)。

V1L13(B1051.6)がどうなるかに注目だな。

なお、5回目の使用だったV1L9(B1051.5)でも静的点火を行っている(5回以上ならやるのかも知れない)。

ドローン船は全てOCISLYが使用されている(今回のV1L12では、JRTIと差し替えの結果)。

1段目回収の失敗(2回)に、他の要素が絡んでいるようには見えない。

両方とも、静的点火は行っているし、発射台はSLC-40とLC-39Aで異なる。

「失敗の理由は、予想とは異なる風に遭遇したため、ステージが意図的に着陸の試みを中断したためです。したがって、それはミサイルの技術的な失敗ではなく、海のプラットフォームの保護でした。」(v1-4)

「最初のステージのMerlin 1Dエンジンの1つが故障し、ステージが分離される前に途中でシャットダウンしたため、着陸に失敗しました。ステージは着陸の準備を続け、最初の点火も実行しましたが、着陸は最終的に失敗しました。Elon Muskは、この任務中のエンジン故障の原因は少量のイソプロピルアルコールであり、それがセンサーチューブに閉じ込められたままで、飛行中に発火したと説明しました。」(v1-5)

まあ、そういうことにしておこうか。

<フェアリングの回収>----------

後は、フェアリングの回収だが、波任せ風任せ的要素が強く(たぶん)、イーロンXの既述も安定していないので列挙に留める。

Starlink-1:水に着陸した後、カバーの両方の半分がうまく釣り上げられました
v1-1:失敗
v1-2:失敗(残りの半分は意図的に水に着陸しました)
v1-3:半分はネットに着陸し、残りの半分はわずかにネットを逃しました
v1-4:はい、しかし両方の半分がネットを逃しました
v1-5:はい、両方の半分はネットにヒットしませんでしたが、その後水から釣り上げられました
v1-6:いいえ、カバーは水から取り出されたばかりです
v1-7:損傷していない半分と損傷した1つが港に運ばれました
v1-8:はい、両方の半分(結果未記載)
v1-9:両方の半分がネットを逃しました
v1-10:はい、半分はネットに着陸し、もう半分は水に着陸しました
v1-11:はい、しかし両方の半分が破壊されました

スターリンクでは、完全な回収には一度も至っていない。

まあ、どうでもいいんですが。

<まとめ>----------

ざっと眺めてみたが、今回(V1L12)の投入軌道以外に、これといった注目点は見当たらなかった。

静的点火の実施が、どういう基準で行われているのかは分からないが、相乗りとは無関係な気もする。

最近の例では、1段目の使用回数との因果関係がありそうな気もするな。

使用回数5回未満→行わない
5回以上→念のため行う

今後の運用状況に注目だな。

スターリンクは自社事業だ。

打ち上げコストの最小化がシビアに求められる。

顧客に提供する打ち上げサービスとは、異なる面が出てくるかもしれない。

その点で、今後とも注視していく必要があるかも知れないな・・・。

科学には勝利も敗北もない:宇宙開発と新型コロナ2020年09月29日 12:59

科学には勝利も敗北もない:宇宙開発と新型コロナ
科学には勝利も敗北もない:宇宙開発と新型コロナ


(スペースシャトル爆発事故のドキュメンタリーは、NASAの「官僚主義」という危機を浮き彫りにした:番組レヴュー)
https://wired.jp/2020/09/27/netflixs-challenger-is-a-gripping-look-at-nasa-in-crisis/

「勝利を収めるのは政治やプライドではなく、科学であるべきなのです」

記事の末尾の発言に違和感を覚える。

確かに、どれ程安全を宣言しようとも、宇宙に行くこと、宇宙という環境そのもの、更には、そこからの帰還に危険が伴うこと、その危険が半端ないものであることは疑う余地がない。

だから、科学に基づき、しかるべき判断をすべきだという議論は一見もっともらしい。

だが、科学は判断のための材料を提供してくれても、判断はしてくれない。

リスクがゼロと100の間にある以上、最後は非科学的要素を加味して、一見合理的に見える理屈をつけて判断するしかない。

チャレンジャー事故では、スケジュール優先の官僚主義、予定通りの打ち上げを行う下請け企業へのプレッシャー、寒冷下でのオーリングの劣化のデータ不足(その影響も含めて)が悲劇を生んだ。

摂氏10度以下でのオーリングのデータが十分蓄積され、吹きだした炎が外部燃料タンクを焼き尽くす可能性が高いと分かっていれば、判断は異なったに違いない。

オーリングは、360度全周に渡り影響を及ぼすが、たまたま漏れ出た場所が悪かっただけかもしれないし・・・。

判断は、常に不十分な科学データに基づき行われる。

現代の科学は、未来を完全には予測できないからな。

不確実性が伴う。

だが、その中で判断を繰り返して、リスクを妥当な範囲に抑え込んで我々の社会は動いている。

インフルエンザで毎年何万人も死んでいることは容認できても、新型コロナで1000人死んだら大騒ぎだ。

論理的には、ワクチンも治療法もあるインフルエンザの被害が多い方が容認できない気がするんだがな。

まあ、どうでもいいんですが。

科学に勝利も敗北もない。

それは、事実の究明と、その背後にあるらしい真実(仮想のモデル)の発見のプロセスに過ぎない。

その時代と状況の中で、概ね誰もが認める成果についても、時代と共に、状況が変われば異なる評価を得ることになる。

昔は、太陽が地球を回っているということで、何の不都合もなかったし、ニュートンの古典力学でも宇宙船を飛ばすことは出来る。

しかし、現代では、地球が宇宙の中心だなどといったら変人扱いだし、GPSは相対性理論なくしては成立しえない。

その相対性理論だって、極微の世界では通用しないし、宇宙の起源を説明することは出来ない。

妥当な適応範囲の下で、現実的な解を与えてくれる便利な道具ということに尽きる。

そして、現実の判断の中で、それが提供してくれるデータは、常に不足している。

ロックダウンを続ければ、やがて経済は破綻し、自殺者が増え、新型コロナの死者を上回る結果を導くから、ウィズコロナの時代を生きざるを得ないというが、ロックダウンしながら経済が回る世の中を作ろうという話は聞かない(通販で生活するにしても、物流は人間が動かしている)。

自殺者が増えるというのは、世の中が悪いからではないのか。

来月から、海外からの人的受け入れも拡大するというし、我が国は感染拡大に向かって大きく舵を切ろうとしている。

科学的にはおかしな話に違いないが、それが我々の選択だ。

オーリングの破れによるトーチが、わが身に降りかからないことを願うばかりだな。

まあいい。

抗体価の低下や再感染が明らかになり、集団免疫の成立に疑問符が付き、ワクチンの効き目にも疑いが持たれ始めている。

我々は、究極的には新型コロナと共生していかなければならない。

どんな形での共生になるかは分からないが、インフルエンザと同じようになる可能性は高い。

免疫期間は短く、ワクチンの効き目は限定的で、毎年繰り返し打つ必要があり、治療法は限られ、高齢者やハイリスク集団にとっては致命度が高いやっかいな疾病を引き起こす。

器質的な不可逆的後遺症を残す点では、若年層を含めた感染でも油断はできない。

今のところ、マスクを着け、3密を避け、手洗いをこまめにすることくらいしか手はない。

科学は、まだ十分な成果を提供しているとは言えない。

それでも、我々は現実の中で決定していかなければならない。

今日、出かけるべきか否か。

宇宙船を打ち上げるべきか否か。

賭けに勝てば勝利であり、負ければ敗北だ。

それは科学に与えられるものではなかろう?。

世界の指導者は、概ね民主的手続きによって選ばれている(そうなのかあ?)。

我々の未来は、我々が決める。

今の状況は、その反映に過ぎない。

過去の決定の積み重ねの結果だ。

それを受け入れた上で、次の決定をし続けることになる。

スペースシャトルは、コロンビアで再度過ちを繰り返した。

我々は学ばなかったのだ・・・。

<以下追加>----------

(SpaceXスターリンクの打ち上げはラストセカンドスクラブに苦しんでいます、ULAは次の[更新:ダブルスクラブ])
https://www.teslarati.com/spacex-starlink-12-launch-scrub-ula-up-next/

有人宇宙飛行じゃないし、一刻を争う理由もないので単純に比較はできないが、たまたま報道されたニュースの中に、スペースシャトルに対する言及があった。

「「打ち上げ」または「ゴーフィーバー」という用語は、元々、NASAの壊滅的なスペースシャトルの失敗の両方の主な原因である打ち上げに対する無責任な経営上の圧力を表すために口語化されました。」( The term “launch” or “go fever” was originally colloquialized to describe the irresponsible managerial pressure to launch largely responsible for both of NASA’s catastrophic Space Shuttle failures.)

「SpaceXの一部(ほとんどではないにしても)は、ほぼ確実に打ち上げの遅延を回避したいと考えています。同社が引き続きスターリンクの打ち上げ遅延を受け入れ、ファルコン9の制限を尊重しているという事実は、SpaceXが打ち上げのリズムとロケットの再利用の限界を押し広げながら、打ち上げ熱を防ぐ方法を見つけたことを強く示唆しています。」

イケイケどんどん症候群に陥らずに、冷静に科学に基づいて判断しているということか(CEOの不規則発言は、とてもそうとは思えないがな)。

別記事によれば、デルタ4ヘビーも何度目かの打ち上げ延期を食らっている。

前回の地上施設の不具合に対応したと思ったら、今回は落雷だそうだ。

天変地異というところか。

打上げ圧力に屈せず、完璧な条件が整うまで、両機とも地上待機が続く。

そういえば、正副大統領が臨席したクルードラゴンデモ2フライトも、確か1回延期になっている。

(マネージャーは、次のクルードラゴンの打ち上げの試みを決定する際に天候のオッズを比較検討します)
https://spaceflightnow.com/2020/05/29/mission-managers-weigh-weather-odds-in-deciding-next-crew-dragon-launch-attempt/

「水曜日のクルードラゴンのデモ2テスト飛行の最初の打ち上げの試みは、指定された打ち上げ時間の20分以内に雷の脅威によってこすり落とされました。」

「ドナルド・トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領は水曜日の打ち上げの試みのためにケネディ宇宙センターにいました。」

打上げは、周知のとおりその週の土曜日に行われた(正副大統領も再度臨席)。

躊躇なき延期に拍手喝采だな・・・。