これこそ王道:生命の起源を探る困難で細い道2020年10月06日 09:19

これこそ王道:生命の起源を探る困難で細い道
これこそ王道:生命の起源を探る困難で細い道


ワレワレハコドクデハナイ・・・。

(ワレワレハコドクデハナイ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/08/20/8946239

「地球に現れた生命という化学反応系は、宇宙の中での一瞬の花火だ。
宇宙の歴史の中で、二度と起こらないかもしれない。
その希少な時間を過ごしている我々は、孤独といえば孤独だ。
過去に、そんなことが起こったこともないし、地球生命が滅びれば、宇宙は沈黙が支配する。
親もいなければ、子もない。
われわれは、正しく宇宙の孤児だろう。」

2年前のこの与太ブログの記事だが、本当にそうなのかどうかを義経の糊作り的に調べようという話が上がっている。

(「生命の起源」をアルゴリズムで解き明かす試み)
https://gigazine.net/news/20201005-algorithm-six-molecules-evolve-life/

「水や窒素などの基本的な分子からどのようにして生命のような複雑な分子が生まれるのか」

「ポーランド科学アカデミーの研究チームは、「基本的な分子同士が組み合わさった場合に誕生する分子」をシミュレートするという研究を行いました。」

つまり、計算機の中で化学反応を追試し、それらしき化合物が出来上がるかどうかを調べるという、気の遠くなるような話だ。

「誕生する可能性のある「生命の起源につながる分子」を特定する」

DNAでも出来てくれたら大金星なんだろうが、今はとても、そんな段階ではない。

「生命の起源に重要なクエン酸(左の構造式)と尿酸(右の構造式)に至るまでの反応経路」

ショボ・・・。

「今回の研究によって、初期の地球に豊富に存在した6種類の分子から生命の起源につながる分子も誕生しうるものの、ほとんどの場合では生命の起源につながらない分子が生まれるということが示唆されています。」

神様は、常に正しいから偉いのではなく、無数の失敗を犯すことができるから偉いわけだ(そうなのかあ?)。

まあ、現在の地球生命が失敗ではないと言えるかどうかは別の話だがな。

「分子を合成するシミュレートなどの人間が不慣れな分野においてはコンピュータープログラムが活躍する」

浮沈子は、この手の研究が生命の起源を探る王道のような気がする。

鬼のように計算資源を要求し、生命の誕生に至る細い道を探る。

ただやみくもに突き進むのではなく、AIを駆使して脈のある反応経路を探索するのだ。

生命は、地球誕生から数億年以内には存在していることが分かっている。

別に、46憶年分を一気にシミュレートする必要はない。

生命同士や生命と環境との相互作用を解き明かす方が、生命の起源を解き明かすより困難であることは明らかだからな。

初めの数億年分の地球に於けるあらゆる反応系を調べることができれば、地球生命誕生のなぞを解き明かすことができる(たぶん)。

水素分子や酸素分子といった基本材料がどうやって生まれたのかとかは、物理学者に任せておけばいい。

宇宙に満ち溢れているありふれた分子から、生命の素がどうやって合成されたのかを再現できればいいのだ。

その反応経路を発見することができれば、我々は新たなステージに進むことができる。

二重らせんの発見に続く、画期的な発見だ。

既存の生命を真似っこして化学合成したDNAを、出来合いの細胞に移植して人工生命と謳う詐欺まがいの行為とは本質的に異なる。

(クレイグ・ヴェンター)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC

「2010年5月、ヴェンターが率いる科学者グループはいわゆる合成生命の作成に成功した初の例となった。 これはバクテリアの全ゲノムを含んだ非常に長い DNA 分子を合成し、別の細胞へ移植することによって為されたもの」

試験の時にカンニングした挙句、満点の答案に細工して、バレないようにしたようなもんだ(そんなあ!)。

悪質な話だが、生命の起源を解き明かそうとしたものではないのでいいことにしよう。

ありふれた分子(大昔の地球にあった)から、生命が生まれることを解き明かすことができると何がスゴイかって、それこそ人工的に生命を作り出すことができるだけでなく、地球と異なる環境で生命が誕生するかどうかを調べることもできるし、なぜ、この地球で1度、そしてただ1度だけ生命が誕生したのかを説明することも可能になるかも知れない。

ひょっとしたら、生命は何度も誕生し、ある系統だけが選択的に生き残ったということなのかもしれない。

それとも、単なる奇跡なのか。

化学進化を追試することで、生命の起源を解き明かそうという試みが成功するとは限らない。

ありとあらゆる反応をトレースしても、どうやっても生命の起源に辿り着くことができないかもしれないじゃないの。

それこそ大問題だ。

ワレワレハコドクデハナイどころか、論理的に存在しえないことになる。

ヤバいな・・・。

そう考えると、パンスペルミア説を直ちに捨て去ることはできない。

しかし、この宇宙で想定しうる環境では、計算上誕生するはずはないのだ・・・。

わかった!。

生命は、異なる宇宙から宇宙誕生の際に紛れ込んだ存在だったのかも知れない。

我々の宇宙の中で、それを検証することはできない。

そういうことなら、計算機でいくらグリグリしても、生命の起源に辿り着けない説明が付く(そういうことかあ?)。

物理学的に、そんなことがあり得るかどうかは知らない。

それを証明できなければ、何の説明にもならない。

定理の証明に、証明されていない別の定理を使うことになるからな。

やれやれ・・・。

まあいい。

化学進化のシミュレーションは、始まったばかりだ。

網羅的な探求でも、ありそうな経路を選択的に追及する方法でも何でもいい。

我々の宇宙の法則の範囲内で、生命の起源に辿り着く経路を発見できれば、間違いなくノーベル賞ものだし、発見者の名前を付けたノーベル賞に匹敵する新たなプライズが誕生するかもしれない。

他の惑星や衛星、どころか、他の恒星系での生命誕生の可能性を探ることも可能だ。

地球外生命探査のインフレーションが起こる可能性もある。

まあ、ポジティブな結果が出れば、の話だがな・・・。

生命の起源が解き明かされたとして、その先にあるのは進化の謎を本質的に明らかにすることだ。

合成生物学は、スクラッチから生命を書き上げることはできないでいる。

マネして、ちょろっと弄って、試行錯誤を重ねている。

生命の誕生が、神の試行錯誤の結果だとしたら、進化の過程はさらに複雑怪奇な話だ。

人工的に進化過程を作り上げるのは不可能かもしれない。

浮沈子的には、生命の起源なんて、それに比べたら簡単に解けそうな気もする。

生命は不思議に満ち溢れている。

つい最近(数百年くらい前?)まで、哲学的な、あるいは宗教的な話としてしか語られなかったことを、科学の言葉で語ることができるようになりつつある。

それでも、分からないことだらけで、業界はネタに困ることはない。

当分は、安泰ということだな・・・。