火星の毒水:金星に負けてなるものか:火星人対金星人の泥仕合の行方 ― 2020年10月01日 00:13
火星の毒水:金星に負けてなるものか:火星人対金星人の泥仕合の行方
<はじめに>
火星人:
概ね火星探査に熱心な業界人:自分は地球外生命探査のメジャーだと自任している(そうなのかあ?)。
金星人:
ここ何十年か干されてひねくれてしまった業界人:ホスフィンの発見で潮目が変わったと攻勢に出ている(やっぱ無理筋じゃね)。
その他:
エウロパ、エンケラドゥス、タイタンなど、外惑星の衛星での地球外生命探査を、自分が生きているうちに是非やりたいと願っている。
<本文>
長年、火星の陰に隠れ、日の目を見なかった金星が、ホスフィンの発見でにわかに脚光を浴びた直後、満を持して公開された火星の南極の地下に湖があり、液体の水を満々とたたえているという話・・・。
(火星の地下に複数の湖が存在か、幅20キロに広がる毒性の水)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/093000569/?P=1
「湖が一つだけポツンとあるのではなく、水系が存在すると思われます」
この話には前日譚があり、数年前から取りざたされている。
(火星に「液体の水でできた湖」が存在する証拠が見つかる:2年前の記事)
https://gigazine.net/news/20180726-mars-liquid-water-lake/
「液体の状態にある水が存在している証拠がイタリアの研究チームの分析によって明らかに」
どうやら、マーズエクスプレス繋がりのネタのようだ。
(火星の地下に塩水の湖がいくつも存在することが判明、生命が発見できる可能性が高まる)
https://gigazine.net/news/20200929-mars-subsurface-salty-lakes/
「2018年に見つかった火星の南極の氷底湖は、2012年から2015年の間に実施されたわずか29回の観測で特定されたものであることから、オロセイ氏らは発見を裏付ける証拠とすべく、さらなる観測を実施。2012年から2019年までの合計134回の観測で得られたデータセットを元に、前回より広範囲な捜索を行いました。」
「その結果、前回見つかった直径約30キロメートルの氷底湖の周囲に、直径数キロメートルの氷底湖が3つ存在していることが、新たに判明」
「私たちは今回、以前よりはるかに強い自信を持っています。我々はより多くの観測を行っただけでなく、以前とは全く異なる方法でデータを処理しました」
発表直後だからな。
どういう評価になるかは今後の議論を待たなければならないが、さっそく突っ込みが行われている。
「地球の海の5倍程度の塩分濃度なら生命を維持することができますが、もし海水の20倍程度の濃度になると、もはや生命は存在できないでしょう」
「氷帽の下に、液体の塩水を維持できるような熱の流れがあるとは思えないので、私は氷底湖は存在しないと思います。あったとしても、湿った堆積物で、湖というのは誤解を招く表現ではないでしょうか」
NASAの火星探査計画マーズ・リコネサンス・オービターの一員であるアリゾナ大学の惑星科学者ジャック・ホルト氏のコメントだが、自分ちの衛星のレーダーで見つけられなかった悔しさがにじみ出ていて、いい味出してる・・・。
(火星の地下に複数の湖が存在か、幅20キロに広がる毒性の水:2ページ目)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/093000569/?P=2
「米アリゾナ大学の火星研究者ジャック・ホルト氏は、新しいデータは以前のものよりも説得力はあるものの、観測結果をチームが正しく解釈したかどうかは疑問だとしている。というのも、別の探査機マーズ・リコネッサンス・オービターのレーダー装置は、この明るい領域をとらえていないのだ。こちらの装置は観測している周波数が異なるため、堆積層の底まで見通せない可能性はある。しかし、そうだとしても湖ほどの強い反射は見えるはずだと、ホルト氏は言う。」
ギリギリという歯ぎしりが聞こえてきそうだな。
「マーシスがその付近で観測した同様の明るい領域に関しても、その正体が何なのか説明されていない。こちらは氷床の端の方まで広がっているが、これが液体であれば氷床の端から外へ流れ出ているはず」(マーシス:MARSIS:マーズエクスプレスに搭載されたレーダー観測装置)
「彼らの理論を適用すれば、氷河の端に沿って水が湧き出るはずですが、それは観測されていません」
他にも、誘電率が低すぎたり、液体として存在するための熱源など、突っ込みどころは満載だ。
火星の謎は深まるばかり。
金星に説明不能の化学物質がちょろっと見つかったくらいで、地球外生命の王座を明け渡すわけにはいかない。
「もしそれが液体の水であれば、面白いことになりそうです」
「私たちは皆、液体の水であってほしいと思っているはずです」
いいだろう。
液体の水が、今も火星にあるとして、だからどうだというのだ。
地球外生命に懐疑的な浮沈子は、この手の話に乗るわけにはいかない。
とてもとても、地球型生命が生きられるような環境でないことは確かだ。
そして、過去にどれ程の水があったにせよ、そこで生命が誕生したプロセスを解明することは不可能だ。
火星は、数千万キロの彼方にあり、数億キロの彼方に遠ざかりつつある(今年の再接近は10月6日だから遠ざかるのはしばらくしてからだな)。
ワケワカの探査機の観測器では、現在の環境を解き明かすことさえままならない。
我々は、地球という紛れもなく生命に満ち溢れた星に住み、欲しいままその環境を理解できる立場にいる。
にも拘らず、科学は地球生命の起源を解き明かすことさえできない。
地球で理解出来ないことが、なぜ火星でできるなどと考えるのか。
火星にあると分かっているのは過塩素酸塩が溶解している毒性の高い水だ。
地球型生命は、そこで生き長らえることはできない。
現在の火星は、少なくとも生命を育める環境ではない。
その環境を理解し、星の歴史を紐解くことは重要だ。
しかし、それは地球外生命探査とは別の話だ。
浮沈子は、穴掘りインサイトに好意的だ。
たった5mの穴を掘るのに、2年間も苦労している。
微笑ましいな。
この探査機は、地球外生命の探索など毛ほども行わない。
ひたすらに地震を計測し、穴が掘れた暁には地下の熱流量を測る(ジミーな話だ)。
反射器を使って、惑星の歳差運動を計測したりしたかもしれない(未確認)。
真に科学的な理解のために、ほこりをかぶっていた探査機(ロッキードマーチン制作)を掘り出して(そうだったかな)、なんとか2018年の打ち上げに乗せた(浮沈子の勘違いで、お古の探査機を使ったのはフェニックスでした)。
色気もなければ食い気もない。
火星という星を知る。
ただ、それだけのための探査機だ。
そこに火星人がいようがいまいが関係ない。
その潔さが爽やかだな。
金星探査だって、そういう観点から見直すべきだ。
上空の雲の中にプローブを飛ばすのはいいが、そこにいるはずのない有機体を見つけようなどとは思わないことだな。
ホスフィンの生成よりも、はるかに複雑な化学進化を説明できなければ、地球外生命の存在を前提にした議論などできっこないだろう?。
(解説:金星の大気中に生命が存在か、ホスフィンを検出)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c47b4f3f19135362881698802e5c6f074d56fff
「金星の表面環境に生命が存在するとの仮説は非現実的だが、金星の雲となると話は全く別だ」
地球外生命探査は、正しい惑星探査(衛星でもいいですが)を駆逐しつつある。
それは、毒だ。
他の天体の理解をゆがめ、不毛な議論を掻き立て、大衆に阿って、なけなしの予算を獲得しようという浅ましい行為だ(そうなのかあ?)。
火星の極冠の下に、液体の水があるかも知れないという知見は重要だ。
かつて、水の惑星だった火星の姿を思い描くことができる。
その水の中に、生命が満ち溢れていたかどうかとは別に、美しい星の姿を想像させてくれることで、大衆は満足しなければならない。
火星人の存在に関わらず、美しいものは美しいのだ。
金星も、かつては水の惑星だったかもしれない(未確認)。
鉛も溶ける灼熱地獄は、温暖化が進む地球の未来を暗示している。
もっとも、地球温暖化など出まかせだという話もあるけどな。
(テスラのイーロン・マスクCEOは「温暖化は存在しない」と語るトランプ大統領に投票する可能性がある)
https://gigazine.net/news/20200930-elon-musk-climate-crisis-trump/
「「温暖化は存在しない」と考えるトランプ大統領」
イーロンマスクにとっては、黒い猫でも白い猫でも、自分の事業を支援してくれるネコがいい猫というわけか(米国大統領はネコではありませんが)。
まあいい。
地球外生命探査と、それ以外の惑星(衛星)探査は峻別すべきだろう。
搭載する観測機器の選定、探査機全体の計画、地球からの天文観測などとの連携、シリーズ化に伴う制約など、生命探査を外せば随分シンプルになりそうな気がするがな。
毒水の中に生命を見つけようと大枚をはたくより、その毒水の由来、現状の探査に全力を尽くすべきだろう。
地中の石ころにショボいペグをはじき返されながら、シコシコと穴を掘るインサイトこそ、惑星探査の王道だ。
火星の地上に無事に着陸た探査機は、数える程しかない。
月面はともかく、火星となると国家規模の金がかかるからな。
そういう地道な探査を途絶えさせてはならないのだ。
浮沈子がどう思おうが、人類はやがて火星に辿り着くだろう(帰ってこられるかどうかは別ですが)。
ぐるっと回って戻るところまでは可能かもしれない(結構、寿命縮まりそうですが)。
そこに降り立ち、時を過ごし、再び地球に帰還することはない。
そこが人類の地平だ。
その先(例えば木星圏とか)に進むことはない(断定的!)。
なぜなら、惑星探査が進めば進むほど、そこに地球外生命などいないことが明らかとなり、また、人類が移住するには過酷過ぎることが分かり、ついこの間までの金星探査のように見捨てられていくに違いないからだ。
技術的限界ではなく、関心の欠如が限界を決める。
業界は、そのことをよく分かっている(NASA長官がホスフィンの話に、間髪を入れずにコメントした理由もそこにある:たぶん)。
人類の知的好奇心は、宇宙の果てのゴミのような天体ではなく、近所のスーパーの特売と、せいぜいスマホゲームや倍返しのテレビドラマ止まりだからな(そんなあ!)。
宇宙をいくらほっつき歩いたとしても、どれだけ星の地面や大気の中を突いてみても、生命のカケラすら見つけられなければ、関心は急速に薄れていき、地球低軌道の衛星コンステレーションの実利的利用以外に興味は無くなるのだ。
いつか、スターリンク衛星のバイザーだって、取っ払われてしまうに決まっている(そうなのかあ?)。
星空は、インターネット衛星会社のもので、天文愛好家のものじゃない。
ああ、自分で書いていて嫌になってきたけどな。
パラオからヘレンツアーに出かけた時に、夜中にデッキに上がって、人工衛星が時折星空を横切るのを横になりながら眺めた。
降るような天然の星々の光を縫って、人工の星の光が通り過ぎていく。
手を伸ばせば届きそうだが、何百キロも彼方の宝石だ(値段も高そうだしな)。
やがては、うるさいほど低軌道衛星が見えるようになるに違いない。
低軌道を周回する衛星だけが、人類の放った星になるというのは悲しい(たぶん、静止軌道は満員御礼だろうが、肉眼では見えないしな)。
他の惑星や衛星を探査する話が、直ちになくなるとは思えないけど、いつかそんな日が来るような気がしてならない。
我々が、地球外生命の幻に踊らされ、それに引きずられて探査機を飛ばし続ければ、いつかそうなる。
遠い未来の話だ。
浮沈子が、それを目にすることはないだろうけどな・・・。
<はじめに>
火星人:
概ね火星探査に熱心な業界人:自分は地球外生命探査のメジャーだと自任している(そうなのかあ?)。
金星人:
ここ何十年か干されてひねくれてしまった業界人:ホスフィンの発見で潮目が変わったと攻勢に出ている(やっぱ無理筋じゃね)。
その他:
エウロパ、エンケラドゥス、タイタンなど、外惑星の衛星での地球外生命探査を、自分が生きているうちに是非やりたいと願っている。
<本文>
長年、火星の陰に隠れ、日の目を見なかった金星が、ホスフィンの発見でにわかに脚光を浴びた直後、満を持して公開された火星の南極の地下に湖があり、液体の水を満々とたたえているという話・・・。
(火星の地下に複数の湖が存在か、幅20キロに広がる毒性の水)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/093000569/?P=1
「湖が一つだけポツンとあるのではなく、水系が存在すると思われます」
この話には前日譚があり、数年前から取りざたされている。
(火星に「液体の水でできた湖」が存在する証拠が見つかる:2年前の記事)
https://gigazine.net/news/20180726-mars-liquid-water-lake/
「液体の状態にある水が存在している証拠がイタリアの研究チームの分析によって明らかに」
どうやら、マーズエクスプレス繋がりのネタのようだ。
(火星の地下に塩水の湖がいくつも存在することが判明、生命が発見できる可能性が高まる)
https://gigazine.net/news/20200929-mars-subsurface-salty-lakes/
「2018年に見つかった火星の南極の氷底湖は、2012年から2015年の間に実施されたわずか29回の観測で特定されたものであることから、オロセイ氏らは発見を裏付ける証拠とすべく、さらなる観測を実施。2012年から2019年までの合計134回の観測で得られたデータセットを元に、前回より広範囲な捜索を行いました。」
「その結果、前回見つかった直径約30キロメートルの氷底湖の周囲に、直径数キロメートルの氷底湖が3つ存在していることが、新たに判明」
「私たちは今回、以前よりはるかに強い自信を持っています。我々はより多くの観測を行っただけでなく、以前とは全く異なる方法でデータを処理しました」
発表直後だからな。
どういう評価になるかは今後の議論を待たなければならないが、さっそく突っ込みが行われている。
「地球の海の5倍程度の塩分濃度なら生命を維持することができますが、もし海水の20倍程度の濃度になると、もはや生命は存在できないでしょう」
「氷帽の下に、液体の塩水を維持できるような熱の流れがあるとは思えないので、私は氷底湖は存在しないと思います。あったとしても、湿った堆積物で、湖というのは誤解を招く表現ではないでしょうか」
NASAの火星探査計画マーズ・リコネサンス・オービターの一員であるアリゾナ大学の惑星科学者ジャック・ホルト氏のコメントだが、自分ちの衛星のレーダーで見つけられなかった悔しさがにじみ出ていて、いい味出してる・・・。
(火星の地下に複数の湖が存在か、幅20キロに広がる毒性の水:2ページ目)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/093000569/?P=2
「米アリゾナ大学の火星研究者ジャック・ホルト氏は、新しいデータは以前のものよりも説得力はあるものの、観測結果をチームが正しく解釈したかどうかは疑問だとしている。というのも、別の探査機マーズ・リコネッサンス・オービターのレーダー装置は、この明るい領域をとらえていないのだ。こちらの装置は観測している周波数が異なるため、堆積層の底まで見通せない可能性はある。しかし、そうだとしても湖ほどの強い反射は見えるはずだと、ホルト氏は言う。」
ギリギリという歯ぎしりが聞こえてきそうだな。
「マーシスがその付近で観測した同様の明るい領域に関しても、その正体が何なのか説明されていない。こちらは氷床の端の方まで広がっているが、これが液体であれば氷床の端から外へ流れ出ているはず」(マーシス:MARSIS:マーズエクスプレスに搭載されたレーダー観測装置)
「彼らの理論を適用すれば、氷河の端に沿って水が湧き出るはずですが、それは観測されていません」
他にも、誘電率が低すぎたり、液体として存在するための熱源など、突っ込みどころは満載だ。
火星の謎は深まるばかり。
金星に説明不能の化学物質がちょろっと見つかったくらいで、地球外生命の王座を明け渡すわけにはいかない。
「もしそれが液体の水であれば、面白いことになりそうです」
「私たちは皆、液体の水であってほしいと思っているはずです」
いいだろう。
液体の水が、今も火星にあるとして、だからどうだというのだ。
地球外生命に懐疑的な浮沈子は、この手の話に乗るわけにはいかない。
とてもとても、地球型生命が生きられるような環境でないことは確かだ。
そして、過去にどれ程の水があったにせよ、そこで生命が誕生したプロセスを解明することは不可能だ。
火星は、数千万キロの彼方にあり、数億キロの彼方に遠ざかりつつある(今年の再接近は10月6日だから遠ざかるのはしばらくしてからだな)。
ワケワカの探査機の観測器では、現在の環境を解き明かすことさえままならない。
我々は、地球という紛れもなく生命に満ち溢れた星に住み、欲しいままその環境を理解できる立場にいる。
にも拘らず、科学は地球生命の起源を解き明かすことさえできない。
地球で理解出来ないことが、なぜ火星でできるなどと考えるのか。
火星にあると分かっているのは過塩素酸塩が溶解している毒性の高い水だ。
地球型生命は、そこで生き長らえることはできない。
現在の火星は、少なくとも生命を育める環境ではない。
その環境を理解し、星の歴史を紐解くことは重要だ。
しかし、それは地球外生命探査とは別の話だ。
浮沈子は、穴掘りインサイトに好意的だ。
たった5mの穴を掘るのに、2年間も苦労している。
微笑ましいな。
この探査機は、地球外生命の探索など毛ほども行わない。
ひたすらに地震を計測し、穴が掘れた暁には地下の熱流量を測る(ジミーな話だ)。
反射器を使って、惑星の歳差運動を計測したりしたかもしれない(未確認)。
真に科学的な理解のために、ほこりをかぶっていた探査機(ロッキードマーチン制作)を掘り出して(そうだったかな)、なんとか2018年の打ち上げに乗せた(浮沈子の勘違いで、お古の探査機を使ったのはフェニックスでした)。
色気もなければ食い気もない。
火星という星を知る。
ただ、それだけのための探査機だ。
そこに火星人がいようがいまいが関係ない。
その潔さが爽やかだな。
金星探査だって、そういう観点から見直すべきだ。
上空の雲の中にプローブを飛ばすのはいいが、そこにいるはずのない有機体を見つけようなどとは思わないことだな。
ホスフィンの生成よりも、はるかに複雑な化学進化を説明できなければ、地球外生命の存在を前提にした議論などできっこないだろう?。
(解説:金星の大気中に生命が存在か、ホスフィンを検出)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c47b4f3f19135362881698802e5c6f074d56fff
「金星の表面環境に生命が存在するとの仮説は非現実的だが、金星の雲となると話は全く別だ」
地球外生命探査は、正しい惑星探査(衛星でもいいですが)を駆逐しつつある。
それは、毒だ。
他の天体の理解をゆがめ、不毛な議論を掻き立て、大衆に阿って、なけなしの予算を獲得しようという浅ましい行為だ(そうなのかあ?)。
火星の極冠の下に、液体の水があるかも知れないという知見は重要だ。
かつて、水の惑星だった火星の姿を思い描くことができる。
その水の中に、生命が満ち溢れていたかどうかとは別に、美しい星の姿を想像させてくれることで、大衆は満足しなければならない。
火星人の存在に関わらず、美しいものは美しいのだ。
金星も、かつては水の惑星だったかもしれない(未確認)。
鉛も溶ける灼熱地獄は、温暖化が進む地球の未来を暗示している。
もっとも、地球温暖化など出まかせだという話もあるけどな。
(テスラのイーロン・マスクCEOは「温暖化は存在しない」と語るトランプ大統領に投票する可能性がある)
https://gigazine.net/news/20200930-elon-musk-climate-crisis-trump/
「「温暖化は存在しない」と考えるトランプ大統領」
イーロンマスクにとっては、黒い猫でも白い猫でも、自分の事業を支援してくれるネコがいい猫というわけか(米国大統領はネコではありませんが)。
まあいい。
地球外生命探査と、それ以外の惑星(衛星)探査は峻別すべきだろう。
搭載する観測機器の選定、探査機全体の計画、地球からの天文観測などとの連携、シリーズ化に伴う制約など、生命探査を外せば随分シンプルになりそうな気がするがな。
毒水の中に生命を見つけようと大枚をはたくより、その毒水の由来、現状の探査に全力を尽くすべきだろう。
地中の石ころにショボいペグをはじき返されながら、シコシコと穴を掘るインサイトこそ、惑星探査の王道だ。
火星の地上に無事に着陸た探査機は、数える程しかない。
月面はともかく、火星となると国家規模の金がかかるからな。
そういう地道な探査を途絶えさせてはならないのだ。
浮沈子がどう思おうが、人類はやがて火星に辿り着くだろう(帰ってこられるかどうかは別ですが)。
ぐるっと回って戻るところまでは可能かもしれない(結構、寿命縮まりそうですが)。
そこに降り立ち、時を過ごし、再び地球に帰還することはない。
そこが人類の地平だ。
その先(例えば木星圏とか)に進むことはない(断定的!)。
なぜなら、惑星探査が進めば進むほど、そこに地球外生命などいないことが明らかとなり、また、人類が移住するには過酷過ぎることが分かり、ついこの間までの金星探査のように見捨てられていくに違いないからだ。
技術的限界ではなく、関心の欠如が限界を決める。
業界は、そのことをよく分かっている(NASA長官がホスフィンの話に、間髪を入れずにコメントした理由もそこにある:たぶん)。
人類の知的好奇心は、宇宙の果てのゴミのような天体ではなく、近所のスーパーの特売と、せいぜいスマホゲームや倍返しのテレビドラマ止まりだからな(そんなあ!)。
宇宙をいくらほっつき歩いたとしても、どれだけ星の地面や大気の中を突いてみても、生命のカケラすら見つけられなければ、関心は急速に薄れていき、地球低軌道の衛星コンステレーションの実利的利用以外に興味は無くなるのだ。
いつか、スターリンク衛星のバイザーだって、取っ払われてしまうに決まっている(そうなのかあ?)。
星空は、インターネット衛星会社のもので、天文愛好家のものじゃない。
ああ、自分で書いていて嫌になってきたけどな。
パラオからヘレンツアーに出かけた時に、夜中にデッキに上がって、人工衛星が時折星空を横切るのを横になりながら眺めた。
降るような天然の星々の光を縫って、人工の星の光が通り過ぎていく。
手を伸ばせば届きそうだが、何百キロも彼方の宝石だ(値段も高そうだしな)。
やがては、うるさいほど低軌道衛星が見えるようになるに違いない。
低軌道を周回する衛星だけが、人類の放った星になるというのは悲しい(たぶん、静止軌道は満員御礼だろうが、肉眼では見えないしな)。
他の惑星や衛星を探査する話が、直ちになくなるとは思えないけど、いつかそんな日が来るような気がしてならない。
我々が、地球外生命の幻に踊らされ、それに引きずられて探査機を飛ばし続ければ、いつかそうなる。
遠い未来の話だ。
浮沈子が、それを目にすることはないだろうけどな・・・。
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